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バラの育て方を解説!初心者におすすめの種類や気をつけたい病害虫も紹介

セゾンのくらし大研究 編集部

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育て方が難しいイメージのあるバラ。バラを育てたいけれど、躊躇している方も多いのではないでしょうか。しかし、バラの中には育てやすい種類も存在し、ポイントを押さえれば誰にでもバラを育てることは可能です。そこで今回はバラの育て方を中心に、初心者におすすめの種類や気をつけたい病害虫などをご紹介します。バラを育てたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事のまとめ

バラには約40,000もの種類が存在し、さまざまな色や形、香りを楽しめるのが魅力です。バラは、木立ち性・つる性・半つる性の3つの樹形に分けられ、それぞれ楽しみ方や育て方、開花時期などが異なります。
バラを育成する際は、「子どものバラ」である新苗か「大人のバラ」である大苗のどちらかから選び、地植え、または鉢植えのどちらかの方法で育てましょう。バラの育成には水やりや施肥、剪定、植え替えなどの作業が必要です。それらの作業を適切に行って、見事なバラを咲かせましょう。

バラってどんな花?

バラの育て方を紹介していく前に、まずはバラがどのような花であるかについて紹介していきましょう。

バラの基礎知識

バラは、バラ科バラ属に属し、アジアやヨーロッパ、北アメリカなどを原産地とする花です。バラの品種は約40,000種類にもなり、自然にもともと自生している原種と、改良された園芸品種に分けられます。

園芸品種の中にもさまざまなカテゴリーに分けられたバラが存在し、色や形、トゲの有無、花びらの枚数なども種類によってバラバラです。

バラの種類

バラは、木立ち性・つる性・半つる性の3つの樹形に分類されます。以下でそれぞれについて詳しく紹介していきましょう。

木立ち性

ブッシュローズともいわれている木立ち性のバラは、支柱なしで自立する樹形を持ったバラの種類です。

上に向かって成長し横に枝が伸びないため、コンパクトなスペースでも育てることができます。高さは80〜150cmほどで、環境が良ければ春から秋にかけて花を楽しむことができるでしょう。花の大きさは10cm以上にもなる大輪系と5〜10cmほどの四季咲き中輪房咲き系などが存在します。

5月に開花し、花が散った後に剪定すると約1ヵ月後にまた花が咲きます。9月初旬に再度剪定を行うと10月下旬頃に秋の花が楽しめるでしょう。12〜2月は休眠の時期となり、2月初旬に冬の剪定を行います。

つる性のバラ

ライミングローズともいわれているつる性のバラは、枝を長く伸ばす自立しないバラの種類です。種類によって1年間に2〜6mほど枝を伸ばすとされており、フェンスやアーチなどに誘引することでさまざまな形状に育つため、広い場所での栽培が適しています。つる性のバラにはあらゆる種類があり、花の大きさや色、香りもさまざま。

つる性のバラは、1年間の中でひとつの季節にしか開花しないものと、1年に何度か開花するものに分けられ、それぞれ種類によって開花時期が異なります。ひとつの季節にしか開花しないものは比較的豪快に開花し、1年に何度か開花するものは長く楽しむことができるでしょう。

半つる性のバラ

シュラブローズともいわれている半つる性のバラは、自立する木立ち性とつる性の双方の性質を持ち合わせており、仕立て方によってはどちらのようにも育てられる点が特徴です。

木立ち性のバラよりも枝がしなやかで長く伸びますが、つる性のバラほどは伸びません。そのため、小型のつる性のバラとして小さな庭で育てるのに適しているでしょう。

半つる性のバラも1年間の中でひとつの季節にしか開花しないものと、1年に何度か開花するものに分けられ、それぞれ種類によって開花時期が異なります。

バラの開花時期

バラには種類によって、四季咲き性・返り咲き性・一季咲き性の3種類の開花時期が存在します。四季咲き性のバラは、春・夏・秋に花を咲かせる種類です。

季節を問わず繰り返し開花するため、長い期間にわたって花を楽しめますが、剪定回数や施肥の回数が増えたり、こまめな害虫駆除が必要だったりとお手入れを大変に感じる方も多いでしょう。

返り咲き性のバラは、開花後に花がらを摘み取ることで繰り返し咲く種類です。春に一度開花し、その後適切な剪定を行えば、夏や秋にまた花を楽しめるでしょう。

一季性のバラは、年に一度だけ5〜6月頃に開花する種類です。1年でひとつの時期にしかバラを楽しめませんが、その分管理は比較的楽でしょう。

バラの育て方

ここでは、バラの基本的な育て方について解説していきます。

バラの栽培に適した環境とは

まずは、バラの栽培に適した環境や場所について見ていきましょう。鉢植えの場合でも地植えの場合でも、バラを栽培するには日当たりと風通しが良い場所がおすすめです。最低でも1日に4時間は日が当たる場所が好ましいとされています。

バラの苗選び

次に、苗選びについて紹介していきましょう。バラの苗には新苗と大苗があり、それぞれ管理の仕方が異なります。新苗と大苗の違いは、接ぎ木をしてから経っている期間の違い。接ぎ木とは、2つ以上の植物をくっつけて新しい個体を作る技術を指しています。

新苗

春苗とも呼ばれている新苗は、冬に接ぎ木され翌春に販売されている苗。比較的安価で手に入れられますが、まだ「子どものバラ」のため成長スピードは遅めです。

大苗

秋苗とも呼ばれている大苗は、接ぎ木をして1年ほど育てたあと、秋に販売されている苗です。すでに苗が大きく成長し「大人のバラ」になっているため、翌春から花を楽しめるでしょう。新苗とは違いすぐに花を楽しめるので、初心者の方は大苗のほうがおすすめです。

植えつけ

植えつけについて、地植えの場合と鉢植えの場合、それぞれのやり方を紹介していきましょう。

地植え

バラを地植えする場合は、植えつける予定の場所を掘り返し、腐葉土を加えてあらかじめ耕しておきましょう。深さ40〜50cm、幅40cmほどの植え穴を開け、乾燥牛糞や堆肥、骨粉などを穴に入れて中の土とよく混ぜます。肥料が根に直接つかないように堀り土を重ねたら、接ぎ木部分が土から出る高さに調節して苗を植えましょう。

鉢植え

バラを鉢植えする場合は大苗で8号、新苗で6号以上の鉢を準備しましょう。鉢底にゴロ土を敷き、小粒の赤玉土と堆肥を7:3の割合で混ぜたもの、もしくは市販のバラ専用土を入れます。接ぎ木部分が鉢の高さの4/5ほどになるように調節し、苗を植えましょう。

水やり

地植えの場合と鉢植えの場合、それぞれの水やりについて紹介していきます。

地植え

地植えのバラは植えつけから2週間ほど水やりを行い、その後は猛暑や極端に雨が降らない場合を除き、基本的に水やりをする必要はありません。

鉢植え

鉢植えのバラは表面の土が乾いている様子が見られた際に水やりを行いましょう。なるべく朝のうちに、鉢底から水が流れ出るほど多めにあげてください。

肥料

肥料は施すタイミングによって、元肥・寒肥・追肥・お礼肥の4つの呼び方があります。元肥とは植えつけ時に施す肥料のことで、寒肥とは12〜2月に施す肥料のこと。追肥とは3月・6月・9月に次の開花に向けて与える肥料のことで、お礼肥とは5月下旬〜6月下旬に施す肥料のことです。お礼肥は開花後や実の収穫後に行う施肥で、「美しい花や美味しい実をありがとう」という意味が込められています。

肥料は、バラに適した成分がバランス良く配合されているバラ専用の肥料を選ぶのがおすすめです。地植えの場合と鉢植えの場合でそれぞれ肥料の与え方が異なるため、以下で紹介していきましょう。

地植え

バラを地植えで育てる場合は、まず植えつけ時に元肥を施します。寒肥は地中深く埋めるように与え、追肥は株を囲うように枝先の真下に撒きましょう。

鉢植え

バラを鉢植えで育てる場合は、定期的に追肥のみを与えて育てます。3月・6月・9月に粒状の肥料を与える、もしくは4〜9月の間、1週間に1回の頻度で、水で希釈した液体肥料を水の代わりに撒きましょう。

剪定

バラは適した時期に剪定を行うことによって、花が咲かない、花が減ったなどといった事態を防ぐとともに、バラを健康によりきれいに育てることが可能です。バラの剪定は種類によって夏と冬に行います。以下でそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

夏の剪定

夏の剪定は、木立ち性のバラに限り8月下旬〜9月初旬に行います。新芽をカットしないように注意しながら、花芽のない枝や不要な部分を切り落としましょう。

冬の剪定

冬の剪定は、全てのバラを対象に12月下旬〜2月に行います。この時期の多くのバラは休眠時期に入り養分を十分に貯めているので、大胆な剪定をしても問題ありません。春の開花に向けて不要な枝をしっかり切り落としましょう。

植え替え

バラを鉢植えで育てている場合、3年以上が経過して生育の衰えを感じたら、鉢の土を入れ替える植え替えを行ってあげましょう。その際、苗が大きくなっていたら、鉢の大きさも変えてあげるのがおすすめです。バラの植え替え時期は、バラが休眠する12〜2月が適切とされています。

つるバラの管理

新苗・大苗ともに、植えつけから1〜2年間は剪定不要で枝を伸ばすのがつるバラの管理の特徴です。2年目の冬には枝がかなり増えるので、トレリスやアーチなどに枝を誘引しましょう。誘引する際は、株全体に花がつくように枝を横に倒して、麻紐などを使用し支柱に固定します。

病害虫の予防・駆除

バラは、うどん粉病・黒点病などの病気、アブラムシ・ハダニ・チュウレンジバチ・バラゾウムシなどの害虫に気をつける必要があります。

うどん粉病は週1回を目安に薬剤を撒き、黒点病は月に2回ほど専用薬で消毒しましょう。病葉は切り取って焼却してください。アブラムシはスミチオンやマラソン乳剤、ハダニは専用薬、その他の害虫も薬剤が有効です。

くらしのセゾンでは、害虫駆除はもちろん予防の相談もできます。害虫駆除の作業は「防除作業監督者」などの資格を持った専門家が担当するため安心です。無料見積もりができるので、害虫にお悩みの方は相談してみてはいかがでしょうか。

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初心者でも育てやすいバラの種類3選

バラには初心者でも育てやすい種類があります。以下ではその中から3種類をピックアップして紹介していきましょう。

ピエール ドゥ ロンサール

エデンローズとも呼ばれるピエール ドゥ ロンサールは、丸く重なり合う白とピンクの花びらが華やかで美しいバラの種類です。大輪系のつるバラのため、広いスペースでバラを育てたい方に向いているでしょう。

育てる際は大きな木やフェンスなどに誘引し、枝を伸ばさせるのがおすすめ。病害虫に強い点が初心者でも育てやすいポイントです。

アッサンブラージュ

名前の由来であるアッサンブラージュとは、ワインづくりにおいて数種類のワインをブレンドし上質な風味と安定した味わいを生み出す製法。その名前のとおり、いくつもの品種を組み合わせた上品な花を咲かせます。四季咲きの種類であるため、何度か開花を楽しむことができるでしょう。

スカーレット ボニカ

スカーレット ボニカは「メンテナンスの手間が少ないバラ」として開発されたバラの種類です。病害虫にも強く無農薬でも丈夫に育つため、初心者でも育てやすい種類といえるでしょう。花もちも良く、見応えのある花を咲かせてくれます。

バラの育て方に関するQ&A

ここでは、バラの育て方に関するQ&Aを紹介していきます。

マンションのベランダでもバラは育てられる?

「マンションに住んでいて広い庭がないけれど、バラを育てたい」という方も多いでしょう。マンションのベランダなどの限られた空間でバラを育てたい方には、ミニバラが適しています。

ミニバラはロサ・キネンシス・ミニマが持つ小型の性質を受け継いだ丈の低い品種。場所を取らず気軽に楽しめるうえに、四季咲きの品種が多いため1年中楽しめます。

バラを増やすには何をすれば良いの?

バラを増やしたいときは「挿し木」や「接ぎ木」という作業を行いましょう。

挿し木には、湿度の高い梅雨時期に行う「緑枝挿し」と冬に行う「休眠挿し」があります。休眠挿しは温室などが必要であまりおすすめではないため、基本的に緑枝挿しにチャレンジするのが良いでしょう。

使用する枝は、その年に伸びた5〜10cmほどの新しい枝が適しています。用意した容器に市販の挿し木用培養土を入れ、切ったバラ枝の切り口に発根促進剤を塗り、土に斜めに挿しましょう。その後は半日陰で、根が出るまで水を与えます。

続いて接ぎ木は前述のとおり、2つ以上の植物をくっつけて新しい個体を作ることを指し、バラの増やし方としては一般的です。園芸の経験者が行ったり、挿し木の次のステップとして行われたりすることが多く、真冬から初春に取り組む作業です。

増やしたいバラの苗から芽がついた太さ5〜8mmほど、長さ10cmほどの枝をカットして、同じ太さのバラの切れ込みに挟み、接ぎ木用テープで固定します。鉢に肥料が含まれていない培養土を入れて接ぎ木した苗を植え、ビニール袋などを被せて保湿をしてください。

バラが枯れる原因で多いのは?

バラが枯れる原因で多いのは、根腐れやハダニ、黒星病です。根腐れとは水の与えすぎ、土や鉢の通気性の悪さにより根が腐ってしまう症状。対処法として、水を与えすぎないことが挙げられます。

ハダニは、バラの養分や水分を吸い取ったり、光合成を阻害したりしてバラを枯れさせる厄介な害虫です。日頃からハダニがいないかチェックをし、見つけた場合には殺ダニ剤を使用して駆除しましょう。

黒星病とは、バラの葉の表面に黒い斑点が生じる病気です。黒星病は水を介して病原菌が侵入するため、雨の当たらない場所で栽培したり、予防薬を散布したりするのが有効です。

バラのお手入れが大変な時は?

バラのお手入れが大変な時は、プロに任せるのがおすすめです。

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おわりに

上品なルックスで、庭や花壇を華やかに魅せてくれるバラ。育て方が難しいと思われがちですが、ポイントを押さえれば初心者でも簡単に育てることができます。ぜひこのコラムを参考に、ご自宅でバラの花を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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