白く不透明な曇りガラスは、外部から私たちのプライバシーを守ってくれる以外にもさまざまなメリットがあることをご存知でしょうか。このコラムでは、曇りガラスの代表的な特徴や種類、メリットとデメリット、交換方法などについて詳しくご紹介します。プロに設置を依頼する際の費用目安やDIYで曇りガラスにする方法・費用目安などもご紹介しているので、ガラスの交換を考えている方は、ぜひお役立てください。
曇りガラスは直射日光を和らげてくれるため、紫外線から私たちを守ってくれる他、曇りガラスの特徴である不透明さから外部からの視線を防いでプライバシーを守れるというメリットがあります。しかし、すり加工を施しているために汚れが付きやすく掃除が大変だというデメリットもあります。 また、曇りガラスには種類がいくつかあり、それぞれ強度や用途・費用が異なります。プロに曇りガラスをオーダーする際には、まず希望の種類の見積もりを出してもらうと安心でしょう。ご自身で曇りガラスにDIYしたい場合の方法もご紹介します。 |
曇りガラスとは?代表的な種類も紹介!
曇りガラスと聞いたことがある方も多いと思いますが、どのような性質のガラスを指すのでしょう。その特徴や加工方法、曇りガラスの代表的な種類などをご紹介していきます。
曇りガラスとは?
曇りガラスは、不透明なガラスの総称です。透明なガラスに研磨剤などでわざと傷を付け、すり加工を施したもののことを曇りガラスといいます。金剛砂が取り付けられたブラシや研磨剤を使ってすり、ガラスの表面に細かい凸凹を作る「サンドブラスト加工」が施されているのです。
このすり加工から曇りガラスは「磨り(すり)ガラス」と呼ばれることもあります。一般的にすり加工は直接光が当たる片面だけに行われ、表面の凸凹により光が乱反射するため、曇りガラスの特徴的な白く不透明な見た目になるのです。
曇りガラスの代表的な種類
先ほどお伝えしたとおり、曇りガラスは不透明ガラスの総称です。以下では曇りガラスの代表的な種類をご紹介します。
フロストガラス
フロストガラスとは、不透明でありながら表面がツルツルしているガラスのことです。曇りガラスと同じで片面にサンドブラスト加工を行った後、フッ化水素という薬品をすりの入った表面に塗布します。
この加工方法はタペストリー加工やフロスト加工と呼ばれ、2段階加工によって強度の増した曇りガラスとなるのです。フロストガラスは薬品加工しているため基本的に価格は高くなりますが、本来デメリットである曇りガラスの割れやすさとゴミの溜まりやすさを解消できます。
交換する際も、すり加工のみの曇りガラスと比較すると費用が高くなりますが、強度が増しているので長持ちする窓は魅力です。水に濡れても透けないのでシャワールームの使用に向いているでしょう。
型板ガラス
型板ガラスは不規則な凹凸柄がある曇りガラスのことを指し、板ガラスと呼ばれることもあります。梨地と霞という2種類に分かれ、梨地はざらざらとしてきめ細やかな手触りが特徴で、霞は凹凸が少ないため粗めな触り心地が特徴です。
型板がらすはロールアウト法という、彫刻加工が施された型模様付きのロールを使い、模様を転写してガラスを作る方法で作成しています。このロールが当たった部分のみ模様である凸凹がつく仕組みです。
この凸凹を生かすことで不透明さを保っていますが、曇りガラスほど視認性を下げることはできません。型板ガラスは、向こうにあるもののシルエットが見えるぐらいの不透明さだと思っておくと良いでしょう。
メリットは、汚れが落ちやすいので掃除もしやすく、扱いやすいことが挙げられます。フロストガラスや曇りガラスと比較すると薄く、強度が低くなるため、戸棚や食器棚などの家具におすすめです。
装飾合わせガラス
装飾合わせガラスとは、ガラスの間に装飾として使われる特殊フィルムを入れ込んだガラスのことです。ガラスの間に和紙調フィルムを挟むと、曇りガラスやフロストガラスとはまた違った雰囲気を演出できます。耐貫通性能が高いため、紫外線を通しにくいことが特徴です。
色の合わせ具合で透過性を選べるため、柄入りのガラス窓や室内扉として活用できるだけでなく、柄や着色の合わせ具合で視線を遮ることもできます。和紙を取り入れた装飾合わせガラスもありますので、インテリアに取り入れるのも良いでしょう。
ペアガラス
ペアガラスとは2重構造になっている窓のことを指し、2枚のガラスを組み合わせた構造から「複合ガラス」とも呼ばれています。ガラス中心部に空洞を作り、アンゴンガスという断熱効果を高めるガスや、結露を防ぐために乾燥した空気を入れ込む加工が施されていることが多いです。断熱性が高く、窓の結露を防いでくれることから注目されているペアガラスですが、基本的には曇りガラスではありません。
しかし、商品によっては曇りガラスを使っている場合もあります。ペアガラスは、構造上強度がかなり上がっているため費用は高くなりますが、不透明ガラスのデメリットでもある汚れの落ちにくさが解消されるのです。さらに、夏は涼しく冬は暖かいという断熱効果も発揮してくれるため、節電効果にも期待ができるでしょう。
曇りガラスのメリット
曇りガラスの特徴や種類を説明しましたが、次はその曇りガラスで得られるメリットについて説明していきましょう。メリットは大きく分けて3つあります。
まぶしさを和らげてくれる
曇りガラスのメリットは、太陽光を適度にシャットアウトしてくれることです。研磨して凸凹になったすり部分が、太陽光を乱反射させます。窓からの太陽光がまぶしくて、カーテンを閉めた経験がある方も多いのではないでしょうか。しかし、カーテンを閉めると光が遮断され室内が暗くなってしまいます。
曇りガラスにすると目隠しになり、加工されたガラスの表面が適度に太陽光を和らげてくれるため、快適に過ごせるでしょう。カーテンが必要ないので、開け閉めの手間も省けます。また、すりの入れ方を変えれば、花柄や絵など建物や室内の雰囲気に合わせた曇りガラスを入れることができるでしょう。
紫外線をカットできる
室内でも日焼けすることをご存知でしょうか。いくら室内で影の下にいても、室内には紫外線が入ってきます。しかし、曇りガラスにすると、直射日光からのまぶしさを和らげてくれるだけでなく、紫外線もある程度カットしてくれるのです。
通常のガラスだと太陽光を防げませんが、曇りガラスにすれば直射日光も紫外線もカットできるメリットがあります。紫外線カットに注目して曇りガラスにすることもおすすめしたい理由のひとつです。
外からの視線が気になりにくくなる
曇りガラスの大きなメリットは、カーテンをしなくてもプライバシーを保護できることでしょう。ガラスは本来透明度を重視しますが、室内が見えてしまうためプライバシーが丸見えになってしまう可能性も生じます。曇りガラスであれば外からはモザイクがかかったように見えるため、ある程度のプライバシーは守られるでしょう。
さらに、カーテンをつけなくても、プライバシーを守りながら太陽光を取り入れられるという点も大きな魅力です。インテリアの一部として曇りガラスをおしゃれに加えてみてはいかがでしょうか。一軒家だけでなく、アパートやマンションなどの窓にも重宝するでしょう。
曇りガラスのデメリット
曇りガラスのメリットをご紹介しましたが、メリットがあればもちろんデメリットもあるものです。次は曇りガラスのデメリットをご紹介します。
割れやすい
曇りガラスのデメリットは割れやすい点です。曇りガラスの特性上、ガラスの表面に細かい凸凹の傷を入れているため、一般的なガラスに比べると強度が弱くなり、取り扱いに注意が必要です。耐久性に問題があるわけではないですが、激しい温度差や大きな衝撃のある環境では気を付けておきたいポイントでしょう。
汚れが溜まりやすい
曇りガラスは表面がザラザラしているので、その凹凸部分に汚れが溜まりやすいです。指紋や埃などが付きやすく、透明ガラスよりも掃除頻度は高くなります。それに加えて、汚れが付いたら落ちにくいという特徴もあるのが曇りガラスです。
頑張って磨いても汚れがこびり付いて落ちない可能性もあるので、できるだけ汚さないという日々の努力も欠かせません。ガラスを普段からよく掃除する方にとっては特に問題なく扱えると思いますが、できるだけ手入れを楽にしたい方にとってはデメリットに感じるでしょう。
曇りガラスの掃除方法
前述したとおり、曇りガラスは汚れが付きやすい傾向があります。デメリットとされやすい点ですが、適度に手入れしていれば長持ちさせることが可能です。そこで、曇りガラスの簡単な掃除方法をご紹介します。
用意するもの、手順は以下のとおりです。
- ゴム手袋
- 雑巾
- たわしなど擦る用のブラシ
- ガラス用洗剤
- バケツ
- ガラスの全面に、ガラス用洗剤をスプレーする
- 凸凹のない部分は、水をよく絞った雑巾で拭く
- ガラス用洗剤を全体に伸ばすように拭く
- 洗剤が乾きだしたら、乾いた雑巾で汚れや洗剤を拭き取る
- たわしやブラシなどで凸凹した面を念入りにこする
- 水拭きで汚れをしっかり拭いた後、から拭きして完了
ガラスに付いた汚れがひどいときや、毎日掃除をする時間が確保できないときに、上記の方法で曇りガラスを掃除することをおすすめします。
濡れると不透明度がダウンする
曇りガラスは、表面が濡れると不透明度がダウンしてしまいます。凸凹に加工された面が雨や結露によって濡れてしまうと、太陽光が乱反射しなくなるためです。
こうなると目隠し効果が低下してしまうのです。浴室などの窓は濡れやすく透ける可能性が高いので、カーテンなどで目隠し対策をしておく必要があるでしょう。特に、外からのプライバシー侵害を防ぎたい場合は、曇りガラスだけに頼らずカーテンなどで対策することをおすすめします。
透明ガラスを曇りガラスに変える方法
次に、透明ガラスを曇りガラスに変える方法をご紹介しましょう。曇りガラスに変更する方法は、大きく2つに分かれます。プロにオーダーする方法とご自身でDIYする方法です。それでは2つの方法について詳しくご紹介します。
プロにオーダーして施工してもらう
一般的なガラスから曇りガラスに交換するには、専門会社に依頼するのがおすすめです。ガラスを交換するには、窓やドアからガラスを外す必要があります。
固定されているねじなどを外し、枠からガラスを取り外したら、逆の順番で曇りガラスを取り付けていきます。古い窓やドアであれば、歪みなどからねじやガラスを取り外すのが難しい場合もありますし、ガラスを落として割るなどにも注意しなければいけません。こういった手間や労力を考えると、専門会社に依頼するのがおすすめといえます。
ガラスの交換作業を扱っている専門会社では、見積もりを無料で出してもらえる会社もあります。また、ガラス交換後の保証やアフターフォローを行ってくれる会社もあるため、どの専門会社に依頼したら良いのか迷ってしまうという場合には、ここだけは譲れないといった条件から決めていくと良いでしょう。
問い合わせて迅速に対応してくれるか、対応は親切か、費用は予算内かどうかなど、優先順位を決めていくと、後から後悔することなく満足度が高いものとなるでしょう。
プロにオーダーする際の費用目安
プロに依頼するメリットはたくさんありますが、気になるのは費用です。プロに依頼した場合の費用の相場は、ガラスの大きさや厚み、種類によって異なり、透明ガラスよりも曇りガラスや強化ガラスのような加工が施された方が交換費用は高くなる傾向にあります。
ガラスを交換する際の費用相場は、ガラスの交換費用込みで1枚15,000~30,000円ほどです。もちろん種類によっては30,000円以上かかってくる場合もあるでしょう。依頼先によって交換にかかる費用に差が出てきますし、曇りガラスの質や大きさ、種類によっても差があるので、あくまで一般的な相場として参考にしてください。
施工前に見積もりを出してもらい、比較してから検討することをおすすめします。
おすすめのサービス
信頼できるガラス交換のプロを探したいけれど、なかなか見つからないという方には、くらしのセゾンの「ガラス修理・交換サービス」がおすすめです。透明ガラスから曇りガラス、機能性ガラス、防火ガラス、網入りガラスといった多種なガラス修理・交換だけでなく、網戸や鏡、コーキングまで幅広く対応してくれるサービスです。
365日年中無休。最短で即日対応が可能で、施工後は1年間の無償工事保証が付いています。作業後に不具合が生じた場合のメンテナンスは無料でできるため、もしものときも安心です。どこに相談したら良いのか迷っている方はくらしのセゾンの「ガラス修理・交換サービス」でまずは見積もりを出してみてはいかがでしょう。
DIYならシートタイプがおすすめ
なるべくガラス交換にかかるコストを抑えて、手軽に曇りガラスに変えたい場合は、すりガラスシートの活用がおすすめです。透明ガラスに貼るだけで簡単に曇りガラスにできることがメリットとして挙げられます。
目隠しを目的とした際に、カーテンを購入するよりも安価でスペースを取らないことも注目される点です。「窓用目隠しシート」として、近年ではホームセンターや100円ショップなどのお店でも販売されています。商品によっては断熱やUVカットなどの機能性を備えており、省エネ対策や家具の日焼けを防ぐなどの働きがあるので、シートとはいえ侮れないアイテムです。
窓用の目隠しシートにはいろいろな種類がありますが、すりガラス・真っ黒・マジックミラー・柄付きなど大きく分けて4つに分けることができます。光を適度に取り込みながら外からの視線も遮りたいならすりガラスタイプを選ぶと良いでしょう。
シートの貼り方は、水貼りタイプとシールタイプに分かれています。水貼りタイプは、水1リットルに対し中性洗剤を小さじ1/2ほど混ぜて作った水溶液を吹きかけて貼るものです。窓ガラスの上でシートを動かしやすいため、調整しやすいというメリットがあります。一方でシールタイプは水溶液を作ったり拭いたりする手間がなく、すぐに貼ることができるのがメリットでしょう。
初心者の方におすすめしたいのは水貼りタイプです。シールタイプは気泡が入ってしまうと押し出すことが難しく、もう一度貼り直さないといけません。水貼りタイプは、シートを貼っている途中で気泡が入っても、ヘラなどで押し出すことができるのできれいな仕上がりになります。注意点としては、しっかり水を吹きかけてから貼る必要があり、窓の周辺が濡れないようにタオルを敷くなどの対策が必要です。
シートタイプで曇りガラスにする際の費用目安
プロにオーダーするよりも安価だと述べたシートタイプのアイテム費用ですが、種類や柄、大きさや質などによってもちろん差が出てきます。インターネット上で調べてみると2,000円~10,000円台の商品が多いです。
先述したとおり、大きさや種類などによって値段は大きく変わりますので、ご自身でDIYする際にはフィルムを貼りたい窓の大きさをしっかり測って、コストも予算内であるかどうか確認しましょう。
おわりに
曇りガラスは、紫外線をカットしてくれたり、外部からのプライバシーを守ってくれたりなど、たくさんメリットがあることが分かりました。ただ、表面にすり加工をしているため、掃除やこまめな手入れが必要です。このコラムでご紹介したように、不透明ガラスにはたくさん種類があります。それぞれに特徴や魅力があるので、ちょっとした模様替えや窓の交換に曇りガラスを検討してみてはいかがでしょう。