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アジサイの剪定時期や方法を解説!キレイに咲かせるためのポイントも

アジサイの剪定時期や方法を解説!キレイに咲かせるためのポイントも
セゾンのくらし大研究 編集部

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梅雨に遊歩道や庭で鮮やかな花を咲かせるアジサイですが、品種や剪定については意外と知られていないことも。実は、アジサイの美しい花を楽しむためには、適切な剪定が必要です。今回は剪定に適した時期や方法、必要な道具について解説します。また、アジサイを美しく咲かせるためのポイントや増やす方法、プロに依頼するメリットについてもまとめました。アジサイを育てたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読んでわかること

  • アジサイは大きく分類してガクアジサイ、ヤマアジサイ、ホンアジサイ、セイヨウアジサイ、アメリカノリノキの5種類がある
  • どんどん成長するため、美しい造形を保つには剪定が欠かせない
  • 旧枝咲きアジサイは7月下旬、新枝咲きアジサイは7月と10月の花が咲き終わる時期の剪定が適している
  • 美しい花を咲かせるためには水やりの量や日当たり、植え替えの時期にも注意する
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アジサイってどんな植物?

アジサイってどんな植物?

紫陽花という漢字のとおり、紫の花が印象的なアジサイは、とても強く、地面に根付いてからは水をやらなくてもどんどん成長します。アジサイは、その年に伸びた枝は翌年花がつかず、前年伸びた枝のつけ根に花芽をつけるのが特徴です。

5~7月になると全国の至る所で美しいアジサイの花が見られますが、もともと日本には自生していません。これらは、ガクアジサイという品種の両性花を、人工的に装飾花へ変化させ栽培したことで、日本各地に咲くようになったとされています。

アジサイの品種を紹介

日本でよく目にするアジサイは、大きく分けると5つに分類できます。ここでは、それぞれの品種の特徴についてご紹介しましょう。

日本に古くから存在する「ガクアジサイ」

「ガクアジサイ」とは、日本に古くから存在するアジサイの一種で、さまざまな品種のアジサイの原種です。中央部に小さな粒状の両性花が複数咲き、その周りをガクが包み込んでいます。他のアジサイに比べて、このガクアジサイは飾り花や葉が大きく、葉には光沢があるのが特徴です。

また、アジサイの飾り花は、経時的に色を変えていく性質を持っています。飾り花が青色に変わるかピンク色に変わるかは、土壌の性質によって異なることも。ガクアジサイは、潮風や乾燥に加えて、寒さや暑さにも強いため、育てるのが容易です。和風の庭園でも美しい姿を楽しめるでしょう。

全体的に小ぶりな「ヤマアジサイ」

ヤマアジサイは、福島県から四国・九州地方にかけての太平洋側に見られるアジサイで、日本に古くから存在しています。花は小さく優美であり、葉は薄くて小型で茎も細いため、全体的に繊細なフォルムが特徴です。

ガクアジサイと同じくガク咲きで、時が経つにつれて花の色が変わり、土壌の性質によっても異なる色に変化します。ヤマアジサイもガクアジサイと同様に、寒さや暑さに頑健であり、育てるのが容易です。鉢植えにすることでコンパクトに育てることもできるので、さまざまな場所で楽しめるでしょう。

品種改良により作られた「ホンアジサイ」

「ホンアジサイ」は、ガクアジサイを園芸的な観点から改良し育成された品種です。花房は手毬のような形状をしており、一般的なアジサイのイメージは、ホンアジサイであることが多いでしょう。

毒性の存在については確定されていませんが、報告によれば毒成分を含んでいる可能性もあるため、無闇に触れないよう注意が必要です。小さい子どもやペットを散歩させる際には、配慮が必要とされています。

種類が数百にも及ぶ「セイヨウアジサイ」

日本固有のガクアジサイが、西洋で品種改良を受け、改良されたものがセイヨウアジサイです。セイヨウアジサイの花は一般的に大きく、手毬のような形で、多彩な色の花を咲かせます。その種類は数百にも及ぶとされています。

春から初夏にかけて鉢植えで販売されているため、ホームセンターや花屋などで見かけたこともあるかもしれません。セイヨウアジサイは、在来種であるガクアジサイやヤマアジサイとは異なり、寒さに弱い性質があります。東北や北海道など雪の降る地域では、鉢植えのまま管理するのが無難です。

大きく存在感のある「アメリカノリノキ」

アメリカノリノキは、アジサイ科に属する落葉性の低木であり、アジサイと同じ仲間です。その名のとおり、北アメリカ東部が原産地であり、日本ではやや珍しい花として知られています。一般的に日本でよく見られるヤマアジサイは、15〜20cmほどの青色や紫色の花房が形成されます。

しかし、アメリカノリノキは20〜30cmほどの白色やピンク色の花房が形成されるのが特徴です。

アジサイはサイズを保つために剪定が必要!

育てやすくどんどん大きくなるアジサイの造形をキレイに保つためにも、剪定は欠かせません。アジサイの手入れを怠ってしまうと、伸びた枝の先端にだけ花が咲いて不格好になってしまうことも考えられます。

ただし、新しい花芽を切ってしまうと、翌年は花が咲かなくなってしまう恐れもあるため、正しい知識を身につけて剪定しましょう。

アジサイの剪定に適した時期

アジサイの剪定に適した時期

アジサイの剪定を行うのに適した時期は、夏の終わりに花芽をつける旧枝咲きと、春に伸びた枝に花芽をつける新枝咲き、どちらかによって異なります。

まず、旧枝咲きの場合、翌年の花芽が夏の終わり頃に形成されるため、それ以降に剪定すると翌年花が見られなくなることも考えられます。剪定は花が咲き終わってから、7月下旬ぐらいまでに行うと良いでしょう。

一方、繰り返し花が咲く新枝咲きの場合は、花が咲き終わってから剪定することで、返り咲きしやすくなるのが特徴です。アジサイを管理している場所や気候にもよりますが、晩秋まで美しい花を楽しめる品種もあります。剪定時期は一番花が咲き終わる7月頃、二番花が咲き終わる10月頃がおすすめです。

アジサイの剪定方法 

アジサイの剪定方法 

ここではアジサイの剪定に必要な道具や、剪定方法について解説します。

剪定に必要な道具

アジサイの剪定に必要なのは以下の4つの道具です。

  • 剪定バサミ
  • 手袋
  • ゴミ袋
  • ほうき

剪定バサミは切れ味がよく、少ない力で枝を切れるので、力の弱い方でも効率よくアジサイの剪定が行えます。剪定バサミには、形やグリップの素材など、さまざまな種類があるので自分の手にフィットするものを選んでください。

剪定時に枝や葉などでケガをしないよう、厚手の手袋を着用するのが好ましいでしょう。ゴミ袋やほうきは、切り落とした枝や葉の掃除に使います。

剪定方法

アジサイの剪定方法は季節によって異なります。夏と冬、それぞれの時期に適した剪定方法を見てみましょう。

夏の時期(6月下旬~7月)

夏の剪定は翌年に咲く花に栄養を届けるため、花がらを切り落とします。今年咲いた花の2~3節下に花芽を確認したら、そこから2cmほど上を剪定しましょう。また、アジサイの株を小さく仕立て直したい場合、根元から高さ30cm程度の位置ですべての枝を切り落とします。

ただし、この場合翌年の花芽も切るため、翌年は花が見られません。形を整えつつ、翌年も花を咲かせたい場合は、咲いていた花の3~4節目で切り、他の枝は全体の半分ほどで剪定しましょう。

冬の時期(3月頃まで)

12~3月の落葉期に行う冬の剪定では、栄養がアジサイの株全体に行き渡るように不要な枝を切り落とします。夏に剪定した節の下に花芽を見つけたら、その2cmほど上を剪定してください。そして、細い枝や花芽がついていない枝、色が白っぽい枝などを剪定して完了です。

剪定だけじゃない!キレイなアジサイを咲かせるためのポイント 

剪定だけじゃない!キレイなアジサイを咲かせるためのポイント 

アジサイをキレイに咲かせるためのポイントは、剪定以外にもいくつか考えられます。

日当たりに注意

アジサイは、強い日差しが苦手です。日差しが強いと乾燥の原因となって、葉が焼けてしまう可能性があります。真夏の日差しが強い期間は、西日を遮る工夫をしたり、植え替えたりして対処しましょう。鉢植えの場合は、真夏の間だけ適度な日当たりがある場所へ移動させてください。

水やりの量に注意

地植えのアジサイはこまめに水やりをしなくても、めったに枯れることはありません。しかし、鉢植えの場合は、水不足が原因となって枯れてしまうケースもあるでしょう。

一方で水のやり過ぎもアジサイが枯れてしまう原因になりますので、鉢植えの水やりは量に注意してください。また、地植えでも真夏に乾燥が続くと弱ってしまうため、時期によって水やりを行いましょう。

植え替えの時期に注意

次に注意するべきはアジサイを植え替える時期です。アジサイを植え替える場合は、花が咲き終わる7月下旬から9月頃まで、もしくは11月から2月頃が適しているとされています。花が咲き始めているときは、花に栄養分が集中しているため植え替えは控えましょう。

肥料は成分バランスに注意

アジサイは花が咲き終わってから1ヵ月後に、発酵油かすの固形タイプなどの有機質肥料をお礼肥として与えましょう。

そして、休眠期の1~2月頃にも同じ肥料を寒肥として与えます。このようにアジサイは年に2回肥料を与えますが、肥料の成分バランスにも注意が必要です。アジサイの花の色は土壌の性質によって異なりますが、肥料が適した成分バランスでないと、花の色が悪くなってしまうケースも。ホームセンターなどで、アジサイの色に合わせてブレンドしてある肥料を購入するのがおすすめです。

病害虫に注意

アジサイにアブラムシやハダニなどの害虫が発生すると、栄養分を吸い取られて弱ってしまうケースがあります。

さらに、害虫の排泄物が原因となって、うどん粉病や炭そ病などを発症してしまうことも。病害虫のせいでアジサイの株全体が枯れてしまう恐れもあるため、発見したら早急に対処しなければなりません。また、予防のために日当たりや風通しを良くすることが大切です。普段から落ちてしまった枯れ葉を取り除いたり、風がとおりやすいよう剪定したりして、湿気対策をしましょう。

アジサイの木は増やすことができるの? 

アジサイの木は増やすことができるの? 

アジサイには、挿し木と株分けの2つの増やし方があります。それぞれやり方を見てみましょう。

アジサイの木を挿し木で増やす

6月上旬頃に花をつけていないアジサイの枝を剪定し、枝の下部分を斜めにカットします。上の葉を2枚ほど残してあとは取り除き、切り口を1~2時間水につけておきます。葉を半分にカットしたら、枝を5cmほど土に植えて水をあげましょう。

アジサイの木を株分けして増やす

アジサイの株を2つに分け、傷んでいる根がないかチェックし、あれば取り除きましょう。次に片方の株を別の場所に植え、たっぷり水やりをしてください。ただし、営利目的や譲渡目的で品種登録されたアジサイを増やすことは違法となるため、注意が必要です。

アジサイの剪定をプロに頼もう!

アジサイの剪定をプロに頼もう!

アジサイは他の植物に比べ、初心者でも扱いやすく育てられるのが特徴ですが、大きくなり過ぎた株を一気に剪定するのは容易ではありません。

そんな時はプロに庭木のお手入れを依頼するのがおすすめです。プロがアジサイの樹形を正しい方法で整えてくれるため、翌年も美しい花が楽しめます。剪定だけでなく枯れ葉や雑草の除去も依頼できるので、庭全体のお手入れが可能です。

くらしのセゾンの庭木のお手入れの詳細はこちら

おわりに

5つの種類があるアジサイは、さまざまな花の形や色で梅雨を彩ってくれます。そんなアジサイを美しく咲かせるためには、剪定が欠かせません。また、品種に合わせて日当たりや水やり、植え替えにも気を配りましょう。ご自身での管理が難しい場合は、プロに依頼するのがおすすめです。しっかり剪定し、肥料や害虫に注意して、美しいアジサイの花を楽しんでみてください。

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