季節は秋。暑すぎず寒すぎず、ビギナー女性がキャンプを楽しむのに絶好のシーズンがやってきます。いきなり宿泊を伴うキャンプはちょっと心配、そんなあなたには、日帰りの「デイキャンプ」から始めるのがおすすめです。
キャンプ道具がなくても大丈夫。レンタル品が充実しているキャンプ場を選び、必要な道具を借りてしまえば、気軽にデイキャンプ体験ができます。そのほかに、飲み物、ランチ、カフェタイムのスイーツなど、現地で食べるものを持っていきましょう。
1.デイキャンプを始めよう!場所と持ち物の選び方
1-1. 場所選びのコツ
慣れないうちは、キャンプ道具の組み立てなどに時間が取られるもの。家から1〜2時間以内で、デイキャンププランのあるキャンプ場を予約しましょう。キャンプ場検索サイトやキャンプ場ガイドブックなどで探すことができます。道具をレンタルする場合は、借りたいキャンプ道具が揃っているかもチェックしてください。
1-2.荷物はひとつにまとめてパッキング
荷物はバックパックに詰めて背負うか、大きめのトートバッグなどにまとめ、肩に掛けると移動がラクです。
1-3.デイキャンプの主な持ち物は?
デイキャンプの間、のんびり座ってくつろぐチェア。購入するならゆったり安定して座れるものを選びましょう。軽量で、小さく折りたためるものがおすすめです。
食材や飲み物を冷たくキープして運ぶために、クーラーボックスがあると便利です。女性ひとりのデイキャンプ用には、小型(右・容量約6L)〜中型(左・容量約19L)程度で充分です。ソフトタイプのクーラーボックスなら、使用後に小さくたたんで運べます。
調理や湯沸かし用に、アウトドアバーナー(小型コンロ)を持参しました。折りたためるので、持ち運びに簡便です。クルマの場合、家で使い慣れているカセットコンロでもいいでしょう。いずれも、燃料がCB缶(カセットガスボンベ)のコンロなら取り扱いが簡単で、ビギナー向きです。
そのほかに、デイキャンプの食事用に持ってきたのは、ケトル、アルミの角形飯ごう「メスティン」、ステンレス製マグカップ、シェラカップ(取手付きの椀・鍋としても使える)、平皿、フォーク、スプーン、箸のセットです。カトラリーは2つ折りできるものが収納場所を取らずおすすめです。いずれも、アウトドアショップやホームセンター、最近は100均ショップでも手に入ります。
テーブルとチェアはキャンプ場のものをレンタルしました。
1-4.途中のコンビニでサクッと食料調達
キャンプ場の近くにコンビニがあったので、氷と冷たい飲み物を買い足しました。
2.キャンプサイトの設営方法
2-1. まずは日除けのタープを立てる
青々とした芝生が開放的なキャンプ場にやってきました。日除けや、突然の悪天候に備えるため、タープ(布製の簡易屋根)を立てていきます。
タープはキャンプ場のレンタル品です。キャンプ道具は、購入する前に一度借りて使ってみると、自分にどんなタイプのものが合うのかがわかります。こんなはずじゃなかった……。そうなる前にまずレンタルで試してみましょう。
2-2. 部品の種類と数をチェックする
収納袋からタープ本体と付属品を出しました。返却するときに失くさないよう、ロープやペグの本数を覚えておきましょう。
2-3.説明書に従ってタープを立てる
タープの収納袋に立て方の説明書が付属していました。メーカーによっては、製品名で検索すると、立て方の動画がヒットします。それを見ながら立ててもいいでしょう。キャンプ場のスタッフが立て方をレクチャーしてくれるところもあります。
2-4.ポールを組み立てる
説明書に沿って立てていきましょう。順番に作業していけば、女性ひとりでも立てることができます。まず最初にタープポールを組み立てます。
2-5.タープ本体を広げる
タープ本体を縦半分に折って広げ、前後に2本のポールを仮置きします。
2-6.タープの片側を立てる
ポール先端にロープを掛け、ロープの先端が届くあたりの地面にペグを仮打ちします。ペグにロープを引っ掛け、長さを調整しながら位置を決め、ペグを深く打ち込みます。
2-7.反対側のポールを立てる
反対側も同様に立てていきます。
2-8.タープの四隅を張る
四隅のロープを引き、タープ本体がピンと張る位置にペグを打ち込んで固定します。
2-9.タープ設営完了!
居心地のいいリビングスペースができました! チェアやテーブルを配置し、設営完了です。
3.お待ちかねのランチタイム
3-1.手間をかけずに美味しく!
設営ですっかりお腹が空きました。今日のランチメニューはパスタとスープです。パスタはメスティンで茹でやすいよう、長さを半分に折り、ひとり分をチャック袋に入れてきました。袋に茹で時間をメモしておくといいでしょう。
レトルトのパスタソースは外箱を外して持参し、出るゴミを減らします。パスタソースは「あえるだけ」タイプだと、温める手間を省けます。スープはフリーズドライのミネストローネにしました。
3-2.アウトドアバーナーとメスティンで調理
バーナーとメスティンでパスタを茹でます。
できました。早速いただきます!簡単ですが、外の風に吹かれながらの食事はやはり格別です。
4.くつろぎのカフェタイム
4-1.青空の下、淹れたてのコーヒーを楽しむ
昼食の片付けを終え、チェアにもたれて野鳥のさえずりを聞くも良し、キャンプ場内を散歩するも良し。いつも持ち歩いているソロ用のコーヒーミルでお気に入りの豆を挽き、アウトドアの明るい光の下でカフェタイムを楽しみました。
淹れたてのコーヒーを飲みながら、持参したタブレットで読書もまた一興です。動画を鑑賞するときは、他のキャンパーの迷惑にならないよう、音声はイヤフォンで聴くようにしましょう。
4-2.気負わずコンビニグルメやスイーツを採り入れよう
とある日のデイキャンプに、筆者が持参したメニューです。そのまま食べられたり、お湯を注ぐだけなど調理が簡単で、どれもコンビニやスーパーで手に入るもの。最近のインスタント食品は美味しいですから、上手に手間を省いて、空いた時間をくつろぎタイムに充てましょう。
5.デイキャンプでテント泊の練習もできる!
5-1.テントをレンタルして立ててみる
カフェタイムの合間に、宿泊キャンプの予行演習をしてみては? キャンプ場にレンタルテントがあれば、借りて立ててみるのもいい練習になります。テントといっても色々な形のものがありますから、ビギナーは迷ってしまいがち。
購入する前に何回かデイキャンプを経験し、その中で違ったタイプのテントを借りて試してみると、どんなテントが自分のスタイルに向いているかが感覚的に分かってきます。
5-2.テントとタープの相性がわかり、買い損ないも減る
今回、立てやすく、ビギナー向けのエントリードームテントをレンタルして立ててみました。六角形のタープと並べてみると、それぞれの大きさ、位置関係などの相性がよく分かります。
デイキャンプは宿泊キャンプの練習という位置付けで考えれば、これから先のソロキャンプで、テントやタープなどの大きな買い物をする際に失敗が少なくなるというメリットがあります。また、デイキャンプは購入したテントやタープの試し張りにもうってつけです。
6.時間内に手早く撤収
6-1.チェックアウト時間から逆算して動く
帰る時刻が近付いてきました。決められた刻限までに片付けが終わるよう気を付けましょう。デイキャンプの場合、ビギナーはチェックアウト時間の約2時間前から順次撤収作業を始めると余裕が持てます。
立てたときと逆の手順で片付けていき、次にレンタルする人のために、ペグやポールに付いた泥汚れはキレイに拭いて落としましょう。ロープは絡まないよう1本ずつ束ねます。
6-2.部品をチェックし収納袋に収め、返却
荷物をまとめながら、もう一度キャンプサイト全体をくまなく見て回り、ゴミや忘れ物がないかチェックしましょう。
ポール、ペグ、ロープの数を確認し、タープ本体とともに、元のように収納袋に入れてください。レンタル品を全て返却したら、受付でチェックアウトの手続きをします。
7.デイキャンプでキャンプスキルの経験値を上げよう!
デイキャンプの時間はあっという間に過ぎ、名残を惜しみつつ帰途につきました。
愛用のチェアひとつを持って外の空気を楽しむチェアリング、そして日中のまる1日をキャンプ場で過ごすデイキャンプ。少しずつアウトドアでの経験値を上げながら、無理のない流れで宿泊キャンプへとステップアップしていきましょう。
取材協力:株式会社UJack