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デジタル機器・データにも遺品整理が必要?生前整理のポイントもまとめてご紹介

デジタル機器・データにも遺品整理が必要?生前整理のポイントもまとめてご紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

現在はパソコンやスマホが普及したため、高齢者であっても使っていることが珍しくありません。しかし、家族やご自身に万が一のことがあった場合、その中に入っているデータの扱いをどうするかが問題になるはずです。今回のコラムでは、家族やご自身のパソコン・スマホの中のデータ=デジタル遺品の扱いに悩んでいる方のために、トラブルを回避する観点から方法を詳しく解説します。

この記事を読んでわかること

  • デジタル遺品とは故人が使用していたデジタル機器・ネット上に残るその人の情報のこと
  • デジタル遺品は適切に処分しないとハッキングや料金の自動引き落としなどトラブルの元凶になる
  • デジタル遺品を整理したいなら専門会社に依頼するのもひとつの方法
  • デジタル遺品も通常の物品と同様、できるだけ生前から整理しておくべき
遺品整理・生前整理

デジタル遺品とは

デジタル遺品とは

デジタル遺品とは、故人=亡くなった方が使用していたデジタル機器・ネット上に残るその方の情報のことです。代表的なデジタル遺品として、以下の3つについて解説します。

  • スマホやパソコンなどのデジタル機器内の情報
  • SNSや通販サービスなどネット上の情報
  • ネットバンクや仮想通貨など口座情報

スマホやパソコンなどのデジタル機器内の情報

亡くなった方が生前に使っていたスマホやパソコンなど、デジタル機器内に残る情報は代表的なデジタル遺品です。これらのデジタル機器(デバイス)に残っている情報として考えられるものを列挙してみました。

  • 写真や動画
  • メール・チャットのデータ
  • 連絡先の情報
  • 亡くなった方が作成・収集した動画・音声・文章のデータ

SNSや通販サービスなどネット上の情報

SNSや通販サービスなど、各種インターネットサービスを使っていた場合、そのアカウントやデータもデジタル遺品になり得ます。

こちらも、代表的なものを列挙してみました。

大分類具体例
オンライン通販サービスAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど
フリマアプリ・ネットオークションメルカリ、ヤフオクなど
有料の動画・書籍・音楽配信サービスYouTubeプレミアム、Netflix、Amazonプライム、Spotifyなど
SNSLINE、X(旧Twitter)、Facebook、Instagramなど
クラウドサービスGoogle、Dropboxなど

ネットバンクや仮想通貨など口座情報

亡くなった方がネットバンクやネット証券を使っていたり、仮想通貨投資をしていたりした場合は要注意です。口座残高や保有資産の情報を確かめるためには、IDとパスワードがなくてはなりません。確かめた結果、残高がプラスになっていたときには、相続財産として扱われるので、相続税の申告後に発見した場合、修正申告が必要になります。 

デジタル遺品整理をしないと起こり得るトラブル

デジタル遺品整理をしないと起こり得るトラブル

デジタル遺品も、通常の遺品と同様整理しないとトラブルに見舞われるかもしれません。考えられるトラブルとして、以下の3つを紹介します。

  • ハッキングによる個人情報悪用のリスク
  • 有料サービス料金の自動引き落としが続く
  • ネット上にある資産がわからない

ハッキングによる個人情報悪用のリスク

亡くなっていた方が使っていたパソコンやスマホなど、デバイス内の情報を削除せずに処分すると、悪意のある第三者に個人情報を抜き取られる可能性があります。使っていた方の氏名・電話番号・住所だけでなく、家族・友人などの連絡先が残っていた場合、その情報も渡ってしまうので要注意です。

これらの情報がハッキングされた結果、詐欺グループなどの反社会勢力に売買されるなど悪用されてしまうと、遺族がトラブルに巻き込まれるおそれも出てきます。

有料サービス料金の自動引き落としが続く

有料アプリやサブスクリプションサービスを利用していた場合、解約手続きをしないままでは料金が発生し続け、自動引落になっている場合は解約しないと料金を請求されてしまいます。サービスの提供元が契約者の生死を検知する方法はないためです。

亡くなった方のご家族やご友人など近しい方が手続きをできれば問題ありませんが、そもそも「どのサービスを使っていたのか」がわからないと動きようがないでしょう。故人が使っていたパソコンやスマホを調べ、ひとつひとつリストアップしていくことになりますが、状況次第ではかなりの時間がかかります。

ネット上にある資産がわからない

ネット上にある資産がわからないことも、デジタル遺品の整理をしないことで起きるトラブルのひとつです。ネットバンクやネット証券、仮想通貨などご本人しか存在を知らない口座があった場合、生前に伝えておかないと遺族はその存在に気づけません。結果として、口座の中にある財産は相続されずに残ってしまいます。

ネット口座も含めた預貯金は、10年以上取引がない場合、睡眠預金として個別に管理され、取引が制限されるので要注意です。

また、口座の中にある財産の収支がプラスだった場合、資産として扱われるため、相続税の修正申告が必要になります。一方、FXや株式の信用取引で負債が発生した場合、その支払いは遺族がしなければなりません。亡くなった方がハイリスクなトレードをしていた場合、負債が数百万~数千万円に達することもありえます。

デジタル遺品整理専門会社に依頼できること

デジタル遺品整理専門会社に依頼できること

デジタル遺品は生前から整理しておくに越したことはありませんが、そのままにして亡くなってしまい、手掛かりもない場合は、デジタル遺品専門整理会社に依頼するのも選択肢のひとつです。以下のようなことを依頼できるので、詳しく解説します。

  • ロックやパスワードの解除
  • データの取り出し
  • 電子資産の調査
  • 有料サービスの解約手続き

ロックやパスワードの解除

デジタル遺品整理会社に頼めることのひとつに、パソコンのロックやパスワードの解除があげられます。やみくもにロックやパスワードを解除しようとすると、データ自体が消失したりすることもあるため、ここはプロに頼みましょう。

ただし、スマホはサポート対象外である場合がほとんどです。日本国内でもデータサルベージの技術を駆使してスマホのパスワード解析に対応している会社はありますが、一般的なデジタル遺品会社では扱っていないと考えましょう。

データの取り出し

デバイスに残されたデータの整理や移行、不要なデータの完全抹消も引き受けてくれます。デバイスにデータを残したまま処分するとデータが盗まれる可能性は否定できないので、必要なデータとそうでないデータをより分け、必要なデータは残し、不要なものは消すという手続きが必要です。もちろん、この作業もデジタル遺品整理会社に依頼できます。

電子資産の調査

デバイス内のデータを参考に、ネットバンキングやネット証券の履歴を調べ、預金、株や投資信託などの有価証券、仮想通貨などの残高がないかを調べてくれます。

なお、残高のあり・なしを問わず、亡くなった方が使っていたネットバンキングやネット証券があれば、窓口に連絡しましょう。相続手続きの案内をしてくれるはずです。

有料サービスの解約手続き

前述したとおり、有料サービスを解約するためには、アカウントのIDやログインパスワードが必要です。デジタル遺品整理会社では、利用している有料サービスのログインパスワードの解除にも対応してくれます。故人の情報がわかればご遺族が解約手続きができるようになり、一歩前進するはずです。

生前にできるデジタル遺品整理のポイント

生前にできるデジタル遺品整理のポイント

デジタル遺品は、できる限り生前から整理を進めておきましょう。具体的な整理のポイントとして、以下の4点を解説します。

  • アカウントIDやパスワードはリスト化
  • 日常的に写真や動画を断捨離
  • 見られたくないデータは整理しロックをかける
  • エンディングノートなどで希望を残す

アカウントIDやパスワードはリスト化

契約しているサービスは、アカウントのIDやパスワードをリスト化し、紙に印刷して残しておきましょう。手書きでも構いません。リスト化し、どこに保存してあるかをご家族に伝えておくことで、いざというときにもすぐに情報を共有できます。

特にリスト化を徹底しておいたほうが良いのが、銀行口座や証券口座、サブスクリプション(月会費制サービス)のID・パスワードです。お金が関係することだけに、早めに解約しないと本来は払う必要のない出費が増え続けます。

なお、リスト化をする際は、実際にそのIDとパスワードを使って問題なくログインできるかも確認しておきましょう。

日常的に写真や動画を断捨離

スマホやパソコンに保存している写真・動画は、日ごろからこまめに断捨離してください。一口に写真や動画といっても、当座の記録用で撮影したものから、大切な思い出として取っておきたいものまでいろいろあるはずです。

思い出として取っておきたいものまで処分する必要はありませんが、当座の記録用のものはこまめに処分しましょう。莫大なデータを残さなくて済みます。

見られたくないデータは整理しロックをかける

例え、相手が家族であっても見られたくないデータはあるはずです。また、ご自身が亡くなった後に家族が見てしまうと傷つく恐れのあるデータなら、見られなくしておいたほうがお互いのためかもしれません。

そのような見られたくないデータは整理し、ロックをかけておきましょう。死後の扱いについても「削除してほしい」など意思表示をしておくのをおすすめします。

エンディングノートなどで希望を遺す

先ほど触れた見られたくないデータの扱いを含めたデジタル遺品の扱い方や、ご自身が亡くなった後にしてほしいことはエンディングノートにまとめておきましょう。エンディングノートとは、万が一のことが起きた後の扱いについてまとめたノートです。

法的な遺言書ではありませんが、ご自身の希望をご家族に伝えるための手段として昨今注目されています。基本的に何を書いても構いませんが、以下の点には触れておきましょう。

  • 死亡時に連絡してほしい方のリスト
  • 葬儀に関する希望
  • デジタル遺品を含めた遺品の扱い
  • 家族、友人へのメッセージ

使うノートも基本的には何でも構いません。文房具店や100円均一ショップに行くとエンディングノートを売っているので、それを使うのもひとつの方法です。

生前整理をするならプロへの依頼もおすすめ

生前整理をするならプロへの依頼もおすすめ

万が一のことが起きても、家族に負担をかけないためには日ごろからこまめに整理しておくのが重要です。くらしのセゾンでは、遺品整理はもちろん生前整理にも対応しています。

料金は家財の量や作業環境、ご自宅の広さに応じて無料でお見積りし、遺品整理士の資格を持つスタッフが中心となり、丁寧に作業を進めてまいります。ご自宅以外にも、ご家族のお住まいの生前整理のお手伝いなどさまざまな案件に対応しておりますので、まずは一度ご相談ください。

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おわりに 

スマホやパソコンを当たり前に使う世の中になったからこそ浮かび上がった問題のひとつが、デジタル遺品の整理です。デジタル資産をそのままにして亡くなってしまった場合、家族に多大な負担を強いることになるため、できる限り生前から整理を進めましょう。見る予定のない写真や動画、使う予定のないサービスは思い切って削除・解約するのも重要です。一気にまとめてやろうとするのではなく、気が付いたときにこまめに進めていくことがおすすめです。

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