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芝生の正しいお手入れとは?年間スケジュールや注意点などを紹介

芝生の正しいお手入れとは?年間スケジュールや注意点などを紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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一面に広がる青々とした芝生は洋風の庭にも和風の庭にも合い、憧れる方は多いでしょう。しかし、芝生にはさまざまなお手入れが必要で、管理が難しいからと避けている方もいるはずです。そこで今回は、芝生の正しいお手入れ方法について紹介します。

年間スケジュールや注意点なども併せて紹介していくので、庭に芝生を張ってみたい方、芝生はあるけれどお手入れ方法が分からない方はぜひ参考にしてください。

芝生の種類の見分け方

1.芝生の種類の見分け方

一見すべて同じように見える芝生ですが、2つの種類に分かれるのをご存知でしょうか。芝生のお手入れ方法を紹介する前に、芝生の種類を知っておきましょう。以下では、芝生の種類「暖地型芝草」と「寒地型芝草」について紹介していきます。

暖地型芝草

「暖地型芝草」は、日本に自生する日本芝です。暖地型芝草の品種には「野芝(ノシバ)」「高麗芝(コウライシバ)」「姫高麗芝(ヒメコウライシバ)」などがあります。

夏に生育のピークを迎える暖地型の芝生は耐寒性が低く、20~35℃を適温としています。寒さや乾燥、風が苦手なので、東北南部から沖縄など暖かい地域で育てるのが良いでしょう。

10℃以下になると地上部は枯れてしまいますが、10~12℃ほどになる春を迎えると再び生育を始めます。草丈は10~20cmほどで、地表の浅いところで横へ広がるように大きくなるのが生育の特徴です。

寒地型芝草

「寒地型芝草」は、海外から輸入された西洋芝です。寒地型芝草の品種には「フェスク類」「ブルーグラス類」「ライグラス類」「ベントグラス類」などがあり、緑が濃くなるのでゴルフ場などでよく利用されています。

寒地型芝草の生育適温は15~25℃です。5℃以下になると生育が止まりますが、枯れることはないため、冬でも青々とした緑を保てます。ただし、耐暑性は低いので関東よりも南で生育するには向いていません。乾燥しやすいので、まめなお手入れが必要な種類です。

育てる地域やどのように芝生を楽しみたいのかによって、種類を選ぶと良いでしょう。

芝生をきれいに維持するために必要な手入れとは?

芝生の種類がわかったところで、芝生をきれいに維持するメンテナンス方法や管理方法を解説していきます。

水やり

芝生は乾燥すると枯れたり病気の原因になったりするため、水やりは芝生の管理に欠かせない大事なお手入れといえるでしょう。

少量の水でこまめに水やりを行うと、土に水が入り込まず根が浅くなってしまいます。そのため、芝生の水やりは「たっぷりの水で1日1回行う」のが重要なポイントです。

さらに、水によって土の中に酸素が入り込めず酸欠状態になってしまうことも、水やりを1日1回に留めておく理由のひとつといえます。小さな面積の芝生であればジョウロで問題ありませんが、広い面積の芝生であれば散水ホースやスプリンクラーがあると、簡単に水やりを行えるでしょう。

除草

除草は「雨の日の翌日や水やり後に行う」のがポイントです。除草する際は、雑草が次々と生えてくるのを防ぐために根を残さないように行います。

雨の日の翌日や水やり後のように土が柔らかくなっているタイミングで除草を行うと、根まで完全に取り除くことができるでしょう。除草は基本的に手で行えますが、軍手や草抜きニッパー、除草フォークなどがあると便利です。除草が大変な場合は、除草剤を使用するのも良いでしょう。

刈り込み

2-3.刈り込み

健康的な芝生を維持するには、刈り込み作業が必要です。刈り込みには、「上への生育を止めることによって横への生育を促し、芝生の密度を高める」「しっかり日差しを根に当てて生長を促す」という目的があります。

芝生が美しく健康的に生育するには、地面から2~4cmほどの高さを維持するのがおすすめとされています。

理想の高さから3~5割増してきた時に刈り込みを行いましょう。芝生の種類や環境にもよりますが、美しい芝生を維持するために生育期には月に3~4回程度、それ以外の時期でも月に1~2回程度刈り込みをする必要があります。芝刈り機や刈り込みばさみなどがあると便利でしょう。

施肥

芝生の生育を促すためには、定期的な施肥が必要です。施肥は主に芝生の生長が著しい3~9月頃、毎月~2ヵ月の間隔で行うのが理想とされています。

芝生の施肥における注意点は「肥料を与え過ぎない」「できるだけ細かい肥料を使い、施肥後に水やりを行う」ことです。肥料を与え過ぎると高濃度の肥料成分によって芝生が枯れる「肥料焼け」が起こる可能性があります。

さらに、肥料が芝生の表面に残ることも肥料焼けの原因になるため、芝生の表面に残りにくい細かい肥料を選び、施肥後に水やりをして、肥料が芝生の表面に残らないような工夫をしましょう。

エアレーション

エアレーションとは、硬くなった土に穴を開けて通気性を良くし、芝生の生長を促す作業です。芝生の種類によって異なりますが、エアレーションは主に芝生が著しく生長する春、もしくは秋に行います。

エアレーションの穴同士の間隔は7cm以下が目安です。ただし、穴と穴の間隔が狭いほど得られる効果が高まるため、芝生の生長を促したい場合は5~7cmほどにするのがおすすめです。エアレーション後はたっぷり水やりを行うと、開けた穴に砂や土が流れてきれいに埋まります。

エアレーションには、ローンスパイクやローンパンチなどの道具が必要です。

目土入れ

目土入れとは、芝生の上から薄く土をかけて露出した根を土で覆い、養分を吸収しやすい環境に整える作業です。

芝生の種類によって異なりますが、目土入れは基本的に4~6月もしくは9~10月頃に行います。目土入れの注意点は、土をかけ過ぎないことです。土を深くかけてしまうと、光合成を妨げたり地温を上げてしまったりして、芝生の生長に影響するからです。

土の深さが3~5mmになる程度に土をかけてあげましょう。

サッチング

サッチングとは、刈り込んだ際に出た芝生のカスや枯れた葉を取り除く作業です。芝生のカスや枯れた葉をそのままにしておくと見た目が悪いだけでなく、水が溜まりやすく病気の原因になったり害虫が住みついたりするので、それらを予防するために行います。

刈り込み後は熊手などを使用してサッチングを行いましょう。サッチングが大変な場合は、散布するだけで廃棄物を分解してくれるサッチ分解剤が配合された肥料を使用するのもおすすめです。

芝生の手入れにおける年間スケジュール

ここからは、芝生の手入れにおける年間スケジュールを紹介していきます。

暖地型芝草の場合

3-1.暖地型芝草の場合

まずは、暖地型芝草の手入れにおける年間スケジュールを見ていきましょう。

3~5月(春頃)

3~5月は、暖地型芝草の生育期が始まる時期です。この時期に芝生の生育活性化の準備となる、施肥・エアレーション・目土入れなどを行います。気温が低く乾燥していないようであればこの時期の水やりは基本的に不要ですが、土の保水性が悪い場合や好天が続く場合は、水やりを行いましょう。

6~8月(夏頃)

6~8月になると生育期に入り、刈り込みが忙しくなります。6~8月にかけて、2週間に1度の刈り込みを1週間に1度へ増やしていきましょう。その他のお手入れは基本的に必要ありません。芝生や土の様子をよく観察し、必要に応じて適切なお手入れを行いましょう。

9~11月(秋頃)

9~11月になると気温が下がり保水性も高くなるので、雨が降るようであれば基本的に水やりは不要です。また、生育のスピードが穏やかになることから、刈り込みは月に1~2回程度で良くなります。冬の休眠時を暖かい状態で迎えるのが理想であるため、最後の刈り込みを10月上旬にして、ある程度長さを保った状態にしておくのがおすすめです。

12~2月(冬頃)

12~2月の間は芝生の休眠時で基本的にお手入れは不要ですが、乾燥しやすい時期のため過乾燥になる場合は水やりを行います。また、この時期でも雑草は生えてきます。春の種を落とす時期になる前までに除草しておきましょう。

寒地型芝草の場合

次に、寒地型芝草の手入れにおける年間スケジュールを見ていきましょう。寒地型芝草は生育期が2回あり、乾燥に弱い品種が多く生育スピードが早いので、暖地型芝草よりも手間が掛かるといえます。

3~5月(春頃)

3~5月(春頃)

寒地型芝草は3~5月頃に1回目の生育期を迎えます。暖かくなるにつれて生育スピードがどんどん早まるので、ピーク時の5月頃になると週に1回程度の刈り込みが必要になります。

さらに、生育する時期は栄養が必要不可欠のため定期的な施肥を行いましょう。加えて、4~5月の生長する時期には、梅雨前までに1度のエアレーション、エアレーションと同じタイミングで目土入れの実施が一般的です。

6~8月(夏頃)

寒地型芝草は乾燥に弱い品種です。好天が続くようであれば、毎日水やりをして乾燥を防ぎましょう。また、夏の時期は生長が衰えており回復が難しいため、芝生にとってストレスとなるお手入れは控えるのがおすすめです。

7月上旬までに短く芝を刈って、7~8月は刈り込みを行わなくても良い状態にしておきましょう。さらに、暑い時期に肥料を与え過ぎるのも芝生にとってストレスとなります。薄い液体肥料を準備し、夏越えだけに必要な肥料を与えましょう。

9~11月(秋頃)

9~11月は、寒地型芝草の2回目となる生育期です。9~10月になると青々とした美しい芝生が生えてくるので、しっかりと肥料を与えましょう。

また、暑さが残る9月の水やりは雨が降らない限り毎朝行い、暑さが落ち着く10月以降は乾燥が見られる場合のみ、週に2~3回程度の水やりを行います。土が硬く生育に問題がある場合は、エアレーションの実施がおすすめです。

12~2月(冬頃)

本格的に寒さが増してくる12~2月は寒地型芝草の生長も鈍化するため、ほとんどのお手入れが不要になります。ただし、地域によっては芝生が冷え込んでしまうので、環境への適応力を向上させる効果のあるカリウムを含んだ肥料を与えましょう。

芝生の手入れにおける注意点

ここでは、芝生の手入れに関する注意点をご紹介していきます。

雑草をこまめに除草する

雑草を生やしたままにしておくと、本来芝生が吸収するはずだった栄養を吸い取ってしまったり、生長した雑草によって日陰が作られたりすることによって、芝生の生育が妨げられてしまいます。そのため、雑草をこまめに除草するようにしましょう。

軸刈りを避ける

軸刈りとは青い葉がない茎の部分を刈ることです。芝生が枯れたように見えてしまう失敗例のひとつであるため、刈り込みは今ある長さの1/3以下に留め、2/3は残しましょう。

夏場の水やりは朝や午前中に行う

夏場における芝生の水やりは「朝や午前中にたっぷりと行う」のが重要なポイントです。水を与え過ぎると蒸れや細菌の繁殖につながる恐れがありますが、朝や午前中に行えば日中の日差しや風によって芝が乾くからです。特に、夏やその前後の暑い季節では、朝8時頃までの比較的涼しい時間帯に水やりを行うようにしましょう。

夏場の施肥は涼しいうちに行う

夏場の気温が高い時間帯に施肥を行うと、芝生に残った肥料が直射日光を浴びることによって葉が枯れる葉焼けを起こす恐れがあります。そのため、夏場の施肥は朝か夕方の涼しい時間帯に行うようにしましょう。

芝生の手入れを少しでも楽にするポイント

5.芝生の手入れを少しでも楽にするポイント

芝生は種類や時期によって、お手入れに手間が掛かる場合があります。そのような場合に覚えておくと便利な、芝生のお手入れを少しでも楽にするポイントを紹介していきましょう。

水やりを楽にするポイント

生育期で好天が続く場合は、毎日の水やりが欠かせません。しかし、毎朝行う水やりは中々大変な作業でしょう。

水やりを楽にする方法として、散水タイマーやスプリンクラーなどの使用がおすすめです。散水タイマーは、指定した時間に散水してくれる便利なアイテムです。旅行などで家を空ける際などにも役立つでしょう。

スプリンクラーは、効率の良い水やりが可能なガーデニング用品です。広い面積の芝生でも均一に水やりが行えます。

除草を楽にするポイント

芝生が広い面積の場合、除草するのは大変でしょう。そのような場合には、除草剤の使用がおすすめです。除草剤といっても、芝生にも影響するものを選んでしまっては元も子もありません。芝生に生える雑草を除去するには、芝生専用の除草剤を選んで使用しましょう。

芝刈りを楽にするポイント

「芝生が広過ぎて刈りきれない」「忙しくて芝を刈っていられない」などの悩みを持っている方は、シルバー人材センターや専門会社に依頼するのも、芝刈りを楽にするひとつの方法です。コストは掛かっても、あれこれ考える必要なくきれいに芝刈りをしてもらうことができます。

くらしのセゾンでは、専門スタッフによる庭木のお手入れサービスを行っており、庭木剪定・伐採、芝生の敷設・管理、除草・防草対策をはじめとした樹木・草花の困りごとを解決します。知識と資格を持つ経験豊富な職人が、気になることなどにも丁寧にお答えします。出張費・お見積もりは無料で、追加料金なしの安心価格がうれしいポイントです。

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芝生の病気や害虫について

ここでは、芝生の病気や害虫について解説していきます。芝生がかかりやすい主な病気や、被害を受けやすい主な害虫を知って適切に対処しましょう。

芝生がかかりやすい主な病気

まずは、芝生がかかりやすい主な病気についてご紹介していきましょう。

さび病

さび病

さび病とは、金属に見られるさびのようなものが芝生にも見られる病気です。雨が多い夏や秋にかかりやすい病気で、葉や茎が変形し放置すると最悪の場合は枯れてしまいます。見た目の変化が激しいため、鑑賞価値は大きく下がるでしょう。

赤焼病

赤焼病とは、7月上旬~9月中旬に、寒地型芝草の西洋芝のみに発生する病気です。初期段階では黄色・赤褐色・灰色の小さいパッチ(発生部分)が見られ、数日経過するとパッチが円形となり、褐色~紫褐色の縁が周辺に発生します。病気が生じると一気に広がってしまうため、日頃からよく観察して予防することが重要です。

ダラースポット

ダラースポットとは4~11月に発生しやすく、丸いくぼんだパッチができ、茶色・黄色・灰褐色・淡褐色に変色する病気です。ダラースポットをそのままにしておくと根まで枯れてしまい、芝生が生えてこない状態になる場合もあります。

ラージパッチ

特に日本芝が被害を受けやすいラージパッチは、春と秋に発生しやすい病気です。ラージパッチにかかった芝生は黄色~橙色に変色し、30cm~数mほどのパッチが合わさって大型化します。

ブラウンパッチ

ブラウンパッチとは、梅雨から9月下旬にかけて寒地型芝草に発生しやすい病気です。初めは直径10cmほどのパッチが現れて芝生を枯らし、病気が進行するとパッチ同士が合わさって不定形の枯れ込みが広がっていきます。

芝生が被害を受けやすい主な害虫

次に、芝生が被害を受けやすい主な害虫をご紹介していきましょう。

コガネムシ類

コガネムシ類

コガネムシ類は、幼虫が土の中で芝生の根を食べます。根を食べられた芝生は生育不良を起こし、抜けやすくなってしまうのです。コガネムシ類を見つけたら、動きが鈍る早朝に捕獲しましょう。

スジキリヨトウ

スジキリヨトウの幼虫は、芝生の葉や茎を食べて被害を及ぼします。根を食べることはないため枯れ死には至りませんが、地上部が食べ尽くされてしまうこともあるのです。

シバツトガ

シバツトガの幼虫に芝を食べられると、乾燥時のような黄変症状が起こる恐れがあります。幼虫の巣である「ツト」が芝生に見られた場合は要注意です。

芝生の病気や害虫を予防するには?

芝生が育つうえで、さまざまな病気や害虫の危険性があることが分かりました。これらの危険から芝生を守るためには、日頃のお手入れが大切です。特に、病害虫から芝生を守るためには芝刈り・エアレーション・サッチングが有効とされています。芝生の様子を日頃からよく観察するとともに、お手入れも欠かさず行いましょう。

おわりに

美しい芝生を維持するには、年間を通じてさまざまなお手入れが必要です。面倒で大変な作業も多いですが、芝生の種類や時期に合わせた適切なお手入れをすることで、健康的な芝生を維持できます。どうしてもお手入れが難しい場合は、プロに任せるのもおすすめです。この記事を参考に芝生のお手入れをして、青々としたすてきな景観を維持しましょう。

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