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サザンカの正しい剪定時期や方法は?生垣の剪定ポイントも解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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冬に花を咲かせる植物サザンカは、生垣などに利用されていることも多い植物です。葉が生い茂り剪定したいものの、時期を間違えたり切り過ぎたりして枯らしてしまったらどうしよう、と心配になる方もいるのではないでしょうか。今回はサザンカの剪定について、ベストな時期や剪定方法について紹介していきます。ご家庭のサザンカが生い茂って気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読んでわかること

  • サザンカは丁寧に管理すると長期間育てられる
  • サザンカの剪定は基本的に年に1回、2~4月頃に透かし剪定すれば良い
  • 剪定する際には、不要枝を見極めるのが大切
  • 生垣にしたい時は強剪定しても良いが、切り過ぎには注意が必要
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サザンカの基礎知識

サザンカの基礎知識

サザンカの剪定方法を解説する前に、サザンカの基礎知識をおさらいしておきましょう。

サザンカの特徴

サザンカは、主に冬に開花時期を迎えるツバキ科の植物で、開花の最盛期は10~12月です。花の色は、自然に育つ野生のものは淡いピンク交じりの白い色をしていますが、園芸品種として育てられているものには、白の他にも赤やピンクなどさまざまな色があります。

見た目が似ているツバキとは、花の散り方で判断してみましょう。ツバキは花が終わると花ごと落ちるのに対して、サザンカは1枚ずつ散っていきます。また、サザンカのほうが葉の縁がギザギザしているのも特徴です。

サザンカの種類

サザンカは、園芸品種が多く、現在知られているものだけでも300種程の品種があります。園芸品種は、色のバリエーションが豊富なだけでなく、花の咲き方も一重咲きや八重咲きなどさまざまです。いくつかサザンカを紹介しましょう。

  • 七福神

半八重咲きで大輪のサザンカ。色は濃い桃色。開花時期は10~11月。木立ち性で花つきが良い。

  • 獅子頭

別名をカンツバキという。ピンク色で八重咲きの品種。カンツバキ系園芸品種の交配親となったもの。

  • 富士の峰

中輪で白い花を咲かせるサザンカ。八重~千重咲きの品種。開花時期は11月~1月頃。

  • 乙女サザンカ

生垣として全国に普及している品種。柔らかいピンク色で千重咲き。

  • 鎌倉絞

小輪で一重の花を咲かせる品種。赤地に白い斑が入っているのが特徴。

サザンカの基本的な育て方

元気に育てるためには、基本的な育て方について知っておくことも大切です。寿命が数百年と長いサザンカは、60~70年庭木として育てられているものも多く見られます。

栽培する環境

サザンカを栽培する時は、水はけのよい弱酸性の土で育てましょう。日差しが強い場所でも日陰でもどちらでも育ちますが、西日は当たらない場所にするほうがおすすめです。日陰の場合は、暗過ぎない場所で育ててあげると良いでしょう。また耐寒性はありますが、ツバキよりやや寒さに弱い傾向にあります。真冬は、冷たい風が当たらない場所を選んであげましょう。

水やりと肥料

水やりや肥料は、地植えと鉢植えの場合で異なります。地植えの場合、2年以上経過ししっかり根づいているサザンカは水やりをする必要がないため、降雨に任せましょう。2年未満のサザンカは、土が乾いた時に水やりをします。また栄養が足りないと枯れたり花つきが悪くなったりするので、2月頃に有機肥料を与えましょう。鉢植えの場合は、土が乾いた時にたっぷり水やりをして、肥料は3月に化学肥料をあげてください。

万が一サザンカの葉が黄色く変化している場合は、土に含まれるアルカリ成分が原因かもしれません。土を酸性にすると改善することがあるので、生理的酸性肥料を使用してみると良いでしょう。

花がら摘み

サザンカは開花を終えると丸い果実をつけます。咲き終わった花を放置しておくと、果実をつけるために養分を取られてしまい、次の花が咲きにくくなってしまいます。花が終わったら、花がら摘みをして、長い期間サザンカの花を楽しみましょう。

参照元:GardenStory (ガーデンストーリー)|知りたい! サザンカ(山茶花)の種類や品種、それぞれの特徴と見分け方剪定110番|サザンカが剪定できれいに整う!誰でもできる簡単な切り方と最適な時期

サザンカは剪定が必要?

サザンカは剪定が必要?

成長スピードがあまり早くないサザンカは、放置しても比較的樹形が整いやすい植物です。しかし、枝が密生しやすいため、そのままにしておくと風通しや日当たりが悪くなる場合があります。

枝枯れや害虫などの発生を予防するためにも、定期的に剪定するのがおすすめです。生垣としてサザンカを植えている場合には、枝の間引きだけでなく刈り込みをすると形が整い、見た目も良くなります。

サザンカの剪定時期はいつ?

サザンカの剪定時期はいつ?

サザンカの剪定時期は、花が終わった2~4月頃が適しています。この時期を過ぎると、サザンカは新しい枝を伸ばし花芽を形成する時期に入り、6月以降では花芽を落としてしまうことがあるため剪定を避けましょう。なお、春になると害虫が発生しやすくなるため、虫が苦手な方は3月頃に剪定するのがおすすめです。

この他、9月の花芽が膨らみ始めた時期に、花芽の場所を確認しながら要らない枝を切り戻していく方法もあります。

参照元:GardenStory (ガーデンストーリー)|サザンカ(山茶花)の正しい剪定方法。時期やコツを知れば、初心者でも簡単にできます

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サザンカの基本的な剪定方法

サザンカの基本的な剪定方法

ここからはサザンカの剪定方法を見ていきましょう。

剪定に必要な道具

サザンカを剪定する時は、次の4つの道具があると便利です。

  • 剪定バサミ
  • 植木バサミ
  • 刈り込みバサミ
  • 脚立

切る枝の太さによって使用するハサミが異なります。剪定をする際には、上記のハサミを用意しておきましょう。6mm程度までの枝を切る時は植木バサミ、親指程の太さの枝を切る時は剪定バサミを使用します。柄が長い刈り込みバサミは、樹木全体の外見を整える時に使いましょう。また、高い位置をカットする時は脚立が必要です。この他、高枝切りバサミを使用することもできます。

サザンカの透かし剪定

サザンカの剪定は、適した時期であってもやり過ぎると枯れてしまう場合がありますので、基本的には透かし剪定という方法で剪定するようにしましょう。透かし剪定とは、密生している枝や傷がついている枝、伸び過ぎて植木の外見を損ねている枝だけを切り落とす方法です。

最終的な植木の形をイメージし、風通しや害虫の被害に遭いそうな場所を中心に切っていきます。切り落とすのは、3本枝がある場所の真ん中の枝のみです。サザンカがまだ小さい場合は、上から下に向かって剪定していくと、全体のバランスを取りやすく失敗を防げます。

不要枝の見極めがポイント

剪定する際は、残したい枝か不要枝かどうかの見極めがポイントです。不要枝とは、必要な枝の成長を邪魔したり、樹形を崩したりする枝をいいます。不要枝が残っていると、見た目だけではなく、日当たりや風通しも悪くなり、大切な枝に栄養が行き渡らなくなってしまいます。いくつか不要枝を紹介するので、参考にしてしっかりと見極めましょう。

  • 並行枝

太さや長さが同じくらいで、ほぼ同じ方向に伸びた枝のことをいいます。他の枝とのバランスを見て、どちらかをつけ根から切り落としましょう。

  • ふところ枝

木の上部の葉や枝が集まっている、樹冠の内側に出ている弱い枝です。

  • 下がり枝

下に向かって伸びている枝です。

  • 徒長枝

枝から真上に伸び過ぎた枝です。雨や風で折れやすいうえに、害虫の温床になりやすいので、カットしましょう。

  • 胴ぶき枝

幹から生えた枝のことです。樹木の上部に栄養が行き届かなくなる可能性があるので、早めに剪定しましょう。

不要枝の見極めは難しいのですが、さまざまな方向からサザンカを見てチェックしましょう。迷った場合は、無理に切らず様子を見ることも大切です。

サザンカを剪定する時の注意点

サザンカを剪定する際、特に気をつけたいのは強剪定する時です。サザンカの樹形を大きく変更したい場合は、枝をたくさん切り落とす強剪定という方法を取りますが、強剪定は木を弱らせてしまう可能性があります。

剪定し過ぎると1年くらい花をつけないこともあるため、頻繁には行わず、数年に1度程度に留めておきましょう。

サザンカを生垣に仕立てる時の剪定

サザンカを生垣に仕立てる時の剪定

生垣のサザンカを剪定する場合は、通常のサザンカの剪定方法とは異なります。生垣の場合は、花が終わったあとの3月と花が咲く前の9月の、年に2回剪定を行いましょう。9月に剪定する時は、切り過ぎないように注意することが大切です。切り過ぎてしまうと花芽も切り落としてしまい、花が咲かなくなってしまう場合があります。そのため木の形をチェックしながら、不要な枝だけを切るようにしましょう。

また全く手入れしていなかった生垣や、最初から生垣を作っていく場合は、年に4回剪定が必要です。花が終わった3月に強剪定をして生垣の樹形を整えたあと、7月、9月、12月に刈り込みます。

参照元:YOURMYSTAR STYLE by ユアマイスター|サザンカの剪定は年に1度は必須!害虫駆除も同時にやって健康な木に

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サザンカは病害虫の対策も大切!

サザンカは病害虫の対策も大切!

サザンカを元気に育てるためには、病害虫にも注意を払っておくことが大切です。

サザンカに発生しやすい病気と対策

サザンカは、病気によっては木の成長を妨げ、花が咲きにくくなってしまう場合があります。そのため、病気やその対策についてしっかりおさえておきましょう。

すす病

すす病は、葉がすすのような黒いカビに覆われてしまう病気です。カビで覆われてしまうことで光合成を阻害され生育が抑制されてしまいます。すす病を見つけたら、黒くなった葉を取り除いて、殺菌剤を撒きましょう。化学薬品の場合は、治療と予防ができるベンレート水和剤がおすすめです。化学薬品を使用したくない場合は、竹由来の竹酢液を使用すると、症状の改善が望めるでしょう。

もち病

もち病は、通常より数倍大きい葉や枝が生えてくる病気です。カビの仲間である糸状菌の感染により引き起こされます。サザンカに発症すると、膨らんだ葉に白い粉が吹き、まるで焼いたもちのようになり、最終的に枯れてしまいます。もち病が多いのは、春や秋などの、雨が多く日照時間が少ない時期です。発病している場所を見つけたら、早めに切り取ってあげましょう。薬剤を使用する場合は、新芽が出る時期に薬を散布すると有効です。

サザンカに発生しやすい害虫と対策

サザンカは、剪定せずに放置していると、以下のような害虫も発生します。人間に害を与えるものもいるので、予防や対策をチェックしておきましょう。

チャドクガ

4月以降になると、ガの仲間であるチャドクガと呼ばれる害虫が発生しやすくなります。チャドクガはサザンカやツバキを好む害虫で、幼虫の体には毒針毛が無数に生えており、刺されると発赤やかゆみを生じます。

チャドクガは5月頃に羽化し、10月頃まで活動する害虫です。駆除するのは、卵の時期である2~4月頃がベスト。幼虫や卵を見つけたら、枝や葉ごとビニール袋を被せて切り落としましょう。サザンカの剪定の時期に一緒に行うと効率よくできます。

カイガラムシ

カイガラムシは、貝のような固い殻をもつ1~3mm程度の虫です。木の枝に張り付き、樹液を吸ってしまうため、木が枯れてしまいます。カイガラムシは、先に紹介したすす病やこうやく病などの病気も引き起こしてしまうため、見つけたら早めに対策を取りましょう。

5~7月に見られやすい幼虫には、カイガラムシ用のエアゾール系薬液が有効です。月に2~3回、数ヵ月間散布しましょう。成虫は幼虫よりも駆除するのがやや厄介です。薬が効きにくいため、歯ブラシやヘラを使用して丁寧に擦り落としましょう。

ゾウムシ

5~9月に活発な活動を見せるゾウムシは、頭の形がゾウの鼻のようになっている、2~4cm程度の甲虫です。木の枝や幹の中に寄生して木を弱らせます。数が少ない時は、1匹ずつ捕まえて駆除しましょう。大量に発生している場合は、フェニトロチオンという成分が含まれている殺虫剤を散布すると、アブラムシなど他の害虫も一緒に退治してくれて効果的です。

サザンカの剪定が不安な場合はプロの力を借りよう!

サザンカの剪定が不安な場合はプロの力を借りよう!

自然な樹形をキープするための剪定であれば、基本的には年に1回行えば問題ありません。また毎年定期的に剪定していれば、ご自身で行うこともできるでしょう。しかし、生垣に仕立てたい時や病害虫の駆除が難しい場合には、プロの力を借りるのも得策です。

くらしのセゾンで行っている庭木のお手入れサービスでは、専門知識のあるスタッフが丁寧に相談に乗ってくれます。樹木1本からでも対応可能。大きく育った樹木も剪定してくれるので、自分で剪定するのが大変という方にもおすすめです。見積もりや出張費は無料。まずはWEBから問い合わせて相談してみましょう。

庭木のお手入れについての詳細はこちら

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おわりに 

サザンカはそのままでも樹形が整いやすく、放置してしまっている方もいるのではないでしょうか。しかし、放置し過ぎると見た目が悪くなり、害虫などの被害にも遭いやすくなってしまいます。しばらく手入れを怠っているサザンカの場合、剪定するのが大変かもしれません。一度プロに依頼してきれいに整えてもらうと、その後の世話も楽になるでしょう。

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