片づけが苦手な方も、本当はスッキリと片づいた部屋で暮らしたいと思っているのではないでしょうか。しかし、片づけの方法が分からない、片づけてもすぐに散らかってしまう、というお悩みから片づけられないことも多いようです。この記事では、片づけのコツや手順、片づいた状態を維持するポイントをお伝えしています。片づけは、コツをつかむと案外簡単にできるかもしれません。片づけが苦手な方は、ぜひ参考にしてください。
- 片づけのコツは、場所を区切って、片づける時間を決め、捨てるルールを作ること
- 片づけでは、ものを必要・不要・保留に分けて使用頻度ごとに収納する
- 片づけた状態を維持するポイントは、床にものを置かない、ものを増やさないこと
- 自分で片づけられない場合はプロに依頼することもできる
部屋の片づけを始めるコツ
部屋が散らかっている状態だと、途方に暮れて何から始めたらいいのかわからないかもしれませんね。また、「部屋を徹底的に片づけよう」と一念発起しても、計画倒れになってしまうことも。
まずは、部屋の片づけを始めるコツをお伝えしますので、ぜひ実践してみてください。
場所を区切って片づける
部屋全体を片付けるとなると大がかりになり、かなりの時間を要します。片づけを思い立ったときには、きれいに片づいた部屋を思い浮かべて徹底的に行おうと思いがちです。
反対に「部屋を片付けなければ」と頭のどこかで気になっていても、部屋全体の片づけにかかる時間を考えると「今はまとまった時間が取れないから」と先延ばしにしてしまうこともあるでしょう。
片づけを始めるコツは、小さな範囲から少しずつ始めることです。部屋の中で「今日は、この引き出し1段」など、片づける場所を区切って着手するのがおすすめ。
また、本や洋服など特定のものが散らかっているなら、「今日は洋服を片づけよう」などジャンルごとに分けて片づけても良いでしょう。小さな範囲に区切ることで、その部分の片づけを完結でき「片づけられた」という達成感を味わえます。
部屋全体を片づけようと、無計画にさまざまな場所に手をつけてしまうと、結局どこも中途半端になり片づけが全く進んでいない、むしろ散らかってしまうという可能性も。それよりも、小さな範囲でも少しずつ片づいた場所が増えていくほうが、結果として片づけのゴールに近づけるのです。
片づけをする時間を決める
苦手な片づけに対して「重い腰がなかなかあがらない」ということもあるのではないでしょうか。
そんなときは「食後に5分間だけ」「夜寝る前に10分間リセットタイムを取る」など、片づけをする時間を決めるのもひとつの方法です。大がかりな片づけをしなくても、使ったものを元に戻す、それだけでも構いません。
片づけは、溜めれば溜めるほど大変になります。1日のうちに、5分だけでも時間を決めて片づけをしてみましょう。毎日少しの時間ならそれほど負担にならず、こまめに片づける習慣をつけておくと散らかりにくくなるため、大がかりな片づけをしたり、まとまった時間を取ったりする必要がなくなります。
捨てるルールを決める
片づけにおいて、ものを手放すことは避けて通れないプロセスです。しかし「まだ使えるかも」「いつか使うかも」と思ってものを捨てられずにいると、なかなか片づけがはかどりません。
「ワンシーズン着なかった洋服は手放そう」「そもそも、存在自体を忘れていたものは捨てる」など、明確なルールを決めてから片づけを始めるのがおすすめです。
部屋片づけの手順とやり方
片づけを上手く進めるには、正しい手順や方法を理解しておくことが大切です。ここからは片づけの手順とやり方を詳しく解説します。
作業スペースを確保
片づけをする際は、ものを出したり分けたりするスペースが必要です。床にものが散らかっている場合は、本格的に片づけを始める前にひとまず作業スペースを確保しましょう。
この段階の片づけは、作業スペースを確保することが目的。そのため、細かい分類や収納をする必要はありません。ゴミ袋を片手に持って、消費期限が切れた食品や期限切れのクーポン券など、明らかにゴミだと思われるものをどんどん入れていきましょう。あらかじめゴミの分別方法を調べておき、分別しながらゴミ袋に入れるのがおすすめです。
ゴミ以外のものも、洗濯するものは洗濯機に、食品類はキッチンにといった具合に、場所を移動させて作業スペースを作りましょう。
必要・不要・保留で分類する
ある程度作業スペースが確保できたら、片づけを始めます。片づけはキッチンやクローゼットなど場所を区切って、エリアごとに進めましょう。ものを全部出してみて、ひとつずつ「必要・不要・保留」の判断をしながら分類します。
部屋の片づけを始めるコツでも説明したとおり、はじめに判断の基準となるルールを決めておくのがおすすめです。例えば、「ワンシーズン着なかった洋服は不要に入れる」「同じような用途のものは、ひとつだけ選んで残りは不要とする」など。
ルールを決めないままだと「まだ使えるから」「痩せたら着るかもしれないから」といった理由で、保留ばかりが増えてしまいます。とくに使っているかどうかを判断するときは、事実に基づいた判断が大切。「まだ使えるかどうか」ではなく「今、使っているかどうか」を重要視して分別してみましょう。片づけを上手く進めるには、客観的な判断も必要です。
不要なものを処分する
ものを「必要・不要・保留」に分け終わったら、不要なものを処分しましょう。明らかに使えないものなどはゴミに出し、まだ使えそうなものはリサイクルショップに買取してもらう、誰かに譲る、寄付をするなど、「捨てる」以外の手放し方を考えておくと手放しやすくなります。
保留するものを段ボールに入れる
ものを分類した際、必要か不要か判断できず保留にしたものは、一旦段ボールなどに収納しておきます。このときに大切なのは、保留に入れるものはなるべく厳選しておくこと。
保留にしたものも、いつかは残しておくかどうか判断しなければなりません。そのときの作業を軽減するためにも、本当に迷うものだけを保留にしておくのがおすすめです。
必要なものをジャンル分けする
「不要」と「保留」に分類したものの片づけが終わったら、「必要」に分類したものを、さらにジャンル分けします。持ちものの中でも、占める割合が高いジャンルから分類するのがおすすめ。洋服や本など、何が多いのか確認してから作業を進めましょう。
その他、アクセサリー、趣味のもの、文房具、書類など細かく分類しておくと、収納作業がスムーズです。一見別のジャンルのものでも「一緒に収納しておくと使いやすい」と思うものは、同じジャンルとして分類しておくとよいでしょう。
ジャンル分けに正解はないため、一般的な判断基準ではなく、暮らしやすさや片付けやすさを重視してかまいません。
収納する場所を決める
ジャンル分けが終わったら、収納する場所を決めます。家の中の、どの部屋で使っているのかを考えて、まずは収納する部屋を決めましょう。収納する部屋が決まったら、その部屋のどこに、どのように収納するのかを考えます。
片づいた状態を保つには、日々の生活の中で「使ったものを元の場所に戻す」という習慣が大切です。そのためには、ものの収納場所を明確に決めておくことが欠かせません。使いやすく、ムリなく片づけられる場所を選びましょう。
ジャンル分けしたものが収納場所におさまりきらない場合、むやみに収納用品を増やすのは危険です。部屋が片づかない原因のひとつが、ものの多さ。また、必要以上にストックを持ち、管理しきれないということもあります。
収納スペースや収納用品を増やすのではなく、ものの量が適切かどうか確認して、ものを減らすことも必要です。
使用頻度でさらに分類する
収納場所を決めたら、ものを使用頻度順に分類して収納しましょう。収納のコツは、使用頻度が高いものを一番取り出しやすいところに、ゆったりと入れること。
そうすることで出し入れしやすく、使った後で戻しやすくなります。使用頻度別で収納場所を分けると、必要なものを取り出すときに不要なものまで取り出して散らかってしまうことを防ぐ効果もあります。
例えばキッチンの場合、カトラリーや箸など毎日のように使うものは、一番取り出しやすい引き出しに。ご飯茶碗や汁椀は食器棚の出し入れしやすい高さに、といった形で収納場所を決めます。
使用頻度が高いものを収納した後は、使用頻度が1週間に一度、1ヵ月に一度など、使用頻度が低いものごとに収納します。キッチンの場合は、週に一度程度使う製菓用品は籠にまとめて食器棚の上段に、お正月にしか使わないお重は吊戸棚の高い場所に。使用頻度ごとに収めることで、より使いやすくなります。
部屋の片づけを成功させるためには?
部屋の片づけは、一時的に片づいた状態になっただけでは本当の成功とはいえません。部屋の片づけは、きれいに片づいた状態を維持してこそ、本当に片づいたといえるでしょう。
すぐに散らかった部屋に戻ってしまうと「どうせすぐに散らかるから」と、片づけのモチベーションも下がってしまいます。ここからは、部屋をきれいに保つコツをご紹介しましょう。
床にモノを置かない
床にモノを置かないことは、部屋をきれいに保つ上で欠かせないポイントです。「またすぐ使うから」と、つい床やテーブルにモノを置きがちですが、その小さな積み重ねがいつの間にか散らかった部屋を作り出してしまいます。
一度着た洋服や、使ったバッグなど、まずは床に置かない習慣を身につけることが大切です。その都度、片づけのときに決めた収納場所に戻すことは、そんなに時間も労力もかかりません。
置きっぱなしにし続けると、せっかく整理したのに、また同じような片づけをすることになるのです。まずは、床にモノを置かないことを心がけましょう。
モノの定位置を決める
モノの定位置を明確にすることも、きれいな部屋を保つために大切なことです。なぜなら、使ったモノを元の場所に戻す習慣こそが、きれいな状態を保つためには不可欠。そのためには、戻す場所を明確に決めておく必要があるのです。
モノの場所が決まっていると、元に戻しやすいだけでなく、ストックの管理もしやすくなり「家にあったのに、買ってしまった」という二重買いも防げます。
また、家族の共有物もわかりやすい場所を定位置に決めると、誰でも片づけやすくなるでしょう。
モノを増やさない
片づけで多くのモノを捨てて、心を痛めた経験がある方もいるのではないでしょうか。新たにモノを買ってどんどん増やしてしまうと、また部屋が散らかって片づけなければならないことに。モノを買う前によく考えて、不用意にモノを増やさないようにしましょう。
モノが少なければ管理がラクになり「収納スペースからモノが溢れて、また散らかってしまった」ということも起こりにくくなります。
定期的に収納を見直す
時間とともにライフスタイルは変化するため、定期的に見直しを行って、その時々の暮らしに合った収納方法に調整する必要があります。
ライフステージが変化するタイミング、例えば子どもの独立などによって、不要になるモノも出てくるはず。収納やモノを見直し、そのときに必要なモノだけを残してスッキリとした部屋で暮らしましょう。
部屋を片づけるメリット
片づけが苦手な方にとっては苦痛な作業かもしれませんが、部屋を片づけることには多くのメリットがあります。
モノを探す時間が減る
不要なモノに囲まれていると、使いたいモノがどこにあるのかわからなくて探す時間が多くなります。探しものをしている時間は、本来必要ない時間。不要なモノを減らして管理をしやすく、モノを片づけて定位置を決めることで、ムダな時間をなくしましょう。
余計なものを買わなくなる
徹底的に片づけをすると、捨てるモノの多さに驚くこともあるでしょう。一度多くのモノを捨てる経験をすると、買い物に対して慎重になるのではないでしょうか。さらに、片づけたことでモノの把握がしやすくなり、ムダな買い物をすることが減ります。
ストレスが減る
モノの場所がわからなくて探している時間というのは、イライラするものです。また、常に「部屋を片づけなければ」と追い詰められた状態も、ストレスを感じることでしょう。
きれいに整った部屋は、気持ちが安らぎリラックスできます。気持ちが落ち着かない、イライラするというときは、部屋を片づけてみてはいかがでしょうか。
いつ人が来ても安心できる
部屋が片づいていると、いつでも人を招きやすいでしょう。また、万が一急な入院になって必要なものを取りに行ってもらわなければならないといった場合にも、気にせず部屋に入ってもらえますし、収納場所の説明もしやすいです。
生前整理につながる
亡くなった後に遺族が身の回りのモノを整理することを「遺品整理」と呼ぶのに対し、まだ元気なうちにご自身で整理するのが「生前整理」です。
片づけの際は、生前整理を兼ねて処分するかどうか決めながら行うのもおすすめ。残したいものなど、家族に伝えながら生前整理しておくことは、残された遺族の負担の軽減にもつながります。
遺品整理の負担も軽減できる
遺族が遺品整理を行う場合、たくさんのモノが残されていると整理には多くの時間や労力がかかります。
また、故人が賃貸物件に住んでいた場合は、片づけが終わって退去するまで家賃を支払い続けるという経済的な負担も。生前整理をしておくことで時間や労力だけでなく、遺族の経済的負担も軽くなるでしょう。
自分で部屋を片づけられないときには?
苦手な方にとっては、とても大変な作業に感じる片づけ。自分で片づけられないときにはプロの手を借りるのもひとつの方法です。
家事代行を頼む
近年、掃除などの家事代行サービスを利用する方も増えてきましたが、家事代行サービスで片づけを頼めることもあります。家事代行サービスのホームページで、サービス内容を確認してみましょう。
くらしのセゾンの家事・育児サポートサービス「きらりライフサポート(旧「東京かあさん」)」は、熟練主婦が経験を活かしてサービスを提供する完全オーダーメイド型。訪問スタッフは専任制で、事前に運営スタッフ同行の顔合わせがあるため、片づけをお願いしたいことを事前に伝えておくとよいでしょう。
くらしのセゾン 家事・育児サポートサービス「きらりライフサポート(旧「東京かあさん」)」の詳細はこちら
くらしのセゾンに依頼する
家事代行サービス以外に、片づけ専門のサービスがあります。生前整理や遺品整理の相談をしたいときにおすすめなのが、くらしのセゾンが提供する「遺品整理・生前整理」のサービスです。遺品整理だけでなく、空き家整理からリフォームなどにも幅広く対応しています。事前に自宅で予算や要望などに応じた見積もりをして、納得した上で作業に入るので安心です。
作業の際も、大切なものを処分することがないよう、専任の遺品整理士が対応しているのも信頼できるポイント。遺品整理と聞くと重く感じますが、生前整理を兼ねた片づけを元気なうちに相談しながら進められるので、今現在の暮らしやすさもアップします。一度、相談してみてはいかがでしょうか。
おわりに
苦手な方にとって片付けは面倒で苦痛に感じるかもしれませんが、一方で多くのメリットがあります。片づけは、少しのコツをつかんで正しい手順で行えば、案外簡単にできるもの。また、きれいな部屋を維持するためには、片づけのときにものの定位置を決めて、使ったらもとに戻す習慣をつけることが大切です。
自分では手に負えないと感じたら、プロに頼むのもひとつの方法。スッキリと片づいた部屋で、ストレスのない暮らしを手に入れましょう。