介護業界での転職を検討する際には、介護・福祉求人に特化した転職サイトを利用するのが効果的です。転職サイトによっては専門のキャリアアドバイザーが面談を行い、ご自身の市場価値を高めながらより良い条件の職場を探してくれるところもあります。
しかし求人数の多い介護業界では、転職サイトの数も非常に多く、どのサービスを選べば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。そこで今回のコラムでは、介護求人を扱う転職サイトの中でもおすすめの9社のサービスをご紹介します。ご自身に合った転職サイトの選び方やキャリアアップに役立つ資格についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
1.介護職におすすめな転職サイト10選
それでは早速、介護転職におすすめな転職サイトを10社ご紹介しましょう。それぞれのおすすめ度と公開求人数、サイトごとの特徴をまとめた表が下記になります。
なお、本記事で解説する公開求人数は、特に指定がない限り、2023年5月時点における非公開求人を含まないすべての職種の求人件数となります。参照元として公式ホームページに記載の求人数、または検索条件を指定せず求人検索した結果として表示される求人数から引用しています。
それぞれの転職サイトを詳しく解説していきます。
1-1.レバウェル介護
レバウェル介護は、人材派遣大手のレバレジーズグループに属する介護転職特化型の転職支援サービスです。キャリアアドバイザーと相談しながら職場探し・面接対策ができるのが特徴で、給与交渉の支援も受けることができます。利用中でも担当者の変更が可能で、相性の良いキャリアアドバイザーとともに転職活動に取り組むことができます。
施設形態や雇用形態など、詳細な条件に絞って求人を検索することも可能で、お持ちの資格・経歴を活かした職場が探しやすいのもメリットです。ただし、広島を除く中国・四国地方、北陸・甲信越地方はサービス対応外となっているため、お住まいのエリアによっては利用できない可能性があります。
運営会社 | レバレジーズメディカルケア株式会社 |
5段階評価 | ★★★★★ |
公開求人数 | 53,896件 |
特徴 | 口コミ評価が高く年間80万人の利用者を誇る大手転職エージェント |
1-2.かいご畑
かいご畑では、無資格・未経験からの転職でも、働きながら無料で資格を取得できる「キャリアアップ応援制度」を提供している転職サイトです。実務者研修・介護福祉士の対策講座が無料で受講可能で、介護転職でステップアップしたい方に適しています。未経験での介護転職を考える方にもおすすめで、資格取得も目指している方には最適な転職サイトとなるでしょう。
また、介護資格を持ったコーディネーターに相談しながら求人を探すことも可能で、転職に不安がある方のサポートも充実しています。就職支援センターの拠点は日本全国に設置されているほか、電話での相談にも対応しているため、まずは気軽に問い合わせてみると良いでしょう。
運営会社 | 株式会社ニッソーネット |
5段階評価 | ★★★★★ |
公開求人数 | 9,721件(2023年5月現在) |
特徴 | 無料で介護資格を取得できる「キャリアアップ応援制度」あり |
1-3.ジョブメドレー
ジョブメドレーは、医療・介護業界に特化した転職支援サービスを提供している転職サイトで、60日以上の勤続で「勤続支援金」を受け取れることが特徴です。会員登録を済ませることにより、事業所から直接スカウトが届くことがあり、ご自身のスキルや経歴にマッチした職場を探しやすいサービスとなっています。
各求人の内容も充実しており、先輩インタビューとして「職員の声」が掲載されていたり、施設の雰囲気を動画でチェックできる機能が搭載されていたりと、入職後のイメージを膨らませやすくなるような工夫が盛り込まれています。業界トップクラスの求人数を扱っていることから、理想の職場に出会いやすい転職サイトです。
運営会社 | 株式会社メドレー |
5段階評価 | ★★★★★ |
公開求人数 | 78,802件(2023年5月現在) (介護職/ヘルパー求人) |
特徴 | 量・質ともに業界トップクラスの求人を扱い、「勤続支援金」が受け取れる |
1-4.カイゴジョブ
カイゴジョブは、累計会員数140万人(2022年2月時点)を誇る業界大手の転職サイトで、60日以上勤続した方向けの「勤続支援金」も用意されています。詳細なこだわり条件を指定して求人を探すことが可能で、転職活動についての無料電話サポートが受けられるのも特徴です。
公開求人数は10万件以上を誇り、業界でもトップクラスの求人を扱っています。ハローワークに掲載の求人から検索することも可能で、幅広い選択肢の中から理想の転職先を選ぶことができます。気になった求人は「キープ」することで事業所からのスカウトが届く機能が利用できるため、まずは興味のある求人を探してみてはいかがでしょうか。
運営会社 | 株式会社エス・エム・エス |
5段階評価 | ★★★★★ |
公開求人数 | 112,647件 |
特徴 | 電話サポートと「勤続支援金」あり、累計会員数140万人で求人数もトップクラス |
1-5.マイナビ介護職
大手求人サイト「マイナビ」が、介護業界に特化したのがマイナビ介護職です。大手ならではの求人数と充実したサービス、豊富なお役立ちコンテンツが掲載されていることが特徴で、経験豊富なキャリアアドバイザーからの転職支援が受けられます。
取り扱いのある求人のうち約40%は非公開求人となっており、大手企業や人気企業の求人を紹介してもらえる可能性も高いです。電話・メールでのサポートを受けることもできるほか、全国21ヶ所の面談会場を利用することもできます。都市部の求人に強く好条件の職場に転職しやすいため、都市部の施設で働きたい方におすすめです。
運営会社 | 株式会社マイナビ |
5段階評価 | ★★★★☆ |
公開求人数 | 63,518件 |
特徴 | 大手の安心感とコンテンツ量が得られる都市部に強い転職エージェント |
1-6.介護ワーカー
介護ワーカーは、非公開求人の紹介や面接対策、入職後のサポートも受けられる転職エージェントです。公開求人数も9万件以上と豊富で、「夜勤なし」「未経験歓迎」などのこだわり条件で検索することができます。職種や施設形態など、業界の専門知識を持ったキャリアアドバイザーに相談しながら転職活動を進められるため、安心して仕事探しができるのがメリットです。
各地域を担当するキャリアアドバイザーが担当者としてついてくれるため、地域の施設事情や職場の雰囲気なども教えてもらえるのが利点です。丁寧な転職支援を受けながら、後悔のない転職活動を実現できるでしょう。
運営会社 | 株式会社トライトキャリア |
5段階評価 | ★★★★☆ |
公開求人数 | 94,622件 |
特徴 | 介護業界に精通した地域ごとのキャリアアドバイザーから転職支援を受けられる |
1-7.ことメディカル
関西地方の介護転職に特化したことメディカルは、各施設を一軒ごとに訪問し、地域に密着した転職支援を提供しているサービスです。対応エリアは京都・大阪・奈良・滋賀・兵庫の2府3県で、公開求人数の約3倍の非公開求人を掲載しているとされています。
関西地域においては業界トップクラスの求人件数を誇り、利用者からの口コミ評価も高いのが特徴です。応募書類の添削や面接対策、面接への同席にも対応しているため、安心して転職活動を進めることが可能です。関西エリアでの介護転職を検討している方は、ぜひ登録してみることをおすすめします。
運営会社 | 株式会社コムライズ |
5段階評価 | ★★★☆☆ |
公開求人数 | 8,722件 |
特徴 | 関西地方に特化したエリア内トップクラスの求人件数を誇る転職支援サービス |
1-8.介護JJ
介護JJ(介護ジャストジョブ)は、未経験・無資格からでも利用できる介護転職に特化した転職サイトです。入職後の職場レポートを提出、または知人の紹介により報酬が受けられる「介護職応援プロジェクト制度」を設けており、他の転職者の役に立つ情報を発信しながら収入を得ることも可能です。
職種・雇用形態・こだわり条件などで詳細に求人を検索することが可能ですが、公開求人の多くはハローワークに掲載されている求人となっています。好条件の非公開求人は、登録後の電話・メールで紹介を受けることができるため、まずは会員登録を済ませておくと良いでしょう。
運営会社 | 株式会社JJメディケアキャリア |
5段階評価 | ★★★☆☆ |
公開求人数 | 非公開 |
特徴 | 職場レポートや紹介により「介護職応援プロジェクト制度」が受けられる転職エージェント |
1-9.クリックジョブ介護
クリックジョブ介護は、LINEでの無料相談が利用できる転職エージェントです。豊富な非公開求人を掲載しており、高い利用者満足度を誇っている他、専任のエージェントが最初から最後までサポートしてくれるのが特徴です。月間利用者数は10万人を突破しており、口コミでの評価も高いサービスです。
各求人情報には、職場の雰囲気や先輩職員の人柄なども掲載されており、入職後のミスマッチを防げるのも大きなメリットです。応募書類の添削や面接対策など、充実した転職支援を受けながら好条件の職場を探したい方に向いています。
運営会社 | ライフワンズ株式会社 |
5段階評価 | ★★★☆☆ |
公開求人数 | 16,954件 |
特徴 | 月間利用者数は10万人、豊富な情報量を掲載する転職エージェント |
2.介護職向け転職サイト・エージェントの選び方
ここからは介護転職で利用する転職サイト・エージェントの選び方について、3つのポイントをご紹介します。
- 転職サポートの充実度で選ぶ
- 口コミ・評判をもとに選ぶ
- 転職エージェントは担当者との相性で選ぶ
それぞれ詳しく解説しましょう。
2-1.転職サポートの充実度で選ぶ
転職サイト・エージェントによって、転職支援サービスの内容が大きく異なるケースも少なくありません。入職後、一定期間勤め続けることにより支援金が受けられるサービスや、事業所での面接に同席してくれるサービスなどもあるため、ご自身にとって必要なサポートが得られる転職サイトを選ぶのが大切です。
2-2.口コミ・評判をもとに選ぶ
各転職サイト・エージェントの口コミ・評判をチェックして、安心して利用できるサービスかどうかを調べてみるのも効果的です。その際には公式ホームページの口コミだけではなく、SNS上でのリアルな評判も確認しておきましょう。ただし転職エージェントの場合、担当者との相性によって口コミの評価が大きく変動することがあるため、参考程度にチェックするのがおすすめです。
2-3.転職エージェントは担当者との相性で選ぶ
専任のキャリアアドバイザーがついてくれる転職エージェントを利用する際には、電話や面談での担当者との相性をチェックしておきましょう。転職エージェントによっては、キャリアアドバイザーの変更を受け付けているところもあるほか、複数の転職エージェントに登録することも可能なので、妥協することなく転職活動のパートナーを探すことが大切です。
3.介護転職で転職サイト・エージェントを使うメリット
介護転職では、転職サイト・エージェントを使う以外にも、ハローワークや知人の紹介を利用することも可能です。これらと比べて転職サイト・エージェントを使うメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 非公開求人から転職先を選べる
- 充実した転職サポートを受けられる
- 細かな条件を指定して求人を探せる
一つひとつ順番にご紹介していきます。
3-1.非公開求人から転職先を選べる
非公開求人を持つ転職サイト・エージェントであれば、ホームページ上に公開すると応募が殺到してしまうような人気求人・大手企業の求人を紹介してもらうことが可能です。非公開求人は、ハローワークや転職サイト上で一般公開されている求人よりも好条件・高待遇となる傾向があるため、年収アップを叶えたい方におすすめです。非公開求人の件数は、登録後でないと確認できないケースが多いため、なるべく多くの転職サイトに登録してみるのもおすすめです。
3-2.充実した転職サポートを受けられる
転職サイト・エージェントは、各施設や事業所からの手数料を得て運営されています。質の高い人材を紹介することにより、転職サイトの運営元に収益が発生する仕組みとなっていることから、転職希望者には充実した支援サービスを提供しているところが多いです。無料で介護資格の取得ができるサービスや、応募書類の添削・面接対策に対応しているサービスも多いため、無資格・未経験から介護転職を目指している方に適しています。
3-3.細かな条件を指定して求人を探せる
ワークライフバランスを重視する方や、福利厚生を重視する方など、転職希望者の多様なニーズに応えるために、細かな条件で求人検索ができるサービスも増えてきています。雇用形態や勤務地だけではなく、こだわりの条件を指定して求人を選ぶことができるのは、ハローワーク等にはないメリットです。専任のキャリアアドバイザーに希望条件を伝えることで、条件を満たした求人だけを紹介してもらえる利点もあります。
4.介護転職で転職サイト・エージェントを使うデメリット
介護転職で転職サイト・エージェントを利用する際には、そのデメリットも押さえておく必要があります。具体的には、以下の3つのデメリットに注意が必要です。
- 営業電話やメールが増える
- 地方の求人は少ない傾向
- 転職エージェントは担当者の質に左右される
それぞれの注意点を詳しく見ていきます。
4-1.営業電話やメールが増える
転職サイト・エージェントに登録すると、希望条件のヒアリングや求人の紹介のため、電話やメールの数が増える傾向にあります。複数の転職サイト・エージェントを併用しながら転職活動を進めることは効果的ですが、たくさんのサービスに登録してしまうと、重要な電話・メールを見逃してしまう可能性もあります。相性の良いキャリアアドバイザーが見つかったら、それ以外の転職サイトのメール配信を停止したり退会したりと、柔軟に使い分ける必要があります。
4-2.地方の求人は少ない傾向
転職サイト・エージェントに登録される求人は、施設や事業所の数に比例するため、地方の求人は少なくなる傾向にあります。転職エージェントの中には、地方での転職に対応していないケースもあり、都市部以外での転職活動では不便に感じることもあるかもしれません。地方での介護転職を希望する場合には、地域密着型の転職サイトやハローワークも併用することをおすすめします。
4-3.転職エージェントは担当者の質に左右される
転職エージェントを利用する場合には、専任のキャリアアドバイザーがついてくれることが多いですが、担当者によって力量に差があることも少なくありません。ご自身との相性の問題もあるため、転職活動が成功するかどうかはキャリアアドバイザーの質に左右されるところが大きいです。希望すれば担当者の変更ができるサービスも多いので、相性が悪いと感じたら早めに変更を申し出ましょう。
5.介護転職のキャリアアップにおすすめな資格
介護転職での年収アップやキャリアアップを目指す場合には、転職活動と並行して資格の取得を目指すのがおすすめです。介護転職では、以下のような資格があると求人探しで有利となります。
- 介護職員初任者研修・実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 社会福祉士
- 理学療法士
それぞれの資格の内容についてご紹介しましょう。
5-1.介護職員初任者研修・実務者研修
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)は、介護職を始めるにあたって基礎的な知識を身につけられる資格です。介護施設での業務の中には、この資格がなければ担当できない仕事もあるため、取得しておくと転職先の幅が大きく広がります。
実務者研修は、初任者研修の上位版の資格であり、後述する「介護福祉士」の受験に欠かせない資格でもあります。介護業界でステップアップを目指す方に人気の資格で、好条件の求人に応募できる可能性も高まります。
5-2.介護福祉士
介護福祉士は、介護関連の資格の中で唯一の国家資格です。3年以上の実務経験と実務者研修を修了していることが受験資格となっており、介護業界で経験を積んだ方がさらなる高待遇を目指すために受験するケースが多いです。人材不足の介護業界の中では、介護福祉士を持った人材が重宝される傾向にあるため、責任ある立場と高収入が約束されることでしょう。
5-3.ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護を必要とする方が介護保険サービスを受ける際に必要な、ケアプランを作成するスタッフです。受験資格として、規定の国家資格または相談援助業務において、5年以上かつ900日以上実務に従事することが挙げられます。受験資格を満たした方が「介護支援専門員実務研修受講試験」を受験・合格した後、「介護支援専門員実務研修」を修了して各都道府県に登録を済ませることで、ケアマネジャーとして働くことができます。直接介護に携わるわけではないため、体力に自信がない方でも働きやすいのがメリットです。
5-4.社会福祉士
社会福祉士は「ソーシャルワーカー」 とも呼ばれる、社会福祉を専門とする国家資格です。身体的・精神的な障がいを持つ方に対する生活相談を行う職種で、高齢者や子ども、生活困窮者などの支援にも携わります。医療施設や地域包括支援センターで働く方が多いですが、特別養護老人ホームなどの介護施設でも求人募集がされています。資格取得には「社会福祉士国家試験」に合格する必要があり、大学や短大で指定科目を履修することが受験資格となるため、ご自身が受験資格を満たせるかどうか事前にチェックしておきましょう。
5-5.理学療法士
理学療法士は「PT」とも呼ばれるリハビリ専門の国家資格で、大学・短大などの養成校において3年以上学ぶことで受験資格が得られます。怪我・病気などで身体的な障がいを持つ方に対して、症状の回復・維持や悪化の予防のために、医学的なリハビリを実施します。医療施設や介護施設に勤務するケースが多く、スポーツの現場などでも活躍の機会が広がっています。
6.失敗しない介護転職のための5つのポイント
入職後のミスマッチを防ぎ、介護転職を成功させるためには、以下の5つのポイントを押さえておくことが大切です。
- 夜勤の有無をリサーチする
- 施設見学で人間関係をチェックする
- 深刻な人手不足ではないかを確認する
- 介護施設ごとの特徴を理解しておく
- 複数のサービスを併用して転職活動を行う
一つひとつわかりやすくご説明します。
6-1.夜勤の有無をリサーチする
介護転職においては、夜勤の有無をチェックしておくことが必須です。ワークライフバランスを重視したい方は夜勤が発生しないこと、または収入アップを目指したい方は夜勤を任せてもらえることを充分に確認しておきましょう。夜勤の有無をチェックしないまま転職した場合、入職後にトラブルに発展するケースも少なくないため、キャリアアドバイザーや事業所に対して問い合わせておきましょう。
6-2.施設見学で人間関係をチェックする
施設の雰囲気や職場の人間関係については、求人情報からは読み取れない情報のひとつです。入職前の施設見学を受け付けている場合には、積極的に利用して職場の雰囲気を確認しておきましょう。職員同士のコミュニケーションや、利用者の方との関係性をチェックしておくことで、入職後の後悔を減らすことができます。面接では聞けなかったことを質問できる機会でもあるため、応募の際に希望しておくことも忘れないようにしましょう。
6-3.深刻な人手不足ではないかを確認する
介護業界はどの施設も人手不足が続くと言われていますが、極端な人手不足が続く事業所の場合、一人ひとりの職員に対する負担が大きくなっている可能性があります。入職後の休日出勤や残業が増え、転職を後悔するケースも出てくるかもしれません。そのため事前にキャリアアドバイザーに確認したり、施設見学の際に利用者数に対する職員数を調べてみるのがおすすめです。
6-4.介護施設ごとの特徴を理解しておく
介護転職の候補となる介護施設には、特別養護老人ホームやグループホーム、ケアハウスなどさまざまな種類があります。介護施設によって入所介護・通所介護・訪問介護など提供しているサービスが異なり、従事する業務にも違いがあります。介護施設ごとの特徴について、下記の記事でも解説しているので併せてご覧ください。
6-5.複数のサービスを併用して転職活動を行う
介護転職を始める際には、転職サイト・エージェントをひとつだけ登録するのではなく、複数のサービスを併用しながら求人を探すのがおすすめです。各サービスによって取り扱っている求人は異なり、そのサイトでしか紹介してもらえない非公開求人も存在します。相性の良いキャリアアドバイザーと出会いやすくなるメリットもあるため、さまざまなサービスを比較しながら利用してみましょう。
7.介護転職の現状・主な転職理由とは
前職を辞めて新たな職場へ移った介護転職の経験者は、どのような転職理由を持っていたのでしょうか。ここでは介護転職を取り巻く環境とともにご紹介します。
7-1.介護業界の転職・離職理由
公益財団法人介護労働安定センターが実施した令和3年度「介護労働実態調査」によると、介護業界で前職を辞めた理由として、上位5項目は次のようになっていました。
- 職場の人間関係(18.8%)
- 結婚・出産・妊娠・育児のため(16.9%)
- 収入が少なかったため(14.9%)
- 他に良い仕事・職場があったため(13.9%)
- 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため(12.1%)
人間関係が原因で転職する方が最多で、次いでライフイベントによるもの、そして収入面での不満が挙げられています。男女別の回答では、男性で最も多いのが「自分の将来の見込みが立たなかったため(26.5%)」、女性では「結婚・出産・妊娠・育児のため(20.7%)」となっています。
7-2.介護業界の有効求人倍率
「有効求人倍率」とは、転職希望者ひとり当たりに対する求人件数のことを指します。例えば、転職希望者が100人、求人件数が150件の場合には、有効求人倍率は1.5倍となります。この有効求人倍率は、高いほど転職希望者に有利な売り手市場とされています。
2023年2月の職種全体の有効求人倍率は1.34倍で、やや売り手市場な状況といえるでしょう。その一方で、「介護サービスの職業」の有効求人倍率は、3.58倍を記録しています。介護業界の人手不足を反映した、売り手市場に大きく傾いている状況が続いています。そのため今後も転職希望者にとって有利な状況が続き、好条件・高待遇の求人が増えることも期待できます。
参照元:一般職業紹介状況(令和5年2月分)について | 厚生労働省
8.【Q&A】介護転職でよくある質問と回答
最後に、介護転職について多く寄せられる質問と、それに対する回答をご紹介していきます。
Q.未経験から介護職を目指すのは大変?
介護業界では転職希望者に有利な売り手市場が続いており、人手不足が慢性化していることから、未経験・無資格でも介護転職は可能です。事業所の中には、未経験者向けの研修や資格取得支援を用意しているところもあるので、優先的に検討してみると良いでしょう。転職するまでに時間がある場合には、基礎的な介護資格である「介護職員初任者研修」を目指すのもおすすめです。
Q.40代でも介護転職はできる?
介護業界では働ける年齢に制限はなく、転職サイト・エージェントも年齢に関係なく利用することができます。そのため40代からでも介護転職は可能ですが、体力的な不安がある場合には、ケアマネジャーへのステップアップを視野に入れながらキャリアプランを考えるのがおすすめです。
Q.介護転職で年収をアップさせるコツは?
介護転職で年収アップを目指す場合には、転職エージェントを利用してご自身の市場価値を高め、応募書類の添削や面接対策を受けながら転職活動に取り組むのがおすすめです。介護業界に特化した転職エージェントであれば、ご自身の希望に沿った非公開求人を紹介してもらえる可能性も高く、好条件・高待遇の施設への転職がしやすくなるでしょう。
Q.資格がないと転職は難しいの?
資格を持っている方は転職活動で有利になりますが、業界の人手不足を受けて、無資格の方でも積極的に受け入れている事業所が多くなっています。そのため資格がないからといって転職が困難になることはなく、不安に感じる必要はないでしょう。転職後、事業所の研修制度を利用して資格を取得するケースも多いので、転職先の教育体制も確認してみましょう。
Q.転職サイトを利用した入職までの流れは?
転職サイトを利用した入職までの流れは、以下の通りです。
- 転職サイトに登録
- 求人検索・アドバイザーとの面談
- 書類作成・面接対策
- 面接・選考
- 内定
なお、転職活動は前職を辞める前から始めることも可能なので、前職での勤務を続けながら上記の流れを実践するのがおすすめです。退職後から転職活動を始める場合には、空いた時間を利用して介護資格の取得も視野に入れると良いでしょう。
おわりに
介護転職の際には、介護業界に特化した転職サイト・エージェントを活用して、ご自身の希望条件に合った求人を探すのがおすすめです。キャリアアドバイザーに相談できる転職エージェントを利用すれば、非公開求人の検索や面接対策など、充実した転職支援サービスを受けることも可能です。近年は売り手市場が続いているため、未経験・無資格での介護転職も難しくありません。
ただし転職先選びの際には、夜勤の有無を確認したり、施設見学で事業所の雰囲気をチェックしたりすることを忘れないようにしましょう。転職サイト・エージェントは複数のサイトに登録し、うまく併用しながら転職活動を進めるのがおすすめです。