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洗濯物の色移りの落とし方!原因や色移りを防ぐ意外な方法とは?

セゾンのくらし大研究 編集部

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デニムや濃色の衣料と一緒に洗濯することで起きてしまう染料の色移り。一度は「やってしまった」経験がある方もいるのではないでしょうか。せっかくお気に入りの衣類が台無しになってしまったら、悲しいですね。

この色移りとは、染料の定着度の低い製品を洗濯することで、染料が洗濯水に溶け出したり、衣類がこすれたりすることで起き、漂白や高めの水温で洗濯することで、移った色を落とすことができます。

このコラムでは、「色移りを防ぎたい」「色移りしてしまった衣類をもとに戻したい」という方に向けて、洗濯物の色移りの落とし方やその原因などを紹介していきます。

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洗濯物で色移りしてしまう原因

色移りは、「染色堅ろう度」という染料の定着度合いの低さが原因で起こります。

この染色堅ろう度は、繊維/染色手法自体が染料を定着させづらいものだったり、染料の質が悪かったり、色が濃色だったりすると悪くなります。

この色移りには、様々な種類があり、例えば以下のものがあります。

  • 洗濯・水洗いなどで、濃色から淡色へ色が移る(洗濯堅ろう度が悪い)
  • 洗濯などで衣類同士がこすれて、濃色から淡色の衣類へ色が移る(摩擦堅ろう度が悪い)
  • 運動して汗を描いたら、上に来ていたトップスが、下の白い肌着に色移りした(汗堅ろう度が悪い)
  • 真夏の車内など、暑い環境に放置していたら、面していた他の部分に色移りした(昇華堅ろう度が悪い)

このように、洗濯以外でも様々な原因で、衣類は色移りを起こす恐れがあります。

色落ちしやすい衣類には、洗濯ネームやデメリットタグ(注意札)で、その旨が記載されているため、よく読んでから使用・洗濯する必要があります。

洗濯物の色移りを落とすポイント

買ったばかりの衣類を初めて洗濯する際に、普段通りに洗ってしまい、一緒に洗濯機でまわした衣料に色移りしてしまうこともあるかもしれません。

「やってしまった」とがく然とする方もいるかと思いますが、その色移りは漂白剤を使うなど強めの洗浄で落とすことが可能です。そのポイントを以下にまとめましたので、是非試してみてください。

すぐに洗う

移った染料は、乾くとさらに定着しやすくなってしまいます。そのため、色移りがわかったら、すぐに再度洗濯をしてみましょう。

その際の洗濯のコツは、以下から紹介の項目を併せて使うことでより漂白効果を発揮します。

50℃以上の温度で洗う

50℃以上の高水温で洗濯すると、ついた染料が落ちやすくなります。これは、生地の染色時に高温の窯に入れて染料を定着させているのと同じ原理で、高温をかけることで、染料が抜け出やすくなるからです。

このことから、基本的に日本で流通する衣類は、色落ちを防ぐために、洗濯水温の上限は30~40℃になっているものが主流です。しかし今回のように、逆に「ついた色を落としたい」という場合には非常に有効な手段です。

注意点として、旧タイプなど洗濯機のタイプによっては、50℃以上の高水温を注入すると壊れる可能性もあります。事前に取扱説明書に記載の「耐熱温度」を確認してから利用するようにしてください。

2~3倍の洗剤で洗う

洗浄力を上げるため、洗剤は通常より多い量(2~3倍くらい)を使用すると良いでしょう。

洗剤のタイプは、もし粉末タイプがあるなら粉末タイプを、おしゃれ着用(中性洗剤)と普段使っている洗剤(アルカリ性洗剤)があれば、アルカリ性と書いている方を使ってください。

液体洗剤・おしゃれ着用洗剤は、衣類ダメージが少ないのが特徴ですが、色移りのようなしつこい汚れをとるなら、洗浄力の強い方(粉末タイプ・アルカリ性)が有効です。

白物衣類には塩素系漂白剤

もし色が移った衣料が白物だった場合には、手っ取り早いのが塩素系漂白剤を使うことです。

漂白剤には、主に塩素系と酸素系の漂白剤があり、塩素系は染料を脱色させるため、白物衣料ならキレイに染料を落とすことができます。

この際注意したいのが、色移り以外の染料も含めて全部落ちてしまうことで、例えばカラー刺繍や襟ぐりにカラーテープなどが入ってた場合には、その刺繍糸・テープの色も脱色されてしまいます。

もし衣料が白ではなかったり、衣類の中に脱色したくない部分があったりした場合は、酸素系漂白剤を使えば染料自体の脱色はしませんので、使ってみるといいでしょう。

洗濯物の色移りを落とす手順

実際に、色移りを落とす方法を、ステップ別にご紹介します。

色移りは、上記でご紹介の手法を組み合わせることで、より効果的に色移りした染料を落とすことができます。

色移りで今困っている方は、以下にご紹介のものを準備して、さっそく作業に取りかかりましょう。

用意するもの

色移りを落とすためには、まず以下の物を用意してください。

  • お湯(50℃以上)
  • 桶、タライ、バケツなど(衣類が入るサイズのもの)
  • ゴム手袋
  • 弱アルカリ性洗剤
  • 漂白剤(色物の場合は酸素系漂白剤、白物の場合は塩素系漂白剤)

50℃のお湯は、沸騰させたお湯と水道の常温の水を半分ずつ足すと作ることができます。桶は、色移りしてしまった洋服が十分はいるサイズのものを準備してください。

色移りを落とす手順

さっそく、移った染料を落としていきましょう。作業時間は、約2時間程度かかります。作業を始める前、安全のために以下の点をよくチェックしてください。

  • 充分な換気を行う
  • 洗剤・漂白剤がどちらも「アルカリ性」か確認する
  • 洗濯機の取扱説明書の耐熱温度を確認し、50℃のお湯が使えるか確認する
  • 染料を落としたい衣類が、準備した桶(タライ)に十分浸せるサイズか確認する
  • 洗剤・漂白剤が目に入らないよう、ゴム手袋をしっかりはめる

特に塩素系漂白剤は、塩素特有のツンとした匂いがします。さらに熱いお湯を使うと、その蒸気でより気分が悪くなりやすくなるため、事前に換気扇は全開で回しておきましょう。気になる方は、さらにマスク・ゴーグルをしておいても良いかもしれません。

また、漂白剤には基本「混ぜるな危険」と書いてあります。これはアルカリ性の漂白剤と酸性のものを混ぜると、中和して有毒な塩素ガスが出るためであり、使用する前に念押しでもう一度、どちらも「アルカリ性」であるか確認してください。

①お湯につける

まず、色移りしてしまった衣類を準備した桶に入れ、そこに50℃のお湯を注ぎ入れてください。

漂白剤は、温度が高いほどその効果が高まりますが、熱湯を使うと漂白剤の成分が蒸気となって空気中を漂ってしまい危険です。温度は50℃になるように調節してください。

②弱アルカリ洗剤・漂白剤を入れる

次に、桶の中に準備した漂白剤と洗剤を入れます。漂白剤は、適用量で構いませんが、洗剤は通常の2~3倍の量を入れるとより洗浄力が上がります。入れたらゴム手袋をした上で、よくかき混ぜましょう。

③つけおき

汚れがひどい部分を少しもみこんだ後、そのまま30分~1時間ほどつけおきしてください。30分経ったら様子を見て、まだあまり落ちていないようであれば、またかき混ぜたり、揉みこんだりして、さらに30分待ってみてください。

④確認とすすぎ

時間がたったら染料がついていた部分を見て、無事にとれたか確認してみましょう。もし充分にとれていれば、水かぬるま湯で更にすすぎを行い、次の手順⑤に進みます。

まだ充分ではない場合、もう一度お湯を準備して手順①から同じ作業をやってみてください。繰り返しの洗濯で、衣類が脱色してしまうのと同じで、繰り返し洗浄することで、色移りした染料は徐々に落ちていきます。

⑤普段通り洗濯

充分にすすげたら、あとは洗濯機に入れて通常コースでまわすだけです。この際、使っている洗剤が「すすぎ1回OK」のものだとしても、すすぎは2回行なってください。つけ置きで使った漂白剤や洗剤を十分に落とす必要があります。

色移りしやすいか確かめるには?

衣料には、そもそも色移りしやすいものがあります。

そこで、買った衣類が色移りしやすいかを確かめるには、自宅のキッチンペーパーなどで衣類を2~3回こすってみてください。これで色が取れるようであれば、洗濯して色移りする可能性があります。

やっていることは、摩擦堅ろう度の簡易テストのようなものですが、染料の定着度合い(堅ろう度)が悪いということは、摩擦堅ろう度だけでなく、洗濯堅ろう度も悪い、つまり、洗濯しても同様に色が落ちる、ということが考えられます。

他にも、洗濯機に入れてしまう前に、袖・裾の部分などに洗濯用洗剤をたらし、ぬるま湯で揉んでみるのも効果的です。色落ちしやすいものなら、すぐ洗剤が衣類の色で染まります。

特に新品は、染料が洗浄されきっていない可能性があり、色移りしやすく注意が必要です。購入時にデメリットタグや洗濯ネームの注意文言もよく読むようにしてください。

洗濯物の色移りをさせない方法

上記でご紹介の通り、一度色移りしてしまったものを落とすには、手間がかかります。そのため、日ごろから色移りが起こらない工夫をしておくのが良いでしょう。

以下では、どのようにしたら、色移りを防ぐことができるのか、その方法をご紹介します。

色物・白物衣類を分ける

洗濯する際、「これは色落ちしそう」という衣類は、白物と分けて洗濯するようにしましょう。特に洗濯で色移りしやすいものには、以下のものがあります。

  • デニムなどのインディゴ染めの衣類
  • 藍染めの衣類
  • ムラ染め・グラデーション染めの衣類
  • ポリウレタン混率の高い衣類
  • インドなどのエスニックな製品(衣類・ストールなどの小物など)
  • 綿や麻、絹などの天然繊維を使った衣類
  • 新品の濃色の衣類

藍染め、グラデーション染めは、染色の手法上、色落ちしやすいので注意が必要です。

また、繊維の種類によっても、染料の定着度合い(染色堅ろう度)に差は出ます。堅ろう度が高い繊維はポリエステルです。

染料の質によっても堅ろう度は差が出ますので、例えばインドやアフリカからのインポート品などは、染色技術がまだ後進で、色落ちするリスクが高いです。洗濯ネームの注意書きも日本語で書かれていないことが多いはずなので、色物と分けて洗濯する方が良いでしょう。

色移り防止シートを使う

色移り防止シートという便利な商品が市販されています。これは、シートを洗濯機に入れて一緒に洗濯するだけで、色移りを防ぐことができる優れモノです。原理としては、このシートが落ちた染料を吸着し、衣類に染料がつかなくなるようになっています。

これを入れることで、わざわざ色物・白物に選別をする必要がなくなって非常に便利です。

中性洗剤を使う

中性洗剤を使用することで、洗浄力を和らげ、洗濯水を通じて色移りするリスクを軽減できる可能性があります。

染料は、洗浄力が強ければ強いほど、落ちやすくなります。一般的な洗濯用洗剤はアルカリ性ですが、エマールなどのいわゆる「おしゃれ着洗剤」は中性で、衣類ダメージを減らすことができるので、気になる場合は使用すると良いでしょう。

ネットを使う

ネットを使うことで、洗濯時の衣類同士の摩擦による色移りを防ぐことができます。この場合、なるべく別の衣類との接地面を減らすため、穴が大きなネットは使用しないようにしましょう。

一方で、水につけただけで色落ちするレベルの堅ろう度の低さの場合、ネットをしても効果がなく、結局洗濯水を通じて色移りしてしまうのでご注意ください。

温度に気をつける

洗濯に、お風呂の残り湯を使う方もいるかと思いますが、洗濯にはなるべく冷めた残り湯を使うようにしましょう。(30℃以下ならOK)

なぜなら、生地は染色する際に、高温にかけて染料を繊維に押し込んで色を定着させており、同じように高温にかけることで、定着させた染料が抜け出やすくなるからです。

衣類についている洗濯ネームには、上限洗濯水温度が記載されているので、そちらも参考にすると良いでしょう。

すぐに干す

洗濯が終わって、そのまま洗濯機に長時間放置するのは止めましょう。

衣類が濡れていると、染料が染み出して他の衣類に移りやすくなってしまいます。洗濯が終わったら、なるべくすぐ洗濯槽から出し、干して乾かすようにしてください。

洗濯物の色移りを正しく落とそう

このコラムでは、色移りの原因と、その落とし方、予防方法をご紹介してきました。色移りは、デニムや新品・天然繊維・濃色の衣料など、染料の定着の悪い衣類を淡色の衣類と一緒に洗濯してしまうことで起きます。

色移りを落とすには、50℃くらいのお湯に、漂白剤とアルカリ性洗濯用洗剤を入れて衣料を浸すことで、効果的に落とすことができます。

色落ちしやすい衣料を気にせず通常洗濯してしまうと、洗濯機に入れた他の淡色の衣料全てに色移りしてしまう可能性があります。日ごろから、色移りしやすい衣類はまず新品の状態で単品と白物に分けて洗濯するなど、工夫をしていきましょう。

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