スイッチひとつで料理や飲み物を温めてくれる電子レンジは、多くの家庭で使われている家電です。他の家電に比べ使用頻度が高い方も多く、電子レンジは汚れやすい家電といえるでしょう。
今回は、電子レンジの簡単な掃除方法や、しつこい臭いを落とす裏ワザまで紹介します。掃除のハードルが下がれば、電子レンジをきれいな状態で維持しやすくなり、気持ち良く使えるはずです。電子レンジの汚れが気になっている方はぜひご覧ください。
電子レンジの汚れの原因は?
電子レンジの汚れのほとんどは、食品が原因です。例えば、油汚れや食べ物の焦げ付きです。電子レンジを使用する際に、食品に含まれる油分やたんぱく質、糖分が飛び散ることがあります。それらは、電子レンジを使用する度に、頑固なこびり付き汚れや焦げ付きとなるのです。
また、食品を温める際に出る水蒸気は、水垢の原因になります。水分だからと放置するのは要注意です。さらに、水垢や食品のカスなどを電子レンジの庫内に放置すると、カビが発生する恐れもあります。
カビが増殖する条件は、「栄養」「温度」「湿度」「酸素」の4つです。電子レンジの庫内はまさにカビにとって都合の良い場所なのです。
電子レンジを掃除しないとどうなる?
電子レンジに付いた汚れに気付いても、つい見て見ぬふり…なんてことをしていると危険です。ここでは、電子レンジを掃除しなかった場合に起こる不具合を解説します。
加熱効率が下がる
電子レンジを長く愛用していると、仕上がりの温度にムラが出ることがあります。原因は、電子レンジ内の温度センサーに付着した汚れの可能性があります。
この温度センサーが汚れると、温めた食品を正常に検知できず、仕上がりの温度にムラが出てしまうのです。
悪臭が発生する
電子レンジの汚れを放置すれば、いずれ腐敗し悪臭を放ちます。電子レンジを使った際に飛び散った油分や食品のカスは、時間の経過とともに菌が繁殖し、臭いの発生源になるためです。
さらに、汚れたまま電子レンジを使用すれば、焦げ付きによる臭いも加わり、さらに悪臭はきつくなるでしょう。
火災につながる恐れがある
電子レンジを掃除せずに放置すれば、最悪の場合、火災が起こる可能性があります。電子レンジ内に溜まった汚れの温度が上昇し、そこから引火するのです。
電子レンジを清潔な状態に保つことは、火災予防にもつながることを覚えておきましょう。
汚れの種類別!庫内の掃除方法
電子レンジに付く汚れにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、汚れの種類とそれぞれに適した掃除方法を見ていきましょう。電子レンジの汚れを落とすことは難しくありません。自宅で簡単にできる方法なのでぜひ試してみてください。
食品汚れ
電子レンジの汚れの代表が食品汚れです。食品を温める際に飛び散った油や食品カスは酸性のため、アルカリ性のものを使って中和させると落としやすくなります。
使う物
電子レンジ内の食品汚れを掃除する際は、以下を用意しましょう。
- 重曹またはセスキ炭酸ソーダ
- 水
- 布巾またはキッチンペーパー
- 耐熱容器
やり方
アルカリ性の重曹やセスキ炭酸ソーダを使用した掃除方法を見ていきましょう。
- 耐熱容器に1カップの水と大さじ1の重曹もしくはセスキ炭酸ソーダを混ぜ入れ、アルカリ性水を作る。
- 1を電子レンジに入れて、600Wで5分程度温める。
- 温め終えたら、すぐに取り出さず15分間電子レンジの中で放置して庫内の汚れを浮かせる。
- 耐熱容器に入ったアルカリ性水を布巾かキッチンペーパーに染み込ませてから、庫内を拭く。
- 水拭きをして、最後に水分が残らないようにしっかりと乾拭きする。
水垢
アルカリ性である水垢汚れには、酸性のクエン酸または酢が効果的です。特に水垢が付きやすいスチーム機能付きの電子レンジは、頻繁に汚れをチェックする必要があります。
使う物
使用するものは、食品汚れとほぼ同じですが、重曹をクエン酸に変更します。
- クエン酸または酢
- 水
- 布巾またはキッチンペーパー
- 耐熱容器
やり方
掃除方法も、食品汚れの場合と手順は同じです。
- 耐熱容器に1カップの水と、大さじ1のクエン酸もしくは酢を混ぜ入れ、酸性水を作る。
- 1を電子レンジへ入れ、600Wで5分程度温める。
- 温め終わったら、15分間ほど放置し、庫内の汚れを浮かせる。
- 酸性水を布巾またはキッチンペーパーに染み込ませ、庫内を拭き取る。
- 水拭きをしてから、水分が残らないようにしっかりと乾拭きする。
焦げ付き
電子レンジに残った食品カス汚れを長時間放置し温め続けた結果、焦げ付き汚れに変化します。一度焦げ付いてしまうと、重曹やセスキ炭酸ソーダでは落とすことが難しいでしょう。そのようなときには歯磨き粉を活用することをおすすめします。
使う物
以下3つを用意して、焦げ付き汚れを落としましょう。
- 歯磨き粉
- 歯ブラシ
- 布巾またはキッチンペーパー
やり方
歯磨き粉を使った掃除方法を見ていきます。
- 歯ブラシに歯磨き粉を付けて、焦げ付き汚れがある部分をこする。
- 布巾またはキッチンペーパーで、取れた汚れをしっかりと拭き取る。
- 水拭きをしてから、最後に水気を残さないように乾拭きをする。
カビ
電子レンジ内にかすんだような汚れや黒っぽい斑点がある場合、カビ汚れである可能性が高いです。カビを落とすためといって、市販されているカビ取り剤を安易に使えば、身体に悪い影響を与える恐れがあります。では、どのようにカビを落とせば良いのか見ていきましょう。
使う物
カビ汚れに有効なのはアルコールです。そのため電子レンジ内の掃除にはアルコールスプレーを使いましょう。
- アルコールスプレー
- 布巾やキッチンペーパー
やり方
アルコールスプレーを使って以下の方法で掃除をしましょう。
- 電子レンジの中に付いたカビ汚れに直接アルコールスプレーを吹きかける。
- 布巾やキッチンペーパーでカビをきれいに拭き取る。
- 2で使用した布巾やキッチンペーパーはカビ胞子が付いているため使わずに、新しい布巾かキッチンペーパーをアルコールスプレーで濡らして、全体をふき取る。
- 残ったアルコールを拭くため乾拭きする。
頑固なこびり付き汚れ
重曹でも落ちないひどいこびり付き汚れは、台所で使用する中性洗剤を活用するのもおすすめです。こびり付いた油汚れには特に効果的な手段なので試してみると良いでしょう。
ちなみに強いアルカリ性の洗剤の場合、電子レンジ内の塗装を剥がしてしまったり発火したりする原因になるので、必ず中性であることを確認しましょう。
使う物
中性洗剤を使った掃除で必要なものは以下です。
- 台所用中性洗剤
- 水
- 布巾またはキッチンペーパー
- 耐熱容器
やり方
では、掃除方法を見ていきましょう。
- 耐熱容器に水と中性洗剤を入れ、そこに布巾かキッチンペーパーを浸す。
- 電子レンジの中に1を広げて、1分程度温め、中性洗剤を含んだ水蒸気を充満させる。
- 耐熱容器に残った洗剤液で布巾かキッチンペーパーを濡らして絞り、庫内に付いた汚れをふき取る。
- 仕上げに水拭きをしてから、最後に水分が残らないようにしっかり乾拭きする。
庫外の掃除方法は?
電子レンジの掃除というと、庫内を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、庫外も汚れが溜まっている可能性があります。例えば、電子レンジの取っ手部分に付いた手垢や、電子レンジの通風口に溜まるほこりです。
通風口に溜まったほこりは、電子レンジの機能を低下させます。その結果、加熱時間も長くなり、電気代が増えることが考えられるでしょう。また、電子レンジのコンセントもほこりが溜まりやすい場所です。
最悪の場合、静電気が発生し発火する恐れも。こうした手垢やほこりは、マイクロファイバーで掃除するのがおすすめです。
マイクロファイバーの極細繊維が、しっかり汚れをからめ取りきれいにしてくれます。水に浸してかたく絞った布巾で拭くのも良いでしょう。
電子レンジを掃除するおすすめの頻度やタイミングは?
電子レンジを使用するたびに掃除すればきれいに保てるかもしれません。しかし、忙しい場合など思いどおりにいかないのが現状でしょう。
ここでは、電子レンジを掃除するおすすめの頻度やタイミングをお伝えします。
汚れが蓄積する前に掃除する
理想の掃除頻度は1週間に1回です。頑固な焦げ付きになる前に、汚れが付着したのを見つけたら拭き取りましょう。なかなか落ちないしつこい汚れになる前に、手を打っておくことが重要です。
使用直後の温かいときに掃除する
電子レンジの掃除のタイミングに適しているのは、使用直後です。使用後は、内部が温かくなり汚れが取れやすい状況です。
重曹水か濡らした布巾を温め、庫内に水蒸気を行き渡らせてから軽く拭き取ると、効率的に汚れを取り除くことができるでしょう。
電子レンジの気になる臭いを簡単に消す方法
電子レンジを掃除して見た目はきれいになっても、臭いが残る場合があります。ここでは、電子レンジの気になる臭いを簡単に消す方法を紹介しましょう。
また、食べ終えたあとのオレンジの皮を掃除に活用する裏ワザもお伝えします。
オレンジやレモン
オレンジやレモンには「リモネン」という消臭成分が含まれており、電子レンジの臭いを取るのに有効とされています。
使用するのは、オレンジやレモンの皮の部分です。食べ終えたあとも掃除アイテムとして活用できる一石二鳥な裏ワザなので覚えておくと便利でしょう。やり方は以下のとおりです。
- オレンジやレモンの皮を耐熱容器にのせ、600Wで1分程度加熱する。
- 温めた皮の白い部分を使い、目立つ汚れをこする。
- 水に濡らして固く絞った布巾やキッチンペーパーなどで拭き取る。
加熱して、消臭成分リモネンを庫内に充満させるのがポイントです。
コーヒーの出がらし
コーヒーの出がらしも消臭効果が期待できます。コーヒー豆の繊維が臭いを吸着するため、電子レンジ内の臭い取りにも有効なのです。では、どのような方法で使うのか紹介しましょう。
- 耐熱容器にコーヒーの出がらしを広げるようにのせる。
- 電子レンジに1を入れ、1分程度温める。
- 加熱後は、温めたコーヒーの出がらしが冷めるまで待つ。
- しばらく電子レンジの扉を開けたままにし、内部の湿気を逃がす。
- 電子レンジ内に水滴が残っている場合は拭き取る。
ポイントは、コーヒーの出がらしが飛び散らないように、少し深めの容器に入れることです。
電子レンジ掃除の注意点
電子レンジの掃除は、加熱を伴うことが多いです。熱くなったアルカリ性水や酸性水、庫内でやけどをしないようにくれぐれも注意しましょう。
また、食品汚れを落とすために使用するセスキ炭酸ソーダはアルカリ性が強く、素手で触れると手荒れが起きてしまうことがあります。掃除をする際はゴム手袋をはめることが大切です。
掃除をしても汚れがなかなか落ちないこともあるでしょう。その際に、複数の洗剤を混ぜることは絶対にしないように注意しましょう。
酸性洗剤と塩素系洗剤を混ぜてしまった場合、身体に有毒なガスが発生します。ちなみにクエン酸と重曹を混ぜると発泡しますが、この場合は害のない二酸化炭素のため心配する必要はありません。
電子レンジ掃除におすすめの便利グッズ
電子レンジを掃除するための便利なグッズを紹介します。手軽に電子レンジをきれいにできるので、掃除のハードルが高いと感じる方は試してみると良いでしょう。
電子レンジ専用シート
小林製薬から発売している「チン!してふくだけ」は、本品を袋ごと電子レンジで1分程度加熱すれば、水蒸気が充満し、袋内に入ったシートでも掃除ができる便利グッズです。弱アルカリ~アルカリ性の成分なので、食品由来の酸性汚れに効果的です。
スチームクリーナー
ファインの「ピカッと!電子レンジスチームクリーナー」は、富士山の形を模したユニークな掃除グッズです。
内部に規定量の水と酢を入れて、電子レンジで加熱することで、庫内のすみずみまで水蒸気が行き渡る構造になっています。しっかり汚れを浮かせてくれるので拭き取り掃除が楽になるでしょう。
電子レンジの掃除頻度を減らすコツ
庫内に付いたしつこい焦げ付きや水垢を掃除するのは大変です。ここでは、電子レンジを掃除する頻度を減らすコツについてお伝えしていきます。
普段からラップを使用する
掃除を減らすコツは、日頃から電子レンジを汚さないように気を付けて使うことです。温めの際には、飛び散り防止のためラップをするようにしましょう。
少しだけ温めたい場合であってもラップをすることで、きれいな状態を保てるはずです。
こまめに拭き取る
電子レンジを使用したあとは、庫内を軽く拭く習慣を付けるときれいな状態を維持できるでしょう。
はじめは面倒と感じるかもしれませんが、こまめに拭くことでがんこな焦げ付きを防ぐことができるため、掃除に過度な時間と労力を費やすことがなくなるのです。
シリコンマットを敷く
電子レンジ内にシリコンマットをセットするのも汚れ防止には効果的です。シリコンマットは汚れたら丸洗いができるため、わざわざ庫内に手を伸ばして拭き掃除をする必要がありません。食洗器対応であれば洗う手間も省けます。
キッチン周りの汚れは清掃会社に依頼するのがおすすめ!
電子レンジ以外にもキッチン全体は、毎日使う場所のため汚れが溜まりやすいです。プロにクリーニング依頼することで、普段掃除できない箇所も残らずきれいにしてくれる上に、オプションの中には除菌仕上げもあるので衛生的に安心です。
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掃除をする時間が取れない場合や、念入りに掃除したのにきれいにならない場合は検討してみてはいかがでしょうか。
おわりに
電子レンジに付く汚れには、酸性の食品汚れやアルカリ性の水垢などさまざまな種類があるのがお分かりいただけたと思います。
掃除をする際は、汚れに適した方法できれいにしましょう。なるべく電子レンジを掃除する頻度を減らしたい方は、日頃からこまめに掃除することを掛けると良いでしょう。