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離婚するには何から始めればいいのか?離婚に必要な手続きを徹底解説

離婚するには何から始めればいいのか?離婚に必要な手続きを徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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離婚は、急に思いついてその日のうちに簡単に終えられるものではありません。いくつかの公的な手続き、離婚後の生活など山ほどある問題と向き合わなくてはいけません。では、離婚を実際に行うにはどのような手順を踏めば良いのでしょうか。今回のコラムでは、離婚成立までの手順、離婚する際にやるべきこと、注意点などについて解説します。

離婚成立までの流れ

離婚を成立させるには離婚届を役所に提出すること。これに関しては多くの方が持っている知識ですが、離婚はただ書類提出だけですべて完結するものではありません。離婚は自分ひとりではなく夫婦ふたりの合意によって行われるものなので、さまざまな事柄が必要になってきます。

では、離婚を完全に成立させるためには、どのような手順を踏めば良いのでしょうか。離婚成立までの一連の流れについて解説します。

合意で離婚を決める

夫婦が離婚を成立させるためには、お互いが合意に達することが重要です。離婚は離婚届を役所に提出すればそれだけで離婚が認められますが、夫婦のうち一方が、配偶者の了解なしに離婚届を出せば、トラブルの原因となります。そのため、夫婦ふたりでしっかりと話し合って合意か否か決める必要があり、合意に達して初めて事務的な作業に移行できるといえるでしょう。

慰謝料、財産分与、親権や養育費について決める

離婚が成立した場合、これまでは夫婦共同だった生活が一変してそれぞれがひとりで生活することになります。それにより、共同でまかなっていた各種生活費もひとりの収入で支払いをしなくてはいけません。そのため、離婚時に発生する慰謝料や財産分与、年金分割など今後の経済面に大きな影響を与える請求は、必要であれば忘れずにしっかりと行いましょう

特に専業主婦だった方は、離婚後にすぐに仕事が見つかるとは限らず、見つかったとしても満足いく収入が保証されている仕事に就けるか分かりません。それに加えて離婚時に慰謝料や財産分与の手続きを疎かにした結果、経済的に困窮してしまうことは、よくある例です。

財産分与などは各種必要書類の準備など手間のかかる作業ですが、面倒くさがらずにしっかりと行いましょう。また、子どもがいる場合は、親権の保持・養育費の請求などもしっかりと決めておきましょう。

関連記事:財産分与とは何か?離婚前に知っておきたい、対象となるものならないものなど徹底解説

離婚に備えて準備をする

離婚を済ませてから新生活に移行すると、これまでの生活から何から一変します。新生活の準備を離婚後に行った場合、やるべきことがいっぱいで混乱してしまうでしょう。新しい自宅の手配、専業主婦の場合は仕事探し、役所への手続きなど、やるべきことを一つずつ事前に準備できることから始めましょう。

離婚届を提出する

離婚する準備が整ったら、あとは離婚届を役所に提出すれば公式に離婚成立となります。離婚届の提出をしないと、いくら夫婦が離婚している気になっても公式には認められません。離婚届の入手・提出は最寄りの役所・役場で可能です。離婚届の記入・提出で大切なのは次の2点です。

  • 提出の住所が本籍地でない場合は、離婚届と一緒に戸籍標本も役所に提出
  • 協議離婚(離婚後の養育費の金額など具体的な案を合意で決めておくこと)の場合、離婚届に証人2名の署名および捺印が必須(証人2名は離婚する夫婦以外の20歳以上の人が条件です。)

離婚後の生活のための手続き

離婚後の生活を円滑に行うために、離婚後にどのような手続きがあるのか、事前に知っておくことも大切です。ここからは、晴れて離婚が成立したあとの新生活において、やるべきこととは何か解説します。

住所変更の手続き、身分証明書の変更

新しい場所へ引っ越す際は、役所へ転出届、転入届、転居届を提出する必要があります。離婚届を提出しても、住民票は変わりません。個人で住所変更の手続きをしましょう。

住民票が新しくなったら運転免許証などの身分証明書に記載された住所も変更しましょう。運転免許証の住所変更には、変更になったことを確認することが必要なため住民票を持っていくと良いでしょう。

保険証・国民年金の変更

婚姻中に扶養に入っていた場合、離婚後は個人で国民健康保険に加入しなければなりません。扶養から外れてそのまま保険証を持っていない状態だと、いざというときの病院通いで多大な治療費を支払う必要があります。そのため、離婚後はすぐに役所で国民健康保険の加入手続きをしましょう。

国民健康保険の加入手続きは、離婚してから14日以内にする必要があります。加入する際に必要なものは以下のとおりです。なお、婚姻中も保険証が国民健康保険だった場合、加入手続きではなく世帯変更の手続きだけで済みます。

  • 健康保険の資格喪失証明書
  • 国民健康保険被保険者取得届
  • 身分証明書(免許、パスポートなど)
  • 印鑑

国民年金の変更届も忘れずに役所で行う必要があります。手続きに必要なのは、離婚届受理証明書もしくは離婚後の戸籍謄本、年金手帳、免許証などの身分証明証などです。

印鑑登録の変更

印鑑登録も、離婚で姓や住所が変更した場合、印鑑そのものが変わった場合は、役所での変更手続きをしなければいけません。登録する印鑑、身分証明書などが、印鑑登録の変更手続きには必要です。

話し合いで離婚が決まらなかった場合

夫婦の話し合いのみで決めることを協議離婚といいます。しかし、夫婦のタイプによっては、お互いの主張が異なったままで平行線となり、協議離婚が成立しないケースもあるでしょう。この場合、裁判所を介して法律に基づいた決定に従うという方法が必要です。では、話し合いだけで離婚が成立しなかった場合、どのような方法があるのか解説します。

調停離婚

調停離婚とは、家庭裁判所の調停委員を仲介人として、夫婦以外の第三者を交えて話し合いを進める離婚です。調停離婚を行いたい場合は家庭裁判所に申し立てを行う必要があり、申し立てをすると調停期日が決定されて調停離婚の開始となります。調停期間は1ヵ月ほどの場合もあれば半年〜1年ほど回数を重ねる場合もあります。夫婦ふたり以外に調停委員が介入し問題解決をすすめます。

審判離婚

調停離婚が不成立になり、それでも離婚という選択肢が相当であると家庭裁判所が判断をしたら、裁判所の職権で離婚の審判をいい渡されます。この場合、「夫婦は離婚を希望しているが離婚の条件に合意はしていない」という立場です。ほとんどの夫婦が異議申し立てをして、裁判へと移行するので、審判は無効になることが多く、審判離婚で離婚が成立することはほとんどないといわれています。

裁判離婚

調停離婚が不成立となった場合、家庭裁判所に訴訟を起こして裁判へと発展する裁判離婚へと移行します。裁判離婚を行うには、夫婦のどちらかが家庭裁判所へ訴状を提出しなくてはいけません。この手段は自分自身で行うと手間がかかるので、弁護士に依頼して手続きを代行してもらうと良いでしょう。

一方が離婚を希望しない場合でも、不貞行為を行った、精神病を患っている、結婚生活の継続が難しい(DVなど)など、言い訳のできない理由があれば、裁判離婚の判決により離婚成立です。また復縁の見通しがある場合は和解という選択も下されます。

離婚をするうえでの注意点

離婚をする場合、お互いが感情的になって後先考えずに離婚をするケースもありますが、それはやってはいけません。離婚後の生活など経済面を考慮して冷静に離婚の準備を進める必要があります。では、離婚をするうえでの注意点について、押さえておくべき具体的なポイントを解説します。

子どもの将来を考える

離婚とは夫婦ふたりが決めることであって、その夫婦に子どもがいた場合、子どもには決定権がありません。離婚をする場合はどちらか一方が親権を持って子供を引き取ることになりますが、子供の未来について優先的に考えることも大事です。

夫婦のうちの一方で育児をするのは経済的な負担も生じますが、それ以上に子どものメンタル面に与える影響もあります。片親というだけで周囲からの目線が変わる可能性があったり、周囲と比べて自分にはお父さん(お母さん)がいないなど、大きなトラウマになるかもしれません。離婚の準備はさまざまな事柄を行う必要がありますが、まずは子どもを気遣うことを考えましょう。

本当に離婚が最善策なのか、もう一度考える

配偶者のDVがひどい、働かないなど仕方のない理由であればともかく、ちょっとした感情のもつれだった場合は、一度頭を冷やして離婚という選択で良いのか、冷静になって考えることも必要です。

どうしても同居が嫌だった場合は、実家に帰るなどして別居をしてみても良いでしょう。そこで客観的に夫婦関係を見つめ直してそれでも気持ちが変わらない場合、離婚の手続きをしましょう。

DVなどが原因の場合は慎重に

離婚の原因が、配偶者によるDV、経済的な理由(働かない、ギャンブル三昧、借金を重ねる)の場合、離婚の準備は慎重に行わないといけません。そのような配偶者の場合、離婚の話を持ちかけるとすぐに感情的になり、より暴力的な行為に及んで離婚を拒否する例が少なくありません。弁護士に相談して法律のもと慎重に離婚を進めましょう。

おわりに

離婚を決めた場合、やるべきことはたくさんあります。慰謝料、財産分与、養育費、親権などは離婚後の生活を左右する大切なことです。離婚はさまざまなことが原因になりますが、なかには一時的な感情のもつれから衝動的に離婚届を出して離婚に至ってしまった例もあります。

本当に離婚が最善策なのか、もう一度考えてみたうえで、慎重に進めていきましょう。なお、子どもがいる場合には子どもの気持ちのケアも必ずしてあげましょう。

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