洗濯機の内部は意外と汚れやすく、放っておくと臭いの原因になったり衣類を痛めたりするリスクがあります。この記事では、洗濯機の汚れの原因と、自分でできるクリーニング方法を解説します。洗濯機の手入れに悩んでいる方、自分で洗濯機を掃除してみたい方におすすめの内容となっています。定期的なメンテナンスで洗濯機を長持ちさせましょう。
(本記事は2024年3月26日時点の情報です)
- 洗濯機の汚れの原因は、衣類から出る繊維くず、洗剤の残留物、水垢、そしてカビやバクテリアの増殖によるものであること
- 洗濯機を自分でクリーニングするには、糸くずフィルターを外して清掃する、お湯を使って洗濯槽を洗浄する、適切なクリーナーを使用するといった方法があること
- 洗濯機を自分で分解洗浄するよりも、プロの手を借りるほうがよいこと
- 洗濯機を清潔に保つには、洗濯機のフタ(ドア)を開けておく、衣類を洗濯槽内に放置しないといったことがポイントであること
洗濯機の汚れの原因と放っておくリスク
洗濯機の汚れは、主に衣類から出る繊維くず、洗剤の残留物、水垢、そしてカビやバクテリアの増殖によって引き起こされます。これらの汚れが蓄積することで、洗濯物に悪臭がついたり、衣類に黄ばみや汚れが残ったりします。
さらに、洗濯機内部の機能部品にも影響を及ぼし、故障のリスクを高める可能性があります。定期的なクリーニングを怠ると、最悪の場合、洗濯の効果を落とすだけでなく、洗濯機自体の寿命を縮めかねません。洗濯機のクリーニングは、健康と衣類の品質を守り、洗濯機を長持ちさせるためにもとても重要です。
洗濯機が汚れるのはなぜ?5つの原因
洗濯機の汚れは、主に以下の5つの原因が考えられます。
- 洗剤の溶け残り
- 水道水に含まれるミネラル成分の蓄積
- 衣服に付着した汚れ
- 水に濡れたホコリ
- 繁殖したカビ
これらが複合的に作用し、洗濯槽内に汚れが蓄積していきます。放置すると洗濯物への悪影響も出てくるため、定期的な掃除が大切です。
洗剤の溶け残り
洗濯槽から洗剤の匂いがする場合、洗剤が溶け残っている可能性があります。特に粉末タイプの洗剤は溶け残りやすい傾向にあり、これがカビの発生源にもなります。
水道水に含まれるミネラル成分の蓄積
水道水には、カルシウムなどのミネラル成分が含まれています。これが乾燥して蓄積すると、水垢となって固い汚れを作ります。洗濯物への直接的な影響は少ないですが、洗剤カスと一緒に溜まるとさらに固い汚れとなり、除去が難しくなります。
衣服に付着した汚れ
洗濯する衣類には、汗や皮脂汚れ、食べこぼしなど、さまざまな汚れが付着しています。これらが洗濯の度に洗濯槽内に蓄積し、洗濯機汚れの一因となります。
水に濡れたホコリ
洗濯機の周囲や内部に溜まったホコリが水分と結合すると粘着性を持ち、洗濯槽内部の汚れとして蓄積します。特に洗濯機の後ろ側や壁との隙間に溜まりやすいです。
繁殖したカビ
洗濯槽がカビ臭かったり、洗濯物に黒いカスが付着したりする場合は、カビが原因です。上記の汚れを栄養にして、洗濯槽の裏側や洗剤投入口など、さまざまな場所に発生します。洗濯機内は湿気が多く、カビの繁殖に最適な環境といえます。
洗濯機の汚れを放置しているとどうなる?
洗濯機の汚れを放置すると、洗濯物に臭いや汚れが残り、洗濯効果が低下します。カビが衣類に付着し、悪臭の原因になるだけでなく、故障のリスクも高まります。洗濯機の内部は見えにくいため汚れが見落とされがちですが、定期的な掃除が必要です。
洗濯効果が低下する
洗濯槽内の汚れが蓄積すると、洗剤の効果が弱まり、洗濯物を十分にきれいにすることができなくなります。汚れが落ちにくくなったり、洗濯物に嫌な臭いが付いたりして洗濯の効果が下がってしまいます。
カビが室内にも広がる
洗濯槽内で繁殖したカビは、洗濯物に付着して外に広がっていきます。部屋干しすれば、洗濯物を介して、室内にカビが蔓延する危険性もあります。洗濯機だけでなく、生活空間全体にカビの被害が及ぶ可能性があるのです。
アレルギーのリスクが高まる
カビや雑菌が繁殖した洗濯槽で洗濯した衣類を身につけていると、アレルギー反応を引き起こすリスクが高まります。特に、アトピーや喘息など、元々アレルギー体質の方はより深刻な症状が出る恐れがあります。
洗濯機を自分でクリーニングする方法
洗濯機のクリーニングは、自分で行うことが可能です。正しい手順と適切な洗剤を使えば、プロに頼らなくても洗濯機を清潔に保てます。
まずは、洗濯機をクリーニングする際のポイントを説明します。
糸くずフィルターなど細かい部品を外す
洗濯機をクリーニングする際は、糸くずフィルター、洗剤投入ケース、乾燥フィルター、排水フィルターなど、取り外せる部品はすべて外して洗います。
これらの部品には、洗濯物から出るホコリや洗剤の残りカスが溜まりがちです。ぬるま湯につけ、ブラシなどでこするときれいになります。細かい部品を一度外してから洗うことで、洗濯機全体のクリーニング効果が高まります。
お湯を使う
洗濯機をクリーニングする際は、40~50℃のお湯を使うのがポイントです。お湯を使うことで、洗濯槽内側の汚れを効果的にふやかし、洗剤の力でカビや汚れを落としやすくなります。また、洗濯機内部のカビや雑菌の殺菌効果も期待できます。一方、水だけだと汚れをふやかす効果が弱く、洗浄力が下がってしまいます。
クリーナーを投入して洗濯槽を洗浄する
洗濯機のクリーニングには、専用の洗濯槽クリーナーを使用するのがおすすめです。市販の洗濯槽クリーナーには、主に塩素系と酸素系の2種類があります。それぞれの特徴を理解して、お持ちの洗濯機に合ったタイプを選びましょう。
【洗濯槽クリーナーの種類と特徴】
メリット | デメリット | 所要時間 | |
塩素系クリーナー | 時間が短くて済む・メーカー推奨であることが多い | 臭いが強い・取り扱いに注意が必要 | 40分~1時間 |
酸素系クリーナー | ツンとした臭いがない・汚れが見える | 手間がかかる・使用NG機種がある | 4~6時間 |
洗濯槽クリーナーを投入することで、洗濯槽内部の汚れやカビを効果的に除去できます。以下で、それぞれのクリーナーの使用方法を詳しく説明します。
塩素系クリーナーの場合
塩素系クリーナーを使う場合は、以下の手順で洗濯槽を洗浄します。
- 塩素系クリーナーを規定量(商品の説明書に記載)入れる
- 洗濯機の高水位まで給水する
- 標準コース(洗濯→すすぎ→脱水)で洗濯機を回す
- 終わったら、洗濯機のフタ(ドア)を開けて内部を乾燥させる
塩素系クリーナーは強力な殺菌・漂白作用があるため、洗浄時間は40分~1時間程度と比較的短時間で済みます。
酸素系クリーナーの場合
酸素系クリーナーを使う場合は、以下の手順で洗濯槽を洗浄します。
- 40~50℃のお湯を洗濯機の高水位まで溜める
- 酸素系クリーナーを規定量(商品の説明書に記載)入れる
- 洗濯機の「洗い」コースで5~10分程度回す
- 洗濯機を停止し、4~6時間放置する
- 浮いてきた汚れをすくい取り、排水する
- 標準コース(洗濯→すすぎ→脱水)で洗濯機を回す
- 終わったら、洗濯機のフタを開けて内部を乾燥させる
酸素系クリーナーは、塩素系よりもマイルドな洗浄力で、泡の力で汚れを浮かせて落とします。お湯を使うことで効果が高まり、汚れを落としやすくなるのです。その分、洗浄時間は4~6時間程度と長めになります。なお、酸素系クリーナーは水を溜めてつけおきすることで汚れを落とすことから、ドラム式洗濯機では使用できない場合があります。
洗濯槽に残ったゴミを取り除く
洗濯槽クリーナーを使って洗浄すると、洗濯槽の裏側に溜まっていた汚れが浮き上がってきます。これらの汚れがそのまま残っていると、洗濯物に付着して衣類を汚してしまいます。
洗濯機を再度回して、浮いてきた黒いゴミやカスを網やネットですくい取りましょう。きれいな水に入れ替えながら、ゴミが出なくなるまでこの作業を繰り返します。
100円ショップなどで売られているゴミすくいネットを使うと便利です。自作する場合は、ハンガーにストッキングをかぶせたもので代用することもできます。
洗剤投入ケースやフィルター、洗濯パンなどをきれいにする
洗剤投入ケースは、取り外してぬるま湯で汚れを洗い流します。汚れが落ちない場合は、ブラシにお風呂用洗剤を付けてこすり洗いをします。洗剤投入口も、ブラシを使って石鹸カスなどの汚れを落としましょう。
糸くずフィルターは、溜まったゴミを取り除いた後、ぬるま湯で洗います。洗剤を使う場合は、しっかりと洗い流すことを忘れずに。フィルターを外した洗濯機の中も、ブラシできれいにしましょう。
洗濯機の下の洗濯パンは、掃除機でホコリを吸い取るところから始めます。隙間のホコリはハンガーにストッキングを被せたものを差し込んで取ります。排水口周りの汚れは、濡らした雑巾で拭き取りましょう。
最後に、洗濯機のフタ(ドア)やパッキン、本体の外側なども乾いた布巾で拭いておくとよいでしょう。
それでもきれいにならない場合の対処法
洗濯機のお手入れをしても、頑固な汚れが落ちなかったり、臭いが取れなかったりした場合は、洗濯機の分解洗浄を検討する必要があります。
ここからは、分解洗浄について見ていきましょう。
自分で分解洗浄はできる?
結論から言うと、洗濯機を自分で分解して洗浄するのはおすすめできません。その理由は以下の通りです。
- 時間と労力がかかる
- 故障のリスクがある
- 洗浄の効果が期待できない
洗濯機の構造は複雑で、分解と組み立てには専門的な知識と技術が必要です。素人が分解を試みると、うまく元通りに戻せなかったり、ネジを紛失してしまったりと、トラブルに繋がる恐れがあります。
また、たとえ無事に分解できたとしても、市販の洗剤では洗濯槽の裏側や奥まった部分の汚れを完全に落とすのは難しいでしょう。結局、満足のいく仕上がりが得られず、時間と手間を無駄にしてしまう可能性が高いのです。
プロの手を借りるのもあり
洗濯機の分解洗浄は、専門の業者に依頼するのがおすすめです。プロに任せれば、以下のようなメリットがあります。
- 専用の洗剤と技術で、隅々まで徹底的に洗浄
- 洗濯機の故障や破損のリスクが少ない
- 作業時間の短縮
プロは細部の汚れを見落とさず、パーツ類も含めて丸ごと洗い上げます。専用の洗剤や高圧洗浄機を駆使するため、家庭用の洗剤では落としきれない頑固なカビや汚れもしっかり除去できるのです。
また、作業による洗濯機の故障リスクはゼロではありませんが、そのような場合に備えた制度があるので安心です。何より自分で行うよりも圧倒的に時間が節約でき、その間に他の家事や用事に専念できます。
くらしのセゾン「洗濯機分解クリーニング」なら丸ごときれい!
洗濯機分解クリーニングを検討しているなら、くらしのセゾンの「洗濯機分解クリーニング」がおすすめです。その最大の特徴は、洗濯機を完全分解して行う徹底洗浄にあります。
洗濯槽だけでなく、洗濯機内部や細かいパーツまで取り外して洗い、高圧洗浄機を使って隙間の奥深くまで洗い上げます。さらに、洗濯機の下の洗濯パンまでしっかり清掃するので、設置場所を含めて衛生的に保てるのが嬉しいポイントです。
もしあなたが東京都・埼玉県エリア(一部対象外地域あり)にお住まいなら、ぜひくらしのセゾンの「洗濯機分解クリーニング」を検討してみてはいかがでしょうか。プロによる徹底洗浄で、洗濯機を丸ごときれいにできるはずです。
くらしのセゾン「洗濯機分解クリーニング【東京都・埼玉県限定】」の詳細はこちら
洗濯機をきれいに保つ5つのポイント
洗濯機をきれいに保つためには、日頃から意識すべきポイントがいくつかあります。ここでは、洗濯機の汚れを予防し、清潔に保つための5つの基本的なポイントを紹介します。
洗濯機のフタ(ドア)を開けておく
洗濯後は、洗濯機のフタ(ドア)を開けて内部を乾燥させることが大切です。フタ(ドア)を閉めたままにしておくと、洗濯槽内に湿気がこもりカビが繁殖しやすくなります。使用後はフタ(ドア)を開けておき、洗濯槽内をしっかりと乾燥させるようにしましょう。
衣類を洗濯槽内に放置しない
洗濯前の汚れた衣類を洗濯槽に入れたまま放置するのはNGです。衣類の汚れが洗濯槽内に蓄積し、カビや雑菌の原因になります。また、洗濯後も長時間洗濯物を放置せず、すみやかに取り出すことが大切です。放置すると洗濯槽内が湿った状態が続き、カビ発生のリスクが高まります。
使用する洗剤は適量を守る
洗剤は汚れ落ちをよくするために、つい多めに使ってしまいがち。しかし、洗剤の使用量が多すぎると、すすぎ切れずに洗剤が残留してしまいます。適量を守ることで、洗剤カスの蓄積を防ぎ、洗濯槽内を清潔に保てます。
週に一回洗濯槽乾燥を行う
槽乾燥機能のある洗濯機なら、週に1回は「槽乾燥」コースを使って洗濯槽内を乾燥させましょう。普段の洗濯では使わない場合でも、定期的な槽乾燥は湿気とカビ対策に効果的です。
月に一回洗濯機を掃除する
洗剤の溶け残りや衣類に付着した汚れは、洗濯槽内に蓄積していきます。放っておくとカビや雑菌の温床に。月に一回は洗濯槽クリーナーなどを使って、しっかりと洗濯槽内を掃除しましょう。フィルターなどのお手入れを一緒に行うのも効果的です。
おわりに
洗濯機のクリーニングは、家庭内の衛生状態を保つ上で非常に重要です。日常的に使用する洗濯機は、見た目以上に多くの汚れやカビが蓄積しています。この記事では、洗濯機の汚れの原因から、自分でできるクリーニング方法、さらにはプロに依頼するメリットまで、幅広く解説しました。これらのポイントを取り入れることで、洗濯機の性能を長期間維持し、衣類を清潔に保つことができます。定期的なメンテナンスと適切なクリーニング方法を実践することで、洗濯機から清潔な洗濯物を取り出す喜びを感じることができるでしょう。