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果樹剪定の基本を知って味も見た目も楽しもう!種類別の適切な時期や注意点も

果樹剪定の基本を知って味も見た目も楽しもう!種類別の適切な時期や注意点も
セゾンのくらし大研究 編集部

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果樹を自宅で育てている方なら、美味しい実をつけさせるために剪定は欠かせません。しかし、剪定の方法を間違えると枝を傷めたり、来年の実りに影響したりする可能性も。そこで本記事では、果樹の種類別に適切な剪定時期と方法、注意点などを詳しく解説します。自信を持って果樹栽培を楽しめるよう、剪定の基本をマスターしましょう。
(本記事は2024年4月26日時点の情報です)

この記事を読んでわかること
  • 果樹を剪定する主な目的は、花や実をつけやすくする、病気や害虫の発生を防ぐ、美しい樹形を保つことである
  • 果樹の剪定方法には、混み合った枝を間引く「間引き剪定」と、長い枝を途中で切る「切りつめ剪定」の2種類がある
  • ミカン、カキ、モモ、ブドウなど果樹の種類によって、適切な剪定時期や方法が異なる
  • 剪定時は、太い枝を無理に切らない、剪定鋏を力任せに使わない、ケガや事故に注意するなどの点に気をつける必要がある
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果樹を剪定する目的

果樹を剪定する目的

果樹の剪定には大きく分けて次の3つの目的があります。

  • 花や実を確実につけるため
  • 病気・害虫の発生を防ぐため
  • 樹形の美しさを保つため

それぞれの目的に合わせた剪定を適切な時期に行うことで、家庭でも味と見た目を兼ね備えた果樹栽培を楽しめるでしょう。

花や実を確実につけるため

一般に、植物は若いうちは枝葉をつくることを優先するため、花つきは悪くなり、当然実もつきません。植物が成熟し、花の咲く年齢、大きさに達すれば開花、結実して子孫を残そうとするので、ほうっておいても花が咲き、実もなります。

しかし、庭や鉢植えでは花の咲く年齢まで大きく育てるわけにはいきません。コンパクトな樹形をつくり、その樹形を維持して、確実に実をつけさせるには、いつ、どの部分に花芽ができ、どのような実のつき方をするか(結果習性)を知り、的確に剪定しなければなりません。

病気・害虫の発生を防ぐため

果樹の枝葉が生い茂り、込み合うことで、日当たりや風通しが悪くなり、病気や害虫が発生しやすくなります。ふだん目の届きづらいところから発生し、気がつかないうちに被害が広がるので注意が必要です。定期的に剪定をして、樹木の内部、下枝まで日当たりと風通しをよくしておくことが大切です。

また剪定で不要な枝葉を減らすことで、万が一、病害虫が発生したときも様子の変化に気がつきやすく、早期に発見して対策を打つことが可能です。

樹形の美しさを保つため

家庭果樹の場合は、果実を大量に生産する果樹園とは異なり、実のなる庭木として庭全体が調和するように剪定します。樹形、葉や花、実の鑑賞、果実の賞味などそれぞれが楽しめることが求められます。

すなわち小柄で美しく、毎年実をつけるような樹形に整枝することが大切です。庭植え、鉢植えとも、それぞれの果樹の生長に合わせた樹形作りを行います。樹形を整えるには3年くらいかかりますが、樹形づくりを楽しみながら仕立てていきましょう。

果樹剪定の基本1|剪定方法

果樹剪定の基本1|剪定方法

果樹の剪定には、大きく分けて「間引き剪定」と「切りつめ剪定」の2つの方法があります。

どちらも剪定の目的は同じですが、枝の切り方が異なります。それぞれの特徴を理解して、適切な方法を選びましょう。

間引き剪定

間引き剪定とは、枝を間引くことで日当たりや風通しをよくする剪定方法です。混み合った枝を枝の付け根から切り取って枝数を減らします。

これにより、残った枝に十分な日光が当たるようになり、病害虫の発生も予防できます。

切りつめ剪定

切りつめ剪定は、切り返し剪定ともいわれ、長すぎる枝を枝先から基部へ向かって短く切りつめる方法です。間引き剪定とは異なり、枝の途中で切り落とすのが特徴です。

果樹は切りつめた枝の切り口から新しい枝が伸びやすい性質があります。そして、その新しい枝に花芽がつきやすいのです。つまり、切りつめ剪定で枝に刺激を与えることで翌年の着果率を上げることができるのです。

果樹剪定の基本2|剪定に必要な道具

果樹剪定の基本2|剪定に必要な道具

果樹の剪定を行う際には、適切な道具を用意することが大切です。

必要な道具としては、は以下があります。

  • 剪定鋏
  • 剪定ノコギリ
  • 癒合剤
  • 軍手
  • 脚立

【剪定鋏】

剪定鋏は、細い枝を切るのに適しています。刃の形状や大きさによって用途が異なるので、目的に合った剪定鋏を選びましょう。

【剪定ノコギリ】

太い枝を切る際には、剪定ノコギリを使用します。枝の径に合ったノコギリを選ぶことが重要です。

【癒合剤】

切り口から水分や養分が流出するのを防ぎ、雑菌の侵入を防ぐために、切り口に癒合剤を塗ります。

【軍手】

枝を切る際には、怪我を防ぐために軍手を着用しましょう。木の樹液で手が汚れるのも防げます。

【脚立】

高い位置の枝を切る場合は、脚立を使用します。安定感のある脚立を選び、転落に注意しながら作業を行ってください。

上記のほかにも、切った枝を集めるための熊手や、ゴミ袋なども用意しておくと便利です。

主な果樹の具体的な剪定方法と時期

主な果樹の具体的な剪定方法と時期

果樹の剪定は、基本的に木が休眠期に入る冬の間に行うのが理想的です。この時期に剪定をすると、木へのダメージを最小限に抑えることができます。

ここでは、代表的な果樹である、ミカン、カキ、モモ、ブドウの剪定方法と時期について解説します。

ミカン

ミカンの剪定適期は、新芽が出る前の2~3月頃です。剪定の目的は植え付け年数によって異なります。若木の時は樹形を整えることを重視し、成木になったら日当たりや風通しを良くすることを目的とします。

カキ

カキの剪定は12月~2月頃に行います。基本的に毎年剪定が必要です。冬の剪定では不要な枝を取り除き、樹形を整えます。また、6月~7月にも枝や葉の込み合いを解消するために剪定を行うとよいでしょう。

モモ

モモの剪定も12月~2月頃が適期です。主枝となる2本の枝を選び、それ以外は枝元から切り落とします。残す2本の枝は、樹形が「Y字」になるように配置するのがポイントです。

ブドウ

ブドウの剪定時期は1月~2月頃です。基本は主枝となる枝を1本選び、その他の枝は間引きます。残した主枝は支柱に誘引して固定します。房が低い位置にならないよう、枝の高さにも注意が必要です。

そのほかの果樹の剪定時期一覧

そのほかの果樹の剪定時期一覧

先に紹介した果樹以外にも、さまざまな果樹があります。それぞれの果樹に適した剪定時期を知っておくことで、健全な生育と豊かな実りを促すことができるでしょう。

以下の表に、その他の代表的な果樹の剪定時期をまとめました。

果樹名剪定時期
キウイフルーツ1月
ウメ12月~2月
ブルーベリー12月~2月
カンキツ類3月
イチジク3月
キンカン3月~5月
ビワ2月~3月
ムベ5月~6月
リンゴ1月
ラズベリー12月~2月
パパイヤ4月~7月
パッションフルーツ11月~3月

果樹を剪定するときの注意点

果樹を剪定するときの注意点

果樹剪定は、樹形を整えて日当たりや風通しを良くすることで、おいしい実をつけることにつながります。また、見た目の美しさも保てるメリットがあります。

一方で、剪定の仕方を間違えると、かえって木に負担をかけてしまったり、ケガや事故につながったりする危険性もあるので、注意が必要です。

ここでは、剪定時の注意点について解説します。

木に負担をかけないようにする

剪定で太い枝を切る際、力任せに切ろうとすると、木に大きなダメージを与えてしまいます。枝の下側に切り込みを入れてから上側から切り落とすようにすれば、木への負担を軽減できます。

切り口からは雑菌が入りやすくなるので、切り終わったらすぐに癒合剤を塗ってコーティングするのがおすすめです。

剪定鋏を力任せに使わない

剪定鋏を力任せに使うと、手首や腱に大きな負担がかかり、腱鞘炎などの原因にもなりかねません。コツをつかめば、少ない力でスパッと枝を切れるようになり、切断能力も飛躍的に向上します。

枝を挟んだら上から下へ切り落とすイメージで、上から力を入れて切るのがポイントです。

ケガや事故に充分注意する

剪定作業では脚立に乗ったり、刃物を使ったりするため、バランスを崩して転落したり、刃物で手を切ったりする事故につながる危険性があります。そのため、事前に安全対策をしっかりしておくことが大切です。

脚立をしっかり固定し、踏み外さないよう注意しましょう。風が強い日や、足場が濡れているときは作業を控えるのも賢明です。

果樹の剪定で困ったらプロにまかせよう

果樹の剪定で困ったらプロにまかせよう

果樹の剪定は、樹形を整え、おいしい果実をつけるために欠かせない作業ですが、果樹の種類によって適切な時期や方法が異なります。ご自身で剪定を試みても、失敗して枝を傷めてしまったり、翌年の実りに影響が出てしまったりすることもあるでしょう。

果樹剪定の難しさを感じたら、無理をせずプロの手を借りるのがおすすめです。専門知識を持った剪定のプロなら、それぞれの果樹に合わせた最適な方法で、安全かつ的確に剪定を行ってくれます。

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おわりに 

果樹の剪定は、おいしい果実を収穫し、美しい樹形を保つために欠かせない作業です。この記事では、剪定の目的や基本的な方法、具体的な果樹別の剪定方法と時期、注意点などを詳しく解説しました。剪定の知識を身につけることで、自信を持って果樹の育成に取り組み、豊かな収穫と見た目の美しさを楽しむことができるでしょう。

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