新たな学びに中国語を! はじめの一歩は違いを知るところから

URLをコピーしました。
新たな学びに中国語を! はじめの一歩は違いを知るところから

「中国語って難しそう」という印象をお持ちではありませんか? 「漢字ばかりが並んでいて、どこで区切るのか見当がつかない」、「学生時代にちょっと勉強したけれど、発音が難しくて挫折した」 そんな声を聞くことがたびたびあります。でも、実は私たちは既に沢山の「中国語」を知っているのです。それを生かさないのはもったいないですよね。今回は、中国語を学ぶことのメリットと、そのための「はじめの一歩」についてお伝えします。

1.中国語が分かると世界が広がる

今や街の至る所で中国語を見聞きします。コロナ禍で、日本に来る中国人観光客は減ってしまい、以前ほど中国人を見かけなくなりましたが、実は日本に住んでいる中国人は意外と多いことをご存知でしょうか。

出入国在留管理庁報道発表資料によると、2021年6月末時点での在日中国人は約745,000人で、在日外国人全体に占める比率は26.4%でトップです。つまり、意外と身近に中国人が暮らしているということです。

【在日外国人数トップ5(2021年6月末現在)】

人数(人) 比率(%)
中国 745,411人 26.4%
ベトナム 450,046人 15.9%
韓国 416,389人 14.7%
フィリピン 277,341人 9.8%
ブラジル 206,365人 7.3%

私は地方に住んでいますが、家から歩いて3分ほどの所に、中国人夫婦が営む中華料理店があります。いつもは日本語で注文をし、お勘定をしていましたが、ある日私は中国語で話しかけてみようと思いました。出された料理を食べきれなかったので、持ち帰りをしたいと思い、「打包(ダーバオ)」と声をかけてみました。すると、「あなた中国語を分かるの?」と、ものすごく嬉しそうな顔をしてくれたのです。ほんの少し話しただけですが、お互いの距離がグッと縮まった気持ちがしました。逆の立場に立ってみると分かりますが、私たちも外国で外国人から日本語で話しかけられたら、ちょっと嬉しい気持ちになったりしませんか。「こんにちは」、「ありがとう」という挨拶だけでも相手の国の言葉で伝えることができたら、気持ちのいい人間関係が築けそうです。

いうまでもなく、中国語は世界三大言語のひとつです。中国だけでなく、シンガポールやマレーシアでも中国語は使われていますし、華僑は世界各地で暮らしています。中国語が少しでも分かると、世界中の多くの人と交流できる機会が沢山あり、そこから自分の世界が広がる可能性があるということなのです。

2.中国での赴任生活から学んだこと

私は2013年から6年半、中国で仕事をしていました。中国を訪れたのはその時が初めてです。中国語も全く分かりませんでした。職場に通訳はいましたが、常に一緒にいる訳ではありません。中国人の担当者に、「資料はこれでいい?」とほんの少し確認したかっただけなのに、あいにく通訳が席を外していたり、通訳が戻ってきたと思ったら、話をしたかった相手が席を外していたりして、思うように仕事が進みませんでした。

でもそれは、相手の中国人も同じだったようです。お互いに話したいタイミングで話せないと、情報も思うように入ってきません。「そんなの知らなかった。なぜ教えてくれなかったんだろう?」と思うこともたびたびありましたが、彼らにも言い分はあったと思います。「本当は意見を聞きたかったけど、もう時間がないからいいや」と、私に伝えるのを諦めたことだってあったかもしれません。

「このままではダメだ」と思った私は、簡単な用件なら自力で聞いてみることにしました。話せなくても、聞き取れなくても、字を書けばお互いに分かると思ったからです。字で分からなければ図や絵を描けばいいし、記号や数字も使えます。実際、私が発している言葉は「これ、それ」とか「できる? できない?」程度のものでしたが、意外と意思疎通ができました。

「通訳がいなくても、紙に書いたりすれば何とか通じそうだ」と思われるようになると、中国人担当者の方から気軽に相談をしに来てくれるようになりました。その結果、入ってくる情報量が以前と比べて格段に増えたのです。しかも、彼らは通訳を介していた時には決して言わなかった本音を、私に漏らしてくれるようになりました。私はただ「ウン、ウン」と話を聞くだけでしたが、心の距離は近くなったように思いました。

ここから私が学んだことは、「書けば伝えられる」ということでした。特に、中国人と日本人は「漢字」を使えばお互いに通じ合えるメリットがあるのです。

3.何から始めたら良い? おすすめの勉強法5選

3.何から始めたら良い? おすすめの勉強法5選

では、実際に勉強するとしたら何から始めたら良いでしょうか? 目的に合わせたおすすめの勉強法をご紹介します。

3-1.興味のある分野の中国語訳を知る

今は中国語の参考書もさまざまなものが揃っています。でも、内容によっては「この単語はたとえ覚えたとしても、普段の自分の生活では使わないな」と思うものもあります。ですから、自分にとって必要な分野、興味のある分野の中国語を覚えていくのが効率的です。

もし仕事で中国語を使う必要があるなら、仕事に関する言葉に関して、「これは中国語で何というのだろう?」と調べてみるところからスタートするといいでしょう。食べることが好きな方なら、食材の中国語を調べてみるところから中国語に親しんでみてはいかがでしょうか。

自身のことや日本のことを中国語で紹介したい方には、李軼倫『はじめよう中国語音読 初級編』(アスク)がおすすめです。家族、仕事、趣味など、さまざまなテーマについて、中国語と日本語を見比べることができます。

その他、仕事に関する中国語であれば、ご自身の会社や同業他社のホームページの中国語版を見るのも勉強になります。どうぞお試しください。

3-2.中国語の歌やドラマで中国語に親しむ

中国語の歌といえば、テレサ・テンを思い浮かべる方も多いでしょう。ネットで検索すると字幕付きの動画などが沢山出てきます。また、中国語にカバーされている日本語の歌もいくつかあります。例えばKiroroの『未来へ』は、『后来』というタイトルでカバーされています。ご自身の好きな曲なら、楽しく中国語の発音や意味を学べると思います。

また、『宮廷の諍い女』や『月に咲く花の如く』など、中国のドラマも人気があります。日本語字幕のあるドラマを見て気に入ったものがあれば、YouTubeなどの動画サイトで中国語版も見てみましょう。中国のドラマには中国語字幕がついているので、お気に入りのシーンの中国語のセリフを真似てみたりするのも面白いですね。

3-4.「カタコト日本語」ワークをやってみる

「中国語なのに日本語?」と思われたかもしれません。実はこれは、「通訳しやすいように日本語を話す」ということです。話が分かりやすくなるだけでなく、自身が中国語で話すようになった時に、この「癖」ができていると、とても話しやすくなるのです。その時に大事なのは「中国語的な発想をすること」、その中でも重要なのは「話す順序」、つまり、中国人の頭の中にある「枠組み」に合わせて話すことです。

中国語は単語をパズルのように並べていくのに似ています。例えば「私は明日東京へ行く」という日本語を中国語に訳すと、「私 明日 行く 東京」という並びになります。そういう中国語の「枠組み」に合わせて、日本語を話す練習をしてみるのです。これを続けていくと中国語の文法が、体感覚として身に付きます。

ダラダラ続いて「結局何が言いたいのか分からない」という日本語は通訳泣かせ。できるだけシンプルな日本語で話したり書いたりできるようになると、中国語だけでなく日本語でも相手に話が伝わりやすくなりますね。

3-5.試験を受ける

がっつり中国語に取り組んでいきたい方におすすめなのが、試験を受けることです。「試験の点数と本当の実力は必ずしも合致しない」といわれることもありますが、私は試験に挑戦することには意味があると思っています。なぜなら、自身の現在地を知ることができるからです。つまり、今の自分の習得状況を客観的に見ることができます。点数が出るのは怖いことかもしれません。でも結果の良し悪しを判断するのではなく、ただ現状を知り、何を強化すれば良いのかを知るだけで良いのではないでしょうか。それに、試験というのは分かりやすい目標になるという点でも、モチベーションを保つのに有効です。

中国語に関する主な試験として、中国政府公認の資格であるHSKと、日本中国語検定協会が主催する中国語検定試験があります。どちらの試験もおすすめですが、HSKの方が開催日程が多いので、挑戦しやすいでしょう。

おわりに

街中には中国語が溢れています。至る所で、日本語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)が併記されている看板をご覧になったことがあるのではないでしょうか。まずは、それぞれの漢字を観察して、違いを知ることの楽しさから味わってみることをおすすめします。

言葉は人と人をつなぐ道具です。大事なのは「単語や文法の正しさ」ではなく、「分かりたい、伝えたい」という姿勢を見せることだと私は思います。そして、伝えるための手段はいくらでもあります。「分からないから」と自分から壁を作ってしまうより、「それって何?」とこちらから近づいていくことで、新しい出会いが生まれることもあります。新しい学びは新しい世界を開きます。新しい学びに中国語を選んでみてはいかがでしょうか。

この記事をチェックした人にはこちらもおすすめ!