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サルスベリに適した剪定の時期は?育て方のポイントも詳しく解説

サルスベリに適した剪定の時期は?育て方のポイントも詳しく解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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サルスベリは、初夏から晩秋にかけてピンクや赤色の花を長く咲かせることや、手入れのしやすさからも、庭のシンボルツリーとして人気があります。

家で育てたいけれど、「剪定をしなければいけないの?」「いつ剪定したらいいの?」とお手入れに関してわからないことも多いでしょう。そこで本記事では、サルスベリの剪定時期や方法についてわかりやすく解説します。上手に育てるコツや花の種類も紹介しているので、ぜひご一読ください。

この記事を読んでわかること

サルスベリは、夏から秋にかけてピンク色の花を咲かせ、紅葉した後落葉する落葉樹です。日の当たる場所に植えると大きく育ちます。水やりは基本的に不要なので、初心者でも育てやすい植物でしょう。
サルスベリのお手入れでは、夏と冬の年2回の剪定が欠かせません。夏剪定では、春から伸びた「一年枝」を切り、きれいな花を開花させる手助けをします。冬剪定では、樹形を整え、木が大きくなり過ぎるのを防ぎます。剪定に適した道具を使い、生長に不要な枝を切り落としましょう。
また、サルスベリは花の色や種類がとても豊富です。庭の雰囲気やスペースなどを考慮し、ご自身の好みの色を選んで、ぜひ育ててみてください。

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サルスベリの特徴

サルスベリの特徴

サルスベリは、ミソハギ科サルスベリ属の落葉樹で多年草です。中国南部を原産としています。木の幹は凸凹がなく磨いたように滑らかで、猿も滑ってしまうくらいツルツルした木だ、ということから「サルスベリ」の名前がつけられました。また、約100日間ピンク色の花が咲くので、和名は「百日紅(ひゃくじつこう)」と呼ばれています。

春には濃い緑色の葉をまとわせ、夏から秋にかけてピンクや赤、白などの色で可愛らしい花が咲きます。秋の終わりには赤く紅葉し落葉するため、四季のうつろいをじっくり楽しみたい方におすすめです。サルスベリは、日当たりの良いところに植えておくだけでぐんぐん生長するので、初心者でも比較的育てやすい樹木といえるでしょう。

サルスベリに剪定は欠かせないお手入れ?

サルスベリに剪定は欠かせないお手入れ?

日がよく当たるところに植えられたサルスベリは生長が早いため、剪定は欠かせないお手入れのひとつです。手入れをせずにそのままでいると、樹形が乱れたり横枝が大きく張り出したりします。大きくなり過ぎると、台風などの強風にあおられ倒れることがあり、とても危険です。

また、葉が密集して風通しが悪くなると、カイガラムシやうどんこ病といった害虫や病気の被害に遭いやすくなります。サルスベリをきちんと剪定すると翌年の花の付きも良くなるので、定期的なお手入れを心がけましょう。

サルスベリの剪定に適した時期

サルスベリの剪定に適した時期

サルスベリの剪定時期は、夏と冬の年2回です。1年に2回剪定する行為を「2度切り」といい、サルスベリの花を長く楽しむことを目的に行います。では具体的にはいつが良いのでしょう。詳しく見ていきます。

夏剪定に適した時期

サルスベリを夏に剪定をする場合は、8月の上旬頃、花が咲き始めたタイミングが良いでしょう。開花時期に剪定をしないまま放置すると、花にいく栄養が分散されてしまいます。よって小さな花が多く咲くことになってしまうのです。

全体のバランスを見ながら剪定を行い、花の量を調整することできれいな花を長く楽しめます。

冬剪定に適した時期

冬剪定では、樹形を小さくしたり整えたりすることを目的とします。

剪定する場合は、休眠期である12~3月頃が適しています。休眠期とは、木が眠っている状態のことです。落葉樹であるサルスベリは、秋の終わりに落葉を始め枯れたようになります。

これは、木が体力を保つために養分を幹に集めているのです。そのため、休眠期は木を切ってもサルスベリへのダメージはあまりなく、強めの剪定が可能になります。ただし、サルスベリは落葉樹の中でも寒さに弱い部類に入るので、太い枝を大きく切る場合は、3月に行うことをおすすめします。

サルスベリの剪定方法

サルスベリの剪定方法

育てやすいサルスベリは、日光の下で放っておくとどんどん大きくなる樹木です。育ち過ぎを防ぐためにも必ず剪定を行いましょう。夏と冬、剪定方法はどのように違うのでしょうか。基本を解説します。

サルスベリの夏剪定の方法

サルスベリの夏剪定では、不要な枝を切り落とす程度の「弱剪定」を行いましょう。サルスベリは春から夏の初めにかけて枝を伸ばします。伸びた枝を「一年枝」といい、剪定することで切った先からまた新しい枝が伸び、再び枝先に花を咲かせてくれるのです。

一年枝に花が咲いたらすぐにその枝の2~3節目を切っていきます。樹形を乱す枝などを切り落とすことを意識して、形を整えていきましょう。間引きを行うことで日当たりや風通しが良くなり、病害虫を防ぐことができます。

サルスベリの冬剪定の方法

休眠期の時期に行う冬剪定は、「切り戻し剪定」を行います。切り戻し剪定とは、春から伸びた枝を元から切り落とす行為です。休眠期に行うため株に対するダメージの心配があまりありません。

サルスベリの樹形を整えることで、新たな枝や芽の生長を促すことができます。ただし、切った後は枝の切り口に癒合剤を塗りましょう。キズの治りを助けたり、菌が入るのを防いだりする効果があります。

こぶをつくる剪定方法

サルスベリには、自然樹形の他に「こぶ仕立て」という剪定方法があります。こぶの作り方は、冬剪定の際に、毎回同じ箇所の枝を切ることです。

数年が経過し、あまりに大きくこぶが肥大化してきた場合は、こぶの下部分を切り落としましょう。切り口には、癒合剤を塗っておくと安心です。

サルスベリの剪定のコツとは     

サルスベリの剪定のコツとは

樹形を整えるために、またきれいな花を咲かせるためにはどのように剪定をしたら良いでしょうか。剪定のコツを知っておくと、スムーズにカットすることができます。ぜひ参考にしてみてください。

剪定に適した道具を準備する

サルスベリをきれいに剪定するために、まずは必要な道具を揃えましょう。

剪定に必要なものは、剪定バサミ・剪定ノコギリ・高枝切りバサミの3つが基本です。ホームセンターなどで手に入りやすいものばかりなので、ぜひ購入してください。

1.5cm程度の太さの枝なら剪定バサミ、それ以上の太い枝に対しては剪定用のノコギリを使います。手の届かない高い場所にある枝は高枝切りバサミが最適です。他にも、ケガ防止用に軍手や脚立などを準備しておくと安心です。

不要な枝を切る

剪定では、まず初めに枯れてしまった葉や枝を取り除きます。その後、間引きをするイメージで不要な枝を切り落とします。剪定する際は、木の下側から切っていきましょう。「どれが不要な枝かわかりづらい」といった方のために、樹形を乱す不要な枝をいくつか説明します。

  • 逆さ枝
    木の内側方向に伸びている枝。
  • ひこばえ(ヤゴ)
    株の根元から生えてきた細い枝。
  • 胴吹き枝
    ひこばえと同じ幹から伸びる枝で、木の栄養を吸い取ってしまうので切る。
  • 平行枝
    周りの枝と平行に伸びている枝。どちらか一方を切る。
  • 立ち枝
    真上に向かって伸びる枝。
  • 下垂枝
    下の方向に伸びる枝。

逆さ枝やひこばえなどは、サルスベリによく見られる枝です。不要な枝なので、付け根から切りましょう。

不要な枝を切った後は、少し離れたところから全体を見渡し、枝が密集しているところやからまっているところを探します。その中から細い枝を選んで剪定しましょう。早めに開花した部分を咲き終わってすぐに剪定すると、同時期にもう一度花を咲かせます。2度咲きが楽しめるのでおすすめです。

サルスベリの育て方のポイント!

サルスベリの育て方のポイント!

サルスベリの苗は、春~夏にかけてお店に出回ります。葉が生き生きと元気で、枝ぶりが良いものを選びましょう。植える時期は春の暖かい日がおすすめです。

根よりも少し深めの穴を掘り、堆肥などを混ぜ込みます。植え付けてすぐは、ぐらぐらして倒れてしまうことがあるので、支柱を立てて安定させましょう。

それでは、サルスベリの詳しい育て方のポイントを説明していきます。

庭植えで育てる

サルスベリは鉢植えなどで、楽しみながら育てることもできます。しかし、生長すると数メートルの高さにまでなるため、基本的には庭木で育てるのがおすすめです。

鉢植えなどで育てる場合は、苗のうちだけにする、大きくなったら一回り大きな鉢植えに植え替えをする、などをして最終的には庭植えで育てることを考えておきましょう。

日当たりの良い場所に植える

日当たりの良い場所に植える

サルスベリは日当たりの良い場所を好む植物です。日当たりが良くないと、開花しません。夏の暑さや直射日光にも強いため、年間を通して太陽の光がまっすぐ当たる場所へ植えましょう。

また、日当たりの他にも風通しや水はけの良い場所を選ぶことが大切です。

水やりの必要はない

庭植えをして根付いたサルスベリには、基本的に水やりが不要です。降雨のみで育つので心配はいりません。ただし、高温で乾燥する時や雨が降らない日が続いた時などは、水やりをします。

他にも、庭植えを始めて1年くらいまでは、水切れを起こしてしまうことがあるので、土の表面が乾いていたら水をたっぷりとあげましょう。

肥料を与える

サルスベリの健康維持のため、施肥は冬と開花後の年2回行います。1〜2月頃、根元周辺をドーナツ型に堀り、寒肥を与えます。

寒肥とは、冬の寒い時期に植物に与える肥料のことです。冬に与えた肥料は、土の中で植物が取り入れやすい形へと変化し、春の生長期に効果を発揮します。その際、与える肥料は化学肥料ではなく、有機質肥料であることがポイントです。寒肥の場合、植物が化学肥料を吸収しにくい傾向があります。有機質肥料だと土壌を改良する効果があり、新しい枝や芽が付きやすくなるのです。

また、開花後の9月頃にはお礼肥を忘れずに与えましょう。開花後は株が体力を消耗しているため、元気を取り戻す役割をします。

サルスベリの剪定が難しいと感じたらプロへ依頼しよう!

サルスベリの剪定が難しいと感じたらプロへ依頼しよう!

サルスベリの生長を促し、花付きを良くするには、上手な剪定が必要です。知識や経験のない方にとっては、できるかどうか不安を感じることもあるでしょう。

また、大きく生長するサルスベリは剪定する際、高いところの枝を切るために脚立を使って作業を行うこともあります。無理に行うとケガにつながる恐れがあるので、充分に注意して行いましょう。サルスベリの剪定を自分で行うのが難しいと感じた場合は、剪定のプロへ依頼するのもおすすめです。

くらしのセゾンが提供する「庭木のお手入れ」では、庭木のプロが丁寧に剪定をします。出張費や見積もりは無料です。剪定の他にも、芝生の管理や防草対策など、庭に関するさまざまな困りごとに対応します。庭のお手入れでサポートが必要な場合はぜひご連絡ください。

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サルスベリの種類を紹介

サルスベリの種類を紹介

サルスベリといってもその種類や色のバリエーションは豊富です。聞いたことのある名前から珍しい種類まで、特徴を踏まえて紹介しましょう。

サルスベリの花の色について

サルスベリの花の色には、桃色・白色・赤紫色などがあり、桃色が最もポピュラーな色として親しまれています。桃色の中でも淡い色から濃い色までさまざまあるので、ご自身の持つ庭の雰囲気に合わせて選ぶことが可能です。

また、白色のサルスベリは清楚でさわやかなイメージを持ちます。赤紫色は南国の花のように濃くはっきりとした色合いが魅力で、白色も赤紫色も、暑い夏の青空にぴったりです。他にも、赤色や紫色、褐色のサルスベリもあります。

ブラックパールホワイト

ブラックパールホワイトは、花が真っ白でつぼみが赤く、葉が黒いという特徴を持ちます。白と黒のコントラストが際立ち、洋風の家によく合います。

アメリカから来た品種で生長すると約3mの高さになります。サルスベリがかかりがちな「うどんこ病」への耐性が強いため、初心者でも育てやすいタイプです。

ブラックパールレッド

赤い花と黒い葉が印象強いブラックパールレッドは、落ち着いた雰囲気の家にぴったりです。樹木としては、ブラックパールホワイトと同様の特徴を持ちます。樹高約3m、枝張り約2.5mで、大きくなり過ぎず育てやすい品種です。

ディアルージュ

ディアルージュは、神奈川県にある農業技術センターで交配され生まれた品種のサルスベリです。濃い赤色の花とつぼみが印象的で、庭の雰囲気を一変させて華やかにしてくれるでしょう。

枝が横に張らないため、大きなサルスベリを植えるスペースがない方におすすめです。寒さに耐久性がないため、寒冷地での栽培は難しいといえます。

インフィニティマゼンタ

プランターや鉢植えでサルスベリの生育を楽しみたい方は、インフィニティマゼンタはいかがでしょう。樹高が60~120cmと高くならないため、スペースを選びません。濃いピンク色をした小さな花がたくさん咲き誇ります。

チカレッド

チカレッドもまたインフィニティマゼンタ同様、樹高が大きくならない品種のサルスベリです。樹高は60~150cmほどですが、強めのピンク色で大きい花が咲くため見ごたえは充分あります。生長が遅いため剪定が不要で、病気にかかりにくい点も大きなメリットです。

おわりに

健やかな生長ときれいな花を咲かせるために欠かせないサルスベリの剪定は、夏と冬に行います。夏には不要な枝を中心に間引きをするイメージで、冬は樹形を整える目的で太めの枝でも思い切ってカットしていきます。

不安な方はプロに依頼しても良いでしょう。サルスベリの育て方のポイントは、日当たりの良い場所を選ぶことや肥料を年2回あげることなどです。種類や色も豊富にあるので、庭のテイストに合わせて選んでみてください。

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