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ドアに空いた穴の修理はセルフで可能?DIYやプロにお願いする際の具体的なやり方から相場まで

ドアに空いた穴の修理はセルフで可能?DIYやプロにお願いする際の具体的なやり方から相場まで
セゾンのくらし大研究 編集部

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模様替えで家具が当たったり、掃除のときに掃除機がぶつかったりと思わぬ拍子にドアに穴が空いてしまった経験はないでしょうか。一般的な住宅に使われているドアは衝撃に弱いため、穴が空いてしまってお困りの方もいるかもしれません。

今回はドアに空いた穴の修理について解説します。ご自身で修理するか、プロに依頼するか、双方のメリット・デメリットもまとめました。修理方法を検討し、きれいな仕上がりを目指しませんか。

この記事を読んでわかること

一般的な住宅はフラッシュ構造と呼ばれる衝撃に弱い構造のドアが採用されることが多いため、穴が空いてしまうことも珍しくありません。5~6cm以下の小さな穴であれば、化粧フィルムやドア用のリペアキットを使ってご自身で修理可能です。ただし、木目調のドアは色柄を合わせる必要があるため、完全に元どおりにするのは至難の業です。ドアに空いた穴が大きいときや、よりきれいに直したいときにはプロへ依頼するほうが良いでしょう。誤ってドアに穴が空いてしまった場合は保険で補償できるケースもあります。火災保険の「不測かつ突発的な事故による破損」に該当すれば補償できる可能性があるため、保険証書を確認してみましょう。

まずは一般的なドアの構造をチェック

まずは一般的なドアの構造をチェック

 

まずはドアの構造をチェックしましょう。ドアの構造は大きく分けて、フラッシュドアと框戸(かまちど)の2種類あります。一般的な住宅では、フラッシュドアと呼ばれる種類のドアが室内に多く採用されています。

フラッシュドアとは、角材で作った枠組みの裏表に化粧板を貼り付ける「フラッシュ構造」のドアです。ドアの厚みに応じた1枚の板のようにも見えますが、表面が薄く中が空洞になっているため、衝撃に弱く穴が空きやすい構造になっています。

一方、框戸は四方をしっかりとした枠で囲み、その中にガラスや板材を入れるタイプのドアです。1枚板などを入れ込むため内側が空洞になっておらず、フラッシュドアに比べて強度があります。

ドアの穴の修理はセルフでできる?

ドアの穴の修理はセルフでできる?

 

ドアに空いてしまった穴が5~6cm以下の小さいサイズであれば、DIYで修理可能です。ここでは、ご自身でドア穴を修理する方法を見ていきましょう。

化粧フィルム

化粧フィルムとは、木目調などの模様が印刷された粘着剤付きのシートです。さまざまなメーカーから以下のような種類の化粧フィルムが販売されています。

【化粧フィルムの種類】

メーカー名商品名
3M3M™ダイノック™フィルム
Sangetsuリアテック
リンテックサインシステムパロア
タキロンマテックスベルビアン

基本的に化粧フィルムはホームセンターで購入することが可能ですが、見つからない場合は木目調のカッティングシートでも代用できます。穴が空いてしまったドアの色や柄に合うものを探してみると、仕上がりが自然です。

穴が空いている部分だけ化粧フィルムでふさぐこともできますが、化粧フィルムの木目とドアの木目がちぐはぐになって目立ってしまうケースがあります。その場合は、ドア全体に化粧フィルムを貼ることによって、自然に仕上がるでしょう。準備するものと修理方法は以下のとおりです。

【準備するもの】

  • 化粧フィルム
  • パテ
  • サンドペーパー
  • プライマー
  • スキージー
  • はさみ・カッター

【修理方法】

  1. ドアノブを取り外し、シートを貼る面の汚れを拭いておく
  2. 穴が空いている部分にパテを埋め込んで乾燥させる
  3. 乾燥後にサンドペーパーでパテを削り、ドアの表面をなめらかに整える
  4. スキージーを使い、シートとドア面の間の空気を逃がしながら少しずつシートを密着させる
  5. ドアノブ部分や小窓、ドアからはみ出た余分なシートを切り落として完成

ドアを蝶番から外して下に置いた状態で始めると作業しやすいのでおすすめです。シートに接着剤が付いていても、貼り付ける面によっては定着しにくいこともあるため、密着性を高めるプライマーをあらかじめ塗っておくと良いでしょう。また、ムラなくきれいにシートを貼るために、ヘラのような道具であるスキージーがあると便利です。

なお、修理に必要なアイテムは大抵の場合、全てホームセンターで揃います。

ドア用のリペアキット

ドア用のリペアキット

小さな穴やへこみ程度であれば、木製品用のリペアキットでも修理可能です。木の色と似た粘土のようなパテを埋め込んで穴を補修できるアイテムや、ひび割れ防止効果のあるグラスファイバーネットを使って大きめの穴を補修できる商品などがあります。ここでは、グラスファイバーネットを併用するリペアキットを使った修理方法をご紹介しましょう。

【準備するもの】

  • サンドペーパー
  • グラスファイバーネット併用タイプのリペアキット
  • はさみ・カッター

【修理方法】

  1. 穴のささくれをサンドペーパーで削り、補修する周りの汚れを拭き取って乾燥させておく
  2. グラスファイバーネットを穴よりひとまわり大きくカットする
  3. 必要な量のパテを取り出し、色むらがなくなるまで手早く練り合わせる
  4. 練り合わせたパテを2等分し、半分を付属の透明シートに均一に広げる
  5. 広げたパテの上にグラスファイバーネットを乗せて押さえる
  6. グラスファイバーネットの上にもう半分のパテを乗せて挟んだら均一に押し広げる
  7. パテの面を穴に押しあてて密着させ、硬化後に表面の透明シートをはがして完成

濡らしたヘラや湿った布でパテの表面をなめらかに整えると、仕上がりがきれいです。残ったパテは切断面に保護シールを貼り、乾かないように保管してください。

パテと塗装

パテで穴を埋めた後に塗装で木目を再現すると、より自然な仕上がりになります。木目を描くにはペンタイプのリペアカラーが便利です。小さな穴であれば塗装部分が少なく済むため、それらしく木目を描くこともできるでしょう。ペンタイプのリペアカラーを使って仕上げる方法は、以下のとおりです。

【準備するもの】

  • 木部用パテ
  • サンドペーパー
  • ペンタイプのリペアカラー

【修理方法】

  1. パテを使って穴をふさぎ乾燥させる
  2. 乾燥したらサンドペーパーで表面をなめらかに整え、汚れを拭き取る
  3. 薄い色から重ね塗りして木目を再現して描く

木目を描くと修理跡を目立ちにくくできますが、完全に再現するにはプロレベルの技術が必要です。特に、穴が大きいと木目を描く範囲が広く、エアブラシといった専門的なツールが必要になるので、ご自身での修理は控えたほうが良いでしょう。

セルフでドアの穴修理を行うメリット・デメリット

ここまでで、ドアに空いてしまった穴をご自身で修理する方法をお伝えしました。セルフのドア穴修理は手軽にできる反面、素人が完全に元の状態に戻すことは難しく、DIYでかえって見栄えが悪くなってしまう可能性もあります。失敗しないためにもご自身で修理を行う前に、メリットとデメリットをよく確認しておきましょう。

メリット

ご自身で修理するメリットは手軽さとコストの低さです。ドア穴の修理に必要なアイテムの多くはホームセンターで手に入り、材料も揃えやすいため、すぐに修理に取りかかれます。また、材料費が数千円程で済むのも大きなメリットと言えるでしょう。

デメリット

一方で、フラッシュドアに空いた穴を修理する場合、慣れていない方がドアを元のように直すのは至難の業です。特に木目調のドアは、木目や色味に合わせて直さなければならず、技術がない方が修理すると、穴があった部分と元のドアの色柄がちぐはぐで不格好になってしまいます。ドア全面に化粧フィルムを貼れば見た目の不自然さは解消できますが、室内の他の建具と色が合わなくなってしまうのも難点でしょう。

ドアの穴修理はプロにお任せする方が良い場合もある!

ドアの穴修理はプロにお任せする方が良い場合もある!

 

ドアに空いた穴の大きさや状態によっては、はじめから工務店や内装修理会社といったプロに依頼したほうがきれいに仕上がり、無駄な費用を抑えられる可能性があります。ご説明したとおり、ドアに空いた穴をご自身で修理するには限度があり、かえって見栄えが悪くなってしまうかもしれません。無理にご自身で修理しようとせずにプロを頼るのが無難です。

プロに依頼した場合の主な修理方法

プロにお願いしてドアの穴を修理する場合、ドアを丸ごと交換するか、穴が空いた部分だけ補修するか、2つの方法があります。

ドアを丸ごと交換する

ドアが使えなくなるほど大きな穴が空いてしまったら、新しいドアへの交換が必要です。しかし、廃盤などにより全く同じドアがあるケースは少なく、既存のドア枠に収まる別の製品を探さなければなりません。それでも見つからなかった場合は、オーダーメイドでドア枠に合ったドアを作ることもあるでしょう。

もし同じ製品があったとしても、材料費に加えて施工費と壊れたドアの処分費用がかかります。また、取り寄せに日数も必要です。いずれにしても、ドアを丸ごと交換するとなると、部分的にドアの穴を修理するよりも時間も費用もかかってしまいます。

穴を補修する

ドアの機能に問題のない程度の穴であれば、部分的な補修で修理可能です。工程はご自身で行う修理方法と同様に、穴をパテで埋めて、塗装で穴があった部分を目立たなくする作業になります。

素人とプロのドア穴修理で最も差が出るのが、塗装の部分でしょう。プロがドア穴修理を行う場合、穴埋め後にエアブラシや細い筆を使って細かな色のニュアンス・木目の模様を再現して描き込んでいきます。職人技によって、修理後はどこに穴があったのかわからないほどきれいに仕上がります。

プロに頼むメリット

プロに修理を頼むメリットは、仕上がりがきれいになるだけではありません。プロによるドア穴の修理は下地の調整をしてからパテを使って穴を埋めます。そのため、ご自身でドアを修理するよりも、穴が空いた部分がしっかりと補強されるので、再び穴が空いてしまうのを防げるのです。

さらに、プロに依頼すると、ご自身で修理する手間も減らせます。失敗しやすい化粧フィルムの貼り付けや表面の塗装も見栄えが悪くなる心配はありません。

ドア修理の際に、開閉センサーを付けて見守りサービスを導入するのはいかがでしょうか。くらしのセゾンでは、離れて暮らす高齢の親の見守りサービスを行っています。普段頻繁に使うトイレや寝室などのドアに開閉センサーを設置することによって、異常がないか確認できます。必要な機器はご自身で設置できるので、より手軽にサービスを利用可能です。

見守りサービス相談窓口の詳細はこちら

プロに頼むデメリット

プロへ依頼するのにネックになるのは、やはりコスト面でしょう。ご自身で修理する場合は数千円から10,000円前後で修理ができるのに対し、プロに依頼すると数万円の施工費がかかります。加えて、出張料などが追加になるケースもありますので、正式に依頼する前に見積もりの確認が必要です。

ドアの修理をプロにお願いした場合の費用相場

ドアに空いた穴の修理をプロに依頼する場合、費用相場はどのぐらいでしょうか。ドアの穴の大きさや修理方法、仕上げ方によって異なりますが、およそ30,000円から50,000円前後が相場です。依頼する修理会社によっても、出張費や施工費など細かな項目で違いがありますので、複数社から見積もりを取ってみるのがおすすめです。あまりに安いと技術力が劣っている場合があるため、口コミなどで技術力のある修理会社か確認してから依頼しましょう。

プロにお願いする場合は、火災保険が活用できる場合も

プロにお願いする場合は、火災保険が活用できる場合も

 

不意に起きた事故でドアに穴が空いてしまった場合、火災保険で補償できるケースがあります。火災保険に入っている方は、修理の前に補償内容を確認しましょう。

火災保険には火災や台風といった災害による家財の損害だけではなく、日常でうっかり起こってしまった「不測かつ突発的な事故」が原因の損害を補償してくれるものもあります。例えば、掃除中に誤って掃除機をドアにぶつけてしまった、模様替えで移動していた家具がドアにぶつかってしまった、といった原因でドアが破損したケースが補償の対象です。ただし、自己負担しなくてはいけない金額があったり、ドアを含める建物は対象外であったりする場合もありますので、まず火災保険の保険証書を確認しましょう。

火災保険を利用して修理するには、修理会社の方から「不測かつ突発的な事故」による破損であったと申請する必要があります。火災保険を利用してドア穴修理を行う場合は、保険の審査がスムーズに通過できるよう、申請経験も豊富な修理会社を選ぶのがベターです。

賃貸物件の場合の流れは?

賃貸物件の場合の流れは?

賃貸物件でドアに穴を空けてしまったときにはどうしたら良いのでしょうか。そのまま退去してしまうと敷金が戻ってこなかったり、高額な補修費を請求されたりしますので注意が必要です。

勝手に直すのは避ける

賃貸物件は、退去前に借りたときの状態に戻す「原状回復」の義務があります。しかし、賃貸物件で勝手に手を加えてしまうのはタブーです。賃貸契約の内容によっては、不動産会社やオーナーへの相談なしに無断で修理したり、修理会社に依頼したりすると契約違反となるおそれもあります。そのため、ドアに穴が空いてしまったら自己判断で修理せず、不動産会社などに連絡を入れて対処方法を確認しましょう。

ドアに空いた穴は放置しない

ドアに空いた穴は放置しない

「プロに頼るのはコストがかかるし、かといって自分で修理するのも面倒」と感じる方も多いかもしれません。しかし、ドアに空いた穴を放置していると、開閉する際に大きな力が働いて穴が広がり、修理費用が余計にかかってしまうおそれがあります。

また、穴の断面にささくれが残ったままだとケガをするリスクもあるため大変危険です。さらには、ドアの破損した穴の木くずを目当てに虫が巣を作ってしまうことも。そのため、ドアに穴が空いてしまったらできるだけ早く対処しましょう。

おわりに

一般的な住宅で多く使用されているフラッシュ構造のドアは衝撃に弱いため、うっかりモノをぶつけて穴が空いてしまうことも少なくありません。ご自身での修理も可能ではありますが、完全に元どおりに直すには職人レベルの技が必要になります。ドアの穴が大きい場合は、無理にご自身で修理しようとせず、プロを頼るのがベターです。ただし、火災保険に入っている場合は、保険の補償対象となる可能性もありますので、修理の前に保険証書を確認しましょう。

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