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実家の片付けはどこから始めればいい?うんざりしない断捨離のコツを解説

実家の片付けはどこから始めればいい?うんざりしない断捨離のコツを解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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「実家が散らかっているけど、親に片付けを切り出すのも難しいし、どこから手を付ければいいのか分からない……」、そんな悩みを抱える方は少なくありません。久しぶりに帰省したら物であふれた実家を目の当たりにし、親の安全を心配しつつも、強く言い過ぎて関係が悪化するのも避けたいところです。

本記事では、親との関係を良好に保ちながら実家をスッキリさせる方法をご紹介します。自分の部屋から始めるコツや、親の気持ちに寄り添った説得方法、部屋ごとの具体的な片付け手順まで、実践的なノウハウが分かります。これを読めば、あなたも無理なく実家の片付けを進められるようになるはずです。

この記事を読んでわかること
  • 実家の片付けが難しい主な理由は、物の価値判断の難しさ、年齢による捨てづらさ、収納スペースの余裕、親子間の目的の不一致などがある
  • 実家の片付けは、自分の部屋から始めて、玄関、水回り、リビングという順序で進めることでスムーズに進められる
  • 片付けが困難な場合は、不用品回収会社、ゴミ屋敷清掃会社、生前整理・遺品整理会社といった専門サービスの活用が選択肢としてある
遺品整理・生前整理

実家の片付けが難しい理由とは?

実家の片付けが難しい理由とは?

実家の片付けは想像以上に大変な作業です。部屋の広さや物量によって異なりますが、事前に生前整理を済ませている場合でも3ヶ月程度、準備が何もない状態だと1年以上かかることも。特に一人で片付けを進めようとすると、途中で挫折してしまう可能性も高くなります。

なぜここまで時間がかかり、難しいのでしょうか。実家の片付けが進まない理由には、主に以下の5つが挙げられます。

不用品の判断が難しいため

自分の親の持ち物とはいえ、普段住んでいない家にあるものを片付けるのはとても難しい作業です。以前住んでいた頃とは生活環境が変わっており、親の趣味やライフスタイルも年月とともに変化しています。

目の前にあるものが必要か不要か、親の立場になって判断するのはかなりの時間と労力を要します。また、親の許可なく物を勝手に捨てると、トラブルの原因にもなりかねません。

年齢を重ねるごとに物が捨てられなくなるため

かつてはきれいに片付いていた実家が、最近になって散らかってきたというケースは珍しくありません。年齢を重ねると体力が衰え、片付けや掃除が億劫になってきます。

また、判断力も低下してきて、物を捨てるかどうかの決断に時間がかかるようになります。そのため、片付けがうまく進まず、取り組み始めてもなかなか終わらない状況に陥ってしまいます。

収納場所に困らないがゆえに物が増えるため

かつては3世帯が住んでいた実家でも、核家族化が進み、祖父母が亡くなり、子どもが独立して夫婦2人暮らしになり、さらにどちらかが先立てば一人暮らしになります。

生活用品をまとめ買いしても収納スペースには困らず、新しい大型の収納棚も気兼ねなく買えます。このように、収納に余裕があることで、気づかないうちに物がどんどん増えていってしまうのです。

片付ける目的が親子で一致していないため

片付けたい子どもと、片付けに消極的な親との間には、価値観の大きな隔たりがあります。子どもは親の安全で快適な暮らしを考えて片付けを提案しますが、親は長年の暮らしに慣れてしまい、不便さを感じていないことも。

また、変化を好まない高齢者は現状維持を望む傾向にあり、改善の必要性を感じにくいため、片付けの目的が一致せず作業が進まない原因となります。

遺品整理の場合は心の整理が必要なため

親を亡くした後の遺品整理では、まず心の整理が必要です。思い出深いものが多く、何も捨てられない状態に陥ってしまうことも少なくありません。故人のものは捨ててしまうと元には戻らないため、本当に捨てて良いのか不安になり、手が止まってしまいます。

また、持ち主にしか価値のわからないものの場合、捨てるかどうかの判断がさらに難しくなり、整理を終えるまでに相当な時間を要することになります。

実家の片付けはどこから始める?スムーズな順番

実家の片付けはどこから始める?スムーズな順番

実家の片付けを効率よく進めるには、作業を始める場所選びが重要です。いきなり広い場所や思い出の品が多いところから始めると、モチベーションが続かず途中で挫折してしまう可能性があります。

まずは比較的取り掛かりやすい場所から始めて、少しずつ範囲を広げていくのがコツです。それでは、実家の片付けを効果的に進めるための順番を見ていきましょう。

手順1.自分の部屋

片付けの第一歩として最適なのが、自分が使っていた部屋です。実家は親の家ですが、自分の部屋は唯一自分の領域。親の許可を得なくても自由に片付けを進められます。

過去に使用していた自分の物は、必要か不要かの判断も比較的容易です。また、自分の部屋がきれいになることで、親に片付けの効果を実感してもらえ、他の場所の片付けへの理解も得やすくなります。

手順2.玄関

玄関は実家に入る際に必ず通る場所のため、最も早く片付けの効果を実感できるスペースです。また、出入りする際に利用するだけで滞在時間も短く、家の中でも分別する種類が少ないため整理しやすい場所です。

玄関の次は廊下の片付けに移ると良いでしょう。玄関と廊下がすっきりすると、その後の作業がスムーズに運びます。

手順3.キッチン・浴室・洗面所

キッチンや浴室、洗面所など水回りの場所は、比較的スペースが限られているため、短時間で片付けの達成感を得やすい場所です。普段から頻繁に使用する場所なので、片付いた効果も実感しやすく、日々の生活がしやすくなります。

また、これらの場所は将来的に介護が必要になった際の重要なスペースとなるため、早めに整理しておくことをおすすめします。

手順4.リビング

リビングは家の中で最も広いスペースの一つで、さまざまな物が置かれている場所です。漠然と片付けを始めると途方に暮れてしまうため、部屋を4つくらいに区切って整理するのがコツです。

物が少なく、分別の手間があまりかからない場所から順に片付けていきましょう。リビングは物の出し入れが多く、家族の意見も分かれやすいため、最後に片付けることをおすすめします。

実家の片付けの際に意識したい「仕分け」のコツ

実家の片付けの際に意識したい「仕分け」のコツ

実家の片付けで最も時間を要するのが「仕分け」作業です。長年住み慣れた家にはさまざまな思い出の品々が詰まっており、一つひとつの品物について「捨てる」「残す」の判断を下していくのは想像以上に骨の折れる作業です。

しかし、効率的な仕分けの方法を知っておけば、作業はずっとスムーズになります。ここでは、実家の片付けをスムーズに進めるための仕分けのコツをご紹介します。

不要なごみから処分する

まずは明らかにゴミと分かるものを処分することから始めましょう。不要なものを処分すると部屋のスペースが広くなり、後の整理整頓がしやすくなります。ただし、片付けるところが多すぎて挫折してしまわないよう、エリアを区切って進めることが重要です。

色々な場所に手を付けると効率が悪く、「こんなにやっているのに終わらない」という徒労感だけが残ってモチベーションも下がってしまいます。一つの区画ずつ着実に片付けていく方が、達成感を得られ作業が進みやすくなります。

思い出の物は後にする

趣味の物や思い出の品は、親の思い入れが強いため、なかなか片付ける気持ちになりにくいものです。そのため、アルバムや手紙といった思い出の品の整理は後回しにして、片付けに慣れてから取り掛かるようにしましょう。

掃除などで昔のアルバムや手紙など思い出の物が出てきてしまうと、作業が進まなくなってしまいます。思い出話に花が咲いてしまい、片付け自体が止まってしまう可能性も高いので、これらの整理は最後に回すことをおすすめします。

住んでいる人数分だけ残す

実家には、家族全員分の食器や大きな鍋など、今の暮らしには不釣り合いな量の生活用品が残っていることが多いものです。現在の生活スタイルに合わせて、必要な分だけを残すようにしましょう。

例えば、両親2人暮らしの場合は2人分の生活用品があれば十分です。2年程度使用していない物は、地域のリサイクルに出すなどして整理していきましょう。使用頻度の低い物を減らすことで、必要な物がすぐに取り出しやすい環境を作ることができます。

判断に迷ったら一旦保留にする

物を捨てるか残すか迷った時は、一時保管場所を設けて保留にしましょう。その場で判断しようとすると時間がかかり、作業が停滞してしまいます。また、すぐに決断を迫られることで精神的なプレッシャーを感じ、片付け自体が嫌になってしまう可能性もあります。

実家のスペースに余裕があれば、「残すもの」を保管できる一時置き場を用意しておくと作業効率が上がります。迷う物は一旦保留にして、片付けが一段落してから改めて検討するようにしましょう。

実家の片付けが大変なときは専用サービスを活用しよう

実家の片付けが大変なときは専用サービスを活用しよう

実家の片付けは想像以上に時間と労力がかかる作業です。遠方に住んでいて頻繁に帰省できない、仕事が忙しくて時間が取れない、あまりにも物が多くて手に負えないなど、自力での片付けが難しいケースも少なくありません。

そんなときは、専門の片付けサービスの利用を検討してみましょう。近年ではさまざまなニーズに対応した片付けサービスが登場しており、状況に応じて適切なサービスを選ぶことで、効率的に実家の片付けを進めることができます。

片付けサービスを利用するメリットとデメリット

片付けサービスを利用することのメリットとデメリットを下記の表でまとめました。

メリットデメリット
サービスを利用する・短時間で作業が完了する
・専門的な処分も対応可能
・買い取りで費用を抑えられる
・ある程度の費用が必要
・業者選びに時間がかかる
・立ち会いが必要な場合がある
自分で片付ける・費用を抑えられる
・自分のペースで作業できる
・思い出の品を丁寧に整理できる
・時間と労力がかかる
・専門的な処分方法が分からない
・大型家具の搬出が困難

【自分での片付けがおすすめな方】

  • 時間に余裕がある方
  • 実家が近くて頻繁に通える方
  • 家族で協力して片付けられる方
  • 費用を抑えたい方

これらの方は、時間をかけてじっくりと片付けを進めることができます。特に親が健在で一緒に整理できる場合は、コミュニケーションを取りながら思い出話に花を咲かせつつ、大切な思い出の品を丁寧に仕分けることができます。また、片付ける場所を小分けにして少しずつ進められるため、精神的な負担も軽減できます。

【サービス利用がおすすめな方】

  • 実家が遠方にある方
  • 仕事が忙しく時間が取れない方
  • 一人っ子で頼れる兄弟がいない方
  • 物量が多すぎて手に負えない方
  • 早急に片付けを完了させたい方

これらの方がご自身で片付けようとすると、休暇や交通費など予想以上のコストがかかる可能性があります。専門会社に依頼すれば、1日~3日程度で作業が完了し、粗大ゴミの処分や買い取りまでワンストップで対応してもらえます。

■費用相場の目安(作業費・運搬費・処分費込み)

費用の目安としては、1Rで3~8万円、4LDK以上で22~60万円程度です。物量や作業内容によって変動しますが、遺品整理では10~40万円の取引が最も多いとされています。

なお、不用品の買い取りを依頼すれば、買取額を差し引いた金額で作業を依頼できます。見積もりの際は複数の事業者に相見積もりを取り、サービス内容と価格を比較検討することをおすすめします。

実家の片付けを依頼できる専門会社

実家の片付けを事業者に依頼する場合、状況に応じて最適なサービスを選ぶことが重要です。例えば、単に不用品を処分したいだけなのか、ゴミ屋敷状態で清掃も必要なのか、それとも思い出の品を丁寧に仕分けしながら整理したいのかによって、依頼すべき事業者は異なってきます。

近年ではさまざまな専門会社が登場し、それぞれ得意分野を持っています。ここでは主な専門会社の特徴と、どのような場合に利用すべきかをご紹介します。サービス内容をよく理解して、ご自身の状況に合った事業者を選びましょう。

不用品回収会社

基本的な片付けと不用品の回収を行うサービスです。粗大ゴミの処分や、大量の不用品を一度に処分したい場合に適しています。料金はパック料金制が一般的で、1K向けのSパックで2.5~4万円程度から依頼可能です。

ゴミ屋敷清掃会社

物が大量に溜まった部屋の片付けに特化したサービスです。ゴミの分別や清掃、消臭、害虫駆除まで一括して対応してくれます。作業範囲が広く専門的な技術も必要なため、一般的な片付けよりも費用は高めになります。

生前整理・遺品整理会社

故人の遺品整理や、生前整理のサポートを行う専門会社です。思い出の品の整理や必要書類の仕分けなど、きめ細かな対応が可能です。

また、貴重品の探索や遺品の買い取りなども行ってくれる場合があり、総合的なサポートを受けられます。

実家の片付けに困ったらくらしのセゾン「遺品整理・生前整理」へ

実家の片付けに困ったらくらしのセゾン「遺品整理・生前整理」へ

実家の片付けは、特に遠方に住んでいる場合や重い荷物の処分が必要な場合に大きな負担となります。そんなとき、くらしのセゾンの「遺品整理・生前整理」サービスなら、経験豊富な遺品整理士をはじめとするスタッフがさまざまな悩みや不安をサポートしてくます。

「遺品整理・生前整理」サービスの最大の特徴は、専任のスタッフによる丁寧な対応です。思い出の品や貴重品、供養品などを独自の分別基準で細やかに仕分けし、大切な思い出を守りながら整理を進めていきます。

また、事前の無料調査・見積りにより、予算や状況に応じた最適なプランを提案して、利用者の要望をしっかりとヒアリングし、納得してからの作業開始となります。

さらに、生前整理や空き家整理、リフォームまで幅広いニーズに対応可能です。ご家族の施設入居に伴う整理や、相続に関する悩みまで、財産整理のアドバイスを含めた総合的なサポートをしてくれます。

遺品整理や生前整理でお悩みの方は、まずはくらしのセゾンの「遺品整理・生前整理」サービスに問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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おわりに

実家の片付けは、親の気持ちに寄り添いながら計画的に進めることが大切です。物が多く片付けづらい実家でも、自分の部屋から始めて徐々に範囲を広げていけば、無理なく整理を進めることができます。

また、思い出の品は後回しにし、明らかな不用品から処分するなど、効率的な仕分けの手順を意識することで、作業の停滞を防ぐことができます。時間や労力に余裕がない場合は、専門会社のサービスを活用するのも賢明な選択です。実家の片付けを通じて、親との絆を深めながら、安全で快適な住環境を整えていくことができます。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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