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シラカシの剪定方法を解説|剪定時期や正しい育て方もあわせて紹介

セゾンのくらし大研究 編集部

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常緑の葉が美しいシラカシは、どんぐりがなることや、手間がかからないことから庭木としても人気があります。しかし放っておくとみるみる大きくなるため、こまめな剪定が必要です。このコラムではシラカシの剪定時期や手順を解説するとともに、正しい育て方や、シラカシの利用方法を紹介します。シラカシを育ててみたい、茂ったシラカシの剪定方法を知りたいといった方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のまとめ

シラカシはある程度の寒さや暑さにも耐え、育つ力が旺盛なことから手間がかからない樹木です。しかし植え替えには適さないため、植える場所は事前にしっかり検討しましょう。シラカシはこまめな剪定を行うことできれいな樹形を保てます。剪定は気づいたときに行うのが理想ですが、大がかりな剪定は5~7月と、10~11月の年2回行うと良いでしょう。シラカシは手入れを怠ると大きくなりすぎてしまい、害虫や病気の原因にもなりかねません。自然界に自生するシラカシは最大20mにもなりますが、庭木では株立ちや生垣にすることで、コンパクトに育てることができます。

シラカシの木の特徴

シラカシは福島県、新潟県より西の本州各地に広まるブナ科コナラ属の樹木です。耐寒性もあるため東北地方などの寒い地域でも育ちます。季節を問わず緑の葉が生い茂る常緑樹のため、一般住宅の庭や、公園などの造園にも用いられるポピュラーな樹木。日がよく当たる場所を好みますが、日陰でも育つため手間がかからないといわれています。

樹皮が黒っぽいためクロガシとも呼ばれますが、木材にすると白っぽい木肌をしていることからシラカシと名がつきました。葉っぱは細長く、厚みが薄いためシャープな印象をもちます。小さくてきれいな白い花も咲きますが、目立たないのであまり観賞用にはされません。花のあとにどんぐりの実がなるのが最大の特徴で、シラカシのどんぐりは先端がくびれており、帽子がボーダー模様です。

シラカシはとても成長が早く、自生している木では最大20mほどまで大きくなります。大きくなりすぎるのを不安に思うかもしれませんが、一般家庭の庭では数メートルほどにしかなりません。それでも高さが気になる場合は、シラカシを複数並べて植える、または複数の細い幹から成り立つ株立ちを採用することで、よりコンパクトに育つでしょう。

シラカシの木の育て方

まずはシラカシの基本の育て方を見ていきましょう。植えつけの適切な時期や場所など、気をつけたいポイントも紹介します。

シラカシの植えつけ

シラカシの植えつけ時期は真夏や真冬を避けて行います。雨季に入る前の5〜6月にかけて、日当たりの良い場所に植えつけると良いでしょう。日陰でも育ちますが、日光を求めて成長するため木の下のほうの葉が少なくなる場合があります。

また植えつけ場所は、シラカシの周囲に隔てるものがないところがおすすめです。壁際に植えると、幹が壁から離れるように伸び、思いどおりの形にならないかもしれません。

植えつけの際は穴を大きく掘り、根づきが良くなるよう土の中の石などを除きます。堀り出した土を腐葉土と一緒に耕すひと手間を加えると、穴に戻した際に土の中の通気性や保湿性が良くなるでしょう。

シラカシの肥料と水やり

シラカシを植えたら肥料を2月と9月に与えます。2月は油かすや腐葉土などの有機肥料を、9月は化成肥料を追加すると良いでしょう。肥料はシラカシの周囲に穴を掘って埋め込むとより効果を発揮します。

ですがシラカシは元々育つ力が強いので、葉や枝の成長具合を見て問題がなければ、必ずしも肥料が必要というわけではありません。水やりも基本的に必要がなく自然の雨で十分ですが、シラカシの根が張るまでは、土が乾いていたら水をあげると良いでしょう。

シラカシは植え替えに適していない

シラカシは根が太く、真下に向かうように根を降ろす樹木です。一度根づくと他の場所への植え替えが難しくなり、無理に植え替えようとすると根が傷ついて木が枯れる恐れがあります。シラカシを植える際は背が高くなることを考慮し、十分なスペースが確保できる場所をあらかじめ決めておきましょう。

シラカシを剪定する必要とは

強健なことから庭木に向いているシラカシですが、成長速度が早いため剪定をしなければ大きくなりすぎてしまいます。木が大きくなると隣家にまで枝や葉が差しかかってしまう他、自宅の庭や家の中への日当たりにも影響を及ぼすでしょう。

また放置していると木の上の方ばかりに葉がつき、下の方の葉が枯れて寂しい印象になることが懸念されます。大きくなりすぎるといざ剪定しようと思っても手が届かなかったり、脚立が必要になったりと作業が大変になるため、伸びた枝は定期的に切り落としましょう。

シラカシの剪定時期

成長速度が早いシラカシはこまめな剪定が必要ですが、大がかりな剪定は年に1、2回のペースで行います。

一般的に樹木の剪定時期は真夏や冬を避けますが、シラカシは育つ力が強いため、季節を問わず剪定しても心配には及びません。

しかし、より健康に大切に育てるためには、適切な剪定時期を知っておくことが大切です。シラカシの剪定時期は5〜7月の初夏と、10〜11月の秋が適しています。それぞれ剪定の目的が異なるため、具体的に解説しましょう。

5~7月に行う剪定

5〜7月の時期は、シラカシ全体の骨組みを整える目的で強剪定を行います。枝の太さに関わらず、バランスを見ながら大胆に剪定しましょう。

大がかりに枝を断ち切る強剪定は木への負担も大きくなります。暖かい時期に強剪定を行うのは、木の回復力を高めるためです。植えつけたばかりの若い木に関しては、負担が大きな強剪定は控えたほうが無難でしょう。また年に一度だけ剪定を行う場合は、新しい芽や葉が成長しきった6月半ばが適しています。

10~11月に行う剪定

10〜11月の時期は、シラカシの枝が混みあった部分や弱っている枝など、余分なものだけを剪定します。

寒い時期に強い剪定を行うと木が回復しにくいため、太い枝は切らないように気をつけましょう。また強剪定をして冬を迎えた場合、木の状態が悪くなり育つ力が弱まる恐れがあります。剪定する際は樹形を大きく変えるのではなく、枝の先を切って形を整える程度にするのがポイントです。

シラカシの剪定方法

シラカシの剪定は後先考えずに行ってしまうと失敗に終わる場合があります。剪定を行うのに必要な道具や、具体的な方法、樹形を保つためのポイントをまとめました。

剪定に必要な道具

樹木の剪定に必要な道具は下記のとおりです。用途に適した種類の道具を使うことで、作業の効率が上がります。

  • 植木バサミ
  • 剪定バサミ
  • 剪定ノコギリ
  • 刈り込みバサミ

植木バサミは一般的なハサミのような形状で、小型のため小細かい作業に適しています。花などの植栽にも幅広く使われますが、樹木の剪定では細い枝や密集した木の内部を切るのに最適です。細い枝葉をまとめて広範囲に切り落としたい場合は、刃渡りが長く両手で使うタイプの刈り込みバサミがおすすめ。

しかし植木バサミや刈り込みバサミは太い枝を切るには頼りなく、無理に使用すれば刃が傷む恐れがあります。そこで剪定バサミの出番。剪定バサミは特殊な形状をしており、太い枝も楽に切り落とせます。剪定バサミでも太刀打ちできない太い枝には、剪定ノコギリを利用しましょう。

間引き・透かし剪定

シラカシの剪定は木を全体的に見て、枯れている枝や他の枝より伸びている枝、伸びる向きがおかしい枝をつけ根から切り落とします。次に、風通しを良くするため透かし剪定を行いましょう。枝が込み合っている部分を、バランスを見ながら剪定します。

このとき同じ位置の枝を切りすぎて偏りが出ないよう、また成長途中の枝を誤って切らないように気をつけましょう。

切り戻し

切り戻しは古い枝や伸びすぎた枝を途中で切り落として、木の大きさや形を一定に保つ方法です。園芸においてどんな植物にも欠かせない作業ですが、シラカシも例外ではありません。

しかし、シラカシは切った部分から複数の新しい枝を伸ばす性質があり、適切な位置を見極めて切らなければかえって樹形が悪くなります。シラカシを切り戻す際は、慎重に作業を行いましょう。

枝ごとの剪定も必要

透かし剪定と切り戻しで木全体の不要な枝を間引けたら、次は枝ごとに余分な枝がないか見ていきましょう。シラカシは幹から伸びた枝と、その枝から派生した新たな枝で成り立ちます。

幹から伸びた1本の枝に派生した枝が多すぎる場合、弱い枝だけを3本程度残し、その他の枝は切っておきましょう。

シラカシを剪定する時のポイント

シラカシの剪定は枝葉が茂ってから行うのではなく、日常的に行うのがベストです。育つまでに手間がかからないからといって手入れを怠ると、大きくなってから剪定をしても樹形が悪くなるばかりか、修復するのも難しくなるでしょう。

剪定をしないことで木の下部が日陰になってしまい、そこだけ枯れてしまう場合もあります。生垣のような樹形が重要になる場所にシラカシを植える場合は、特にこまめな剪定を心がけましょう。

シラカシの木がかかりやすい病気や害虫

シラカシは強健さが魅力の樹木ですが、手入れをせず放置したり、日当たりなどの生育環境が悪かったりすると病気や害虫が発生します。

さまざまな気候に耐えるシラカシも、病気や害虫には勝てません。植えても枯らさないように、シラカシを植えつける場所や、風通しの有無には気をつけましょう。ここではシラカシの病気や害虫の特徴と、対処法を解説します。

害虫

シラカシにつく代表的な害虫はアブラムシ、カイガラムシ、毛虫などが挙げられます。アブラムシは樹液を餌に大量発生し、木を枯らしてしまう虫です。アブラムシを見かけたら発生している枝葉ごと切り落としましょう。

カイガラムシは葉を変色させる虫で、木を弱らせるだけでなく見た目も悪くなります。枝に白くて小さい球を見つけたら歯ブラシなどで落としましょう。また虫食いがある葉や粒状のフンを見つけたら、毛虫がいるかもしれません。毛虫は見つけ次第駆除しましょう。いずれも見つけ次第早めに対処して、被害を最小限に抑えましょう。

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病気

シラカシの枝葉が黒く汚れたように見えたらすす病の疑いがあります。すす病は害虫の排泄物が枝葉に付着し、カビ菌が繁殖することで発症します。菌の繁殖を抑えなければ症状が拡大してしまうため、黒くなった部分はすべて切り落とし、木には殺菌剤を撒かなければいけません。

うどん粉病はすす病とは反対に枝葉が白っぽく汚れて見えます。うどん粉病は自然界に存在するカビが樹木に付着し、乾燥などの条件によって発症する病気です。軽症の場合は酢を水で薄めた溶液を1週間おきに散布して様子を見ますが、改善しなければ発症している枝葉を切り落とし、シラカシに適合する薬剤を使用します。

シラカシの剪定をプロに任せよう!

害虫予防や樹形を保つためこまめな剪定が必要なシラカシですが、忙しくて手入れをする時間がない方や、木が大きく成長してご自身での剪定が難しい方もいるでしょう。また剪定をすれば、大量の枝葉を捨てる方法も考えなければいけません。

シラカシの手入れに不安や悩みがある方は、庭木の手入れを行う専門会社へ依頼するのもおすすめです。プロにお任せすることで、シラカシがきれいに整うだけでなく、剪定によって与えるストレスも最小限に抑えられるでしょう。

庭木のお手入れサービス」を行うくらしのセゾンでは、剪定の他、庭木の防虫・消毒や生垣の刈り込みなど庭木まわりのお困りごとを解決するさまざまなメニューをご用意しています。現地までの出張見積もりが無料で、サービス料金はご要望がなければ追加でいただくことはありません。これから暖かくなる季節、樹木が繁茂する前にぜひ一度ご検討ください。

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シラカシの木の利用方法

シラカシは背が高くなるものの、葉は薄く幹はしなやかに伸びるなど主張が控えめの樹木です。そのためどんなテイストの住宅にも取り入れやすいでしょう。常緑樹のシラカシは、庭に植えれば自宅で一年中緑を楽しめます。シラカシを楽しむ利用方法をいくつか紹介しましょう。

生垣として

株立ちのシラカシを生垣になるように並べて植えれば、背の高さを利用した自然の風よけや目隠しになります。

風よけにする場合は葉が密集していると余計に風を感じるため、少し隙間をあけるように枝葉を剪定しましょう。シラカシは葉が美しい樹木のため、生垣としての機能を持たせながら鑑賞用としても楽しめます。

シンボルツリーとして

家の敷地に余裕があれば、シラカシを大きく育ててシンボルツリーにするのもおすすめです。単木のシラカシを植えればがっしりとたくましく、株立ちのシラカシを植えればスタイリッシュなシンボルツリーとなるでしょう。

子どものどんぐり集めに

シラカシはどんぐりがなる木のため、どんぐりができるまでの過程を学べたり、どんぐり集めをして遊べたりできます。また樹液も出るため、カブトムシやクワガタなどが集まり昆虫採集も楽しめるでしょう。シラカシがある庭では日常的に自然遊びができ、子どもがいるご家庭にぴったりです。

シラカシの購入方法

一般的に植木は園芸店やホームセンターで入手できますが、シラカシは通販でも購入可能です。価格は大きさにもよりますが、およそ2,000〜40,000円とサイズが小さいほどリーズナブルで手軽に入手できます。

そのまま植えて完成する株立ちや、同じくらいの高さのシラカシが欲しい株の数だけセットになった生垣用、株立ちよりも安価で立派に育つ単木など、バリエーションはさまざまです。ご自身で植えつけるのはもちろんのこと、シラカシをあらかじめ購入しておき、植えつけはプロにお任せしても良いでしょう。

おわりに

シラカシは極端な気候でなければ場所を選ばず育ち、手間がかからないことから家庭の生垣やシンボルツリーにも適しています。しかし成長速度が早いため、枝葉の剪定はこまめに行いましょう。強剪定を行う際は、時期や切り落とす加減に注意が必要です。

シラカシは手入れを怠ると大きくなりすぎてしまい、剪定しても形が整わない、また害虫の原因になるといった悪影響をもたらします。ご自身での剪定が不安な場合は、庭木のお手入れを行う専門会社にお任せするのがおすすめです。

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