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畳にカビが発生したときの対処法!カビの種類による掃除方法や注意点

畳にカビが発生したときの対処法!カビの種類による掃除方法や注意点
セゾンのくらし大研究 編集部

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畳にカビが発生して困った経験はありませんか。畳はデリケートな性質を持っている上に、断熱性・気密性に優れている現代の住まいが影響して、カビの温床になりやすいです。

このコラムでは、畳にカビが発生したときの対処法や、カビの種類別の掃除方法などを紹介します。畳にカビが発生して困っている方や、畳のカビを予防したい方はぜひ参考にしてください。

畳にカビが発生する原因は?

1.畳にカビが発生する原因は?

畳のカビを対処するには、まずカビが発生する原因を知っておきましょう。畳にカビが発生する主な原因は「高温多湿な環境」「畳に敷く布団」「湿気を吸収するイ草」です。以下で詳しく紹介していきます。

高温多湿な環境

畳は、室温20~30度、湿度75%以上の高温多湿な環境になると、カビが発生しやすくなります。換気が不十分で、風通しが悪く湿気が多い、室温が上がっているような条件の部屋は注意しましょう。

梅雨の時期は、気温と湿度の高い状態が続くため、特に注意が必要です。日中家におらず部屋を締め切っていたり、タンスなどの家具を多く置いて風通しが悪くなっていたりする部屋も、カビが発生しやすいでしょう。

畳に敷く布団

畳に直接布団を敷いて寝ている場合、カビが発生しやすくなります。人は寝ているとき、一晩でコップ約1杯分の汗をかきます。汗を布団が吸収し、その下にある畳が湿ることでカビが発生しやすくなります。

特に、畳の上にずっと布団を敷きっぱなしにしていると、畳がカビだらけになることもあるため、定期的に布団を畳むなどして、布団と畳が接している時間を減らしましょう。

湿気を吸収するイ草

畳に使用されている天然のイ草は、細かい穴が無数に空いているため、空気中の湿気を吸収する性質があります。湿度の高い状態が続くと、イ草が吸収できる湿気の量を超えてしまい、畳にカビが発生してしまいます。

湿気を吸収するイ草の性質は、畳が新しければ新しいほど強く働くため、新しい畳を敷いている場合は特に注意しましょう。

畳に発生するカビの種類

畳にはどのような種類のカビが発生するのでしょうか。以下では、畳に発生しやすいカビの種類と特徴を見ていきます。カビの種類を見分けられるようになることで、対処もしやすくなります。

緑カビ

緑カビは、パンやお餅などにも発生する「ツチアオカビ」と呼ばれるカビです。本来は土壌に存在して落ち葉や木材を分解する役割を担っていますが、空気中を漂って家の中にも侵入し、畳や洋服などに付着して増殖します。

緑カビは軽度なカビなので、簡単に落とすことができますが、木材に広がると腐ってしまうため、注意が必要です。

白カビ

白カビは、白くてふわふわとした見た目が特徴で、至る所に発生する緑カビの仲間です。白カビはとても軽いため、空気中を浮遊し、さまざまな物や場所に付着して増殖します。

白カビを放置していると、家具や建材に影響を及ぼす、ダニなどの害虫を呼び寄せてしまうこともあるので注意しましょう。

緑カビと同様に軽度のカビなので、比較的落としやすいといえるでしょう。畳の他にも、靴箱や観葉植物、クローゼットなどに繁殖しやすいといわれています。

黒カビ

お風呂場や窓のサッシなど家の中でよく見られる黒カビは「クラドスポリウム」といい、畳にも発生します。黒カビは、素材の奥に根を張って生存するのが特徴の菌です。

そのため、緑カビや白カビに比べると落としにくく、一度落としてもまた別の場所に発生してくることもあります。

どのカビも、アレルギー症状の原因となる健康被害のリスクがあるため、しっかりと対策しておきましょう。

畳のカビ取り方法を知ろう!

4.畳のカビ取り方法を知ろう!

白カビ・緑カビ・黒カビなど、カビの種類を紹介してきましたが、それぞれ掃除の仕方が異なります。以下では、カビの種類別に掃除方法を紹介します。

緑カビ・白カビの場合

比較的軽度なカビである、緑カビ・白カビの掃除に必要なアイテムや掃除手順を見ていきます。

準備するもの

  • 濃度70~80%のエタノールもしくは無水エタノールと精製水を8:2で混ぜたもの(またはお酢)
  • 空のスプレーボトル
  • ゴム手袋
  • 雑巾
  • マスク

掃除手順

  1. カビの胞子を吸い込まないようにマスクを着用し、エタノールで肌が荒れるのを防止するためゴム手袋を装着します。
  2. 室内に浮遊しているカビの胞子を、外へ追い出すために部屋を換気し乾燥させます。
  3. 部屋を換気・乾燥させたら、エタノールまたはお酢をスプレーボトルに入れ、カビに吹きかけて、20分ほど放置し馴染ませましょう。
  4. 時間が経ったらスプレーした場所を一度拭き取ります。
  5. 再度スプレーを吹きかけたら、畳の目に沿って乾いた雑巾で拭き取りましょう。
  6. 最後に、部屋をしっかりと乾燥させて終了です。

換気をする際、天気の良い日は換気扇を回したり窓を開けたりし、天気の悪い日は除湿機やエアコンの除湿機能を活用しましょう。

エタノールまたはお酢をカビに吹きかけて放置する際は、しっかりと時間をおいてカビの根まで浸透させるのがおすすめです。

黒カビの場合

畳に黒カビが発生している場合、エタノールでの除去は難しいので、カビを中和できる重曹を使用します。以下では、必要なアイテムや掃除手順を見ていきましょう。

準備するもの

  • 濃度70~80%のエタノールもしくは無水エタノールと精製水を8:2で混ぜたもの(またはお酢)
  • 重曹
  • 歯ブラシ
  • 空のスプレーボトル
  • ゴム手袋
  • 雑巾
  • マスク

掃除手順

  1. 緑カビや白カビと同様に、まずはマスクと手袋を装着してから、掃除を始めましょう。
  2. 窓を開け、室内に浮遊しているカビの胞子を外へ追い出します。
  3. 黒カビに粉のままの重曹を振りかけ、その上からスプレーボトルに入れたエタノールを吹きかけましょう。
  4. 歯ブラシで畳の目をこすり、黒カビを掻き出します。
  5. 黒カビを掻き出したら、再度スプレーをして仕上げに拭き上げましょう。
  6. 最後にしっかりと乾燥させて終了です。

重曹は畳を変色させてしまう恐れがあるため、黒カビのある部分にピンポイントで使用します。黒カビが発生している範囲が狭い場合は、綿棒などを使用するのがおすすめです。また、歯ブラシで黒カビを掻き出す際は、畳を傷付けないように優しくこすりましょう。

畳のカビ取りをするときの注意点は?

5.畳のカビ取りをするときの注意点は?

畳のカビ取りをする際は、いくつか注意しなければならない点があります。それは、「水拭きしない」「叩かない」「重度の黒カビ以外では重曹は使用しない」です。以下でその3点について詳しく説明していきます。

水拭きしない

畳のカビ取りをするときにやってはいけないのが、水拭きです。水拭きをすると畳の湿気が多くなり、かえって畳のカビの発生を促進させてしまう恐れがあります。

さらに、畳のイ草は水に弱く、濡れている状態でこするとボロボロになってしまうかもしれません。

そのため、畳のカビ取りや掃除をする際は、水拭きを避け、水分を含まないエタノールなどを使用するようにしましょう。

水拭きをしないと取れないような汚れの場合は、硬く絞った雑巾を使用して、最後にしっかりと乾燥させることが大切です。

叩かない

畳のカビ取りをする際は、カビが発生している部分を叩いてはいけません。カビが発生している部分を叩くとカビの胞子が空気中に舞い上がって部屋中に広がり、吸い込んでしまう恐れがあるからです。

さらに、畳の目の奥に深く入り込んでしまう恐れもあるため、畳のカビ取りは叩かずに慎重に行いましょう。

重曹は使用しない

畳に重曹を使用すると、イ草が重曹のアルカリ成分に反応し黄ばんでしまう恐れがあります。重曹を使用する場合は重度の黒カビのみにして、緑カビや白カビなどの軽度のカビの場合はエタノールを使用するようにしましょう。

畳のカビを予防する方法

畳をきれいにしても、再度カビが発生したら残念です。畳に発生したカビをきれいに対処できたら、今後カビを発生させないような工夫が必要です。ここでは、簡単にできる畳のカビを予防する方法を見ていきましょう。

換気をする

カビが発生する主な原因は湿気であることから、部屋の定期的な換気が有効です。普段あまり使用しない部屋でも窓を開けて定期的に換気するだけで、カビを防げます。

1時間程度窓を開けておくと良いでしょう。このとき、サーキュレーターや扇風機を使って風通しを良くすると効率的に換気できます。

特に、マンションやアパートなどの集合住宅は、空気がこもりやすいため、高い頻度で換気するのがおすすめです。

エアコンの除湿機能を使用する

エアコンの除湿機能の活用も、畳のカビの予防に役立ちます。エアコンをよく使う夏や冬はもちろん、あまりエアコンを使用しない春や秋にも除湿機能をオンにして数時間運転させましょう。

それだけでも畳が吸収した湿気を取り除けます。同時にサーキュレーターや扇風機を使うと効果的です。

畳の部屋では洗濯を干さない

畳のカビを防ぐには、畳の部屋で洗濯物を干さないことが大切です。洗濯物を部屋干しすると当然、水分が部屋に発散されて湿度が上がってしまいます。

そのため、畳の部屋での部屋干しはできるだけ避けましょう。また、他の部屋で洗濯物を干す際も、和室の扉を閉めておくことで湿度が上がるのを防げます。

こまめに掃除を行う

こまめな掃除は、カビの発生を抑制させることが可能です。カビは湿気や温度とともに、ホコリや汚れを栄養にしています。

畳の上を裸足で歩いたり横たわったりするだけでも、カビの大好物である人間の皮脂や垢が落ちるため、こまめに掃除を行うことが重要です。

また、大きなタンスなどを畳の部屋に置いている場合、タンスの裏にカビの栄養になるホコリが大量に溜まっている可能性があるので、大きな家具も定期的に移動させて掃除しましょう。

畳に掃除機をかけるときは、畳の目に沿って優しくかけるようにすることで、畳を傷付けることなく目に詰まったホコリを取れます。

お酢を活用する

お酢の活用は畳のカビを予防するのに効果的です。週に一度、掃除機をかけた畳にお酢を吹きかけて、畳の目に沿って乾拭きしましょう。

お酢には殺菌効果があるため、カビの予防に役立ちます。さらに、消臭効果もあるので、カビ臭い場合の臭い消しにも有効です。

ただし、漂白効果もあり新品の畳に使用すると変色の可能性があるため、注意しましょう。

お酢の臭いが苦手な方はお酢ではなく、水500mlに小さじ2杯のクエン酸を混ぜたスプレーで代用しても効果が期待できます。

布団のお手入れをする

畳の上に布団を敷いて寝ている場合、布団が吸収した寝汗が原因で畳にカビが発生する恐れがあるため、布団のお手入れをこまめにすることで、カビの発生を抑制できます。

布団乾燥機の使用や天日干しで、布団の湿気を逃しましょう。できれば直接畳に布団を敷かない方が、畳のカビを予防できます。すのこなどを使用して、畳と布団の隙間を作ると効果的です。

おわりに 

畳にカビが発生する原因は、高温多湿な環境やホコリなどの汚れです。もし畳にカビを発見したら、まずはどのような種類のカビなのかを見極め、そのカビに適した対処を行いましょう。

畳のカビを対処したら、再度発生しないように、普段から換気や掃除をしたり布団のお手入れをしたりして予防することが重要です。それでも気になる汚れや落ちないカビの汚れなどは、ハウスクリーニングの利用もおすすめです。

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