社会課題となっている、ゴミ屋敷問題。面白おかしくテレビなどで語られるシーンもありますが、ゴミ屋敷にはさまざまなリスクが潜んでいます。そこでこの記事では、ゴミ屋敷が抱えるリスクやなりやすい人の特徴、またその対策、そしてゴミ屋敷化してしまったときの対処法などをご紹介します。自分の家族や周囲の人の自宅がゴミ屋敷にならないためにも、ぜひ参考にしてください。
(本記事は2024年2月27日時点の情報です)
- ゴミ屋敷を放置すると、火災や健康不安、周辺住民を巻き込むなど、大きな問題に発展することがある
- ゴミ屋敷化してしまう人には特徴や傾向があり、注意を払う必要がある
- 片付け方法は「自分や身内で片付ける」「プロの専門業者に依頼する」の2パターンがある
- 片付けをプロの専門業者に依頼した場合の相場感がわかる
実家がゴミ屋敷!放置するリスクとは?
実家がゴミ屋敷と化してしまうと、多くのリスクが生じます。特に若い頃より体に衰えが見え始めた高齢者が一人暮らしをしている場合、これらの問題はさらに深刻なものになる可能性が高いです。ここでは、下記のリスクについて詳しく説明します。
- 火災につながる可能性がある
- 健康を損なう心配がある
- 近隣トラブルにつながる可能性がある
- 家屋の資産価値が下がる
- 片付けの費用が増加してしまう
火災につながる可能性がある
ゴミ屋敷では、放置されたゴミが可燃物となり、小さな火花などで大規模な火災につながる可能性があります。たとえば、紙類や布製品など、火がつきやすい物質が多く積み重なっていると、電気のショートなど小さな火元であっても一気に燃え広がる可能性があります。
高齢者や一人暮らしの場合、避難する時間が十分に取れないため、火災のリスクは特に深刻です。
健康を損なう心配がある
室内にゴミを放置したままにすると、住む人の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。ゴミの中には有害物質を含むものもあり、これらが空気中に放出されることで、呼吸器系の疾患やアレルギー反応を引き起こすことも。
また、ダニなどの害虫やネズミなど害獣が発生しやすい環境となり、これらが媒介する病気に感染するリスクもあります。特に高齢者は免疫力が低下しているため、健康を損なう心配がより大きくなるでしょう。
近隣トラブルにつながる可能性がある
ゴミ屋敷は、悪臭や害虫の発生源となり、近隣住民とのトラブルにつながる可能性があります。周辺環境の悪化は、近隣住民にしてみれば迷惑でしかなく、時には法的な問題に発展することもあります。
家屋の資産価値が下がる
家のなかをゴミだらけにしておくと、不動産の資産価値を大きく下げることがあります。家屋が適切に管理されていないと見なされると、将来的に売却しようとした場合に価値が下がってしまう可能性もあります。
片付けの費用が増加してしまう
ゴミ屋敷状態が長期間放置されると、最終的に片付ける際の費用が増加してしまいます。不要な物の量が多くなればなるほど、処理に要する労力やコストが増加し、特に高齢者が一人暮らしをしている場合には、その負担が大きな問題となります。
実家のゴミ屋敷を片付けたい!片付けの流れを確認
あまり考えたくはありませんが、もし実家がゴミ屋敷になってしまった場合、どのように片付ければいいのでょうか?まずは以下のことを確認して、先述したリスクやトラブルに見舞われないよう、可及的速やかに対処しましょう。
- 実家がゴミ屋敷化してしまった原因を探る
- 清掃の了承を得る
- 片付け方法を決める
- 片付けスタート
それぞれについて以下で詳しく説明します。
ゴミ屋敷化してしまった原因とは?
ゴミ屋敷化する背景には、さまざまな原因が考えられます。特に高齢者が一人暮らしをしている場合や、心理的な問題を抱えている人に多く見られる傾向があります。それぞれ、みていきましょう。
孤独感が強い
孤独感に苛まれる人々は、しばしば人との繋がりを遠ざけ、自宅に閉じこもりがちです。たとえば、一人暮らしの高齢者が、昔の友人や家族との連絡を断ち切り、次第に部屋の中に物を溜め込むケースがあります。彼らは、部屋が乱雑であることを「普通」とみなし、それが孤独感の象徴となることに気づかないままです。
しかし小さな一歩、例えば近所の清掃活動への参加や友人との再会をきっかけに、彼らは再び外の世界と繋がり、ゴミ屋敷化から脱却するすることができるかもしれません。このように孤独感の解消は、精神的な健康を取り戻し、生活環境を改善する第一歩となるのです。
ものを溜めこみやすい性格
物を溜め込みやすい性格、いわゆる「ホーダー」と呼ばれる人々は、不要な物でも将来の役立つ可能性を見出し、手放すことができません。例えば、壊れた電化製品や古い雑誌など、明らかに不要な物も「いつか使うかもしれない」という思いから捨てられずに溜まっていきます。
この性格の持ち主は、部屋や家全体が物であふれ生活空間が狭まり、いわゆるゴミ屋敷化へと直結するのです。
体力や判断力の低下
高齢に伴う体力や判断力の低下は、ゴミ屋敷化につながる大きな要因です。加齢による身体的な限界は、日常的な家事活動、特に重い物を持ち上げたり、長時間立ち続けたりすることが難しくなります。さらに認知機能の衰えは、物の価値を正確に評価する能力を低下させ、不要な物を識別し処分する判断力をも低下させます。
この結果、使用しない衣服、壊れた家電、過去の記念品など、さまざまな物が積み重なり、居住空間を圧迫。時間が経つにつれて、これらの物を動かすことが難しくなり、結局のところ、部屋全体が物で満たされ、整理整頓が一層困難な状態に陥ります。
人に手を借りるのが苦手
人に助けを求めるのが苦手な人も、ゴミ屋敷化のリスクが顕著に高くなる傾向に。このような人々は、自分の生活空間の乱れを他人に見せることに対して深い恥ずかしさを感じたり、過去の経験から他人の助けを信用しづらいと感じたりします。また、強い自立心やプライドが原因で、他人の手を借りることを「弱さ」と捉え、自分一人で全てを解決しようとする心理が働きます。
しかし、片付けに必要な物理的な力や、どのように効率的に片付けを進めるかの知識が不足している場合、その状況は徐々に悪化していきます。特に大量の物を整理し、適切に処分する作業は、一人では圧倒的に困難です。結果として、物がどんどん溜まり、居住空間が狭まり、清潔で快適な生活環境を維持することができなくなります。このプロセスは徐々に進行し、気づいた時にはもはや自分の力だけでは解決不可能な、手に負えないゴミ屋敷状態に陥ってしまうのです。
親に片付けの了承を得る!ポイントをチェック
片付けを始める前に、親からの了承を得ることは非常に重要です。特に、実家がゴミ屋敷の状態になってしまっている場合、デリケートな話題になりがちです。以下のポイントを押さえることで、スムーズに話を進め、協力を得ることができるでしょう。
親の言動を否定するようなことは言わない
親に対して批判的な態度や言葉を避けることが重要です。たとえば、「どうしてこんなに散らかっているの?」といった問いかけは避け、「一緒にもっと快適な空間を作りましょう」と前向きな提案をすることがポイントです。親が守りたいと思っている自尊心を尊重し、支持と理解を示すことで、話がスムーズに進みます。
ゴミ屋敷はリスクが高く心配なことを伝える
ゴミ屋敷の状態がもたらすリスクについて、具体的かつ冷静に伝えましょう。火災の危険性や健康への悪影響、家屋の資産価値の低下など、心配する理由を明確にすることが大切です。このとき、あくまで「心配している」ことを強調し、親の健康や安全を最優先に考えていることを伝えると良いでしょう。
実家の片付けに協力することを伝える
片付けの過程で親を一人にしないという安心感を与えることが、了承を得るためのカギとなります。例えば「一緒に整理を手伝う」「必要ならプロの片付けサービスを探す」など、具体的な支援方法を提案しましょう。また、片付けが終わった後の快適な生活環境を想像させるような話も有効です。
片付けスタート!片付け方法は2パターン
片付けを始めるにあたり、基本的には「家族や身内で片付けを進める方法」と「専門の清掃会社に依頼する方法」の2つのパターンがあります。どちらを選択するかは、片付ける場所の状態、利用できる時間、予算などによって異なります。それぞれの方法の特徴と進め方について詳しく見ていきましょう。
家族や身内で片付けを進める
まず、家族や身内で片付けを進める方法の特徴と進め方を説明します。
【特徴】
- コスト削減
専門業者に依頼するよりもコストを抑えることができます。
- プライバシー保護
家族内で進めることで、プライバシーに配慮した片付けが可能です。
- 思い出共有
片付け中に見つかる思い出の品々を家族で共有し、絆を深める機会にもなります。
【進め方】
- 計画を立てる
どの部屋から始めるか、期限を設定するなど、具体的な計画を家族で話し合います。
- 役割分担
効率的に作業を進めるため、役割分担を明確にします。
- 少しずつ進める
一気にすべてを片付けようとせず、小さな目標を設定し、少しずつ進めていきます。
専門の清掃会社に依頼する
次に、専門の清掃会社に依頼した場合は、以下の特徴と進め方があります。
【特徴】
- プロの技術
専門知識と経験を持つプロが作業を行うため、効率的かつ迅速に片付けを進めることができます。
- 大量のゴミ処理
大量のゴミや不用品の処理が必要な場合でも、適切に対応してもらえます。
- 衛生面の配慮
ゴミ屋敷のような衛生状態が悪い場所でも、適切な清掃と消毒を行ってもらえます。
【進め方】
- 複数の業者を比較
費用やサービス内容を比較し、信頼できる業者を選びます。
- 見積もりを取る
実際に業者に現地を見てもらい、見積もりを取ります。
- 作業内容の確認
作業内容やスケジュール、注意点などを事前に確認し、了承します。
家族や身内での片付けは時間と労力が必要ですが、家族間のコミュニケーションを深める良い機会となります。
一方、専門の清掃会社に依頼する方法は、コストはかかりますが、プロの技術で迅速かつ衛生的に片付けを進めることができるため、状況に応じて最適な方法を選択しましょう。
専門会社に片付けを依頼したら費用は?相場を確認
ゴミ屋敷の片付けをプロの業者に依頼する場合の費用が、気になる方も多いでしょう。ここでは間取り別に費用と片付けにかかる時間の相場を紹介します。あくまでも目安なので、本当に依頼を考えている場合は、見積依頼からはじめるといいでしょう。その際には複数の業者で、相見積もりをとるのがおすすめです。
間取り | 費用 | 作業時間 |
1LDK | 77,000円(税込)~ | 2~6時間/2~4人 |
2LDK | 154,000円(税込)~ | 3~8時間/3~6人 |
3LDK | 209,000円(税込)~ | 6~12時間/5~8人 |
4LDK以上 | 240,000円(税込)〜 | 6~15時間/4~10人 |
※ゴミの量や現場状況により費用や時間は多少異なります
ゴミ屋敷でのごみの分別、仕分け作業なら
実家がゴミ屋敷になった場合、さまざまなリスクを抱え込むことになるので、できるだけ速やかに片付けなくてはなりません。とはいえ、時間がなくて家族一同が集まれないなどの事情を抱えた方もいることでしょう。また専門知識や経験がないため、なにから手を付けてよいか途方に暮れてしまうこともあるかもしれません。
そんなときにおすすめなのが、セゾンカードでおなじみのクレディセゾングループの会社「くらしのセゾン 遺品整理・生前整理」です。こちらでは、遺品整理士を含むプロのスタッフによる現地での無料見積もりが可能です。
すべての家財の仕分けも可能なので、遺品整理会社への依頼をお考えの方は、くらしのセゾンの遺品整理へ相談してはいかがでしょうか。
おわりに
自分だけでなく、周辺住民にも被害を及ぼす可能性のある、ゴミ屋敷問題。そうなる前に対策を打つことが、なによりも重要です。ですが、そう頻繁に実家の様子を見に行ける方ばかりではありません。
もし仮に、実家がゴミ屋敷化してしまった際には、費用はかかりますが、プロに任せた方が結果的に得をするという可能性もあります。遺品整理をプロに任せる場合には、しっかりとした遺品整理会社を選ぶことが重要です。