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遺品整理の際に捨ててはいけないものとは?理由も一緒に解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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親族が亡くなった際に行うべき作業の一つとして挙げられるのが遺品整理です。何を残すべきか捨てるべきか分からない状態で遺品整理を始めてしまうと、後悔したりトラブルになったりする場合もあるでしょう。

このコラムでは、遺品整理の際に捨ててはいけないものをご紹介するとともに、残すべきものを捨てないようにするためのコツなどを解説します。いざ遺品整理が必要となった際に慌てずにすむよう確認しておきましょう。

この記事のまとめ

遺品整理とは故人の遺品を片付けて整理することです。遺品整理の際に捨ててはいけないものの代表としては、現金や印鑑、身分証明書などの貴重品、土地の権利書や契約書類などの書面といったものが挙げられます。捨ててはいけないものを残すためには、遺言書やエンディングノートなどの故人の意思が示されたものを確認しながら整理していきましょう。不用品はゴミとして処分するだけでなく、使える物品を売却したり寄付をしたりするという方法もあります。また、遺品整理が不安だと考える場合はプロに依頼すると安心でしょう。

遺品整理・生前整理

遺品整理について

遺品整理の基本的な内容に加え、遺品整理を行う際のタイミングや注意点についても解説します。

遺品整理とは

遺品整理とは故人の遺品を片付け、部屋をきれいに整理することをいいます。故人が大切にしてきたものと向き合いながら片付けることで、部屋だけでなく気持ちの整理も行えるのです。

遺品整理を行う適切なタイミング

遺品整理を行うタイミングは、故人の住環境によって異なります。故人が賃貸住宅に居住していた場合は、亡くなったあとの月末または翌月末までに行うのが一般的です。家賃や部屋の明け渡し、現状回復が関係してくるため、多少急いで行う必要があるでしょう。

一方、故人が持ち家に住んでいた場合は、諸々の手続きが完了したあとや、親族が集まる法要のときに行うと良いでしょう。親族間のトラブル回避のためにも、いつ遺品整理を行うのか、どのように整理をしていくのかをきちんと話し合ったうえで行いましょう。

遺品整理を行うときの注意点

遺品整理の際は、通帳や印鑑、保険の契約書類など公的機関の手続きで必要となる貴重品は必ずとっておきましょう。また、相続の場面で必要になる遺言書や故人が利用していたレンタル品なども捨てないよう注意しましょう。

遺品整理の際に捨ててはいけないもの

遺品整理の際に捨ててはいけないものを具体的に見ていきましょう。

遺言書

遺品整理を行う前に、まず遺言書があるか確認していきましょう。遺言書には、相続や遺品整理に関する故人の意思が書かれており、法的な拘束力がありますので、誤って捨ててしまった場合、親族間でのトラブルになる可能性もあります。必ず残しておきましょう。

現金

故人が持っていた現金は遺産として扱われ、相続の対象になりますので、遺品整理中に出てきた現金は全て残しておきましょう。

また、現金を捨てることは法的に禁止されていますので、タンスや机の引き出しなどに隠されていて、気がつかずそのまま捨ててしまったということがないように、遺品整理の際は細部まで確認しましょう。

通帳

通帳は遺族が故人の預金を引き出す際に必要になる場合があるため、捨ててはいけません。記帳内容でお金の流れを把握でき、どのような取引があるのかを確認するにも役立つため、必ず保管しておきましょう。

身分証明書

故人の運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの身分証明書は捨てないようにしましょう。故人が生前に契約していたサービスの解約手続きの際に、故人の身分証明書が必要になることがあります。

年金手帳

故人が年金受給者だった場合は、年金手帳や年金証書などを捨てないようにしましょう。年金受給者が亡くなった際は、死後10日(国民年金は14日)以内に受給権者死亡届の提出が必要になります。

届け出が遅れたり、亡くなった日の翌日以降に年金を受け取ったりした場合は、返金の対象になるので注意しましょう。

印鑑

印鑑はさまざまな手続きで必要であり、重要なものであるため決して捨ててはいけません。印鑑には大きく分けて「実印」「銀行印」「認印」があり、銀行や土地建物の売買契約、ローン契約などさまざまな場面で使い分けている可能性があります。

誤って捨ててしまうと、死後の手続きがスムーズに進まなくなる可能性もあるので、十分に注意が必要です。

土地の権利書

土地は相続の対象になるため、土地の権利書は大切に保管しておきましょう。権利書がある場合、相続に関する話し合いがスムーズに行え、トラブルの防止につながります。万が一、権利書を捨ててしまっても、土地の所有権を変更する「相続登記」を行うことは可能です。

ローンの明細 

故人がローンを組んでいた場合は、その明細書をとっておきます。ローンの残債が高額で返済義務を放棄したい場合は、全ての相続分を合わせて「相続放棄」が可能です。ただし、相続開始の事実を知った日から3ヵ月以内に届け出なくてはなりません。

故人が亡くなったあとに負債の存在を知るといったケースも少なくないため、明細書は大切に保管して残債状況を確認するようにしましょう。

仕事関係の資料

故人の仕事に関する資料はすぐ捨てないようにしましょう。後日、故人の仕事内容の引継ぎのためにこれらの資料が活用されるケースがあり、場合によっては法人手続きの際に必要となることもあります。不要の確認がとれるまで保管しておくと安心です。

故人が所有していた鍵は捨てずにとっておきます。家や自動車などを売却する際には鍵が必要になります。また、鍵がついた金庫や机の引き出しの中には大切なものが保管されていることが多々あるため、確認できるように残しておきましょう。

デジタル遺品

デジタル遺品とは、スマートフォンやパソコンなどに残されたデータのことです。暗号資産や有価証券など、故人の資産となるものがわかる場合があります。そのため、データを確認せずに初期化したり処分したりするのは避けましょう。

返却する必要のあるもの

故人がレンタル品やリース品を借りていた場合は、必ず返却しましょう。これらの物品は故人の所有物ではないため、誤って捨ててしまうと損害金を支払わなければいけません。近年Wi-Fiルーターやウォーターサーバー、家具などさまざまなレンタル品やリース品があるため、処分する際はしっかり確認しましょう。

売却価値のあるもの

遺品の中でブランド品や骨董品、アート作品など、売却価値があるものは捨てずにとっておきましょう。場合によっては高価で売却ができるかもしれません。一旦保管しておき、後日鑑定のプロに見てもらうと良いでしょう。

なお、整理作業と買取を同時に行う遺品整理会社もあるので、このようなプロに頼むのもひとつの手です。

思い出の品

故人との思い出の品は一度処分すると戻ってきません。特に遺品整理をひとりで行うときは要注意です。ご自身にとっては不要なものでも、他の遺族にとってはかけがえのない思い出の品ということもあります。故人との写真や手紙は、他の遺族の同意を得てから処分するようにしましょう。

請求書・支払通知書 

公共料金や税金などの請求書・支払通知書も、重要な情報源になるため手続きが終わるまでは残しておきましょう。

遺品整理の際に捨ててはいけないものを捨てないようにするには

遺品整理の際に捨ててはいけないものを守るためには、事前の確認やプランニングが大切です。どのようなことに気をつければ良いのか解説していきます。

遺言書を確認する

遺言書には「残された遺品をどうやって処分・譲渡するのか」「相続はどのようにするのか」が書かれている可能性があるため、遺品整理を行う前に必ず確認しなければなりません。遺言書は民法で定められた方法で作成され、法的な効力をもっているものをいいます。

大きく分けて「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」があります。自筆証書遺言、秘密証書遺言を見つけた場合には、開封せず、家庭裁判所で必ず検認の手続きをしましょう。遺言書に遺品整理に関する記述がされている場合は、その内容に沿って進めていきましょう。

エンディングノートを確認する

エンディングノートとは住所や本籍に加え、保険や年金、デジタル遺品のIDパスワードなどを記録できるノートです。このような個人情報の他に、遺品に関する内容も書いてある場合があるので、確認しておきましょう。

遺言書とは異なりエンディングノートは法的な拘束力はありませんが、残された家族に故人が意思を伝えるためにはどちらも有効といえます。

遺品整理をプロに依頼する

上記のような遺言書やエンディングノートがなく、何をどうすれば良いのかわからない方は遺品整理のプロに依頼するという手もあります。プロに頼むことで、捨ててはいけないものをしっかりと守ることができるでしょう。

くらしのセゾンの「遺品整理・生前整理」では、大切なものを捨ててしまわないように、遺品整理士がしっかりと対応してくれます。遺品整理士が自宅に訪問し、無料調査や無料見積もりを実施するサービスも行っているので安心です。

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遺品整理・生前整理

遺品整理の際に捨ててはいけないものの残し方

遺品整理の際に捨ててはいけないものはどのように残したら良いのか解説していきます。

残すものは最低限にする

故人の思い出の品を捨てるのは忍びないものです。しかし、捨てられないからといって残しすぎると、今生きている方の生活を圧迫する可能性があります。残すものの上限を決めて、負担がかからない量だけ残しましょう。

残すものの基準をあらかじめ決めておく

「再利用できるもの」「売却できるもの」「家に保管できるもの」と残すものの基準をあらかじめ決めておきましょう。基準を設定しておくことで、遺品整理がスムーズに行えます。残すものの基準を決める際は、トラブルを回避するためにも親族間で確認しながら決めていきましょう。

写真はデータ化がおすすめ

大量の写真をアルバムの状態で残すとスペースを取られるデメリットがあります。捨ててしまい、後で「処分しないほうが良かった」と後悔するケースも少なくありません。故人の思い出の品は一度手放すと戻ってはこないため、DVDやクラウド上、USBなどに保存してデータ化しておくと良いでしょう。

先祖から受け継がれてきたものについては話し合う

遺品の中には先祖から受け継がれてきた大切なものもあるでしょう。そのようなものを処分する際は、ひとりで判断せず親族間で話し合ってから決めるようにしましょう。

残すか捨てるか迷ったらひとまずとっておく

残すか捨てるか迷ってしまったら一度保留にしましょう。遺品整理では、勢いで捨ててしまって「捨てなければ良かった」と後悔するケースも少なくありません。迷ってしまったものは、日を改めて段階的に処分していく方法がおすすめです。

遺品整理で出てきた不用品の処分方法

遺品整理で不用品が出てきた際の処分方法について解説していきます。

ゴミに出す

再利用や売却ができない遺品は、ゴミとして捨てましょう。ただ、ゴミとして出すときは、各自治体のルールに従って捨ててください。ゴミを捨てられる曜日は自治体によって異なるため、事前に把握して遺品整理を始めると効率的に捨てられます。

売却する

まだ使えそうな服や家具、家電などは、リサイクルショップでの売却がおすすめです。家具や家電などを捨てるには処分費用がかかりますが、リサイクルショップで売却できれば逆に査定額をもらうことができるためです。

ものによっては高価格で買い取ってくれる場合もあるでしょう。査定額はつかずとも無料で処分してもらえて、処分費用を浮かすことができるケースもあります。

寄付する

社会貢献をしたい方は、NPO団体やNGO団体などに寄付すると良いでしょう。まだ使えるものを必要としている方に届けてくれます。ただし、寄付する場合は依頼者が送料の負担をしなければならないケースが多いので、事前に確認しておきましょう。

おわりに

遺品整理の際に故人の貴重品や思い出の品を処分してしまい、後にトラブルになるというケースも少なくありません。遺品整理を行う前には、必ず故人の意思が示してあるものがないかを確認して、捨ててはいけないもの・捨てて良いものを判断するところから始めましょう。また遺品整理はひとりで行うのではなく、事前に親族間で話し合うことも大切です。

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