更新日
公開日

転職で年収が下がる理由とは?年収ダウンでも転職した方がいいケースと支給される補助金を解説

転職で年収が下がる理由とは?年収ダウンでも転職した方がいいケースと支給される補助金を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

執筆者
セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

転職したいという気持ちはあっても、年収ダウンが心配で転職活動に踏み切れない方は少なくありません。厚生労働省による統計でも、約3割の人が転職によって年収ダウンを経験していることから、転職で年収が下がる可能性は誰にでもあるといえるでしょう。

しかし年収が下がる原因として、ご自身が選ぶ求人・転職先も大きく影響しており、転職活動の進め方によっては年収ダウンを防げるケースもあります。たとえ年収が下がっても転職に踏み切った方が良いケースも存在するため、本記事では転職での年収ダウンを防ぐ対策とともにご紹介していきます。

1.転職で年収が下がる人は約3割

転職で年収が下がる人は約3割

厚生労働省が実施した「令和3年雇用動向調査結果」によると、令和3年における転職者の中で賃金が減少した人の割合は35.2%とされています。中でも1割以上の減少を経験したのが26.3%、1割未満の減少は9.0%の割合です。一方で、転職の前後で賃金が「変わらない」と答えたのが29.0%、増加したのは34.6%の割合となっています。

転職によって年収ダウンを経験した方も3割強存在しますが、それと同じくらいに転職で年収アップを経験した方が存在するという結果です。そのため割合だけで判断するのであれば、転職によって年収が上がる可能性もあるといえるでしょう。

参照元:令和3年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省

2.転職で年収が下がる理由とは?

転職で年収が下がる理由とは?

転職の前後で年収がダウンする背景には、求人選びや労働条件の擦り合わせがうまくいかなかったケースが考えられます。具体的には、以下の5つが年収ダウンとなる主な原因です。

  • 未経験の業種・職種に転職した
  • 役職・階級が下がった
  • 給与体系が異なる
  • 労働時間が短縮される
  • 大企業・都市部から中小企業・地方へ転職した

それぞれ詳しくご紹介しましょう。

2-1.未経験の業種・職種に転職した

転職によって年収が下がる原因として最も多いのが、未経験の分野に転職したケースです。営業職からITエンジニア、不動産業界から介護業界など、これまでの経験が活かしにくい分野にジョブチェンジする場合には、スキルなしの未経験入社として給与水準が下がる可能性が高まります。同じIT業界の中で営業職からITエンジニアに転職したり、営業職として不動産業界からIT業界に転職するなど、同業種または同職種の転職であれば、年収ダウンを抑えることが可能です。

2-2.役職・階級が下がった

転職によって役職が外れたり階級が下がったりするケースでも、年収ダウンしやすい傾向があります。例えば、前職ではマネージャーとして働いていた方が、転職先ではマネージャー候補として採用された場合には、役職が外れることによって給与面でも評価が下がるでしょう。一方で、将来的にマネージャーへと昇格してスキル・経験が認められた際には、前職と同じかそれ以上の年収が得られる可能性もあります。

2-3.給与体系が異なる

転職後、給与体系が全く異なる会社へ移った場合に、年収が大幅に下がるケースも存在します。報奨金やインセンティブが用意されていた会社から用意されていない会社に転職したり、賞与が支給される会社から支給されない会社に転職したりと、会社ごとの制度によって年収が変動することがあります。転職の前後で基本給はほぼ変わらなかったとしても、インセンティブや賞与の違いで年収に大きな差が生まれることもあるため注意が必要です。

2-4.労働時間が短縮される

新たな転職先で残業がほぼ発生しない、または残業が原則として禁止されているなどの場合に、労働時間が減ることで年収が下がるケースもあります。給与水準は下がりますが、残業の多さが原因で転職を決めた方であれば、プライベートの時間を充分に確保できることがメリットにつながることも多いでしょう。

2-5.大企業・都市部から中小企業・地方へ転職した

大企業から中小企業に転職したケースや、都市部から地方の企業へ転職したケースでも、年収が下がりやすい傾向にあります。ただし中小企業に移ったことで役職が付き、年収が上がる方も少なくありません。地方の企業に転職して年収は下がった反面、家賃などの生活費が安くなったことで可処分所得は変わらない方も多くいます。

3.年収が下がっても転職した方がいいケースとは?

年収が下がっても転職した方がいいケースとは?

一時的に給与水準が下がったとしても、その職場でしか叶えられない目的・目標がある場合には、年収ダウンを気にせずに転職した方が良いケースもあります。例えば、以下の4つのような状況が挙げられます。

  • 将来的な年収アップが期待できる
  • 仕事内容に満足できる
  • 労働環境に満足できる
  • その業種・職種で学びたいスキルがある

それぞれ詳しく解説しましょう。

3-1.将来的な年収アップが期待できる

その転職先に移った後の長期的にキャリアビジョンを描けている場合には、将来的な年収アップを期待して、一時的な年収ダウンを受け入れることも考えられます。例えば、前職にはない営業成績に応じたインセンティブが支給される職場であれば、基本給は下がったとしても、営業成績の向上によって年収アップが期待できます。もちろん確実に年収が上がる保証はないので過度な期待は禁物ですが、仕事内容や待遇面に恵まれている職場であれば、転職先選びのプラス要素となるでしょう。

3-2.仕事内容に満足できる

ずっとやりたかった仕事に就ける場合や、将来性のある業務に携われる場合など、仕事内容に満足できる場合に年収ダウンを受け入れるケースも少なくありません。たとえ年収が高かったとしても興味のない仕事を続けるよりは、年収が下がっても楽しく仕事がしたいと考える方は多くいます。やりがいを感じられる仕事や、将来の起業・独立に役立つ業務内容を優先して、年収を気にせず転職するのもひとつの選択肢です。

3-3.労働環境に満足できる

転職活動を始める方の中には、給与水準だけではなく働き方や待遇・福利厚生を重視するケースも少なくありません。ワークライフバランスを実現しやすい環境や、家庭と仕事を両立させやすい制度がある会社を選ぶことで、年収以外の充実を優先させるという考え方です。経済的な満足度よりも、プライベートを充実させる満足度を得たい方であれば、年収ダウンを気にせずに転職先を選ぶのも良いでしょう。

3-4.その業種・職種で学びたいスキルがある

将来を見据えて身につけたいスキル・経験がある場合に、それを実現できる転職先を年収度外視で選ぶというケースも考えられます。例えば、大型免許を取得したい方が免許取得支援制度がある会社を選んだり、起業・独立に役立つコンサルタントとしての経験を積むためにコンサルティング会社を選んだりする方も少なくありません。キャリアビジョンの実現に役立つスキルが身につく職場であれば、年収が下がっても満足度は高まるでしょう。

4.転職で年収が下がらないための対策方法

転職で年収が下がらないための対策方法

転職による年収低下が気になる方は、次のようなポイントを押さえて転職活動を始めるのが効果的です。

  • 面接で年収交渉を行う
  • 業績が好調な会社を選ぶ
  • 転職エージェントに交渉を依頼する

一つひとつ対策方法についてご紹介しましょう。

4-1.面接で年収交渉を行う

会社の面接を受ける際には、希望年収について質問される機会があります。その際に具体的な根拠とともに希望年収を伝えることで、年収ダウンを回避できる可能性があります。ただし、根拠なく希望年収を提示することは、面接官にとって「この人材はこれだけの給与に見合う成果を挙げてくれるのか?」という視点を持つことにつながり、選考の難易度が高まる可能性があります。そのため年収交渉を行う場合には、ご自身と同様のスキル・経験を持つ方の年収相場や、他社から提示されている年収をもとに金額を伝えると良いでしょう。

ご自身での年収交渉が難しい場合には、後述する「転職エージェント」を利用し、キャリアアドバイザーを通じて年収交渉を行ってもらうことも可能です。

4-2.業績が好調な会社を選ぶ

年収を重視して転職先を選ぶのであれば、業界全体で成長している業種や、業績が好調な会社を選ぶのがおすすめです。会社自体の収益が大きく、人件費にかけられる潤沢な資金があるところでは、高年収を提示されやすい傾向があります。上場企業であれば会社の財務諸表をホームページ上で公開しているため、業績の良し悪しが判断しやすくなっています。特に「有価証券報告書」では、従業員の平均年収が確認できるため、転職先選びの参考にすると良いでしょう。

4-3.転職エージェントに交渉を依頼する

転職エージェントは、ご自身に合った求人の提案から応募書類の添削、面接対策や年収交渉の代行などを手がける転職支援サービスです。一般的な転職サイトとは異なり、一人ひとり担当のキャリアアドバイザーが付き、面談を行いながら二人三脚で転職活動に取り組むのが特徴です。転職エージェントを利用して希望する年収条件についても伝えておくと、希望に合った求人を紹介してもらうことが可能です。内定前に年収交渉についても依頼しておくことで、ご自身に代わり企業と交渉してくれるのもメリットです。

中でも「パソナキャリア」では、利用者の61.7%が年収アップを経験するなど、年収交渉に強い転職支援サービスを提供しています。取り扱う求人は約半数が年収800万円以上のハイクラス求人であり、高年収が約束された求人を紹介してもらえる可能性も高いです。各業種・職種の専門知識を持ったキャリアアドバイザーが転職成功をサポートしてくれるため、まずは無料登録を済ませておくと良いでしょう。

5.転職で年収が下がってしまった場合に支給される補助金

転職で年収が下がってしまった場合に支給される補助金

転職して前職よりも年収が下がってしまった場合、ハローワークの「就業促進定着手当」の支給を受けられる可能性があります。就業促進定着手当とは、再就職先に6ヵ月以上雇用され、その期間の賃金が離職前の賃金よりも低い場合に、下がった賃金の一部が支給されるものです。

ただし就業促進定着手当が支給されるのは、ハローワークで再就職手当を受給していた方に限られます。退職後すぐに新たな転職先に就職した場合は対象外となるためご注意ください。詳細な支給条件については、ハローワークや厚生労働省のホームページを確認してみましょう。

参照元:ハローワークインターネットサービス – 就職促進給付

参照元:離職前の賃金より低い場合には「就業促進定着手当」

おわりに

転職で年収が下がる人の割合は約3割となっており、年収ダウンを経験する方は少なくありません。年収が下がる原因として挙げられるのは、未経験の分野への転職や、役職や給与体系の変化、労働時間の減少などが挙げられます。将来的な年収アップや年収以外の点で満足できるようであれば、年収ダウンに関わらず転職するのも選択肢のひとつです。

それでも年収ダウンを避けたい場合には、ご自身で年収交渉を行ったり、業績が好調な会社を調べて転職するのが効果的です。転職エージェントを活用し、キャリアアドバイザーに年収交渉を依頼することも可能なので、積極的に活用してみましょう。

「自分の適正年収がいくらなのか知りたい」「他社だったらどのくらいの年収が提示されるのか調べたい」という方は、ハイクラス転職エージェント「パソナキャリア」を活用するのがおすすめです。パソナキャリアは利用者の年収アップ率61.7%を誇り、ご自身の市場価値に合ったプラチナオファーを受け取ることが可能です。紹介された求人の年収水準を調べることで、ご自身の適正年収を見極めやすくなるため、一度登録してみると良いでしょう。

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする

ライフイベントから探す

お悩みから探す

執筆者・監修者一覧

執筆者・監修者一覧

セミナー情報

公式SNS

おすすめコンテンツの最新情報をいち早くお届けします。みなさんからのたくさんのフォローお待ちしています。