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タイに移住するために必要なビザと移住にかかる生活費用を解説

中田 祐樹 タイ実業家

執筆者
中田 祐樹 タイ実業家

タイ・バンコク在住。日本大手不動産会社での就職後、タイ・マレーシア等の東南アジアにおけるコンドミニアムの企画・開発・販売の責任者として従事。退職後、タイを拠点に不動産仲介業、飲食業をはじめ、タイへの進出支援、マーケティング支援なども展開。現地タイの生の情報を分かりやすくお届けします。

タイ移住に関して、ビザを取得する為には一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか。また、いざ現地で生活するとなると毎月かかる生活費も気になるところ。今回は、ビザの種類についておさらいしつつ、気になる費用についてまとめてみました。

1.タイに移住するためのビザの費用

まずはビザの費用についてです。タイに長期滞在可能なビザについては主に3種類です。

  • エリートビザ
  • 就労ビザ
  • リタイアメントビザ

あとは「EDビザ」という留学生が対象となるビザもありますが、留学することが条件ですので、こちらは今回省略いたします。それぞれのビザにかかる費用について見ていきましょう。

1-1.タイのエリートビザ

エリートビザはタイランドエリートカードの会員に付与されるビザです。ビザの取得のためには会員になる必要があるのですが、その金額は50万〜200万バーツと期間によって異なります。

50万バーツの会員であれば期間は5年間、最も高額な200万バーツの会員であれば20年間の滞在が可能となります。長期滞在のビザだけでなく、エリートカードの会員のみに与えられる様々な優遇もあり、価格以上の価値があるといわれています。

エリートカードの詳細につきましてはこちらをご覧ください。

【これで解決!】人気のタイエリートカードの会員種類をご紹介 – Luxyry Thailand

1-2.タイの就労ビザ

就労ビザは、ノンイミグラント-B/IBといいます。就労ビザはタイで働く場合に取得することができるビザです。入国回数はシングル。ビザ有効期限は発行日から 3ヵ月、入国後の滞在可能期間は、入国日から90日のもので、ビザ申請料金は10,000円です。 

条件としてタイの会社で働くまたはタイに自身の会社がある方しか取得が出来ないので、取得するにはタイ企業への転職、またはタイで起業する必要があります。タイの会社で働く場合は、雇用主がビザ費用を立て替えてくれるケースが一般的です。また申請料金のほか2万〜5万バーツ(=約7万円〜17.5万円)の申請代行会社の手数料がかかることが一般的です。

タイ王国大阪総領事館、ビザ申請

1-3.タイのリタイアメントビザ

リタイアメントビザは、ノンイミグラント O(年金受給者/リタイアメント)といいます。リタイアメントビザは50歳以上の方のみ取得可能なビザです。

申請料金は10,000円ですが、申請時にタイの銀行に80万バーツ(約=280万円)以上の預金残高が必要となります。また申請料のほか2万〜5万バーツ(=約7万円〜17.5万円)の申請代行会社の手数料がかかることが一般的です。

2.タイでの生活費

次にタイでの生活費について見ていきましょう。移住される場合には、いろいろな生活スタイルがあると思いますが、今回は「駐在員」の方と「現地採用」の方の平均的な生活費について掘り下げてご紹介していきます。単身やご夫婦、お子様連れなど様々な世帯がありますが、今回は比較しやすいよう単身の方の生活費をご紹介します。

2-1.標準的な駐在員の方の生活費イメージ

まずは標準的な駐在員の方の生活費についてです。駐在員の方の待遇については企業によって大きく差がある場合も多いですが、一般的には家賃補助等も含めると、少なくとも月給は実質150,000バーツ以上(=約52.5万円)をもらっている方が多いと言われています。

その中で生活費に使う金額の内訳は以下のとおりです。家賃は会社負担の場合がほとんどのため、除いています。

  • 光熱費(電気・水道):約1,500バーツ
  • 通信費(インターネット・携帯):約1,300バーツ
  • 食費・日用品:約30,000バーツ(1,000バーツ/日)
  • 交際費:約10,000バーツ(2,500バーツ/週)
  • ゴルフ:約20,000バーツ(1回あたり約5,000バーツ、週1回計算)
  • 合計:58,800バーツ

駐在員の方の場合、家賃は会社が保証しているケースが多いので手取りの給料から支払う必要がないのと、交通費に関しても運転手付きの社用車があるため、かからないという場合が多いです。

職種によっても異なりますが、接待や出張者のアテンドなど仕事上の付き合いも多いため、ゴルフや交際費は上記の金額より、もっと多くかかっている方も多いかもしれませんが、その分経費として計上できる付き合いも現地採用に比べると多いです。

残った金額は日本より利率が良いタイの銀行で定期預金をし、赴任期間中に賢く資産運用をされる方も多くいらっしゃいます。駐在期間が長い方は、駐在期間で一財産築いた!なんていう方もいらっしゃいます。タイは住みやすい国の一つであることは間違いないのですが、やはり会社としては、望まぬ場所での勤務をしてもらっているという遠慮が、手当として表れているようです。

2-2.標準的な現地採用の方の生活費イメージ

次に標準的な現地採用の方の生活費についてです。こちらも企業によって差はありますが、平均的な現地採用の給与額は約70,000バーツ(=約24.5万円)。20代の若い世代だと50,000バーツ(=約17.5万円。タイ国内での日本人の最低賃金)が圧倒的に多いと言えるでしょう。

駐在員の方のようにその他色々な手当がついたりすることは少なく、待遇は良くないので、手取りの給与から家賃や交通費を支払い、上手にやりくりしている印象です。1ヵ月の生活費の内訳は以下のとおりです。

  • 家賃:15,000バーツ
  • 光熱費(電気・水道):約1,500バーツ
  • 通信費(インターネット・携帯):約1,300バーツ
  • 食費・日用品:約15,000バーツ(500バーツ/日)
  • 交際費:約5,000バーツ(1,000バーツ/週)
  • 合計:37,800バーツ

食べるものとしては日本食が中心の駐在員に対して、現地採用の方の場合はリーズナブルな屋台やフードコートのタイ料理がメイン、週に1度の飲み会や食事会も予算はおよそ1,000バーツ(約3,500円)が妥当と言えるでしょう。

駐在員との大きな違いは、ゴルフに行く頻度ではないでしょうか。もちろん現地採用の方でも付き合いでゴルフをやる方も、いますが総数としては少ない印象です。

2-3.食べるものや遊び方で大きく変わるタイの生活費

生活費に関して比較しやすいように駐在員の方と現地採用の方で紹介しましたが、駐在員の方の中にもほとんど交際費を使わずに質素に暮らしている方や、タイ料理が好きで屋台のご飯を頻繁に食べるような方もいらっしゃいます。逆に現地採用でも、まるで駐在員の方のように羽振りの良い方もいますので、雇用状態で区別できないというのが正直なところです。

タイでの生活費の変動については「何を食べるか」「どんな遊びをするか」の2点で変わると言って良いでしょう。

タイは物価が安い国なので勘違いされやすいのですが、外国人が好んでいくような場所やモノ、サービス(日本食などタイ料理以外のレストランや、外国人が快適にプレーできるゴルフ場、外国人の多く集まる娯楽場など)は外国人向けの価格になっていて、下手すると東京と同じレベル、場所や食べるものによっては東京よりも高いなんてこともあります。

その価格差が顕著に現れるのが上記の2点ですので、これらの点を考慮しながらうまくバランスを取れば月5万バーツ(=約17.5万円)あれば無理なく生活ができると思います。

おわりに

今回はタイ移住にあたって、ビザの取得費用や生活費の内訳等を詳しく解説しました。移住後は基本的に働かずに暮らそうとお考えの方は毎月の支出等を参考に1年間に必要な費用等も算出できるかと思います。今回の記事をこれからの移住計画に役立てていただければ幸いです。

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