いつの間にか侵入してくるコバエ。「気付けばキッチンに数匹飛んでいた…」なんて体験をした方も多いのではないでしょうか。今回はコバエの生態から大量発生する理由、撃退法、対策法まで徹底解説しました。薬剤を使用しない「めんつゆトラップ」の作り方もご紹介しています。コバエが飛んでいて困ったことがある方はぜひ参考にしてください。
コバエの生態をチェック!
コバエとは、2~5mm程度の飛ぶ虫を総称した言葉で、さまざまな種類が存在します。では、家で見かけるコバエの種類や特徴、繁殖力や発生しやすい時期について解説していきましょう。
コバエの種類と特徴
私たちが目にするコバエの多くは、以下の4種類です。
ショウジョウバエ
体長2~3mm程度のコバエで、黄赤色の体と赤い目が特徴です。生ゴミに発生し、酢やアルコール、腐った果物などに集まることが多いためキッチンでよく見かけます。約10日で卵から成虫になり、寿命は1~2ヶ月ほどといわれています。
ノミバエ
ノミバエは体長2mm程度で体が細く、跳ねるような動きで俊敏に移動します。台所やゴミ箱周辺から発生し、腐った動植物や動物の糞を好み産卵もするようです。卵から成虫になるまでは約2週間、寿命は成虫になってから10日間程度といわれています。
キノコバエ
網戸をすり抜けられるほど小さく、細長い体が特徴のキノコバエは、観葉植物の腐葉土を好み産卵します。土に生えるキノコを養分にして育つため、日当たりが悪く湿った植木鉢には要注意です。卵から成虫になるまで約1ヶ月と成長は遅いですが、成虫になれば寿命は4~10日ほどで短いです。
チョウバエ
通称「便所バエ」とも呼ばれるチョウバエは、トイレでよく見かけるコバエです。体調は1~5mm程度で、灰色から黒色の体色をしています。
卵から成虫になるまでは約2週間、成虫になってからの寿命も約2週間です。湿地や沼などを好み、幼虫は浴室の排水口や下水管のヘドロにも発生します。夜行性のため、日中は壁でじっと止まっていることが多いです。
コバエの繁殖力と侵入経路
コバエは卵から1~3日程度で孵化し、ショウジョウバエの場合約10日で成虫になるなど、非常に成長サイクルが早い虫です。
さらに、成虫になればすぐ産卵を始めるので、繁殖力は高いといえるでしょう。コバエの主な侵入経路は、窓と網戸の隙間、目の粗い網戸などが挙げられます。ドアや窓を開け閉めしたときにも入ってくることがあるので注意が必要です。
コバエが発生しやすい時期や場所
コバエは20℃以上かつ湿度が高い時期を好むため、4~11月に発生しやすくなります。家の中では、湿気のあるキッチンやお風呂、洗濯機周辺、トイレなどで見かけやすいです。
排水口や排水管内に溜まった汚れから発生することも多いので、こまめに掃除することを心掛けましょう。また、生ゴミや、食べ残しにもたかる習性があります。
アルコールや腐葉土を好む種類もいるので、室内に置いている観葉植物やお酒が入っていた容器も要注意です。
コバエが大量発生する理由
「コバエは寿命が短いため、数匹見かけるくらいなら大丈夫なのでは?」と思うかもしれませんが、一度に100個以上産卵をする種類もいます。産卵後2~3日で孵化し、約10日~1ヶ月で成虫となります。さらに成長したコバエは複数回産卵するといわれているため、成虫1匹から1,000匹以上が発生する可能性も否定できません。「気付けば大量発生していた…」という事態にもなりかねないため、コバエを見つけたらすぐに撃退しておきましょう。
コバエ対策に効果的な4つの駆除方法
コバエを駆除するためには、どの種類のコバエが飛んでいるのかを突き止め、発生源を特定することが重要です。では、効果的な駆除方法をご紹介していきましょう。
殺虫スプレー
一般的かつ最も手軽なのが殺虫スプレーを使用する方法です。殺虫スプレーの主成分であるエアゾールはコバエにも有効なため、直接噴射して撃退しましょう。ただし、殺虫スプレーは卵には効きません。孵化して出てきたコバエのみ対応できるので、根絶は難しいです。
近年では、効果的に広くスプレーできるワンプッシュタイプも販売されています。発生源と思われるゴミ箱や排水口まわり、生ゴミを入れた三角コーナーなどにワンプッシュでアプローチできるのでとても便利です。
コバエの発生源にワンプッシュするだけで効力を発揮する殺虫スプレーです。駆除するだけでなく、発生も予防してくれます。内容量は14mlと少ないですが60回も使用できるので、1本持っておくと便利でしょう。
誘引捕獲タイプの駆除剤
コバエが好む匂いで引き寄せ、殺虫する置型タイプの駆除剤もあります。コバエを見かける場所に設置するだけで効果を発揮するので、殺虫剤を吸い込む心配がなくペットを飼っている方にもおすすめです。一方、便利であるがゆえに有効期限を過ぎても置きっぱなしにしがちという問題もあります。コバエが集まった状態のまま放置することは不衛生なため、交換時期は守って使用するようにしましょう。
コバエが止まりやすい特殊容器と、強力な誘引ゼリーでコバエを捕獲してくれます。ゲルに潜らせることで捕まえたコバエを逃がさない仕組みになっています。置くだけで簡単に対策できる優れものです。
ハエ取り紙
殺虫成分を全く含まず、子どもが触れても大丈夫なハエ取り紙もコバエの退治に有効です。使用方法は、コバエが発生していると思われる場所に、糊が付いた細長い紙を天井から吊るすだけです。
匂いで誘うわけでもないので、自然とコバエが張り付くのを待つという原始的な方法となっています。なるべくコバエが多く集まりそうな場所を狙って設置しましょう。
薬剤を含まず、粘着だけでコバエを捕まえることができる昔ながらのハエ取り紙です。長さは55cm、幅が5.5cmとワイドなタイプなのでコバエをキャッチしやすい仕様になっています。
電気殺虫器
電気殺虫器も薬剤を使用せずコバエ退治できる便利グッズです。誘引効果の高い光でコバエをおびき寄せ、電圧で撃破します。コバエだけでなく、蚊にも有効なため、ひとつ持っておけばあらゆるシーンで活躍することでしょう。ただし、電源が必要なためどんな場所でも使用できるわけではありません。設置したい場所にコンセントがない場合は、充電式もあるので参考にしてみてください。
コンセントに挿すだけで使用できる電撃殺虫器です。薬剤を使わず、いやな臭いや煙も出すことなく瞬間的にコバエを撃退することができます。キッチンだけでなく寝室やお庭までコンセントさえあれば持ち運べるので便利です。
コバエの卵を全滅させるには?
コバエが発生している場所には、卵が産み付けられている可能性があります。コバエを全滅させるためにも卵を見つけたら確実に駆除をしましょう。
コバエは水まわりを好むため、排水口付近やトイレで卵を発見するケースが多いです。しかし、トイレや排水管の中へ卵を流してしまうのはNGです。掃除機で吸い取った場合も「掃除機のダストボックス内で孵化してしまった…」という事例があるため、捨て方には注意が必要です。
では、コバエの卵を全滅させる方法を解説していきます。
ほうきや雑巾で掃除する
卵を床や壁で発見したときは、ほうきや雑巾を使用しましょう。ほうきを使う場合は、卵がくっついた状態で放置せず、ひとつ残らず取り除いてビニール袋などに密閉して捨てます。雑巾はあらかじめ捨てても良いものを準備すると破棄しやすくなるのでおすすめです。
粘着シートにくっつけて取り除く
粘着のあるガムテープなどにくっつけて取り除く方法も効果的です。カーペットなどの掃除で使用するコロコロなら広い範囲の卵を取り除くことができます。捨てるときは、ほうきや雑巾のとき同様、密閉状態で捨てるようにしましょう。
60℃程度のお湯をかける
暑さや寒さが苦手というコバエの卵の弱点をついて、お湯をかけるという方法もあります。ただし、熱湯は配管を痛めてしまう危険性があるので、熱くても60℃程度のお湯を使うようにしましょう。
卵にも効果のある殺虫剤を使う
殺虫剤のなかには、卵にも効力を発揮するものが販売されています。製品により成虫にしか効かないタイプもあるので、商品詳細などをよく読んで購入するようにしましょう。
コバエの発生を防ぐ方法
繁殖力が強いコバエは、未然に発生を防ぐ対策も重要です。撃退方法だけでなく、コバエを発生させない環境作りも取り入れて、コバエがいない家を目指しましょう。
侵入経路を断つ
コバエが発生する主な原因は、外からの侵入です。目の粗い網戸や、窓サッシと網戸の隙間、窓やドアの開け閉め時など、コバエはわずかな隙間から侵入してきます。
したがって、コバエが家に入ってくる経路に対策をしておきましょう。サッシと網戸に隙間がある場合は、隙間を塞ぐテープが効果的です。網戸に定期的にスプレーするだけでコバエを寄せ付けない便利な殺虫剤もあるので活用してみてください。
キッチンを清潔に保つ
コバエは水気のある場所に発生する汚れから出る臭いを好み、集まる習性があります。キッチンのシンクや排水口は常に清潔になるよう掃除をしておきましょう。
キッチンだけでなく、お風呂や洗濯機周辺、トイレなどの水まわりにも注意が必要です。カビやヘドロが発生しないよう、掃除をする習慣を身に付けておきましょう。
生ゴミを放置しない
生ゴミから出る臭いにもコバエは集まります。特に水に濡れた生ゴミは放置せず、処分してしまいましょう。
なるべく臭いが漏れないようビニール袋などに入れ、密閉状態で捨てることも大切です。さらに、密閉タイプのゴミ箱なら捨てたあとも臭いが漏れ出す心配が少なくなります。徹底的にコバエ対策をしたい場合は、ゴミ箱にも気を付けておくと良いでしょう。
コバエが嫌いなアロマを活用する
ペパーミントやユーカリ、レモングラスなどコバエが嫌うアロマオイルの香りを活用する方法もあります。窓際や玄関、トイレなどコバエが侵入してきやすい場所に振りかけたり、アロマストーンなどを利用したりしてアロマオイルの香りを漂わせておくと効果的です。
どうしてもコバエが発生する場合は、プロに相談してみよう
ご紹介した方法で撃退、発生予防の対策をしてもコバエが発生してしまうときは、プロに掃除を依頼する方法も有効です。
くらしのセゾンのキッチンクリーニングなら、頑固な水アカ汚れも徹底的に落としてくれます。シンクや排水口だけでなく、壁面タイルやガステーブル、戸棚表面、フードカバーや床までキッチンまわりを丸ごとキレイにしてくれるのです。追加でレンジフードクリーニングもお願いすれば、よりスッキリとしたキッチンに生まれ変わらせることができます。定期的にプロのハウスクリーニングを利用すると普段のお手入れもうんと楽にすることができるためおすすめです。
めんつゆトラップでコバエを撃退しよう
最後に、自宅にあるものでコバエを撃退できるめんつゆトラップの作り方をご紹介します。殺虫成分を含まず安心・安全で「手元に殺虫剤がないけど今すぐコバエをなんとかしたい!」というときにお手軽に作れるコバエ撃退アイテムです。
めんつゆトラップの仕組みと注意点
めんつゆトラップは、コバエが好むめんつゆの匂いでおびき寄せ、溺れさせて退治をします。コバエの体は水を弾く性質があるため、めんつゆの中に食器用洗剤を入れるところがポイントです。
洗剤に含まれる界面活性剤で水の弾きを抑え、コバエがめんつゆ内に沈む仕組みになっています。ただし、このトラップはショウジョウバエにしか効きません。撃退したいコバエがショウジョウバエか確認してから作成するようにしましょう。
めんつゆトラップの有効期間は1週間です。そのまま放置をすると、卵を産み孵化してしまう危険性があります。1週間に1度はめんつゆを交換し、捕獲したコバエを処理してください。
めんつゆトラップの作り方
めんつゆトラップに必要な準備物は以下のとおりです。
- めんつゆ
- 水
- 食器用洗剤
- 空の500mlペットボトル
ではめんつゆトラップの作り方をご紹介しましょう。
- ペットボトルを下から1/3~1/5の大きさでカットする
- 切ったペットボトルに1cm程度水を入れる
- さらに水と同じ量のめんつゆを入れる
- 食器用洗剤を数滴入れる
- コバエが飛んでいる場所に設置する
めんつゆで効果がないとき、めんつゆを切らしているときはお酢も効果的です。自宅にあるもので試してみることをおすすめします。
おわりに
窓を開けっぱなしにしたつもりがなくても、気付けば室内に侵入しているコバエ。特に夏場は目にする機会が増えやすい虫です。水まわりをキレイにしているつもりでも、漏れ出るさまざまな臭いに集まりやすいため、ご紹介した予防法、撃退法を活用し、コバエのいない空間を目指しましょう。