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【調味料ソムリエプロが厳選!】おすすめの「酒」をご紹介!

【調味料ソムリエプロが厳選!】おすすめの「酒」をご紹介!
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

執筆者
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

野菜ソムリエプロ・カレーマイスター・食養生士・料理研究家・調味料研究家・調理師 食と健康と美をテーマに、講師・講演・セミナー・料理レシピ・調味料紹介や批評、開発・コラムの執筆などを手がけ、テレビ・雑誌の出演多数、著書も多い。生活習慣病などの生活や食事アドバイスもしている。

日本酒は調味料として醤油やみりんとともに、日々の料理になくてはならないものです。最近は料理酒と呼ばれるものが増えてきましたが、日本酒と料理酒の違いはご存知でしょうか。

ほとんどのレシピでは「酒」としか書かれておらず、日本酒なのか料理酒なのか、特に指定はされていません。何となく、日本酒の方が美味しくなりそうだとか、料理に使うから料理酒だろうとか、名前から想像しても分かりづらいですよね。日本酒や料理酒の違いなどを考えてみましょう。

今回は、「酒」をテーマに解説します。

1.清酒(いわゆる日本酒)とは?

清酒は日本人の主食である米から造る伝統的な酒で、主に、米、米麹、水などを原料としています。

清酒は、「普通酒」と「特定名称酒」に分かれます。「特定名称酒」には主に、「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」の3種に分類されます。

1-1.普通酒

表示に、吟醸酒・純米酒・本醸造酒と書かれていなければ、それ以外は「普通酒」と考えて良いでしょう。スーパーマーケットやコンビニに並んでいる紙パック酒やカップ酒、居酒屋などで「日本酒」と書かれているものは、ほぼ同じです。価格も手ごろで、家飲みにもピッタリですが、いろいろ工夫した美味しい銘柄も数多くあります。

1-2.特定名称酒

特定名称酒とは以下のようなものを指します。

吟醸酒

主に、精米歩合60%以下に精米した米、米麹、水や醸造アルコールを原料に、吟醸造りという製法で造られている酒です。フルーティーな香りと、スッキリとしたライトな味わいが特徴です。精米歩合50%以下の「大吟醸酒」も、このグループに入ります。

精米歩合とは、精米(玄米から表層部を削った米)して、残った米の割合を%で表したものです。醸造アルコールを入れることで、香りや味のバランスを調整することができるといわれています。醸造アルコールの量は、使用する米の重量10%までです。吟醸造りとは、低温で長期間、じっくり発酵させる造り方です。

純米酒

主に、米や米麹、および水を原料にして造られた酒で、米だけで作られています。米の旨味やコクを感じられ、ふくよかな香りがするのが特徴です。それぞれ精米歩合等は違いますが、「純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」等が、このグループに入ります。

本醸造酒

主に、精米歩合70%以下の米や米麹、および醸造アルコールや水を原料にして造った酒です。米の旨味を生かした、すっきりとしたクセのない辛口の味わいが特徴です。

2.料理酒とは

料理酒とは、主に原料や製造方法を変えて、料理に向く味に作った以下のような酒のことです。先ほど、紹介した「清酒」を料理に使う場合もあります。

2-1.米と米こうじで作られた料理酒

清酒メーカーから販売されている料理酒の中には、食塩を加えず、米と米こうじのみで作られたものもあります。素材の味を生かしつつもコクや旨味を大事にしたい時には、おすすめです。

2-2.加塩料理酒

清酒に2%程度の塩分などを足して調味したものです。塩分を添加して「飲めない酒」にすることで、酒税がかからずに低価格になります。

加塩料理酒のポイント

一般的に料理レシピに書かれている「酒」は、食塩の入っていない清酒のことです。塩と加塩料理酒の両方を入れたり、料理酒を多量に使うと、料理が塩辛くなってしまうことがあるので、料理の味付けには気を付けましょう。

加塩料理酒を先に使うと、粒子の大きい砂糖は味が染み込みにくくなります。砂糖は加塩料理酒より先に加えましょう。

食塩は浸透圧が高いため、加塩料理酒入りの水に素材を浸けておくと、素材の旨味が溶け出してしまうことがあるので、長時間浸けるのは止めましょう。

2-3.甘味料等を加えた料理酒

また、塩だけではなく水あめやクエン酸などの甘味料や酸味料、旨味調味料などの副原料が含まれているものもあり、料理に使うことで味わいや旨味を深める効果があるとされています。

2-4.合成清酒

合成清酒は、清酒には該当しません。合成清酒は「銘酒」という清酒固有の表現が使われることも多いようです。合成清酒は「清酒」より風味が弱いともいわれています。

アルコールに、酸味料やアミノ酸などを加え、清酒の風味が出るように調整したアルコール飲料です。合成清酒には酒税がかかりますが、清酒よりも税率が低いので低価格になります。

2-5.その他の醸造酒、ビールやワインなど

白ワインは清酒と同じように使っても大丈夫ですが、香りや酸味が強いものは料理の風味を邪魔したり、酸味が強い味わいになったりするので、辛口で酸味が少ないものを使うのがおすすめです。

肉を煮込む時に程良い酸味と旨味のある赤ワインを加えれば、肉が柔らかくなったり、肉汁を閉じ込めてジューシーに仕上がります。ビールにも肉を柔らかくしてくれる効果があります。

一般に、料理に向くとされるのは、「醸造酒=清酒、ワイン、ビールなど」ですが、九州や沖縄では、焼酎や泡盛などの「蒸留酒」が肉や魚の臭み消しや風味づけに使われています。

3.料理に合う酒とは

清酒と料理酒には違いがあります。

清酒は雑味のないキリッとした味わいのものに人気があり、上等な清酒になるほど、精米歩合が高くなる傾向があります。これは米の芯だけで作ることで、すっきりと淡麗な味わいになるからです。

大吟醸酒や吟醸酒のような上等な日本酒を使っても、旨味を出すより、香りが邪魔をしてしまうこともあり、料理酒には向かないとされています。

料理に日本酒を使うなら、米の旨味が料理の味に深みを与えてくれる純米酒などがおすすめです。一方で、味わい深い上等な日本酒を料理に使うと、コクと旨味が増して美味しくなると、昔から言われているのも事実です。

大吟醸酒や純米大吟醸酒のような日本酒を飲みながら、同じ日本酒を使った料理を食べるのは相性が良いのは当たり前ですが、味わいや香りに深みを増し、料理のグレードが上がり、乙な味わいです。ご自身の好みに合った日本酒を見つけるのも楽しいものです。

料理酒は表層部を多く残した精米歩合の低い米を使用しているので、アミノ酸や有機酸等の旨味成分を残しています。これは米の外側に多く含まれています。

料理酒は料理に使うと臭みを消し、旨味を豊かにし、味わい深く仕上がります。ただし、大量に使う場合はこの旨味成分が邪魔になることがあったり、雑味が残り、香りが消されてしまう、ともいわれています。

4.酒の調理効果

加えるタイミングは、「さしすせそ」よりも前にいれましょう

4-1.旨味やコク付け

米由来のアミノ酸、旨味成分が豊富に含まれているので、料理に使うことで、コクや旨味がアップします。

4-2.素材に味が染み込む

酒に含まれるアルコールが素早く、均等に食材に浸透することで、旨味成分のアミノ酸や有機酸なども染み込みます。

4-3.魚や肉の臭みを消し、旨味を閉じ込める

肉や魚を蒸すときには、酒を少々ふってから蒸すと、酒に含まれるアルコールが熱により蒸発するときに、肉や魚などの臭みを飛ばしてくれます。

4-4.煮崩れ防止

酒を煮物や焼き物に使うと、たんぱく質の凝固を促進して表面を固めるので旨味を閉じ込めてくれます。ふっくらと香り良く仕上がります。

4-5.肉や魚を柔らかくする

肉を酒に浸したり、酒で煮ると、酒に含まれる酸の力で保水性が高くなり、柔らかくなります。

4-6.香りを付与

酒に含まれる糖類やアミノ酸は加熱することにより、料理に上品な香りを付けてくれます。

4-7.保存性を高める

アルコールには菌の増殖を抑制する働きがあります。食材の下処理などに使えば、保存性を高めてくれます。

4-8.魚の下ごしらえとして(玉酒)

玉酒とは、酒を同量の水で割ったものです。魚の下洗い等に使って、魚の臭みを取る時に使います。冷凍魚などをこの玉酒につけて解凍すると、旨味を閉じ込めて、おいしく解凍できます。魚の下ごしらえに。

4-9.煮切り酒として

煮切り酒とは、酒を一度沸騰させてアルコール分を飛ばすことです。他にアルコール分に火をつけて燃やす方法もあります。加熱しないで料理に使う場合に、アルコールが邪魔になる場合に行います。煮切り酒には、アルコール分は飛んでも、旨味やコク、風味は残っているので、料理が美味しくなります。和え物や酢の物に。

5.酒は健康にいい?

長い間、「酒は百薬の長」として、適量の酒は体に良いと親しまれてきました。厚生労働省は「健康日本21」で、一日の飲酒量は「日本酒1合(180ml)」が節度ある適度な飲酒量であると提案しています。

酒にはリラックス効果があったり、人とのコミュニケーションツールのひとつでもありますが、酒を使った料理や、枝豆、豆腐などをおつまみにゆっくりと食べながら、お酒と上手に付き合いましょう。

6.調味料ソムリエプロがおすすめ「酒」

ここからはおすすめの酒を紹介します。

雑賀 純米大吟醸 山田錦などの日本酒3種(株式会社九重雑賀・和歌山県)

雑賀 純米大吟醸 山田錦 720ml 2,145円(税込み)
  • 雑賀 純米大吟醸 山田錦 720ml 2,365円(税込み)
  • 雑賀 純米 山廃仕込   720ml 1,375円(税込み)
  • 錦郷 山廃仕込     1,800ml 2,145円(税込み)   

創業百余年、和歌山県にある株式会社九重雑賀です。どぶろくから純米大吟醸…、梅酒やノンアルコールリキュールまで、幅広いラインナップが揃い、国内外のコンクールで多くの賞を受賞するなど高く評価されている蔵元です。

初代は食酢の製造販売を手掛けましたが、その後、より良い食酢を造るには、主原材料である酒粕から一貫して造るべき、食事に合う日本酒を造りたい、さらに和歌山県はお寿司の発祥の地ともいわれ、酢と酒を醸す蔵として寿司に合う酒を造りたい。そんな思いから、発酵の技を生かして日本酒の製造を実現しました。

雑賀 純米 山廃仕込   720ml 1,265円(税込み)

よく酒の蓋を開けっ放しにしておくと、酢になる、といわれますが、食酢と酒を一緒に作っているメーカーはほとんどなく、管理と手間暇をかけることで熟成した美味しい酒ができあがります。

錦郷 山廃仕込     1,800ml 1,980円(税込み)

原材料は、良い素材こそが良いものづくりの基本だという考えの基、地元紀州の豊かな自然の中で、酒米から栽培して日本酒を造り、その酒粕から酢を造る、という「一貫造り」を行っています。お子さまやご家族が安心して食べられるように、すべての商品は厳選国産素材を使用し、保存料・化学調味料は使っていません。

米を知り、酒粕を知り、醸造を知り尽くした唯一無二のお酒です。

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★アサリの酒蒸しで日本酒比較

アサリの酒蒸し

アサリの酒蒸し:材料は、アサリ(120g)と酒(大さじ3)、万能ねぎ(適量)のみ

どれもアサリの臭みやクセはまったく感じられず、アサリの芳醇な香りと美味しさのとりこになりました。スープは磯の香りが楽しめて美味しい。

☆雑賀 純米大吟醸 山田錦 (純米大吟醸) 

上品な吟醸香と山田錦のお米の旨味、絶妙なキレのバランスが特徴です。アサリの酒蒸しは、さらっとした旨味と甘み、シャープな味わい、のどごしが良い。スープの色は澄んでいて淡い色合い。アサリの風味が秀でていて、まさに極上のアサリの酒蒸しの出来上がり!

☆雑賀 純米 山廃仕込 (純米酒)  

昔ながらの山卸廃止酛で仕込んだ純米酒です。山廃仕込ならではの複雑な香りとお米の旨味が特徴です。アサリの酒蒸しは、アサリの奥深い旨味を楽しめ、後々まで旨味が残る上品な味わい。実はふっくらとプリッとした仕上がり。スープの色合いはしっかりとした濃い目。

☆錦郷 山廃仕込 (普通種)  

伝統的な山廃仕込みの普通酒です。山廃仕込ならではの複雑な香りとしっかりとした味わい深さが特徴です。アサリの酒蒸しは、旨味や酸味、苦み、複雑な味わいが交差する濃厚な味わいが料理に深みを加えている。スープの色合いは3種類のなかでノーマル。

☆アサリの酒蒸し

大吟醸で作る ふっくらとアサリの風味が際立つ酒蒸し!

アサリ(砂抜きしたもの)200g、万能ねぎ適量、純米大吟醸酒50ml

  1. アサリは流水の下で殻をこすり合わせて洗い、水気をきる。
  2. フライパンにあさりを重ならないように広げて入れ、純米大吟醸を加える。
  3. ふたをして火をつけて強火にし、あさりにまんべんなく熱が通るように、時々フライパンを揺する。
  4. あさりの口が開いたら、器に盛り、小口切りした万能ねぎを散らす。

☆ブリの煮つけ

純米酒と調味料だけで水を使わない魚の煮つけ!

ブリ2切れ、オクラ(塩ゆで)4本

A:純米酒100ml、醤油、みりん、三温糖各大さじ2

  1. 鍋に、A)を入れてから火をつけて、三温糖が溶けるまで混ぜ合わせる。
  2. 沸騰しているところに、ブリを入れる。
  3. 落とし蓋をして、中火で6~7分ほど煮る。(落とし蓋は、アルミホイル等でもOK)
  4. 器に盛り付け、残った煮汁をかけ、オクラを添える。

☆肉野菜炒め

いつもの肉野菜炒めも、普通酒を2度使いすることで旨味がアップ!

豚肉(薄切り)60g、キャベツ 1/8個、にんじん3cm、しめじ1/2パック、オリーブ油大さじ1、塩、こしょう各少々

A):普通酒大さじ1、塩、こしょう各少々

A´):A)と同様に、普通酒大さじ1、塩、こしょう各少々

  1. 豚肉は3〜4cm幅に切り、キャベツはざく切り、にんじんは短冊切り、しめじは根元の部分を切ってほぐす。
  2. フライパンにオリーブ油(小さじ2)を中火で熱し、しめじと人参を入れて炒め、キャベツとA)を加えてサッと炒め合わせて取り出す。
  3. 2)のフライパンを拭いて、オリーブ油(小さじ1)と豚肉とA´)を入れて、ほぐしながら炒め合わせ、2)の野菜を戻し入れ、手早く混ぜ、火を止める。
  4. 器に盛る。

日の出 料理専用米だけの酒(キング醸造株式会社・兵庫県) 

米と米こうじだけで作り上げたアルコール分13度以上14度未満の本格志向の料理清酒で、食塩は添加していません。米は旨味を残すように磨いているので、米のコクや旨味が料理を引き立てます。肉や魚の臭みを消して風味良く仕上げてくれます。

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煎酒(銀座三河屋・東京都)

江戸時代の食卓には欠かせなかったのが煎酒です。日本酒にかつお節、紀州南高梅の梅酢を加えることで、濁りのない透明な美しい煎酒が出来上がります。かつお節の旨味と梅酢のさわやかな酸味と塩味が、料理の素材を生かしながら、贅沢な味わいに仕上げてくれます。卵かけご飯やお刺身、料理の隠し味に。

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