日本は未婚化、晩婚化が進み、少子高齢化の原因のひとつとも考えられています。晩婚化の理由には様々な理由がありますが、年齢を重ねた今でも「結婚をしたい」と考える方は多いのではないでしょうか。また、「生涯独身」という生き方を好んで選びつつも、健康寿命が伸びている現代においては、やはり、パートナーが欲しいと考えを変えられる方や、仕事や経済的な安定から40代になってから結婚したいという意欲が高まる方もいるのではないでしょうか。このコラムでは晩婚化が進む様々な理由と、大人の婚活手段などをご紹介していきます。
1.データから見る日本の結婚
まず、初婚年齢の推移を見てみましょう。50年前と比較すると初婚の年齢が約5歳上がり、2020年のデータでは、男性は31.0歳、女性は29.4歳となっています。また2019年の婚姻率(人口千対)は4.8人となっており、50年前の10人と比較すると人口における既婚者の割合が半分に減っていることが分かります。既婚者が相対的に少なくなっている背景にはどんな理由があるのでしょうか。
2.晩婚化の背景にあるもの
このデータに至る背景は女性の社会躍進が進んだことが1つの大きな要因といえるのではないでしょうか。推察するに、生き方の多様化により選択肢が結婚だけではなくなっており、自由な生き方ができるようになったと考えることができます。結婚はしなくてもいい、ひとりが楽、と考える方もいるでしょうし、いつかは結婚したいけど、まだまだ先でいい、と仕事に専念する自由もあります。
女性に収入があることで今まで以上に大きく選択肢が広がりましたが、結婚適齢期といわれる時期でも仕事に専念していて、それにより婚期は後ろ倒しになっているのも現実です。そしてそれにより、婚活はどんどん難しくなっている部分がありそうです。
女性が自由に活躍し、収入を得られるようになったのは喜ばしい一方で、婚活においては、自分より年収が良い方、貯蓄がある方などを結婚における条件として、成婚のハードルが上がっているケースもありそうです。結婚したいと思っていても、男女間の経済力のバランスも結婚を決めるうえでの条件となり、天秤にかけることで、婚活はどんどん難しくなっているのではないでしょうか。
20年位前だと会社に訪問してくる女性の保険営業マンが出会いの場を作ってくれたり、近所の世話好きなおばさんが引き合わせてくれる場を作ったりしてくれた時代がありましたが、それはもう昔の話。現代の婚活はたくさんの場はあるものの、自分が動く必要のあるものになったといっていいでしょう。ではどんな手段を婚活に選ぶといいのか、いくつかご紹介していきたいと思います。
3.婚活の手段とそれぞれのメリット
婚活における主な出会いの手段として結婚相談所、婚活パーティ、マッチングサービスアプリが挙げられます。この3種類のサービスのメリットついて見ていきましょう。
①結婚相談所
結婚相談所は、自分から攻めるのが苦手という方は、第一候補の出会いツールになりそうです。料金は比較的高額になってしまいますが、その分サポートは手厚く、パートナー探しについてアドバイスをしてくれるほか、登録者の多くは真剣に交際を求めているため、前向きに話が進みやすく、交際をサポートするサービスも各社取り揃えて差別化を狙っています。中には、髪型や服装、写真撮影までコンサルティングをするサービスを提供している会社もあるようです。また、ある結婚相談所では交際をお断りされた場合のフィードバックを提供してくれるサービスなどもあります。
結婚相談所では、多くの場合、登録時に身分証明書や源泉徴収票などで運営会社による身元確認が実施されます。その情報をもとにプロフィールが作成されており、会員同士が相互に情報交換もできます。自分から異性登録者のプロフィールを確認するだけでなく、相談所側から希望条件に合致した異性を推薦される場合もあります。
<メリット>
・他のサービスと比較すると比較的登録の費用が高いため、男女ともに本気でパートナーを探している方が多い。また、登録時に身元確認が運営会社によってされるので安心感が高い。
・交際スタートからゴールインまでが比較的早いといわれている。
・職員からのコンサルティングや、相談所からの相手推薦など、相手探しのためのサービスが充実している
人間関係全般においても共通していえることですが、付き合い始めてからわかる相手の良さというものは、決して少なくありません。結婚相談所のアドバイスによると成婚するまでにさまざまな女性と交際することが推奨されており、成婚退会に至った40代男性の交際人数は、20代、30代男性の平均人数9.5人に対して、9.7人の女性と交際してから成婚しているというデータがあります。交際で互いの長所も短所も理解したうえで成婚している方がほとんどとなります。
また、現在男性と交際している女性の6割近くが年上男性を選んでいるというデータも出ています。また50代であっても、成婚退会に至った男性は平均して約5人と交際しており、年上の男性であっても恋愛市場で需要があることが分かります。つまり年齢を理由に諦める必要はないということです。
先述のとおり、結婚相談所では自分から興味のある異性にアプローチするだけでなく、相談所側が条件に合致する異性を紹介してくれることもあります。自分が異性にとって年齢以外はすべて求める条件に合致している人物だった場合、相談所が紹介をしてくれるパターンもあるようです。これだけに頼るわけにはいきませんが、サポートの手厚い相談所ならではのメリットです。
②婚活パーティ
婚活パーティは、結婚相談所とマッチングアプリの中間にある形態といえるかもしれません。パーティは原則1回完結型で料金も比較的手軽です。実際に会って話ができ、求める相手に応じたさまざまなコンセプトの出会いの場が作られる点はメリットであるといえます。
一方で、気の合う異性を見つけられなかった場合、その回は無駄となってしまうリスクがあり、決められた時間で全員と話すというシステム上、一人ひとりと会話する時間は短く、ただ世間話をしているだけでトーク時間が終わってしまう。また、自由に気に入った異性と話せるフリータイムでは、人気の異性と話すために長蛇の列ができてしまい、待ち時間だけでタイムアップという事態も起こることもあるでしょう。参加前に何を話すか、会場ではどう動くか、というシミュレーションは事前に考えておいた方が良いかもしれません。
通常は数十人程度の参加者の異性全員と短時間のトークタイムがあり、そのあとのフリータイムで気に入った参加者にアプローチをかけ、気に入った参加者を指名して相互指名となればカップル成立となる形態が一般的です。収入や年齢、職種などのコンセプトによりパーティが分かれていることも多く、ある程度希望の相手を絞り込むこともできます。
<メリット>
・一度きりのパーティのため、気軽に参加することが可能
・一度に多くの人と出会い、話すことができるため、チャンスが多い
・結婚相談所に比べ料金が比較的安い
③マッチングサービスアプリ
マッチングサービスアプリとは、スマートフォンのアプリ上で、プロフィールを作成して登録し、好みの相手の条件(居住地、趣味趣向、年齢、職業など)などの希望を選択することで、ニーズに合致した相手が表示されます。見事、好みの相手とマッチングしたら、メッセージのやり取りを行っていくというサービスです。
ひと昔前は、インターネットでの出会いは怪しいという印象がありましたが、マッチングサービスアプリの出現で、その考え方も変わりつつあります。マッチングサービスアプリは、2012年頃から利用し始められ、スマホひとつで相手を見つけ、気に入った相手へメッセージを送れるなど、利用の手軽さから20代や30代の利用者の間で支持を受け浸透しつつあります。
主要なアプリの累計会員数は、なんと1,000万人以上と発表されています。これは日本人の約8%が一度は利用している計算になり、これだけの利用者がいれば、理想の相手を見つけられる可能性は高いのではないでしょうか。なお、多くのマッチングアプリでは女性の利用料が無料、男性は利用料を負担となっていることが多いです。その手軽さゆえに恋愛に対して真剣でないユーザーも存在することは否定できませんが、比較的年齢層が若い相手をお探しであれば、近年、新たな出会いの形として定番になりつつあるマッチングサービスアプリにチャレンジしてみるのも良いかもしれません。
<メリット>
・比較的年齢層が低い
・共通の趣味などのカジュアルな関係づくりにも向く
・外出の必要がなくスマートフォンかパソコンだけで気軽に始められる
4.出会いの機会を作る
いかがでしたでしょうか。自分にあった婚活の手段はどれになりそうかイメージできたでしょうか。この3つの方法はいずれもお相手のプロフィールから年齢などを閲覧することができるサービスで、昨今の婚活はお相手の情報をある程度データで絞り込んで、アプローチできるものになっています。そこで、少しでもあなたの婚活が成功に近づくように、あるデータをご紹介したいと思います。
過去50年の初婚の夫婦の年齢差を統計したい資料では、現代に近づくほど夫と妻の年齢差は近づいているのが分かります。ちょっと気になるデータだと思いませんか。成婚者は「比較的近い年齢で結婚している」傾向が高まっている事実。あなたの婚活にもぜひ参考にして見るのも良いでしょう。
自分の希望をすべて兼ね備えた相手に巡り合うことは難しいかもしれませんが、条件に合致する異性をシビアに求め過ぎるあまり、誰とも会わないことは、もったいないのではないでしょうか。なお、結婚相談所は男女で同じ料金を設定している会社もあるため、それだけ交際に対して真剣な人が多い傾向にあります。実際に会えば進展する可能性もありますので、ぜひ積極的にトライしてみましょう。
おわりに
このコラムでは、中高年向け恋愛・婚活事情についてご紹介しました。今回、ご紹介した手段を活用し、ご自身に合ったサービスを見極め、理想の恋人と出会えるように祈っております。