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ドウダンツツジの剪定方法は?おすすめの時期やポイントを解説

ドウダンツツジの剪定方法は?おすすめの時期やポイントを解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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家庭で楽しめる庭木として高い人気を誇るドウダンツツジ。健康的に長く育てるには剪定が必要です。このコラムでは、ドウダンツツジの剪定について最適な時期や目的別剪定方法などをご紹介していきます。「ドウダンツツジを育てているけれど剪定方法が分からない」「どのような道具を使って剪定をすれば良いのか分からない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

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ドウダンツツジってどんな木?

1.ドウダンツツジってどんな木?

公園・道路脇の植え込みや庭だけでなく、部屋をおしゃれに彩るドウダンツツジ。ドウダンツツジの剪定に関して解説していく前に、ドウダンツツジがどのような木なのかについてご紹介していきましょう。

ドウダンツツジの基礎知識

ドウダンツツジは春になるとベルのような形のコロンとした花を咲かせ、秋になるときれいな紅葉も見られる庭木として人気の落葉樹です。

樹高は1~2mほどで小ぶりですが、思い切った刈り込みにも耐えられる強さを持っています。また、細かい枝が密集するため、観賞用や景観保持、生垣などさまざまな役割を担うことができます。

育て方のポイント

ドウダンツツジは日本を原産地とする植物のため、栽培は比較的簡単です。鉢植えでも庭植えでも育てられます。鉢植えの場合は日陰で育てると花付きが悪いだけでなく紅葉の色も冴えないので、日当たりの良い戸外で育てるのがおすすめです。ただし、夏の間は土の乾燥を防ぐため、西日の当たらない半日陰で育てましょう。

ドウダンツツジを剪定する必要性

2.ドウダンツツジを剪定する必要性

ドウダンツツジを剪定せずに枝が伸び過ぎた状態にしておくと、どのような影響やリスクがあるのでしょうか。

樹木の剪定は、植物の不要な箇所を切り落として健やかな生長を促したり樹形を美しく保ったりするもので、ドウダンツツジに限って必要なお手入れではありません。剪定をしないと不要な枝や葉などが新芽の生長を妨げてしまい、花が咲かない・茂り過ぎた葉や枝によって通気性が悪くなるなどのリスクが生じる可能性があります。

さらに、剪定をしないと地上部が生長し過ぎて根本とのバランスが悪くなり、樹木全体が弱ってしまう恐れもあるのです。これらの影響やリスクを防ぐためにも、ドウダンツツジなどの樹木は剪定する必要があるといえます。

ドウダンツツジの剪定におすすめの時期

ドウダンツツジの剪定にはおすすめの時期が2つあります。以下では、ドウダンツツジに最適な剪定時期について解説していきましょう。

花を楽しんだ後の5~6月

春に花を咲かせるドウダンツツジは、開花後の5~6月に剪定するのがおすすめです。夏になると翌年咲く花芽が付くため、その前に剪定を済ませておけば花を咲かせる枝を切り落としてしまう心配がありません。適切な時期に剪定することで、翌年の春にはきれいな花が楽しめるでしょう。

紅葉時期の10~11月

3-2.紅葉時期の10~11月

5~6月に加え、紅葉時期の10~11月にも樹形を整えるように剪定します。上記のように初夏に剪定をしても、夏の間に樹形が崩れてしまうからです。秋の剪定では、翌年咲く花芽を切り落とさないように注意しながら不要な部分だけを切り落とすようにしましょう。

もし、ドウダンツツジを紅葉の観賞用として育てている場合は大胆な剪定をしても問題ありませんが、大きく樹形を変えるなら1度専門会社に相談するのがおすすめです。

ドウダンツツジの剪定におすすめの道具

ここでは、ドウダンツツジの剪定におすすめの道具をご紹介していきましょう。ドウダンツツジの剪定を実施するために道具の購入を検討している方は必見です。以下の道具に加えて、軍手や脚立、はしごなどがあるとより便利でしょう。

剪定バサミ

剪定バサミは、枝を1本1本切るために使用する道具です。後でご紹介する刈り込みバサミのように一気に刈り込むことはできませんが、太い枝を切るときにとても便利です。

ただし、枝を刈っていると楽しくなってついつい切り過ぎてしまい、木に穴が空いたようになることもあるので注意しましょう。この穴を塞ぐには数年かかる場合もあるため、基本的には刈り込みバサミの補助として使用するのがおすすめです。

植木バサミ

4-2.植木バサミ

植木バサミは、剪定バサミと同様に枝を1本1本切るときに最適です。剪定バサミよりもより細かい箇所に届き、切り口も木にとって優しいものとなります。剪定バサミと比べると太い枝の剪定には不向きですが、より繊細な作業をする際や木に負担を掛けたくない場合におすすめの道具です。

刈り込みバサミ

刈り込みバサミは効率良く整えられるので、樹木の剪定に最適な道具です。ただし、ザクザクと刈り込み過ぎてしまうと穴が空いたように見えることもあるので注意しましょう。また、剪定バサミや植木バサミのように繊細な作業には向いていないため、目的に合わせて適宜道具を変えるのがおすすめです。

剪定ノコギリ

剪定ノコギリは、太い枝を切るときに役立つ道具です。剪定バサミでも切れない太い枝を剪定するときに使うと良いでしょう。基本的に出番は少ないですが、生長し過ぎた樹木を切り戻す場合や樹高を低く抑える芯止めをする場合などに活躍します。

電動バリカン

4-5.電動バリカン

電動バリカンは価格が他の道具と比較して高めですが、これまでご紹介した中で1番作業を楽にしてくれる道具といえるでしょう。楽なだけでなく、樹形を真っ直ぐきれいに整えられます。

街中で見かけるようなピシッと四角い生垣は、電動バリカンを使って整えられていることがほとんどです。電動バリカンも刈り込みバサミと同様で、刈り込み過ぎてしまうことがあるため、注意しながら剪定しましょう。

ドウダンツツジの目的別剪定方法

ドウダンツツジは目的別に剪定の仕方が異なります。以下では「花を楽しむ場合」と「紅葉や樹形を楽しむ場合」に分けて、剪定方法をご紹介していきましょう。

花を楽しむ場合

ドウダンツツジの花を楽しみたい場合は、前述したように花が咲いた後の5~6月に剪定するのがおすすめです。まずは不要な枝を根元から取り除いていきます。枯れた・弱った枝や絡まっている枝を優先して切り落としていきましょう。次に全体の樹形を丸型に整えるよう軽く切っていきます。

紅葉や樹形を楽しむ場合

5-2.紅葉や樹形を楽しむ場合

ドウダンツツジの花ではなく紅葉や樹形を楽しみたい場合は、基本的に剪定する時期を気にする必要はありません。木の生長に合わせ、年間を通してこまめに刈り込みをしましょう。また、樹形を楽しみたい場合は玉仕立て・玉散らし・角仕立てなど目指す形はさまざまです。以下でそれぞれの形の特徴をご紹介していきましょう。

玉仕立て

玉仕立ては、樹形をひとつの玉のように仕立てます。刈り込み回数が多く手間が掛かりますが、きれいな丸い形に仕上げられれば、非常に美しいものとなるでしょう。

玉散らし

玉散らしは枝ごとに葉の部分を楕円形に残した、日本風の庭にも良く似合う剪定方法です。しかし、剪定方法を間違えると生長したときに見た目のバランスが悪くなってしまう可能性があります。玉散らしにカットする際は、まず仕上がりイメージをきちんと持つことが大切です。完成図がイメージできたら、目標の形に必要のない枝を刈っていきます。

角仕立て

角仕立て

角仕立ては、生垣などに用いられることが多い、樹木を四角く仕立てる方法です。角仕立てにする際は芽などを気にせず、形を重視して刈り込むのが剪定時のポイントです。

ドウダンツツジを剪定した後の手入れ

ドウダンツツジは剪定して終わりではありません。剪定後は木の切り口から水や養分が出やすくなったり、雑菌や雨水が入り込みやすかったりするため、適切な処置が必要です。剪定後は木の切り口を市販の癒合剤などで保護して、健康的な生長を促してあげましょう。

切り口に付けた癒合剤をヘラなどで広げると、均一に塗ることができます。もし癒合剤がない場合は木工用ボンドやアルミホイル、ビニール袋などでも代用可能です。ただし、殺菌効果がなかったり、日が当たりにくかったりなどのデメリットがあるため、代用品の使用は最低限に抑えた方が良いでしょう。

ドウダンツツジの剪定以外に必要な手入れ

ドウダンツツジは剪定以外にもいくつかの必要な手入れがあります。ドウダンツツジを健康的に生育するために必要な手入れを以下でご紹介していきましょう。

植え替え

7-1.植え替え

ドウダンツツジを鉢植えで育てている場合は根が詰まるのを防ぐために、2〜3年に1度は植え替えを行いましょう。植え替えにおすすめの時期は3月頃です。木をさらに大きく生長させたい場合は元の鉢よりも少し大きめの鉢を、これ以上大きくさせたくない場合は同じ大きさの鉢を用意しましょう。

植え替えをする少し前から水やりを控えて土を乾燥させます。元の鉢から根を掘り起こしたら、付いている土を1/3ほど落とし、新しい鉢の土と馴染むように植え付けます。植え替えが完了したらたっぷりと水をあげて、根の元気な生長を促してあげましょう。

水やり

ドウダンツツジは根が浅いので、乾燥しやすいという特徴があります。そのため、土が乾いていないかこまめなチェックが必要です。ドウダンツツジを庭に植えている場合は雨などで潤うタイミングがありますが、鉢植えで育てている場合は特に乾燥させないように注意して観察し、水やりを行ってください。

夏場の乾燥対策

日本でも夏場は強烈な暑さが続きます。前述したようにドウダンツツジの根は浅く、特に地植えの場合は強い直射日光によって乾燥しやすいため、株元にワラやバークチップなどを敷いておくと良いでしょう。鉢植えの場合は、西日の当たらない半日陰など涼しい場所に移動させるのがおすすめです。

施肥

7-4.施肥

ドウダンツツジを健康的に育てるためには定期的な施肥が必要です。まずは植え付けの際に肥料を土に混ぜておきましょう。これを元肥(もとごえ)と呼び、植え付け後の初期生育を促進する肥料です。

市販の樹木用培養土を利用する場合、初めから肥料がブレンドされている商品もあるのでパッケージを確認してください。開花が終わった5月中旬~下旬頃には、ドウダンツツジのエネルギー補給のためにお礼肥(おれいごえ)として緩効性化成肥料を与えましょう。

2~3月頃には、春の芽出しのエネルギー源となるように再度緩効性化成肥料を土に馴染ませます。これを寒肥(かんごえ)といいます。

挿し木

ドウダンツツジの紅葉や花をより楽しみたいという方は、剪定と一緒に挿し木を行ってみてはいかがでしょうか。

挿し木とは、刈った枝で株を増やす方法です。挿し木は、2~3月と6~8月に行うのがおすすめとされています。挿し木をした苗は、半日陰で、根を乾燥させないように注意しながら管理しましょう。

病害虫の対処

ドウダンツツジは病害虫の被害を受けにくいとされていますが、もしもの時のために対処法を知っておくと良いでしょう。

ドウダンツツジはさび病などの病気やハダニ・カミキリムシ・カイガラムシ・アブラムシなどの害虫に侵食される場合もあります。病気を見つけた場合は侵食された葉をちぎって処分し、害虫の被害を見つけた場合は殺虫剤や薬剤などを利用して適切に対処しましょう。

ドウダンツツジの剪定におけるポイント

8.ドウダンツツジの剪定におけるポイント

最後に、ドウダンツツジの剪定におけるポイントをご紹介していきます。

花芽を切り落とし過ぎない

ドウダンツツジの花を楽しみたいのであれば、剪定時に花芽を切り落とさないように注意する必要があります。そのためには花が咲いた後の5~6月頃に剪定を行うのがおすすめです。適切な時期を守って剪定を行えば、花芽を切り落としてしまうこともないでしょう。

難しい場合は専門会社に依頼する

これまでドウダンツツジの剪定についてお伝えしてきましたが「やっぱり自身での剪定は不安」という方は、プロに依頼するのもひとつの方法です。

くらしのセゾンが提供する「庭木のお手入れ」は、庭木剪定・伐採、芝生の敷設・管理、除草・防草対策をはじめとした樹木・草花の困りごとを解決します。知識と資格を持つ経験豊富な職人が、気になることなど丁寧にお答えします。出張費・お見積りは無料です。お気軽にご相談ください。マンションなど所有している建物の植栽管理に関するご相談も承ります。

庭木のお手入れの詳細はこちら

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おわりに

ドウダンツツジは比較的生育しやすい樹木のひとつですが、基本的な剪定方法はしっかり押さえておきたいものです。ドウダンツツジの剪定は、花を楽しむ・樹形を整えるために役立つ他、病害虫の予防にも役立ちます。今回ご紹介した剪定方法を参考にして、ぜひドウダンツツジの剪定に挑戦してみてください。自身での剪定に不安を感じる方は、プロに依頼する方法も頭に入れておくと良いでしょう。

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