2022年4月28日(木)に江東区・亀戸に誕生した、地上6階・地下1階の商業施設「KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)」と、地上25階・地下2階建マンション「プラウドタワー亀戸クロス」。この敷地には、かつて、ショッピングモール「サンストリート亀戸」(1997年〜2016年)があり、広場のステージでは、駆け出しの頃のPerfumeやNegiccoといったアイドルや、歌手、お笑い、プロレス、大道芸などのイベントが行われていたことでも有名です。
さらに遡ると、それ以前は時計で有名な大企業「セイコー」の工場「第二精工舎(現・セイコーインスツール)」(1939年〜1993年)がありました。そのセイコー跡地であることと、“亀戸の歴史に新しい時を刻む場所”“みんなとワクワクする時を刻んでいきたい”という思いを込めて、「KAMEIDO CLOCK」と名付けられています。
亀戸に新たな時間、人の流れを作り出しているカメイドクロック。その誕生の背景と見どころを、開発した野村不動産(株)グループ商業事業部の森谷秀嗣さんに伺うとともに、カメイドクロックと同じく、ここ1年でオープンした亀戸の新しい飲食店も紹介します!
1.亀戸は人口及び児童数も増加傾向
カメイドクロック(商業施設)とプラウドタワー亀戸クロス(住宅)の開発にあたり、行政や周辺住民と定期的に協議を重ねたという森谷さん。その上で地域の課題となったのが、サンストリート亀戸の閉館による「生活利便施設の不足」と「急増する児童数の増加」です。
「少子高齢化の時代にもかか関わらず、ここ数年、亀戸地域周辺の人口は増えています。1km圏人口は約80,000人と、国内でもトップクラスの人口密度。将来人口としても、2040年まで増加傾向です」。
人口増加の要因として、「元来、周辺に工場などの働き先が多いこと、総武線沿線という都心へのアクセスの良さが考えられる」と、森谷さん。そして、この人口増加に伴い、児童数も増加。カメイドクロックの隣りの敷地には小学校があり、児童数増加に伴いクラスが足りなくなる状況になることから、カメイドクロックの敷地の一部を江東区に寄贈。本校舎と上空デッキでつなぐ形で新棟が建てられました。
2.都内初出店の鮮魚店や新名所「カメクロ横丁」も誕生
人口が増えれば、より一層の「生活利便性」が求められるということで、カメイドクロック内には周辺住民のライフスタイルを支える全136のテナントが集結。スーパーの「ライフ」やファストファッションの「ユニクロ」「GU」といった衣食では定番の大型店をはじめ、都内ではカメイドクロックにしかない店舗も。それが、森谷さんイチオシの鮮魚店「本庄鮮魚」です。
「埼玉に2店舗しかない鮮魚専門店で、東京では初出店です。豊洲市場を中心に、新潟や千葉の漁港、相模湾で獲れた鮮度の良い魚を氷の上に並べて販売しています。刺身や煮付け用など、お客様の要望に合わせて無料で切ってもらえるのがポイントです。周辺の飲食店さんも買い付けに来られるほど、好評をいただいています」(森谷さん)。
このほか、地元銘柄も大事にしていて、亀戸の元祖くず餅の老舗「船橋屋」や、門前仲町の老舗和菓子店「深川 伊勢屋」、あさりを入れた深川コロッケなどの揚げ物専門店「江戸 深川屋」も出店しています。
さらに、目玉となるのが、亀戸の新名所として誕生した「カメクロ横丁」。イタリアン、ホルモン屋、鮮魚居酒屋、クラフトビール専門店、天ぷら屋、焼き鳥屋、肉バルと、地元の名店や人気店が7店舗集結。亀戸では北側が酒場のイメージが強いですが、南側に新しい横丁ができたことで、亀戸全体でお酒の楽しみ方が広がりそうです。
3.地域と連携したイベントも開催
サンストリート亀戸にイベントスペース「マーケット広場」があったように、カメイドクロックも屋外に「カメクロプラザ」「カメクロステージ」(=写真)、屋内に「カメクロコート」というイベントスペースを設けています。これらの場所では、すでにキッズダンスや大道芸、アイドルなどのイベントも開催されており、新たな賑わいを作り始めています。
そして、亀戸の人情深さや下町文化を発信するための地域連携イベントも積極的に開催されています。夏には、亀戸の伝統的な行事「赤からし市」にちなんで、唐辛子を使った特別メニューが館内15店舗、周辺地域15店舗で食べられる「赤からしメニューフェア」を2週間実施。また、コロナ禍で地元の神輿祭りが開催できないなか、各町会の神輿の展示とキッズ縁日を合わせた「カメクロ夏祭り」も行われました。
新たな取り組みとして、「eスポーツ」専用のスタジオ「カメスポ」も設け、商業施設初のeスポーツチーム「カメイドタートルズ」も発足。メンバーは地元の専門職大学の学生さんたち。森谷さんは、「サンストリート時代のPerfumeさんではないですが、駆け出しのチームが活躍することで地元を盛り上げていきたい」と、期待を寄せます。
年齢や性別に関係なく幅広い層が楽しめるといわれているeスポーツ。人口が増えている亀戸だからこそ、地域活性にもつながりそうです。
4.亀戸の新店グルメ(ラーメン、お弁当、ビアカフェ)紹介
ここまでカメイドクロックを掘り下げてきましたが、同時に、周辺にも新しい飲食店がオープンしています。そこで、最後は、その中から注目の新店グルメをピックアップ!
4-1.「KITCHEN BIG MAN(キッチンビッグマン)」(2021年10月オープン)
KITCHEN BIGMAN(キッチンビッグマン)は、亀戸駅北口から徒歩2分の惣菜を選べるお弁当屋。惣菜は週替わりで常時14種類ほど。1種類選んで650円、2種類で750円、3種類で850円。ご飯(北海道産ゆめぴりか)と副菜付き。アルコールも販売していて、イートインもオーケー。近所の公園でのんびり食べるも良し、惣菜をつまみながら軽く一杯やるのも良さそうです。
4-2.「しののめヌードル」(2022年5月オープン)
ラーメン店しののめヌードルは、亀戸駅北口から徒歩10分。写真は、「醤油らーめん」(900円)に「燻製たまご」(100円)をトッピング。麺は全粒粉を使った自家製で、細麺と中太麺の中間くらいの太さで重みもありもちもちつるつる。鶏・豚・魚介がベースの出汁に、醤油と昆布の甘みが合わさったスープは、最初あっさり、食べ進めるうちに旨味が増して、食べ応え充分十分です。
4-3.「MD stand」(2022年7月オープン)
MD stand coffee&barは、カメイドクロック横、緑道を挟んだ場所にあります。コーヒー(600円〜)は、ハンドドリップ、水出しに加え、クリーミーな泡立ちのナイトロコーヒー(700円)も用意。ビール(700円〜)はクラフトビールもあり、そのほか、アルコールも料理も豊富にそろっています。写真は、ジューシーでボリューム満点の「【数量限定】石垣牛ハンバーガープレート」(1,500円)。
カメイドクロック誕生がきっかけで、これから新店も増え、ますます発展が予想される亀戸。後編では、新しさだけではない、歴史や名物グルメから亀戸の魅力を紹介します!