庭木の存在は、景観を良くしてくれたり自宅の目隠しになったりと、さまざまなメリットがあります。そんな庭木の美しい景観を保ち、植物自体の健康をサポートするためには、定期的な剪定が必要です。そこで気になるのがプロにお願いした際の料金です。今回は、庭木の剪定に掛かる費用の相場をご紹介します。また、詳しい料金システムや費用を安く抑える方法など、知って得する情報も一緒にお伝えします。
庭木剪定を依頼するとどれくらいの料金が掛かる?
では早速、庭木剪定の代表的な料金システムと相場について紹介します。
庭木(植木)剪定の料金システムは大きく分けると2種類
庭木の剪定には、大きく分けて2種類の料金システムがあります。どんなシステムなのか、詳しくチェックしていきましょう。
日当制
日当制は、剪定専門の職人1人が行う、作業日数に対して費用を支払うシステムです。1日○○円と決まっている場合もあれば、1時間○○円と時給制にしている事業者もあります。
単価制
単価制は、庭木1本当たり○○円と、庭木の本数に対して料金を設定しているシステムです。また、生垣の場合には幅と高さごとに、植え込みの場合は大きさ・高さ・面積によって料金設定しているのが定番です。
日当制の料金相場
日当制の料金相場は、職人1人当たり15,000〜30,000円程度です。また、時給制の場合は、1時間2,000〜3,000円程度が相場とされています。地域によって料金に差があり、都会では高く、地方では安い傾向にあります。
庭木の剪定は、庭木の高さや剪定範囲などを考慮して予想作業時間を割り出し、見積もりを出します。そのため、職人の作業スピードなどによって剪定に必要な日数が変動しやすい傾向があります。予定よりも剪定の時間を要すれば見積もりよりも料金が高くなるため、事業者選びは慎重に行いましょう。
しかし、広い庭に植えられた木を剪定する場合、スピーディーに作業が進めば、費用が抑えられることもあります。
単価制の料金相場
単価制の場合は、木の高さや生垣の大きさなど、木の本数や大きさ、範囲によって異なった料金設定をしている事業者がほとんどです。そのため、日当制のように多く時間が掛かっても料金が変動しにくい特徴があります。
この単価制の剪定は、小規模な庭であれば料金の最適化が図れるでしょう。単価制の料金設定は少し複雑なため、以下で詳しく解説していきます。
単価制の料金相場を詳しく見てみよう
先ほどもご紹介したように、単価制の料金相場は、木の本数や大きさ、範囲などによって異なります。つまり、木を剪定するのか、生垣を剪定するのか、または植え込みを剪定するのかで料金設定に違いがあるということです。そこでこちらでは、木・生垣・植え込みのそれぞれの料金相場をご紹介します。
木の剪定相場
木の剪定を行う場合の相場は、10,000円前後。その中でもさらに細かく分けると、高さが3m未満の低い木は1本当たり3,000円前後、高さ3~5メートルの中くらいの高さの木は1本当たり7,000円前後、高さ5~7mの高い木は15,000円前後が相場といわれています。
7m以上の大きな木になると、特殊作業車などを手配する必要があるため、個別に見積もりが必要なケースが多いようです。
生垣の剪定相場
隣家や道路との境目によく作られる植物で作った垣根が生垣です。生垣の剪定は高さと範囲によって料金が設定されている場合がほとんどです。
幅1mの垣根で高さが3m未満であれば、およそ3,000円が相場となっています。3m以上の垣根の場合は、個別見積もりになっている事業者が多いようです。
植込みの剪定相場
植え込みは、高い木や低い木など、さまざまな高さ、種類の植物を1か所にギュッと集めて植えている状態を指します。植え込みの剪定は、主に範囲と植物の高さを目安に料金設定されることがほとんどです。
1㎡当たり500〜1,000円ほどが相場料金で、植物の高さが1m以上ある場合は、個別に見積もり相談するケースが多いようです。
庭木剪定以外で掛かる費用とは?
庭木剪定では、剪定作業以外でも料金が発生する場合がほとんどです。料金が想定外に高いと感じないよう、剪定以外で掛かる費用もチェックしておきましょう。
ゴミ処理費用
剪定した後には、必ず切り落とした枝である「剪定枝」が発生します。この剪定枝は、分かりやすくいうとゴミです。そのため、剪定には必ずこの剪定枝を処理するゴミ処理料金が発生することを覚えておきましょう。
ほとんどの場合、見積もりの段階でゴミ処理料金も一緒に記載されているはずですが、料金が明記されていないときにはきちんと確認するのがおすすめです。
ゴミ処理料金の相場は、45Lのゴミ袋で1袋当たり500〜1,000円程度が相場です。広範囲の剪定や大きな木の剪定を行って多くの剪定枝が発生した場合などには、軽トラック1台分でおよそ3,000〜8,000円が相場となっています。
駐車場代や出張費用
剪定専門の会社に来てもらう場合、作業車を使って職人が自宅を訪れることがほとんどです。そのため自宅に作業車の駐車スペースがない場合は、別途駐車場料金も必要になります。
さらに、遠方の剪定専門の会社に作業をお願いする場合、出張費用が必要になることもあるため、覚えておきましょう。
庭木の消毒
庭木を害虫などから守るために、消毒作業を行っている事業者もあります。消毒作業はオプションでプラスすることがほとんどで、庭木をより健康に保ちたい場合や、人通りが多く害虫対策をしたい場合などに向いています。
そんな庭木の消毒作業を頼んだ場合には、1本当たり3,000円程度が相場です。木の高さが低ければ安く、高ければ高くなる傾向です。
重機の使用
大きな庭木の剪定や伐採、根を抜く作業が必要な場合など、重機を使用するケースもあります。重機を要する際には、別途料金が発生し、その相場は10,000円程度です。剪定や伐採した幹の大きさや高さなどで料金が変わるため、剪定作業が開始される前にしっかり確認しておきましょう。
庭木剪定専門会社を選ぶ際のポイント
多くの庭木剪定専門の会社があり、何をポイントにどう選べば良いか迷うこともあるでしょう。そこで、上手に剪定専門会社を選ぶ際のポイントをご紹介します。
同業他社に見積もりを依頼する
まずは、同業他社に見積もりをお願いしましょう。過去の実績や口コミなどを参考に、事業者を3つ程度にしぼり、見積もりを比較してみてください。そうすれば、界隈でもずば抜けて高い金額になってしまうことは避けられるでしょう。
また、見積もりを比較する際に、事前に現地調査などをして詳しく調査してくれるか、見積もり内容が明瞭かどうかも一緒にチェックしましょう。現地調査などを行わず大まかに見積もりを出したり、何にどれくらいの費用が必要なのか記載されていなかったりする場合、作業後の料金が大幅にアップする可能性があるので注意が必要です。作業後のトラブルを回避するためにも、見積もりの比較はできるだけ行うように心掛けましょう。
住んでいる地域の料金相場を調べ比較
剪定の料金は、地域によって差があります。相場よりも高い料金を支払って、損をしないためにも、まずはご自身が住んでいる地域の料金相場を調べ、把握しておくことが大切です。
料金が安過ぎる場合、満足のいくサービスが受けられない場合もあります。というのも、剪定は職人の技術力が大きく関わるサービスです。あまりに安過ぎる事業者を選ぶことで、思うような仕上がりにならない場合もあるので注意しましょう。
明確な料金表があるかチェック
剪定専門会社を選ぶ際、明確な料金表があるかどうかもチェックポイントです。大まかな料金表しかない場合は、実際に支払う料金が分かりにくく不親切な印象で、中には追加で余計な費用が発生する危険性もあります。見積もりと実際の作業後の料金の誤差をできるだけ小さくする意味でも、明確な料金表があるかどうかをしっかり確認しましょう。料金表をもとに、見積もりをしっかりチェックすることも大切です。
実績や評判をチェック
剪定作業は、職人の技術力が重要ポイントです。技術力が高ければ、スピーディーに美しい仕上がりになります。せっかく料金を支払ってプロにお願いするのであれば、誰しも美しい仕上がりを期待するものです。そこで、過去の実績や口コミなどを参考に評判をチェックして、信頼できそうな事業者を選んでみてください。信頼できる方から、おすすめの剪定専門会社を紹介してもらうのもひとつの方法です。
担当者の接客態度をチェック
実際に現場で剪定作業を行う職人の技術力や人柄なども重要ですが、担当者の接客態度もチェックポイントです。担当者の良し悪しで、選定作業を誠実に行ってくれるかどうかが決まる場合もあります。
お問い合わせの際の対応や見積もりの内容、レスポンスなどを参考に、担当者の対応を見極めてみてください。丁寧に対応してくれる、疑問点に快く回答してくれるなどをチェックポイントとして覚えておくと、満足のいく事業者が見つけられるはずです。
庭木剪定費用を安く抑える方法
プロの職人にお願いして行う剪定作業には、ある程度費用が必要ですが、少しでも費用を抑えたいと思っている方も多いはず。そこで、できるだけ費用を安く済ませる方法をご紹介します。
自分で剪定する
剪定費用を抑えたい場合は、ご自身で行う方法があります。それほど高さのない庭木や狭い範囲の剪定など、あまり手の込んだ作業でない場合であれば、ご自身で行うことができるでしょう。
しかし、剪定作業をご自身で行うと、虫刺されやケガのリスクがあります。また、必要な知識や技術がなく、見栄えが悪くなったり庭木が枯れてしまったりする可能性も否定できません。ときには、剪定枝の処理に困ることもあるでしょう。そのため、自信の無い方は、知識と経験が豊富なプロの事業者や職人に任せるのがおすすめです。
葉が落ちている冬がおすすめ
剪定作業の費用を抑えるには、気温が低く、庭木が休眠期に入る冬がおすすめです。具体的には12〜3月頃です。この時期は乾燥しているため、枝が軽くなり作業が捗りやすくなります。
また休眠期のため、剪定枝の量も少なくなる傾向があります。秋冬にかけて葉が落ちる落葉樹であれば、ゴミの量がグッと少なくなり、ゴミの処理費用が抑えられる可能性が高くなります。
剪定枝のリサイクルでゴミ処分費用を削減
剪定費用を抑えるために、剪定枝のリサイクルを利用し、ゴミ処理費用を削減する方法があることも頭に入れておきましょう。
例えば、神奈川県の茅ヶ崎市では、剪定枝をリサイクルして燃料チップや堆肥にする事業が行われています。剪定枝をリサイクル施設に持ち込むか、電話で連絡して回収依頼をし、剪定枝をリサイクルする方法が採用されているそうです。このように、剪定枝をリサイクルすることで、ゴミ処理費用が削減され、結果的に料金を安く抑えることができるでしょう。
自治体によっては、剪定枝のリサイクル事業を行っていない場合もあるため、自治体のWEBサイトや電話などで確認してみてください。
庭木剪定を依頼できる専門会社とは?
庭木剪定はどこにお願いすれば良いのか、作業を請け負っている専門会社をご紹介します。
植木屋・造園業
まず代表的なのが、植木屋や造園業を営んでいる会社です。庭木への知識が豊富で、高度な技術や専門的な資格を持つ職人が在籍しています。
植木屋は剪定や薬剤の散布、木の移植や伐採など植物の管理を得意としています。景観を整えると同時に、植物が枯れてきた、もっと花を咲かせたいなど、植物の健康状態が気になる場合におすすめの事業者です。一方で造園業は、庭木の剪定と一緒に庭をトータルでプロデュースすることを得意としています。庭の雰囲気を大きく変えたいときや池などがある庭の場合は、造園の専門会社にお願いすると良いでしょう。
カインズなどのホームセンター
ホームセンターのなかには、アウトドア用品やDIYグッズなどだけでなく、庭を彩る植木も豊富に販売している店舗もあります。植木を販売しているホームセンターでは、購入後のお手入れに剪定サービスを提供している場合もあります。ホームセンターは、比較的店舗数が多く、自宅から最寄りにある可能性が高いことなどから、気軽に頼むことができます。
シルバー人材センター
シルバー人材センターは社団法人です。地域貢献を主な目的としているため、比較的リーズナブルな価格で、さまざまなサービスを提供しています。
中には剪定作業が含まれている場合もありますが、その安さから人気があり、お申し込みから実際の作業まで1〜2カ月程度掛かる場合もあるため、余裕を持って利用するのがおすすめです。また、高所作業などの危険を伴う作業は請け負っていないことが多いので、注意しましょう。
くらしのセゾンの庭木のお手入れ
くらしのセゾンの「庭木のお手入れ」では、長年経験のある造園業のプロが、自宅の庭木やマンションの植栽管理などに幅広く対応しています。また、マンション・アパートのメンテナンス管理サービスがあり、植栽選定作業だけでなく、清掃や定期点検なども一緒にオーダーできるセットも用意されていて便利です。
おわりに
庭木を美しく健康的に維持するには、プロに任せるのがおすすめです。まずはご自身が住んでいる地域の相場を把握して、事業者選びに取り掛かりましょう。また、庭木の休眠期である冬に剪定を行うことや剪定枝をリサイクルするなど、コストを抑えるひと工夫も覚えておきたいポイントです。見積もりを比較したり、担当者の対応をチェックしたりなど、上手な選び方を参考に、理想的な料金でサービスを提供してくれる事業者を探してみてください。