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決断の前に【事例研究】田舎に移住して後悔した理由は?

セゾンのくらし大研究 編集部

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「田舎に住んで、心も身体も癒されたい」と、そんな風に未来を描いている方も多いのではないでしょうか。都会のように騒がしくなく家賃や物価も安いことから、豊かな生活の実現のために田舎暮らしへ注目が集まっています。仕事がリモート化する企業が増え、会社に通勤する必要がなくなったことも移住の背中を押すきっかけになっているようです。 

しかし、田舎への移住はただ豊かにゆっくり過ごせるだけではありません。田舎へ移住し後悔したという実際の声をご紹介しながら、どのようなことに気を付ければ快適に田舎暮らしができるのか考えてみたいと思います。 

1.田舎への移住は幸福度が上がる 

「ゆとりのある生活をしたい」というのが、地方移住をしたいと考えている方の最も多い理由です。田舎暮らしにおいて求められているのが、精神的な安静ということになります。都会は何においても便利で選択肢が多いことがメリットです。しかし、その自由さが心の安息を奪っているのかもしれません。 

全国で地方移住を行った500名に意識調査をしたところ、63.5%の方が「地方移住をして幸せだと思う」と答えています。日々の生活に疲れ、大事なことを失ってしまいそうに感じる方は地方移住をしてみると大きく人生が好転するかもしれません。 

参照元:【最新移住事情 2021】全国で徹底調査

2.田舎の環境に後悔

生活により満足感が欲しい、と田舎への移住がブームになっているものの、メリットばかりではありません。田舎暮らしに大きな夢を抱きがちですが、実際住んでみると住む前には分からなかったデメリットが浮き彫りになってきます。 

最も多く 挙がるのが、田舎という環境の不便さに後悔を感じる声です。山や川が近く自然豊かな環境には憧れますが、自然が近いということは虫が多く天災も起きやすい可能性があります。 

「こんなはずじゃなかった」というギャップを埋めるために、後悔したエピソードと共に対策を考えてみましょう。 

2-1.交通手段が不便 

田舎の生活で苦労する点として挙げられるのは、交通手段の不便さです。電車やバスは都会のように頻繁には通っていません。そのため自宅から最寄りの駅までも、徒歩での移動が困難なほど遠い場合があります。地域によっては車が必須となることもあるでしょう。 

実際に移住した方の大変だったという感想を見ても、交通の利便性をもっと重視すれば良かったという意見が一番多いようです。 

自然の豊かさを求めて田舎へ移住したい場合も、ある程度の利便性は重視しましょう。田舎でゆっくり生活を送るにしても、職場への通勤や買い物などは必要不可欠です。そんな中で交通手段があまりにも不便でストレスを感じては、都会疲れ以上の絶望を味わってしまうことになりかねません。 

また、家族と共に移住する場合は子どもの通学経路なども確認しておくべきですね。家族みんなの幸福度を上げるためにも、事前の確認は重要です。 

参照元:https://finance.a-tm.co.jp/housingloan/news/Immigration-599#2941b5392bb227f6 

2-2.周辺環境に暮らしにくさを感じる 

田舎へ移住してやりたいことの一つに、農業や家庭菜園という話をよく聞きます。確かに、広大な土地が広がる田舎であれば、農作物を育てる夢は叶いやすいでしょう。 

しかし、田舎への移住は夢を叶えるだけではなく、日々の生活が必要です。いくら田舎暮らしで心身が癒されたとしても、病気やケガをすることは誰にでも起こります。そんな時に病院が近くになければ、満身創痍のなかでも大きな体力と労力を使うことになり治療どころではありません。 

また、食料品や衣料品も毎日の生活に必要不可欠です。小さいことのように感じるかもしれませんが、その小さな積み重ねこそが大きなストレスにつながります。ぜひ、ご自身のライフスタイルを見つめ直して適度な周辺環境を考えましょう。 

3.田舎ならではの人間関係 

田舎での生活に必ずといっていいほど必要なのが、地域の人々との関わりです。人との関わりを濃厚にすることで仲間意識を醸成し、外の人間を警戒し排除するような雰囲気となっています。閉鎖的にも思えますが、いい換えれば一種のセキュリティ装置なのです。 

人付き合いが濃くなることで、子どもは沢山の方に見守られ何かの際には助けてもらえるという大きなメリットがあります。しかしデメリットに感じる部分もいくつかあるようです。 

都会暮らしでもできれば避けたいのが面倒な人間関係です。同じような疲れを繰り返さないために、どういった後悔の可能性があるのか確認していきましょう。 

3-1.公的手続きは必ず窓口 

インターネットの普及に伴い、公的手続きや住民票などの請求もパソコンやコンビニでできる社会になってきました。しかし、田舎ではこれらの手続きに対してインターネット整備が行われていないことが多くあります。 

引っ越して間もない頃が、生活への手続きを一番多くしなければなりません。そんな時に様々な機関の窓口に出向いて手続きをしなければいけないことで、大変な思いをされる方も多いでしょう。 

足を運んで対面で手続きをするのは面倒という方もいると思いますが、地域の人と関わるチャンスだと前向きに捉えてみるのも一つの手です。 

3-2.自治会や地域行事は参加必須 

都会ではあまり聞かない、町内会や消防団という町のネットワークが田舎にはあります。地域の見守りをしたり、行事の際に運営をするといった役割がある集まりです。また、生活をする上でのルールや地域のニュースを共有していくといった働きもあります。 

ゆっくり過ごすために移住をしたから人との深い付き合いは避けたい、と思う方もいるかもしれません。しかし、これらの集まりにはほぼ強制的に参加しなければいけない暗黙のルールがあります。町内会に加入しなければ、ゴミの回収をしてもらえないという地域もあるようです。 

こういった独特の仕組みは住んでみないとなかなか分かりません。できれば移住の前にその土地の知り合いを作って話を聞いてみるのが移住を後悔しない方法です。 

4.選択肢が狭まる働き方 

都会でも田舎でも、生活する上で必要となるのが仕事です。企業がリモートワークを進めているなら、今の仕事を続けながら移住すると困ることはありません。また、異動や転勤を機にその土地に移住するというのもきっかけの一つになります。 

せっかくなら移住する田舎に溶け込んで働きたい、と思う方もいるでしょう。しかし、田舎で働くということは今までの仕事への価値観を大きく変えなければいけない可能性があります。 

生きる基盤ともなる仕事で後悔しないために、どういった大変さがあるのかを知って自分に合う働き方を考えてみましょう。 

4-1.仕事の幅が限定される 

都会に比べ、田舎では会社の数がぐっと減ります。そうなると、自然と選択肢となる働き口が少なくなるのです。地域によっては、都会に当たり前にある職種が全くないということもあるかもしれません。 

職探しでハローワークに行ったものの、今までと同じような仕事が無くて担当者に話が通じずもどかしく感じたという声もあります。また、自分自身はなんとか仕事を見つけられたものの、家族の仕事が見つからず困ったという移住者の方もいるようです。 

今までと同じような仕事、という考えではなくその地域で自身にできる仕事を探すのが近道になるのではないでしょうか。希望する移住先でご自身や家族はどんな仕事ができるのか、ぜひ移住前に検討してみましょう。 

4-2.収入が低くなる 

どのような仕事でも、都会に比べると給与水準が低くなります。移住してみてその違いに気付き、後悔したという方もいるようです。 

ただ、その分物価も安くなる傾向が多いため生活が困るということは少ないかもしれません。貰える給料は減っても、心の豊かさが増えるのが田舎暮らしのメリットです。 

家族と一緒に移住する方は特にお金が必要となるので、移住前にシュミレーションをしておくと良いでしょう。また、田舎暮らしに求めることをもう一度見直すと大きな問題にはならないはずです。 

5.まずは二段階移住がおすすめ 

初めて田舎暮らしをする人におすすめする「二段階移住」というものがあります。比較的都市部にあたる県庁所在地などにまず移住し、実際の雰囲気を感じながら住みたいエリアを選んでいく方法です。 

5-1.新しい移住の形 

高知県が、この二段階移住を新しい移住の形として提案したのが始まりでした。まずは交通の便もいい高知市に移住し、そこを拠点としてより自然が豊かな山や海のエリアを見ていくという方法です。少しずつご自身に合った移住先を見つけることができ、安心して移住できるようになるでしょう。 

5-2.段階的に田舎が理解できる 

この二段階移住は、田舎暮らしに憧れを持つものの不安が大きいという方におすすめの方法です。段階的に移り住んでいくことによって想像と現実のギャップを埋めることができ、土地に寄り添って田舎を理解することができます。 

家族が移住に消極的という方も、二段階移住であれば理解を得られる可能性が高くなります。いきなり移住して後悔しないためにも、安心できるステップを踏みながら夢に近付けていってはいかがでしょうか。 

参照元:れんけいこうち広域都市圏

おわりに 

このコラムでは、田舎に移住して後悔したエピソードとその対策をご紹介しました。事前に下調べをしておけば、後悔することなくのんびりしたスローライフを送れるはずです。ご自身の価値観やライフプランをよく見つめながら、理想の田舎暮らしを手に入れるための参考になれば幸いです。 

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