魚をふっくら美味しく焼きあげてくれる魚焼きグリル。しかし、掃除方法がよく分からないという方も多く、実は充分なお手入れができていない方も多いのではないでしょうか。魚焼きグリルに付いた汚れを放置していると、頑固な汚れへと変化します。
このコラムでは、魚焼きグリルの掃除に便利なアイテムや掃除方法、きれいに保つための裏ワザなどについてご紹介します。魚焼きグリルの頑固な汚れに困っている方、徹底的に掃除をしたい方は必見です。
魚焼きグリルの汚れの原因は?
汚れを見つけても、ついつい後回しにしたり見て見ぬふりをしてしまう魚焼きグリル。しかし、その汚れは放置していると、次第に頑固な汚れへと変化します。魚焼きグリルに付着する汚れの原因について見ていきましょう。
油汚れ
魚焼きグリルを使って魚や肉を焼くと、余分な油が落ちて美味しく仕上がります。しかし、この油こそが魚焼きグリルが汚れる大きな原因の一つです。余分な油は、グリル内の受け皿に落ちますが、その際に庫内やグリル扉にも飛び散ります。
すぐに掃除せず、油が付着したまま放置していると、簡単には落ちないほどの頑固な汚れになってしまうのです。さらに、庫内に残った油は臭いの原因にもなるので注意しなければいけません。
焦げ付き
魚や肉を焼いたときにできる焦げも、魚焼きグリルの汚れの原因の一つです。魚焼きグリルを使って調理する際、焼き網の上に魚などの食材を入れますが、スムーズに焼ける反面、網が焦げ付いてしまうことがあります。
これは、動物性たんぱく質は加熱によって金属とくっつきやすくなる性質のためです。油汚れと同様に、焦げ付きも放置すると洗剤を使ってもなかなか落ちない頑固な汚れになってしまうので、早めの掃除が重要です。
また、焦げ付きを放置したまま魚焼きグリルを使用すると、火災につながる危険性があるため、見つけたら早急に掃除しましょう。
魚焼きグリルを掃除する前に!準備することはある?
魚焼きグリルの掃除を本格的に始める前に、まずは準備をしましょう。魚焼きグリルの分解と便利な掃除アイテムについて紹介します。
魚焼きグリルを分解しよう
掃除を始める前に、まずは魚焼きグリルを分解しましょう。きれいに掃除するためには、分解することがポイントです。ビルトインコンロの魚焼きグリルの場合は、グリル皿、網、皿受け、グリル扉の4つに分解ができます。
コンロ型の場合は、皿受けがないので3つです。分解する際は、コンロの説明書を確認してから行いましょう。説明書には分解方法だけではなく、お手入れ方法や注意点なども記載されているので、参考にしながら掃除してください。
掃除アイテムを揃えよう
掃除に便利なアイテムを揃えましょう。魚焼きグリルに付いた簡単な汚れであれば、台所用中性洗剤でも落とせますが、頑固な油汚れや焦げには、セスキ炭酸ソーダや重曹、オキシクリーンが便利です。
油汚れや焦げは酸性の汚れのため、反対の性質をもつアルカリ性の重曹、セスキ炭酸ソーダや酸素系漂白剤のオキシクリーンが効果的といわれています。重曹は温めると泡が発生し、焦げ付きにこびり付いて落としやすくしてくれます。
重曹よりもアルカリ成分が強いセスキ炭酸ソーダは、頑固な油汚れにおすすめです。どちらも100円ショップで手軽に購入できるアイテムです。他にも、こすり洗いするためのメラミンスポンジや使い古しの歯ブラシ、手を汚さないためのゴム手袋があると、より掃除が楽になります。
魚焼きグリルの焼き網と受け皿の掃除方法
魚焼きグリルの焼き網と受け皿の掃除方法について、使った後に行う簡単な方法と、頑固な汚れを落とす方法の2パターンを紹介します。
使用後の簡単な掃除
魚焼きグリルの焼き網と受け皿は使用したら、できるだけ早く洗いましょう。使用後はまだ汚れが頑固にこびり付いていないので、掃除が簡単です。ただし、使用後の魚焼きグリルは熱いため、やけどには気を付けましょう。用意するものは以下の3つです。
- 台所用中性洗剤
- お湯
- スポンジ
魚焼きグリルが手で触れられるくらいに冷めたら、受け皿と焼き網を取り外します。台所用中性洗剤をスポンジで泡立てて、油汚れや焦げ付きをこすりながら落としましょう。最後にお湯で洗い流して完了です。使用後すぐに掃除しても焦げ付きが取れない場合は、しばらくお湯につけておくと焦げ付きがふやけて落ちやすいでしょう。
頑固な汚れや焦げ付きの掃除
汚れを放置してしまい、油汚れや焦げ付きがこびり付いてしまった場合は、中性洗剤だけでは落とすのが難しくなります。頑固な汚れにはアルカリ性のもので対処します。用意するものは以下の5つです。
- 重曹またはセスキ炭酸ソーダ
- スポンジ
- ビニール袋またはバケツ
- 歯ブラシ
- メラミンスポンジ
汚れを落とすための水溶液を作ります。受け皿や網が入るサイズのビニール袋かバケツを用意し、40度前後のお湯を入れてください。その中に、重曹またはセスキ炭酸ソーダを投入しましょう。
重曹の場合は、お湯100mlに対して小さじ1杯程度の重曹が適量です。セスキ炭酸ソーダの場合は、お湯500mlに対して小さじ1杯程度のセスキ炭酸ソーダを目安に作りましょう。
水溶液ができたら、受け皿と網を容器の中に入れて30分程度つけおきします。30分経ったら受け皿と網を取り出し、スポンジでこすり洗いします。スポンジで汚れが落ちないときは、歯ブラシやメラミンスポンジの使用がおすすめです。汚れが落ちたら水で洗い流して、しっかり乾燥させて完了です。
魚焼きグリル庫内の掃除方法
焼き網や受け皿は掃除をしても、魚焼きグリルの庫内はついつい掃除を忘れてしまいがちになりますよね。掃除をしたことがないという方もいるのではないでしょうか。魚焼きグリルの庫内は、使用後に簡単に掃除をすることで汚れが溜まりにくくなり、日々のお手入れも簡単です。
難しい場合は、2日に1回程度の頻度で、魚焼きグリルをよく使用する方は週1回、週に1回程度使用する方は最低でも月1回を目安に、頑固な汚れを落とす掃除をしましょう。ここでは、簡単な掃除方法と頑固な汚れを落とす掃除方法を紹介します。
使用後の簡単な庫内掃除
使用後、手で触れても熱くないほどに庫内が冷めたら掃除に取り掛かりましょう。用意するものは以下の2つです。
- 台所用中性洗剤
- 掃除用の布巾
濡らした布巾に少量の台所用中性洗剤を含ませて、魚焼きグリル庫内の汚れを拭きます。油汚れが取れたら、洗剤を落とすために布巾で丁寧に水拭きしましょう。使用後すぐに行うことが、キレイな魚焼きグリルをキープするポイントです。
見逃していた頑固な汚れを落とす庫内掃除
魚焼きグリルの庫内は掃除がしにくいので、使用後に掃除をしても見逃してしまった汚れが頑固にこびり付いている場合があります。このような場合も、アルカリ性の力を借りて諦めずに汚れを落としていきましょう。用意するものは以下の5つです。
- 重曹またはセスキ炭酸ソーダ
- カップ
- キッチンペーパー
- 食品用ラップ
- 掃除用の布巾
焼き網と受け皿掃除のときと同様に水溶液を作ります。カップにお湯250mlを用意して、重曹の場合は大さじ1杯、セスキ炭酸ソーダの場合は小さじ1杯を入れて混ぜます。魚焼きグリルから焼き網と受け皿を取り外したら、キッチンペーパーを水溶液に浸し、庫内全体に貼り付けましょう。このとき、電子部品やバーナーには貼らないように気を付けてください。
キッチンペーパーの上から食品用ラップで覆い、洗剤と汚れを密着させるために30分程度放置します。30分経ったら、食品用ラップとキッチンペーパーを外して、布巾で庫内の汚れを拭き取りましょう。最後に丁寧に水拭きをして完了です。
魚焼きグリルをきれいに保つ!その裏ワザとは
魚焼きグリルをきれいに保つポイントは、使用後の掃除だけではありません。使用前のちょっとした手間で、汚れを予防して掃除を楽にできます。ここでは、魚焼きグリルをきれいに使う5つの裏ワザを紹介します。
<焼き網>予熱をしてから使う
焼き網をきれいに保つ予防として、予熱を3分程度してから使う方法をおすすめします。あらかじめ温めておくことで、食材がくっつきにくくなり、ある程度の焦げ付きを防げます。魚焼きグリルを使用する際は、食材を入れる前に予熱をして、焼き網を温めておきましょう。
<焼き網>アルミホイルを敷く
焼き網にアルミホイルを敷いてその上に食材をのせて使用すると、焼き網だけではなく、受け皿の汚れも防ぐことが可能です。使用後はアルミホイルを捨てるだけなので、掃除をする部分がありません。ただし、油の多い食材を焼く際は、溜まった油から引火する恐れもあるため、アルミホイルの使用には充分に注意しましょう。魚焼きグリルによっては、アルミホイルの使用について注意書きが記載されているものもあるので、使用前に取扱説明書などを確認しておくと安心です。
<焼き網>お酢を塗る
焼き網にお酢を塗ってから使用することで、魚や肉などの食材がくっつきにくくなります。そもそも焦げ付きは、動物性たんぱく質が加熱によって金属と反応し、熱凝着という現象が原因で起こります。
お酢にはたんぱく質を変化させる作用があるため、あらかじめお酢を塗っておくことで、予熱で熱くなった焼き網に魚をのせてもくっつきづらくなります。キッチンペーパーにお酢を染み込ませ、焼く前の網にさっとひと塗りするだけで、使用後のお手入れが簡単になるでしょう。
<受け皿>片栗粉または重曹を入れる
受け皿に、水で溶いた片栗粉か重曹を入れて焼くと、使用後の掃除が楽になります。片栗粉の場合は、使用前に水300ml、片栗粉大さじ4杯を受け皿に入れ、よく混ぜ合わせましょう。
使用後にグリル全体が冷えてくると、油を吸収した片栗粉がジェル状に固まってくるので、受け皿から剥がして捨てるだけで簡単に油汚れの処理ができます。重曹の場合も同じ配分で混ぜ合わせましょう。重曹は、使用後にそのまま洗い流すだけできれいになります。
<受け皿>グリルストーンを使う
砂利のような見た目をしたグリルストーンを受け皿に敷き詰めて使うと、食材の油を吸って、掃除の手間を一気に省いてくれます。3〜4回繰り返し使えるので経済的です。グリルストーンには、遠赤外線の力で食材をふっくら美味しく焼きあげる効果もあります。
さらに、油だけではなく、煙や臭いも吸収してくれる優れものです。100円ショップでも販売されているので、手軽に試すことができます。
魚焼きグリル庫内の臭いを取る方法は?
魚焼きグリルを掃除して汚れを取り除いたはずなのに、臭いが残っているということがあります。次の食材に臭いが付いてしまうのではと気になりますよね。ここでは、魚焼きグリルの庫内に残った臭いを取る方法について紹介します。
空焼きする
掃除をしたのに、庫内が何となく臭うときは、5分程度空焼きしてみましょう。空焼きすることで、庫内に残っている臭いやベタつきが軽減されます。また、庫内に汚れが付きにくくなって、今後のお手入れが楽になります。庫内を掃除した後は、臭いと汚れ対策として空焼きをしましょう。
柑橘系の果物の皮で庫内を拭く
レモンやみかんなどの柑橘系の果物の皮には「リモネン」と呼ばれる臭いを消す成分が含まれているため、柑橘系の皮で庫内を拭き掃除することで消臭効果が期待できます。ただし拭いた後、そのままにしておくと、サビの原因になるので、しっかり水拭きをして仕上げましょう。
コーヒーや緑茶の出がらしを使う
コーヒーや緑茶の出がらしを使って空焼きする方法もおすすめです。受け皿の上に、コーヒーや緑茶の出がらしを薄く広げて、5分程度加熱します。庫内の臭いを出がらしが吸収してくれるので、臭いがしつこくて気になる場合におすすめの方法です。
魚焼きグリルを掃除するときの注意点
魚焼きグリルを掃除するときの注意点をまとめました。掃除をする前に、ぜひ参考にしてください。
手袋を付いて掃除する
魚焼きグリルの掃除に使う重曹やセスキ炭酸ソーダは弱アルカリ性なので、素手で触る場合、短時間であれば問題ないといわれています。ただし、触れている状態が長いときや肌が弱い方はゴム手袋やビニール手袋などを使って掃除しましょう。
力づくで擦らない
魚焼きグリルの焼き網や受け皿には、キズや汚れ防止にコーティングが施されているものが多くあります。頑固な油汚れや焦げ付きがあるからといって、スチールたわしなどを使って力強く擦ると、せっかくのコーティングが剥がれてしまう可能性があります。落としにくい頑固な汚れでも、重曹やセスキ炭酸ソーダを使って、ゆっくり時間をかけて落としていきましょう。
頑固な汚れはプロにお願いするのもおすすめ!
キッチン周りをご自身で掃除してみたものの、落とせなかった汚れなどの気になる部分がある、隅々まで掃除したいという方には、プロにお願いするのもおすすめです。
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おわりに
魚焼きグリルをきれいに保つためには、使用後の速やかな掃除が重要です。台所中性洗剤や重曹、セスキ炭酸ソーダなどを活用して、頑固な汚れになる前にお手入れしましょう。また使用後の掃除を楽にするためには、予熱をしたり、アルミホイルやお酢、片栗粉、重曹などを使ったりして工夫するのもおすすめです。今回紹介した掃除方法や裏ワザを活用し、きれいなキッチンで料理を楽しんでください。