「氷から嫌なニオイがする」と感じたことはありませんか。もしかしたら、製氷機のカビが原因かもしれません。
このコラムでは、製氷機の掃除方法や掃除の頻度、カビを発生させないための予防法について紹介していきます。製氷機を掃除したことがない、年に1回程度しか掃除をしないという方はぜひ最後まで読んでみてください。
なぜ製氷機を掃除した方が良いの?
製氷機は、吸水タンクから水を吸い上げて製氷皿に送り、氷になったら貯氷ケースに落としてストックする仕組みになっています。その氷からニオイがするようになったら、掃除が必要なサインです。まずは、なぜ製氷機を掃除した方が良いのか見ていきましょう。
製氷機で作った氷から嫌なニオイがする
製氷機で作った氷から嫌なニオイがする場合、原因としてカビが考えられます。製氷機は冷蔵庫の中にあり、水しか使っていないため、カビとは無縁に思われるかもしれません。
しかし、冷蔵庫の中は温度が低いためカビの増殖を緩やかにしてくれますが、死滅させることはできません。そのため、製氷機の掃除をしないとカビが発生し、カビが混ざった氷を作り出して嫌なニオイを発生させます。
水道水は塩素で殺菌されているため、水道水で氷を作ればカビは発生しないと思われるかもしれません。しかし、時間の経過とともに水道水の塩素濃度は低くなり、殺菌効果が弱まるため、製氷機を掃除しないと雑菌やカビが発生しやすくなります。
製氷機の給水タンクはカビが生えやすい
冷蔵庫内にある給水タンクは、最もカビが発生しやすい場所なので注意が必要です。カビの生えた給水タンクに水を入れて氷を作ると、カビが水に溶け出しそのまま氷ができ上がってしまいます。清潔な氷を作るためにも、給水タンクの掃除を定期的に行う必要があります。
製氷機を掃除する頻度が知りたい!
製氷機の掃除をする頻度は、給水タンクであれば1週間に1回を目安に行いましょう。頻度が多く感じられるかもしれませんが、給水タンクを定期的に掃除することが製氷機内部へのカビの繁殖を防ぐポイントです。
掃除をするのを忘れてしまいそうな場合は、冷蔵庫の整理をするタイミングで行うようにしましょう。
給水タンクに付いている浄水フィルターも定期的に掃除をし、2~3年に1度は新しいものに取り替えます。また、製氷皿が取り外し可能であれば、年に1~2回のペースで掃除をするのがおすすめです。
製氷機の掃除の方法は?
ここからは、基本的な製氷機の掃除方法を紹介していきます。
基本的な製氷機の掃除で用意するもの
製氷機の掃除は定期的に行っていれば水洗いだけで問題ありません。しかし、これまでに掃除をしていなかった場合や、前回の掃除から期間が長く空いてしまった場合には、スポンジと食器用洗剤を使い給水タンクの中を掃除するようにしましょう。
この時に硬いスポンジを使うとタンクを傷付けてしまうので、柔らかいスポンジを使うようにします。食器用洗剤はカビを落としやすくするために、除菌タイプの洗剤を使うのがおすすめです。
製氷機の洗い方
それでは、製氷機の洗い方を見ていきましょう。
- 冷蔵庫から給水タンクを取り出します。
- 蓋や浄水フィルターなど取り外せる部品を取り外し、タンクをスポンジで水洗いします。汚れがある場合や掃除の間隔が空いてしまった場合は洗剤を付けて洗いましょう。
- 蓋と浄水フィルターを洗います。浄水フィルターは水垢が付いている場合があるので、流水で洗い流します。
- すべての部品を洗い終えたら、よく乾燥させてから組み立て、冷蔵庫に戻しましょう。
頻繁に掃除をしていれば、短時間で完了します。
製氷機の内部までキレイにしたい場合の掃除方法とポイント
次に、製氷機内部の掃除方法とポイントを見ていきましょう。
クエン酸を使えば内部まですっきり
製氷機内部は手が届かず、目にも見えないため掃除するのを忘れやすい場所です。しかし、製氷機内部にも水垢は発生します。水
垢はアルカリ性であり、酸性で中和することで汚れが落ちやすくなります。ここでは、酸性であるクエン酸を使った製氷機内部の掃除方法を紹介していきましょう。
用意するもの
用意するものは、クエン酸大さじ1杯、水300ml、食紅付属スプーン1/2杯です。
クエン酸を使った製氷機の掃除の手順
クエン酸を使った製氷機内部のお手入れ方法を見ていきましょう。
- 掃除をするために貯氷ケースから氷を取り出します。
- 給水タンクに付いている浄水フィルターを取り外します。
- クエン酸と水、食紅を給水タンクに入れてよく混ぜます。
- 冷蔵庫に給水タンクを設置して、通常どおり製氷します。
- 食紅の色の付いた氷が作られたのを確認したら、給水タンクを水洗いし、今度は給水タンクに水を入れて製氷します。
- これを、食紅の色が氷に付かなくなるまで、3~5回繰り返します。
- 色が付かなくなったのを確認したら、貯氷ケースの氷をすべて捨てます。
- 給水タンクに浄水フィルターを取り付けたら完了です。
食紅を入れることで水に色が付き、クエン酸入りの水を使い切ったかどうかひと目で分かります。掃除自体はクエン酸だけでできますが、間違ってクエン酸入りの水を食べてしまうのを予防できます。
クエン酸の代わりにお酢も使える!
クエン酸がご家庭にない場合は、同じ酸性であるお酢でも代用が可能です。クエン酸を使った製氷機の掃除手順と同様に、まずは浄水フィルターを取り外します。
給水タンクに水とお酢を2対1の割合で入れたら製氷をスタートさせます。水がなくなったら水道水で何回か製氷し、でき上がった氷を捨てたら掃除完了です。
お酢にはツンとした特有のニオイがあり、希釈したとはいえニオイが残ってしまう場合もあります。お酢のニオイが苦手な方は、クエン酸を使った掃除方法がおすすめです。
製氷機の洗剤は時間がない方におすすめ
「製氷機の部品を取り外して掃除する時間がない」「クエン酸や食紅はあまり使わないから余っても困る」という方には、製氷機専用の洗剤を使うのがおすすめです。
給水タンクに入れるだけで、製氷機を除菌・洗浄してくれるので便利です。クエン酸が配合されており、着色もされているので、わざわざクエン酸や食紅を買い揃える必要もありません。100円ショップやドラッグストアなどで手軽に購入できます。
メーカー別の製氷機の掃除方法は?
ここまで、製氷機の掃除の仕方について紹介してきましたが、メーカーごとに推奨されている掃除方法があります。
ここでは、各メーカーの製氷機の掃除方法を見ていきましょう。ただし、製品によって製氷機の形状や手順が異なる場合があるため、取扱説明書を確認することをおすすめします。
日立
日立の製氷機には、給水タンクの水を使って製氷皿や製氷機内部を水洗いしてくれる「製氷おそうじ」機能が付いています。
給水タンクに水を入れ、操作パネルのメニューから「製氷」ボタンを5秒以上長押しすることで「製氷おそうじ」が開始され、約4分で掃除が完了します。
また、製品によっては製氷皿を取り外してご自身で掃除をすることも可能です。製氷皿横のレバーを右にスライドして取り外すことで、製氷皿だけを洗浄できます。製氷皿は年に1~2回を目安にお手入れしましょう。
パナソニック
パナソニックの製氷機のお手入れは、給水タンク、自動製氷機、貯氷ケースの3ヵ所を行いましょう。まず、給水タンクは蓋を取り外したら水洗いします。
蓋部分にある浄水フィルターは、回しながら取り外し、優しく水洗いをしましょう。自動製氷機は製品によっては取り外しが可能です。
取り外せるものであれば、まずは「製氷停止」ボタンを押し、製氷皿横のレバーを回して製氷皿を取り外して水洗いをします。
洗う際には、スポンジを使わないように注意しましょう。製氷皿に傷が付いて氷が離れにくくなり、故障の原因につながります。洗い終わったら製氷皿を元に戻し、「製氷停止」を解除しましょう。
貯氷ケースの中を空にして水洗いをします。しっかりと乾燥させてから取り付けましょう。お手入れは、3ヵ月に1回のペースで行うのがベストです。
シャープ
シャープの製氷機のお手入れは、まず給水タンクを水洗いで掃除をし、汚れがひどい時は中性洗剤を使って洗いましょう。
シャープの製氷皿は外せませんが、製氷皿やパイプを自動洗浄してくれる「製氷皿清掃」という機能が付いています。操作方法は、機種ごとの取扱説明書を確認しましょう。
三菱
三菱の製氷機は、給水ポンプやパイプなどのお手入れに水洗いを推奨しています。給水タンクとフィルターは週に1回、給水ポンプやパイプは月に1回お手入れをしましょう。
また、水道水ではなく浄水機の水やミネラルウォーターを使って製氷している場合、カビが発生しやすくなるため週に2~3回のお手入れが必要です。
東芝
東芝の製氷機は、給水タンクと給水パイプ、給水ポンプ、水受けケースのお手入れが必要です。すべてのパーツに洗剤や漂白剤などは使用せず、やわらかい布やスポンジで水洗いをします。
給水タンクは蓋とパッキン、浄水フィルターを取り外して週1回を目安にお手入れをしましょう。給水パイプや給水ポンプは、月に1回を目安にすべてを分解して清掃します。分解方法は、取扱説明書を確認するようにしましょう。
水受けケースは給水タンクを取り外し、水受けケースの取っ手を持って引き抜き、柔らかい布で水拭きをします。
水受けケースに付いた給水ホースを洗うには、水受けケースからは取り外さずに市販のブラシで水洗いをしましょう。取り外してしまうと、水漏れの原因になるので注意が必要です。
製氷機の汚れやカビを予防する方法
製氷機を掃除することも大切ですが、製氷機に汚れやカビを発生させないよう予防することも大切です。ここでは、製氷機を清潔に保つポイントを紹介していきます。
長期間使用しない時は製氷機を停止させる
冬の寒い時期など、製氷機を長期間使用しない場合は製氷機能を停止させましょう。作られた氷が残っているとカビの発生原因になります。
製氷機能を止めても、給水タンクに水が残っているとカビの原因になってしまうため、給水タンクの水はすべて捨てましょう。その後、すべてのパーツを取り外して水洗いをし、しっかりと乾かしてから元に戻します。
水道水を使用する
製氷する時は、ミネラルウォーターではなく水道水を使用するようにしましょう。水道水には安全に飲めるよう、病原性微生物の殺菌のため塩素が含まれています。
一方でミネラルウォーターは、加熱殺菌は行われているものの塩素は使われておらず、製氷機に使うと雑菌の繁殖の心配があります。
ミネラルウォーターを使用する場合には、頻繁に給水タンクの水を替えたりこまめに掃除をしたりする必要があります。頻繁に掃除をする時間のない方は、ミネラルウォーターではなく水道水を使用するのがおすすめです。
使わない氷は定期的に入れ替える
使わない氷は定期的に捨てて新しい氷に入れ替えましょう。氷は腐らないものの、水に含まれる不純物が腐る可能性があります。また、製氷機や給水タンクに付いた菌が氷に繁殖する可能性もあるので、できれば1週間で入れ替えましょう。
貯氷ケースの掃除もしっかりと
貯氷ケースは0℃以下に保たれているためカビは発生しにくい箇所ですが、開け閉めをするので空気中のホコリが入りやすく汚れやすい箇所です。そのため、貯氷ケースの掃除もしっかりと行いましょう。掃除方法は以下のとおりです。
- 貯氷ケースに溜まっている氷をすべて取り出します。
- 貯氷ケースを取り外し、水洗いをします。
- しっかりと乾燥させてから元に戻します。
貯氷ケースを洗う時は基本的に水洗いをし、スポンジを使う時は貯氷ケースを傷めてしまわないよう、柔らかいスポンジを選びましょう
時間がない方はキッチンクリーニングを依頼しよう
その他、キッチンまわりの汚れが気になっている方はプロの「ハウスクリーニング」で解決できます。
くらしのセゾンでは、シンクやガステーブル、収納庫などを清掃してもらえる「キッチンクリーニング」や、キッチンの換気扇を分解洗浄する「レンジフードクリーニング」があります。
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おわりに
製氷機は目に付きにくい分、お手入れをするのを忘れやすい場所です。しかし、頻繁に清掃が必要な箇所であり、お手入れをしないとカビが発生してしまいます。安心して氷を使用するためにも、製氷機の清掃は必ず行うようにしましょう。