「ワインは興味あるけど難しそう」といったお悩みをお持ちの方も少なくないでしょう。今回はワインの種類や特徴といった基本的な知識から、実際の選び方や保管方法、初心者でも親しみやすく美味しく飲めるおすすめワインについても分かりやすく解説していきます。
2022年のボジョレー・ヌーボーの解禁日は2022年は11月17日(木)です。『毎年日本を賑わせる「ボジョレー・ヌーボー』とは?特徴や味わい・楽しみ方まで』でボジョレー・ヌーボーの楽しみ方についても解説していますので合わせて参考ください。
1.赤ワインに白ワイン、ワインの種類と特徴は?
ワインの酒類は、大きく分けて次の4つに大別できます。
- 赤ワイン
- 白ワイン
- ロゼワイン
- スパークリングワイン
それぞれの特徴について解説していき、各ワインがどのような食事に合うかも紹介していきます。
1-1.赤ワインってどんなワイン?
赤ワインは、果皮が黒い「黒ブドウ」を使い、赤ワインの醸造方法で果汁、側、種を一緒に発酵させて造られたものです。大きく分けて「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」と味わいの重さが分かれています。
ライトボディの赤ワインはフレッシュで軽やかな味わいなので、風味の優しい和食との相性が抜群。ミディアムボディの赤ワインは鶏肉のグリルや豚肉のソテーと相性が良く、フルボディの赤ワインはタンニンがしっかりあってコクのある濃厚な味わいが特徴なので、合わせる料理もボリューミーなステーキや煮込み料理といった肉料理と相性が良いです。
1-2.白ワインってどんなワイン?
白ワインは果皮が白い「白ブドウ」を使って、白ワインの醸造方法で果汁だけを発酵させて造られたワイン。味わいは品種や産地によって甘口から辛口まで幅広いため、ある程度代表的なブドウ品種を知っておくことが大切です。
例えばソーヴィニヨンブランやシャルドネといった品種は辛口に仕上がることが多く、ミュスカやリースリングといった品種からは甘口のワインが造られることもあります。これらは必ずしもそうなるわけではありません。
辛口の白ワインならサラダや魚介類を使った前菜と相性が良く、甘めの白ワインならブルーチーズやフルーツタルト、チョコレートケーキとの相性が良いです。
1-3.ロゼワインってどんなワイン?
ロゼワインは果皮が黒い「黒ブドウ」を使い、ブドウをつぶしてタンクに入れた後、果汁を抜き取り発酵させる「セニエ法」と呼ばれる醸造方法で造られるのが一般的です。
他にも、「直接圧搾法」や「混醸法」といった造り方もあります。直接圧搾法は赤ワイン用の黒ブドウを使用して、白ワイン製法と同じようにブドウをつぶして搾汁し、果汁だけで発酵を行うやり方。また、混醸法は発酵前の黒ブドウと白ブドウを一定の割合で混ぜて発酵を行うやり方です。
ロゼワインに使われるブドウ品種もさまざまで、甘口から辛口まで幅広いです。
近年では辛口のロゼワインが好まれる傾向にあります。前菜からメインディッシュまでとおしてペアリングできるのがロゼワインの魅力です。
1-4.スパークリングワインってどんなワイン?
スパークリングワインは発泡性のワインで、白、赤、ロゼとそれぞれタイプがあります。炭酸があることで飲みやすく、さまざまな料理と合わせられるのが人気のポイントです。
スパークリングワインは世界各国で造られていますが、産地や醸造方法によって「シャンパーニュ」「カヴァ」「スプマンテ」など、さまざまな呼称で呼ばれています。
甘口から辛口タイプまでありますが、料理と合わせて好まれるのは辛口タイプです。魚料理でも肉料理でも、パスタやリゾットといった主食にも上手に寄り添うことのできる万能ワインです。
2.初心者でも分かる!ワインの選び方
次に、ワインの選び方についてご紹介します。味わいや料理との相性、品種と産地、予算に合わせて適切なワインをセレクトしていきます。
2-1.自分の舌で感じるままに…味わいで選ぶ
まずはワインショップなど、試飲ができる場所がおすすめです。ワインショップには担当のソムリエがいるので、ご自身の好みを伝えて、いくつか試飲をさせてもらいましょう。その都度メモを取ったり、プロの意見を聞いたりして自分好みの味わいを知っておくと、次第にワインをセレクトするのが楽しくなってきます。
2-2.料理との相性で選ぶ
また、ワインを飲むシーンが事前に決まっているのであれば、料理との相性で選ぶのも良い方法です。肉料理なら赤ワイン、魚料理なら白ワインと決めるのは早計ではありますが、料理さえ決まっていればそれだけでセレクトの幅を狭めることができます。
もし見当も付かない、という場合は「辛口のスパークリングワイン」を選ぶのが吉。前菜やサラダ、魚料理に肉料理、締めのデザートまでスパークリングワインが1本あれば全てに寄り添ってくれます。
2-3.ブドウの種類や産地で選ぶ
実はこれが一番大事なのですが、ここのレベルになるには事前の知識が必要不可欠です。世界のワイン生産量でいうと、フランス、イタリア、スペインがトップ3になります。まずはこの3ヵ国の代表的な産地とブドウ品種を覚えるのがおすすめです。または、カリフォルニアやチリ、アルゼンチンといった産地も日本の市場では多く出回っているので、こちらも覚えておくと良いでしょう。
それでも悩む場合は、ワインショップのスタッフに聞いてみるのも良いでしょう。 ワインショップのスタッフはソムリエやエキスパートの資格を持っている方が多いので、親身になって教えてくれます。
2-4.ワインの価格帯は広い!予算も目安に
ワインはスーパーやコンビニなどで購入できる数百円のものから、何年物といった数十万円、数百万円のものまであります。
初心者のうちから高額なものに手を出す必要はないので、自分が気持ち良く払える予算を決めておきましょう。また、もちろん1,000円以下でも美味しいワインはありますが、1,500〜2,000円程度のワインになると、品種や産地の個性がワインに表れやすい傾向にあります。
3.迷ったらこれ!初心者向けおすすめワイン12選
今回はワイン初心者の方向けにおすすめのワインをご紹介します。どれも親しみやすい味わいで産地の特徴がよく分かり、スーパーやコンビニなどで気軽に買えるワインもセレクトしましたのでぜひ参考にしてください。
3-1.初心者向けおすすめ赤ワイン3選
クマ “オーガニック” カベルネ ソーヴィニヨン
生産地 | アルゼンチン |
ブドウ品種 | カベルネソーヴィニヨン |
味わい | 重口/フルボディ。深みのある色調で完熟したブラックベリーのようなアロマと滑らかなタンニンが特徴です。ステーキやハンバーグといったボリューミーな肉料理と合わせていただきたいワイン。 |
相場価格 | 990~1,200円 |
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シャトー・メルシャン 山梨マスカット・ベーリーA
生産地 | 日本 |
ブドウ品種 | マスカット・ベーリーA |
味わい | 山梨で造られるマスカット・ベーリーA の赤ワイン。ラズベリーやイチゴのニュアンスを感じられるライト〜ミディアムボディの飲み口で、和食との相性がとても良いです。肉じゃがや筑前煮などと一緒に合わせたい一本。 |
相場価格 | 2,300~2,500円 |
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オーガニックワイン タヴェルネッロ オルガニコ サンジョベーゼ
生産地 | イタリア |
ブドウ品種 | サンジョベーゼ |
味わい | 柔らかい質感で果実味たっぷり。まろやかな渋みを感じるフルボディですが、程良い酸を感じられるので、飲み疲れしません。トマトソースのパスタやピザと合わせて楽しんでください。 |
相場価格 | 1,100~1,300円 |
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3-2.初心者向けおすすめ白ワイン3選
ロシュマゼ シャルドネ
生産地 | フランス |
ブドウ品種 | シャルドネ |
味わい | フランスの南部、ラングドックルーションで造られる辛口の白ワイン。洋梨のようなフレッシュなアロマと、樽のニュアンスを感じるコクのある味わいが特徴。まろやかな舌触りで、クリーム系のパスタとの相性が良いです。 |
相場価格 | 1,000~1,200円 |
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グランポレール 甲州
生産地 | 日本 |
ブドウ品種 | 甲州 |
味わい | きりっとした辛口の味わいで、爽やかな酸味が食欲をそそるライトボディの飲み口に仕上がっています。寿司や天ぷら、野菜の焼き浸しなどと相性が良いです。日本の食卓に寄り添う辛口白ワイン。 |
相場価格 | 2,000~2,200円 |
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コノスル リースリング ビシクレタ レゼルバ
生産地 | チリ |
ブドウ品種 | リースリング |
味わい | フルーティな辛口で、後味にほんのりと上品な甘みを感じます。酸味と甘みのバランスが取れているので、幅広い食事と合うでしょう。魚介類のカルパッチョやフルーツサラダとの相性が良いです。 |
相場価格 | 900~1,000円 |
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3-3.初心者向けおすすめロゼワイン3選
マテウス ロゼ
生産地 | ポルトガル |
ブドウ品種 | バーガ、トゥリガ・ナショナル、ティンタ・ロリス |
味わい | 鮮やかで色調の濃いロゼ色。日本でも長い間ロングセラーになっているロゼワインです。後味にほのかな甘みを感じますが飲み口はすっきりしています。アルコール度数も11%で飲みやすいため、食前酒や食後酒にもぴったり。 |
相場価格 | 900~1,200円 |
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タリケ ロゼ
生産地 | フランス |
ブドウ品種 | メルロー、カベルネフラン、シラー、タナ |
味わい | ブドウのうまみをしっかりと感じられるフレッシュな果実味あふれる味わい。バラのようなアロマが感じられ、幅広い料理に合わせられるオールマイティな一本。親しみやすい辛口に仕上がっています。 |
相場価格 | 1,300~1,500円 |
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ブリー ロゼ ピノ・ノワール
生産地 | ドイツ |
ブドウ品種 | ピノ・ノワール |
味わい | ドイツのファルツで栽培されたピノ・ノワールを使った軽快な飲み口のロゼワイン。スタイリッシュなボトルで女性にも人気のワインです。ソーセージやパテと一緒に楽しみたい一本。 |
相場価格 | 1,300~1,500円 |
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3-4.初心者向けおすすめスパークリングワイン3選
ヌヴィアナ・カヴァ
生産地 | スペイン |
ブドウ品種 | マカベオ、チャレロ、パレリャーダ |
味わい | シャンパーニュと同じ製法「瓶内2次発酵」で造られる辛口スパークリングワイン。りんごや洋梨のアロマにフレッシュな酸が加わり、食前酒の1杯に最適です。前菜やサラダだけでなく、魚介料理のメインにも合います。 |
相場価格 | 1,200~1,300円 |
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チンザノ ピノシャルドネ
生産地 | イタリア |
ブドウ品種 | ピノ・ノワール、シャルドネ |
味わい | 爽やかな飲み口とラフランスのようなフルーティなアロマが特徴の辛口スパークリングワイン。生ハムやチーズを使った前菜と相性が良く、昼間から気軽に空けたくなるような軽快な飲み口です。 |
相場価格 | 2,000〜2,200円 |
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ジェイコブス・クリーク シャルドネ ピノ・ノワール
生産地 | オーストラリア |
ブドウ品種 | シャルドネ、ピノ・ノワール |
味わい | オーストラリアで造られる辛口のスパークリングワイン。 |
相場価格 | まろやかで繊細なバブルで飲みやすく、後味はさっぱり。和食だけでなく、オイル系のパスタやアヒージョといった料理とも非常に相性が良いです。 |
購入サイト | ジェイコブス・クリーク シャルドネ ピノ・ノワール 750ml【amazon】 |
4.ワインは飲み方にも気遣いを!
ワインは食事をより一層美味しくさせ、その場の雰囲気をすてきな空間にしてくれるものです。ただワインの種類によっては温度帯や飲み方が違うので、それらを頭に入れておくだけでもだいぶ感じ方が変わってきます。
4-1.ワインを最も美味しく飲める温度
どのワインにも飲むのに適切な温度帯があります。昔は「赤ワインは室温で」と言われてきましたが、日本は季節ごとの温度差もあり室温はバラバラです。そのため、室温はあまり適切とは言えません。ここではそれぞれのワインの「温度」について解説します。
赤ワインの適温
赤ワインの適温はおおむね、12~16℃前後が良いとされています。ただ赤ワインといってもライトボディからフルボディまで多種多様です。ライトボディの場合、タンニンが少なく果実味やフレッシュなアロマを感じやすくするために、12~14℃くらいにして飲むのがおすすめです。
一方でフルボディの重厚な赤ワインの場合は、16〜18℃くらいがベストです。フルボディの赤ワインは温度が下がるとタンニンをより渋く感じてしまうため、ライトボディの赤ワインよりも少し温度を上げた状態(16~18℃前後)で飲むのがベストといえます。
白ワインの適温
白ワインは冷やして飲むのが良いとされていますが、冷蔵庫に入れた温度(3℃前後)だと冷えすぎている場合があります。きりっとした辛口の白ワインの場合は6〜8℃前後、色味が濃くてアルコール度数も高めの白ワインは10℃前後がおすすめ。華やかな香りを楽しみたい場合は、冷やしすぎると香りが開かないため、グラスに注いで少しずつ温度を上げていくと香りの変化が楽しめます。
ロゼワインの適温
ロゼワインは本場フランスのプロヴァンス地方では氷を入れて楽しむ文化があるほど、カジュアルな飲み方が浸透しています。辛口のロゼに関しては白ワインと同様6~8℃前後がおすすめですが、甘口のロゼワインの場合は温度が上がるとまとまりがなく、甘ったるい印象になってしまうため、冷蔵庫に入れてしっかり冷やしていただくのが良いでしょう。
スパークリングワインの適温
スパークリングワインは温度が上がると泡がどんどん抜けていってしまうため、低めの温度帯でいただくのがおすすめです。冷蔵庫に入れてしっかり冷やして飲みましょう。高級シャンパーニュの場合は華やかな香りを楽しむために6℃前後にしていただくことも多いですが、ご家庭で楽しむカジュアルなスパークリングワインの場合は、冷蔵庫でしっかり冷やして飲むのがベターという認識で良いです。
4-2.ワインの冷やし方と飲み方
本来は赤ワイン専用、白ワイン専用のワインセラーがあれば良いのですが、一般のご家庭ではなかなかワインセラーは見かけません。冷蔵庫で冷やす場合は「飲む時間」に注意しましょう。
赤ワインなら飲む時間の30分前に冷蔵庫から出して少しずつ温度を室温に近づけるのがおすすめです。白ワインなら10分前、スパークリングワインは飲む直前でも美味しく飲めるでしょう。
抜栓した後は氷を入れたワインクーラーや保冷剤を巻くといった工夫をするだけで最適な温度が保てます。
ワイングラスには、縦長の「ボルドーグラス」と丸みを帯びた「ブルゴーニュグラス」、そしてスパークリング用に作られた細長い「フルートグラス」などさまざまな種類が存在。ボルドーグラスはカベルネソーヴィニヨンのようなフルボディで濃厚な飲みごたえのあるワインに、ブルゴーニュグラスはピノ・ノワールのような繊細で香りが華やかなミディアムボディのワインに使われることが多いです。
すべてそろえるのは大変なので、万能型の「テイスティンググラス」を選ぶのもおすすめ。しかし今では白と赤兼用のバランスの取れたグラスも販売されているので、汎用性のあるグラスを選んでみても良いでしょう。
4-3.余ったワインはどうする?
ボトルに余ったワインは、栓をして冷蔵庫に保管します。その間にも瓶の中にある空気に触れているとどんどん酸化していくので、ボトルの中の空気を抜く「バキュバン」といった道具が必要です。飲んだ翌日に飲み切る想定でしたら、ワインの味わいの変化を楽しめるのでキャップだけして保存するのも良いでしょう。
抜栓してから1週間以上経ったワインは味わいや香りが劣化して美味しくなくなっていることが多いので、料理酒として利用するのが最善策といえます。または炭酸で割ったり、フルーツジュースで割ったりとカクテルのベースとして使うのもおすすめです。
おわりに
ワインは一見ラベルが読みづらかったり、複雑な部分もあったりするので「難しい飲み物」と思われがちですが、基本的な知識さえあれば、ご自宅でも、レストランやビストロに行っても楽しむことができます。ぜひご家庭でもいろいろと試してワインを楽しんでください。
また、ワインを購入する際は、セゾンカードをご利用ください。おすすめのセゾンカードは、「SAISON CARD Digital」です。