生前整理は、自分らしい人生の締めくくりと、残された家族への想いを形にするための大切なプロセスです。この記事では、生前整理の意義やメリット、始め時のポイントをわかりやすく解説します。自分で行う場合の具体的な進め方から、専門家に依頼する際の選び方まで、生前整理のノウハウが満載です。
人生の終盤を迎えた方はもちろん、将来を見据えて準備を始めたい中年世代の方にもおすすめの内容となっています。是非参考にして、今から生前整理について考えるきっかけにしてください。
(本記事は2024年4月28日時点の情報です)
- 生前整理とは、自分の死後に備えて生前のうちから資産や家財の整理を行うこと
- 生前整理には、相続トラブル防止や遺品整理の負担軽減などのメリットがある
- 生前整理は自分で行う方法と専門会社に依頼する方法があり、それぞれにメリットとデメリットがある
- 自分で生前整理を行う際は、必要なものと不要なものの分類、デジタル情報や財産の整理、エンディングノートや遺言書の作成などを進めることが大切
生前整理とは?
生前整理とは、自分の死後に備えて、生きているうちから資産や家財道具の整理を行うことを指します。多くの場合、人生の終わりを見据えた「終活」の一環として行われます。
生前整理を行うことで、自分が大切にしてきたものを見つめ直し、本当に必要なものは何かを見極める機会にもなります。同時に、自分亡き後に残される家族の負担を減らすことにもつながるのです。
遺品整理や老前整理との違い
生前整理と似たような言葉に、「遺品整理」や「老前整理」があります。
遺品整理は故人が亡くなった後に、遺族が故人の持ち物を整理したり処分したりすることを指します。一方、老前整理は高齢になる前の元気なうちに、老後の生活に備えて本人が身の回りの物を整理することを言います。
つまり、遺品整理が「亡くなった後の整理」であるのに対し、生前整理と老前整理は「生きているうちの整理」という点で共通しています。
ただし、老前整理が主に老後の生活に備えるためであるのに対し、生前整理はより死後のことを意識して行うものと言えるでしょう。
生前整理のメリット
生前整理を行うメリットとしては、まず何より相続時のトラブルを未然に防げることが挙げられます。
生前のうちに財産の全容を把握し、「どの財産を誰に相続させるのか」をあらかじめ決めておけば、相続人同士の争いを避けられる可能性が高くなります。
また、身の回りの物を整理しておくことで、自分が亡くなった後の遺品整理にかかる家族の負担を大幅に減らせます。思い出の詰まった品を処分するのは遺族にとって骨の折れる作業ですから、できるだけ生前に自分で整理しておくのがおすすめです。
さらに、今まで使っていたものを整理する過程で、自身の人生を振り返ったり、大切にしたい価値観を再確認したりするきっかけにもなります。残された人生をどのように過ごしていきたいか、改めて考える機会となるでしょう。
生前整理を始める時期
生前整理には一定の時間と気力、体力が必要になります。そのため、なるべく早いタイミングから取り掛かることをおすすめします。
一般的には、人生の節目となるような出来事をきっかけに始める人が多いようです。例えば、子育てが一段落ついて子どもが独立したタイミングや、仕事を引退して定年退職を迎えたタイミングなどです。
ただし、いつ始めるべきという決まりはありません。大切なのは、自分のペースでゆっくりと、しかし着実に進めていくこと。「まだ早い」と先延ばしにせず、思い立ったが吉日だと考え、今日から一歩ずつ始めてみましょう。
生前整理の方法
生前整理は自分で行う方法と、専門会社に依頼する方法の2つがあります。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分の状況に合わせて選択することが大切です。ここでは両者の特徴を詳しく見ていきましょう。
自分で行う
生前整理を自分で行うメリットは、何よりも自分のペースで進められる点です。時間をかけてじっくりと、思い出の品に向き合いながら整理できます。
また、家族と一緒に行えば、昔話に花が咲いたり、家族の絆を深めるコミュニケーションの機会にもなるでしょう。家族みんなで協力して行えば、一人で行うよりも早く進められるというメリットもあります。
一方でデメリットは、思った以上に時間と手間がかかることです。特に溜まったものが多い場合は、作業が長期化してしまう恐れがあります。
また、大量のゴミが出た場合の廃棄にお金がかかるケースもあります。専門的な知識がないと、適切な分別や処分方法が分からず、余計な出費につながる可能性もあるのです。
専門会社に依頼する
一方、生前整理を専門会社に依頼するメリットは、なんといっても丸ごと任せられて手間が省けることです。部屋の片付けから不用品の処分、貴重品の査定まで、すべての作業を代行してくれます。
また、遺言書の作成や相続対策など、法律や税金に関する手続きが必要な場合は、専門家を紹介してもらえるのも大きな利点と言えるでしょう。プロに任せることで、漏れのない効率的な生前整理が可能になります。
ただしデメリットは、その分費用がかかることです。とはいえ自分で行う場合に比べれば、かかる総費用は割安になることが多いようです。
しかし中には、見積もりの金額から大幅に上乗せした費用を請求してくる悪徳事業者も存在します。信頼できる業者選びが肝心なので、複数の会社から見積もりを取り、ネットの口コミなどをよく確認することが大切です。
自分で行う場合の生前整理の進め方
生前整理を自分で行う場合、大切なのは計画的に進めていくことです。
ここでは、生前整理の具体的な進め方を、ステップを追って見ていきましょう。
必要なものと不要なものを分類する
まずは、家にあるものを「必要なもの」「不要なもの」「迷っているもの」「思い出の品」などに分類することから始めます。
「必要なもの」は今後も使い続けるもの、「不要なもの」は使わないもの、「迷っているもの」はすぐには判断がつかないもの、「思い出の品」は処分するのに抵抗があるものなどが該当します。
このとき、不要と判断したものは思い切って手放すことが大切。売却できるものは、リサイクルショップやオークションサイトを活用するのもおすすめです。
デジタル情報の整理をする
生前整理では、家の中にある物だけでなく、デジタル上の情報についても整理が必要です。
例えばパソコン内のデータや、クラウド上に保存した写真・動画などは、必要なものと不要なものを仕分けしましょう。また、各種オンラインサービスのID・パスワードなどもリスト化しておくと、のちの手続きがスムーズになります。
整理すべきデジタル情報としては、具体的に以下のようなものが挙げられます。
- メールデータ、アドレス帳
- クラウドストレージ内のデータ
- ブログ、SNSアカウント
- ネットショッピングやサブスクサービスの契約情報
財産整理をする
財産についても、口座の整理や、財産目録の作成を行っておきましょう。
具体的には、使っていない銀行口座の解約、クレジットカードの整理などを進めます。相続の際に、適切な遺産分割が行えるよう、現金や預貯金、不動産、株式など、自分の財産を書き出した「財産目録」を作成しておくのもおすすめです。
また、生命保険証書や権利書など、重要な書類は一か所にまとめ、保管場所を家族に伝えておくことも大切。万一の際、手続きがスムーズに進められるよう備えましょう。
エンディングノートや遺言書を作成する
最期の迎え方や葬儀、財産の分配など、自分の希望を家族に伝えるための「エンディングノート」を作成しておくのも生前整理の一環です。
もしもの時、残された家族は悲しみの中で多くの決断を迫られます。あなたの思いを記したノートがあれば、家族の負担を減らすことができるでしょう。
また、財産をどのように分けるかを明記した遺言書を作成するのも重要です。中でも公正証書遺言は、法的な効力を持つので、遺産相続でのトラブル防止につながります。
エンディングノートや遺言書は、実際に必要になるその時まで見られることはないかもしれません。しかし、「伝えたいこと」を言葉に残しておくことで、 あなたの人生を見つめ直すきっかけにもなるはずです。
専門会社を選ぶときのポイント
生前整理を専門会社に依頼する場合、どんな点に気をつけて業者を選べばよいのでしょうか。料金面だけでなく、信頼できる会社かどうかをしっかり見極めることが大切です。
ここでは、専門会社選びの重要な以下4つのポイントについて解説します。
- 各種資格を保有しているか
- 料金を明示しているか
- 実績があるか
- 対応が丁寧か
各種資格を保有しているか
まず確認したいのが、各種資格の保有状況です。
不用品の処分を行うには、「一般廃棄物収集運搬許可証」が必要です。この許可証を持っているか、許可を持つ事業者に委託しているかを確認しましょう。
また、「家財整理士」や「遺品整理士」などの資格を持つスタッフが在籍しているかもチェックすべき点です。これらの資格は、適切な整理・処分の方法を学んだ証拠といえます。資格保有者がいる会社なら、安心してまかせられるでしょう。
料金を明示しているか
料金体系についても、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
中には、見積もりの段階では安価な料金を提示しておきながら、作業後に高額な追加料金を請求してくる悪質な事業者も存在します。こうしたトラブルに巻き込まれないためにも、料金が明確に提示されているかは大切なポイントです。
具体的な作業内容と、それぞれの料金が明記された見積書を発行してくれる会社を選ぶのがおすすめです。内訳を細かく確認でき、追加請求のリスクも少ないため、安心して依頼できるでしょう。
実績があるか
業者選びで見逃せないのが、実績の有無です。
ホームページ上に、これまでの作業実績が具体的に記載されているかをチェック。依頼前と依頼後の写真などがあると、サービスのイメージがより伝わりやすいでしょう。
また、利用者の口コミも参考になります。第三者からの評価が高い会社なら、安心感が高まります。一方、ネット上で悪評が目立つ場合は、慎重に検討する必要がありそうです。
生前整理という、プライベートな空間に立ち入る仕事だからこそ、実績豊富で信頼のおける会社選びを心がけましょう。
対応が丁寧か
スタッフの対応の良し悪しも、安心できる事業者を選ぶ際のポイントのひとつです。
依頼前の問い合わせ対応が丁寧な会社は、実際の作業もていねいに行ってくれる可能性が高いと言えます。反対に、電話での応対が雑だったり、こちらの要望を汲み取ろうとしない様子だったりする場合は、注意が必要です。
生前整理は、単に物を片付けるだけでなく、依頼者の人生観に寄り添いながら行うデリケートな作業です。依頼者の立場に立って、丁寧に対応してくれる会社を選ぶことが何より大切だと言えるでしょう。
生前整理は「くらしのセゾン」へ
生前整理を検討している方におすすめしたいのが、セゾンカードでおなじみのクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供する「遺品整理・生前整理」のサービスです。
「くらしのセゾン」では、故人さまの”生きてきた証(あかし)”である遺品を、心を込めて整理するサービスを行っています。また、ご自身で生前整理を行う場合も、ご家族の負担を減らすためのアドバイスを提供しています。
特に、専任の「遺品整理士」を含むプロが、思い出の品や貴重品、供養品などを丁寧に仕分けしてくれる点が特徴。大切なものを見落とすことなく、心を込めて整理を進めてくれるでしょう。
さらに無料の事前調査やお見積もりにも対応。ご予算や状況に合わせたプランを提案してくれるため、料金面の不安もありません。依頼内容に納得してから作業に入れるので、安心感は抜群です。
通常の遺品整理だけでなく、生前整理や施設入居時の家財整理や片付けなど、さまざまなニーズに幅広く対応しています。故人さまへの感謝の気持ちを忘れない丁寧な作業を心がけているのも、くらしのセゾンの大きな魅力だと言えます。
生前整理は、今の自分だけでなく、残される家族のためにも必要な取り組みです。「まだ早いかな」と二の足を踏んでいた方も、まずは一度くらしのセゾンに相談をしてみてはいかがでしょうか。
おわりに
生前整理は、残された家族の負担を減らし、自分らしい人生の締めくくりを迎えるために重要です。整理を進める中で、これまでの人生を振り返り、大切にしたいものを見つめ直すきっかけにもなります。自分のペースで着実に進めることが大切ですが、専門家の力を借りることで、より効率的で安心な生前整理が可能です。人生の集大成ともいえる大切な作業だからこそ、信頼できる専門家に相談し、自分らしい生前整理を実現することをおすすめします。