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【年末大掃除のポイント】モノに占領されない家にする片づけのヒント

中里 ひろこ Graceful Life代表

執筆者
中里 ひろこ Graceful Life代表

Graceful Life代表。転勤や子育て中の片付かない日々に悩んだ経験から、思考整理から始める整理術ライフオーガナイズを学ぶ。個人宅のサポートを経て、現在は講師として活動。最近は「片付け」を通して自分を大事にする女性の生き方も伝えている。著書『わたしに合った「片づけ」ができる仕組みづくり』(講談社2021/5)

今年も残り少なくなり、「年末の大掃除」といった言葉も目にするようになりました。

毎年、年始には「今年こそ、すっきりした家で暮らしたい」と誓ったにもかかわらず、気づくと家のなかには新たなモノが増えてきて困っていませんか?すっきり心地よく暮らすには、モノを増やさない意識も大事ですが、暮らしを楽にする、便利にするのにモノは欠かせない現実もあるので、定期的に家の外に出す循環を意識することが必要だといえます。

家がブラックホールにならないためには、2つの「片づけ」に取り組まなくてはいけません。日常使わないものをどこに収納するかという「片づけ」と、必要ないものを家の外に出す「片づけ」をしなくてはいけません。多くの方が「片づけ」というと「捨てる」と考える方が多いのですが、最近はエコやサスティナブルの観点から、賢くリサイクルする方法や上手な手放し方が増えてきました。

このコラムでは、日常のスペースをモノに占領されない「収納、保管方法」と、心が痛まない「モノの賢い手放し方法」をお伝えしていきます。

1.すぐに捨てられない場合、まずは分類して一定期間保管

一般的に片づける時、「必要なモノ」「不必要なモノ」に分けると思いますが、「必要ではないけれど、すぐに処分はできない」というカテゴリーが意外に多く、分類の途中で考えることに疲れてしまう方が多いです。このような「迷うモノ」は、「今はすぐ決断できないけれど、迷っているモノ」として、普段使ってるモノと同じ場所に収納しないのが大事なポイントです。

押し入れなどに保管するにしても、ダンボール に「迷うモノ」とメモ書きをし、今日の日付を書いておきましょう。日付を書くことで、いつから「迷っているか」が明確になります。多くの片づけが苦手な方は、長年なんとなく決められず保留させてしまう傾向があるので日付記入は長年放置しないための気づきになります。また、他の方からのいただきモノなど、使う予定はないけれど、直ぐに処分することに躊躇する場合も、この「迷い箱」に入れておくと、半年後、1年後など定期的な見直しのタイミングで処分しやすくなります。処分したくても、実物を目にすると行動にストップが掛かる方は、中身が見えない紙袋にいれて封をして保管する。そして、一定期間が来たら「ありがとう」と手放すなど、自分の心地よい手放し方法を見つけるのが大切です。

2.トランクルーム利用や季節外のモノの一時保管利用

家族の人数が多く必然的にモノが多い場合や、収納場所に困るレジャー用品や季節限定の衣類やグッズに家を占領されるのは生活の質を落とすことにもなりかねません。土地の広い田舎ですと、いまだに蔵があったり、倉庫を庭に増やしたりもできますが、都会ではベランダも狭く収納場所を増やすのは難しいです。そこで、人気がでてきたのが「トランクルーム」です。条件も様々あるようですが、温度や湿度の管理もされている環境で保管できるところもあるので、何を預けるかを考えて利用するのがおすすめです。もちろん、費用もかかるので、そこまでして所有したいモノなのか考えるきっかけにもなります。

サマリーポケット」のサービスは、自宅に届いた専用ボックスに荷物を詰めて送ると、すべての荷物が写真撮影でデータ登録されスマホやPCからいつでも預けているモノを確認でき、必要な時には一点から取り出し自宅に送っていただけます。

また最近では、単に預けるだけでなく「AIR TRUNK」のサービスのように、家の整理収納サービスを受けた上で、オフシーズンのモノや思い出のモノを無理に手放すことなくトランクに預け、シーズンごとに入れ替える「循環収納」という考え方もあります。

最近の住宅は、和室が減り押し入れも少なくなってきたので季節外、特に冬の布団収納に困る方も多いです。そこで人気なのが、季節の変わり目にクリーニングに出し、そのまま次の季節まで預かっていただくサービスです。冬のダウンコートなども嵩高いので、同じようにクリーニング先に預かってもらう方も増えています。

3.衣類ショップのリサイクルボックスを利用する

きれいな部屋になるために

着なくなった衣類をゴミ袋にいれることに抵抗感がある方や、親世代からの習慣から、着ふるしたTシャツを掃除などで最後まで使わなくてはと、ため込んでいる方が多いです。わたしも以前、サイズアウトした子供服など生地を切って掃除に使っていましたが、思い出ある生地を切ることに抵抗感を感じ、リサイクルに出す方が気楽だと気づきました。

最近は、衣料品など自社の製品を季節ごとに店頭で無料回収する取り組みも増えています。ユニクロは2006年より全商品リサイクル活動として「RE.UNIQLO」キャンペーンを季節ごとに実施しています。また、H&Mは常時、店舗にリサイクルボックスを設置し、ブランドやコンディションを問わず、不要な服や布地を持ち込めるようにしてあります。 オンワードも、全国の百貨店のショップにて、自社製品の回収に取り組むグリーンキャンペーンを開催しているので、利用するのもおすすめです。

4.リサイクルショップやフリマアプリを利用する

昨年の緊急事態宣言以降、家の片づけをする方が増え、リサイクルショップ(実店舗)やフリマサービスアプリの利用率が増加したといわれています。ご自身には必要のないものでも、それに価値を感じたり、探している方に届けられる上に、お小遣いにもなるので利用しない手はありません。

リサイクルショップは、持ち込むだけで良いので買取価格は安くても、ゴミに出すより気持ち的にも手放しやすく人気です。最近は、実店舗に持ち込まなくても、インターネットで申し込みするだけで自宅にダンボールが届き、そこに品物を入れて送り返すだけで査定してもらえるショップも多くありブランド品や大量の本などの手放し方法としておすすめです。

また、フリマアプリのなかでも一番人気なメルカリは、スマートフォンから全て操作ができること、匿名で取引できるので個人情報も安全なこと、そして自分で好きな価格をつけることができるのも魅力的です。梱包と発送は自分でする必要があるので、発送できるコンビニ、郵便局、宅急便店舗が近くにある方には特に便利です。私は引越しの際に、子どもの学習机、椅子、ダイニングテーブル、電子ピアノ、自転車など大型商品もメルカリで手放すことができました。大型商品や梱包しづらい家電はメルカリのサービス「たのメル便」(2021年11月現在)を利用すると、提携先のヤマト便のスタッフに梱包から発送、そして購入者先で開梱、設置まですべてお任せできます。

5.片づけで社会貢献

家のなかでの不用品NO1の量ともいわれる「衣類」を、ただ捨てるのではなく、社会貢献できると人気なのが「古着deワクチン」です。こちらは、専用回収キット(3,300円)を購入するだけで開発途上国の子ども達にポリオワクチン5人分が届けられ、回収された古着は開発途上国に送られ再利用されるだけでなく、現地の雇用創出にもつながります。自宅に届く袋1キットでTシャツなら100枚(30kg)と一度にたくさん入れられるのも魅力です。利用者の感想を見ると「誰かの役に立つと思うと片づけも捗った」「モノを捨てられなくて自身を責めていたが、社会貢献できることが嬉しい」など、「捨てる」ことが苦手な方や罪悪感を感じる方に片づけの後押しとなっている様子です。

おわりに

最後にお伝えしたい、「やってはいけないモノの片づけ方法」は「実家に送る」「一方的に人に譲る」ということ。気軽に「とりあえず、実家に置いておく」と考えている方は、親の暮らしを圧迫させていないかということや、将来それらの片づけに取り組まなければならないのはご自身だということを自覚しましょう。また、人に譲れば良いことをしたような錯覚に陥る傾向のある方も多いのですが、「片づけ」に困っている方の多くが「人からのいただきものの処分」に困っています。ご自身のモノの持ち方に最後まで責任を持つこともサスティナブルな時代に生きる私たちに必要な視点です。

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