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レモンの木の剪定方法とは?必要性やコツを知って上手にレモンを育てよう

セゾンのくらし大研究 編集部

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レモンの木は家庭でも育てやすく、庭に地植えできなくても鉢植えで栽培できるため、人気が高い果樹です。レモンの木を育てるうえで、剪定は欠かせません。このコラムでは剪定の必要性やうまく剪定するコツを詳しく解説します。レモンの木を育てている方や、これから育てようと考えている方は、ぜひお役立てください。

この記事のまとめ

レモンの木は、木を管理しやすくしたり、日当たりや風通しを良くして病害虫を防いだりするために、剪定をする必要があります。
レモンは、前年に実をつけた枝には翌年実をつけないため、実をつけた枝に印をつけておき、剪定に適した3月頃切り落としておくのがおすすめです。剪定後は、切り口には癒合促進剤を塗り、保護しておくことも大切です。剪定の際は皮手袋や厚手の軍手を着けて、レモンの木にあるトゲでケガをしないよう注意しましょう。

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レモンの木の基本情報

レモンは、インド北部原産の常緑樹でミカン科に属します。黄色く酸味のあるレモンの果実は10月〜4月が収穫期で、1本の木に多くの果実をつけるのも特徴のひとつです。白く可愛らしい花が咲き、5〜10月にかけて3回開花時期を迎えるので、見た目も楽しめる人気の果樹です。

レモンは病害虫に強く農薬を使わなくても育てられることから、家庭でも育てやすいといわれています。寒さに弱いため関東以北では庭植えが難しいかもしれませんが、鉢植えのレモンなら冬場に室内に入れられるので栽培できるでしょう。

レモンの木を剪定する必要性

剪定とは、余分な枝を切り落として木の形を整えることをいいます。家庭で栽培しているレモンの木も、剪定が必要です。レモンの木の剪定には、主に3つの目的があります。

  • 木をコンパクトな大きさにして管理しやすくする
  • 日当たりや風通しを良くして病害虫を防ぐ
  • 翌シーズンに実をつけやすくする

レモンの木は育てやすい一方で、どんどん枝葉が茂って大きくなり過ぎて手入れができなくなることも。背が高くなると収穫が難しくなったり見た目が悪くなったりするため、管理しやすい大きさをキープするためにも剪定は必要なのです。

また、枝葉が多くなると全体に栄養が行き渡りにくく、木が弱る原因になります。枝葉が茂り過ぎると、風通しが悪く害虫被害の危険もあるため、定期的な剪定が必要です。

レモンの木は、前年に実をつけた枝には翌年実をつけにくいため、収穫が終わったら剪定をしておきましょう。剪定して新しい枝葉が伸びると、翌シーズンに多くの実をつけやすくなります。

レモンの剪定に必要な道具とは?

レモンの木を剪定するときは、以下の道具を揃えておきましょう。

  • 剪定用のハサミ
  • 枝ハサミ
  • 樹木用ノコギリ
  • 手袋
  • 脚立
  • 癒合促進剤
  • ゴミ袋

レモンの木には鋭いトゲがあるので、剪定するときは注意が必要です。革製などの丈夫な手袋を着用しましょう。剪定のときの衣服も、ニットなどの引っかかりやすいものは避けたほうが無難です。

剪定に適した時期

レモンの木の剪定に適しているのは、暖かくなってきた3月頃です。寒すぎる時期に剪定すると枯れてしまうことがあります。暖かくなってから剪定に取りかかるようにしましょう。

また、植えてすぐのレモンの木は、剪定しなくても大丈夫です。枯れている枝や、明らかに茂り過ぎている部分を取り除く程度にしておきましょう。剪定を始めるのは、2年目頃からがおすすめです。

レモンの木の剪定方法

ここからは、レモンの木の剪定方法について具体的にご紹介します。

まずは理想の形をイメージしよう

剪定をする時はいきなりハサミを入れるのではなく、レモンの木全体を見て理想の形をイメージしてみましょう。レモンの木の理想的な形は「開心形」と呼ばれている形です。

開心形とは、根元から均一な太さの主枝を3、4本伸ばした形です。枝は縦方向に伸ばすのではなく、横に広がるような形で選定しましょう。下に向いて伸びた枝は切り落として、内側まで日光が当たるようにします。

ひこばえを剪定する

最初に「ひこばえ」を剪定しておきます。ひこばえとは、木の根元辺りに生えている若い枝のことです。ひこばえは、そのままにしていると栄養を奪ってしまい、木が弱る原因になります。レモンの木を健康な状態に保つためにも、ひこばえは丁寧に剪定しておきましょう。

前年に実がなった枝を剪定する

レモンの木には、前年に実をつけた枝は翌年に実をつけないという性質があります。そのため、前年に実をつけた枝は、カットしておきましょう。

収穫後はどの枝に実をつけたのかわからなくなるため、実をつけた時点で紐などを括りつけて目印をつけておくのがおすすめです。

その他の不要な枝を取り除く

ひこばえや実をつけた枝を剪定したら、その他の不要な枝を間引いていきます。残すのは2本の主枝と主枝から生える枝(亜主枝)です。

枯れた枝や徒長枝(とちょうし)などは切り落として日当たりを良くしておきましょう。徒長枝とは、勢い良く伸びている枝のことです。樹形を崩す原因となるうえ、他の枝の栄養を奪うため剪定しておきましょう。

不要な枝を切り落とす間引き剪定をすると、風通しが良くなったり日当たりが良くなります。それによって害虫被害が軽減されたり、残った枝に十分な栄養が行き渡るようになります。

トゲを切り落とす

レモンの木には、品種によりますが鋭いトゲがあります。トゲをそのままにしていると、収穫や水やりのときにケガをすることがあり、とても危険です。

また、強風で木が揺れた時に、レモンの葉や実に傷がつくことも想定されるでしょう。レモンの木にあるトゲは、取り除いても生育に影響はありません。特に子どもがいる家庭では、ケガを防ぐためにもトゲを切り落としておくことをおすすめします。

トゲを切り落とすときは、革手袋や厚手の軍手を着けてケガをしないよう注意して作業しましょう。まだ若い枝についているトゲは手でも取れますが、固いトゲはハサミを使って根元から切り落とします。

レモンの木を上手に剪定するコツ

基本的な剪定の仕方は説明したとおりですが、コツをつかむとうまく剪定できるようになります。ここからは、上手に剪定するコツをいくつかご紹介しましょう。

レモンの木が低く育つように剪定する

レモンの木は、木が高くなると収穫や剪定が難しくなるため、低く育てるのがおすすめです。低く育てると収穫がしやすいうえ、樹勢が抑えられて栄養が行き渡るため実つきが良くなります。

とはいえ、レモンの木の枝はどんどん上に伸びていくため、枝を下や横に伸ばすにはある程度調整が必要です。イメージどおりの形に剪定したら、紐や支柱で固定したり枝にワイヤーを巻きつけたりして、理想の形になるよう調整しましょう。

実をつけた枝に印をしておく

先にご紹介したとおり、レモンの木は、前年に実をつけた枝には翌年実をつけないという性質があります。実がならない可能性が高い枝に栄養を奪われないためにも、実がついた枝は剪定のときに切り落としましょう。余分な枝を剪定することで、翌年により多くのレモンを収穫できます。

収穫後ではどの枝を剪定すれば良いのかわからなくなってしまうので、実がついた時点で枝に紐を結ぶなどして目印をつけるのがおすすめです。

切り口に癒合促進剤を塗る

剪定で切り落とした枝の切り口には、癒合促進剤を塗っておきましょう。癒合促進剤とは、木の切り口を保護して病原菌の侵入を防ぐ目的のものです。また、剪定した切り口から水や養分が出てしまうのを防ぐ効果もあります。

剪定をしたあと、切り口から樹液や水分が出ている場合はきれいに拭き取り、癒合促進剤をムラにならないようしっかりと塗るのがポイントです。筆や刷毛などを使うと作業がしやすいのでおすすめです。

レモンの木全体に日が当たるよう作業する

レモンの葉は、実ひとつに対して20〜40枚程度必要とされています。そのため、切り過ぎには注意が必要。しかし、密集して生えていたり下を向いていたりする場合は、内側の日当たりが悪くなるため切り落とします。レモンの木全体に日が当たり、風通しが良い状態になるよう選定しましょう。

不要な枝は根元からカットする

不要な枝を剪定するときは、枝の根元から切り落とします。なぜなら、根元を残して剪定すると、その部分から枯れてしまうことがあるからです。不要な枝は、剪定に適している時期でなくてもカットしてかまいません。

プロに依頼する

レモンの木の剪定は、不慣れなときは難しく感じるかもしれません。また、木が大きくなってからの剪定は脚立などを使用するため、危険が伴います。そのような時は、プロに依頼をするのもひとつの方法でしょう。

「くらしのセゾン」には、庭木のお手入れのサービスがあります。庭木のサイズごとに料金が設定されており、現地で確認してから見積もりをするシステムです。見積もりは無料なので、事前に費用がわかって安心です。作業は専門知識と資格を持った職人が担当するので、一度見積もりだけでも依頼してみてはいかがでしょうか。

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剪定と一緒に摘果も行おう

レモンの実が多くついたときは、剪定と一緒に摘果もしておきます。摘果とは、実の数を減らして残った実に栄養が行き渡るようにすることです。摘果をしておくことで、栄養が分散されず残った実が大きく育ちます。摘果に適した時期は8月頃です。小さい実や形が悪い実を間引いておきましょう。

剪定以外も大切!レモンの木の基本的な育て方

剪定は大切なことですが、そもそもの育て方が悪いとレモンの木が枯れてしまうこともあります。ここからはレモンの木の苗の選び方から基本的な育て方を解説しましょう。これからレモンの木を育てる方は、ぜひ参考にしてください。

苗の選び方

レモンの木を育てるうえで、苗木選びはとても大切なことです。

レモンに限らず、花木や果樹の苗には種類があります。生産者が挿し木や接ぎ木したあと、1年間育てた苗が「1年生苗」、2年間育てた苗が「2年生苗」。一般的に年数が経てば経つほど高価になりますが、購入後に育てやすいのも年数が経った苗なのです。

購入後のお手入れのしやすさを重視するなら、3年以上の「大苗」と呼ばれる苗がおすすめです。大苗なら、その年にレモンの実を収穫できます。購入する時は実際にレモンの木を見て、幹が太くしっかりした苗を選びましょう。

栽培環境

温暖な気候を好むレモンの木は、日当たりの良い場所で育てるのがおすすめです。レモンの木は耐寒性が弱く、-3℃を下回る環境では枯れてしまうことがあります。特に冬場に霜が降りるような環境は避けた方が無難です。

寒い地域で栽培する場合は、庭に地植えするのではなく鉢植えで栽培するのがおすすめです。鉢植えなら寒くなったら室内に移動できるので、冬を乗り切ることができるでしょう。また、レモンの木は雨量の少ない地域で育てた方が、風雨による病害虫の被害が少なく安心です。

植えつけ

寒さに弱いレモンの木は、暖かくなってから植えつけしましょう。レモンの植えつけに適している時期は、3〜4月にかけてです。地植えする場合は、50cm程度の根鉢よりも大きな穴を掘って植えつけます。

レモンの木を育てる土選びは、それほど神経質になる必要はありません。市販の培養土や、地植えの際に掘った土に堆肥などを混ぜたものを使います。レモンの木は水はけと水持ちの良い土を好むので、配合する時は赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜましょう。

鉢植えのレモンの木は、鉢の底にネットと鉢底石を敷いて1/3くらいまで培養土を入れます。その上に苗を置いて隙間を埋めるようにして土をかぶせ、しっかりと固定しましょう。

水やり

レモンの木は乾燥を嫌うため、土が乾いていたらたっぷりと水やりをします。鉢植えで育てている場合は、鉢底から水が流れる程度を目安にしてください。地植えしている場合は基本的に降雨で十分ですが、雨が降らない日が続くときは水やりをしましょう。特に夏場は土が乾燥しやすいので、乾き過ぎる前に水やりをするよう気を配っておく必要があります。

注意が必要なのが、植えつけから1〜2年の間。根がしっかり張るまでは、水を切らさないようにしましょう。常に土の乾燥に注意しておき、地植えの場合もこまめに水やりをします。乾燥防止に、藁やビニールなどで覆っておくのもおすすめです。

肥料

レモンの木の植えつけのときに元肥を土に混ぜ込んでおきます。もしも混ぜ込めないようなら、土の上に撒いておきましょう。その際に、レモンの木や根に肥料が触れないように注意してください。

レモンの木を植えつけた後は、2〜3ヵ月ごとに追肥し、2〜3月頃には寒肥を与えます。地植えで育てている場合は土壌改良も兼ねた土に混ぜ込むタイプの有機肥料がおすすめです。鉢植えの場合は土の上に置く錠剤タイプの肥料が便利でしょう。

植え替え

鉢植えで育てているレモンの木は、1〜2年くらい経つと大きくなるので植え替えをしましょう。植え替えに適している時期は、植えつけと同じ3〜4月頃。基本的には、植え替えも植えつけと同じ方法です。

これまで使っていた鉢よりもひと回り大きな鉢を用意して、ネットと鉢底石を敷きます。土は新しいものを用意して、古い土は使い回しません。根を傷つけないよう気をつけながら土を掘り、ゆっくりと引き抜きましょう。そのとき少し根をほぐしてやると、新しい根が出やすくなります。

冬越し

レモンの木は耐寒性が弱く、冬場に気温が-3℃を下回るような環境では、冬越しが難しいとされています。寒さが厳しい地域では、地植えせず鉢植えで栽培して、気温が下がってきたら室内に移動させるのもおすすめです。地植えの場合は、冬越し前に寒冷紗で全体を覆って防寒をしましょう。敷き藁などを使い、地面を覆って保温するのも効果的です。

また、冬越し前は肥料を与えず水やりも控えめにします。10〜11月頃に追肥を済ませたら、冬の間は必要ありません。実がついている場合は、全て収穫しておきます。実が残っていると栄養が実に取られてしまい、春から出る新芽に栄養が回らない可能性があるためです。

病害虫の予防・駆除

レモンの木を害虫から守るには、対策が必要です。レモンの木は、アブラムシ、アオムシ、カミキリムシなどの害虫から被害を受けやすいです。アブラムシが発生すると、排泄物からウイルス性の病気にかかることがあるため、見つけたら薬剤を使って早めに対処しましょう。

アゲハチョウの幼虫のアオムシは、春先にレモンの木によく見られます。柔らかい新芽を食べつくしてしまうので、見つけたら捕殺しましょう。カミキリムシはある程度育った木に卵を産みつけます。その卵からかえった幼虫が内部で木を食べて、レモンの木が枯れてしまうことも。木に穴が開いていたら針金などを差し込んで捕殺しましょう。

害虫の被害を受けた場合、うまく対処できないと、最悪の場合、木が枯れることがあります。対処が難しいときはプロの手を借りて、しっかりと駆除することも検討しましょう。

くらしのセゾンでは、害虫駆除はもちろん予防の相談もできます。害虫駆除の作業は「防除作業監督者」などの資格を持った専門家が担当するため安心です。無料見積もりができるので、害虫にお悩みの方は相談してみてはいかがでしょうか。

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収穫

レモンの収穫期は、10〜4月にかけてです。真冬は休眠するため、冬越し前までに収穫するようにしましょう。秋口のレモンは緑色のグリーンレモンで、11月頃には黄色いレモンを収穫できます。夏以降に咲いた花についた実は大きく育たないことがあるため、春に咲いた花についた実をメインに収穫すると良いでしょう。 

おわりに

レモンの木は家庭でも育てやすく、収穫の楽しみもある人気の果樹です。適切な時期に剪定を行うことで、実のつきも良くなるでしょう。剪定では不要な枝を切り落とし、風通しと日当たりを良くすることがポイントです。長くレモンの木を楽しめるよう、コツをつかんでうまく剪定してみてください。

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