生ごみの処理が簡単にできるのがディスポーザーで、臭いや三角コーナーの汚れを気にすることなく、シンクを清潔に保てる優秀な設備です。しかし、一見汚れや臭いと無縁なようで、流しきれない生ごみが原因で悪臭が発生することもあります。
ディスポーザーの汚れや悪臭は、日頃のお手入れで防止できます。今回は、簡単にできるお手入れ方法と正しい使い方をご紹介しますので、ディスポーザーを使っている方は日々のお手入れに役立ててください。
ディスポーザーの臭い・汚れが気になる時の原因は?
嫌な臭いが発生する生ごみを瞬時に処理できるディスポーザーは、生ごみをシンクに放置しないので、汚れや臭いとは無縁に感じるかもしれません。
しかし、ディスポ―ザーも臭いが発生することがあるのです。ディスポーザーの臭いや汚れの原因は、どこにあるのでしょうか。
そもそもディスポーザーとは
ディスポーザーは、アメリカで発明された家電製品です。キッチンのシンクに設置し、排水口に溜まった生ごみを粉砕処理する機械で、調理の際に出た野菜くずなどを排水口部分に投入して作動させると、粉砕処理された生ごみが下水に流れていきます。
ディスポーザーは、生ごみを高速回転するターンテーブルで壁面の刃に叩き付け、回転式のスイングハンマーで細かくすり潰して排出する仕組みです。
排出された生ごみはマンションの浄化槽で処理されるので、家庭で生ごみの処理をする必要がなく、環境にも優しい設備です。
生ごみをシンクに長時間置いておくことなく処理できるため、三角コーナーのぬめりや嫌な臭いからも解放されるでしょう。
キッチンのシンク周りを清潔に保てると人気が高まっており、ディスポーザーを標準装備するマンションが増加傾向にあるようです。
臭い・汚れの原因は?
ディスポーザーの臭いや汚れの原因は、内部に付いた生ごみのカスです。生ごみを瞬時に処理できるディスポーザーですが、全く汚れが溜まらないわけではありません。
ディスポーザーが茶色く汚れていたり悪臭がしたりする場合は、内部に生ごみが残っている可能性があります。
細かい生ごみが溜まって雑菌が繁殖すると、黒カビが生えることもあります。汚れや悪臭を発生させないためには、ディスポーザーを定期的に掃除する必要があるのです。
また、生ごみから発生する悪臭は、夏場に強くなるイメージがあるかもしれませんが、ディスポーザーの臭いは冬場に強くなる傾向があります。
ディスポーザーで処理された生ごみは、水と一緒に浄化槽へ排出される仕組みです。その浄化槽の中でバクテリアが生ごみを分解・液状化して、下水道へと流れていきます。
気温や湿度が低い冬場はバクテリアの働きが弱まるため、分解が遅れて臭いが強くなる原因となるのです。
毎日できる氷を使った簡単お手入れ方法
ディスポーザーの汚れや臭いを防ぐには、毎日のお手入れが大切です。とはいえ「せっかく掃除を楽にするためにディスポーザーを設置しているのに、毎日大がかりな掃除をするのはめんどくさい」と思う方も多いのではないでしょうか。
ディスポーザーは、氷を使った簡単なお手入れできれいな状態を保つことができるのです。その方法をご紹介しましょう。
用意するもの
- 氷
- 中性洗剤
お手入れの際は、氷の他に中性洗剤もあると効果的です。普段食器洗いに使っている中性洗剤を用意しましょう。漂白剤はディスポーザー内部を傷めるので、使用できません。
掃除の手順
掃除の手順は以下のとおりです。
- 水を流す
- ディスポーザーの半分くらい氷を入れる
- 中性洗剤を数滴入れる
- 蓋をして回す
- 蓋を中性洗剤で洗う
ディスポーザーに生ごみが残っているととおりが悪いので、最初に水を流しておきましょう。氷と一緒に中性洗剤を入れると、ぬめりがなくなります。
ディスポーザーを回した後は、蓋に生ごみのカスが付いていることがあるので、中性洗剤で洗っておきましょう。氷と洗剤を入れてディスポーザーを回すだけですから、習慣にしやすい簡単なお手入れです。
ディスポーザーの掃除に氷がおすすめな理由
ディスポーザーの内部に氷を入れて粉砕すると、細かい部分まで氷が行き届き汚れが落ちやすくなります。氷だけのお手入れでも効果はありますが、中性洗剤を併用すると氷と同時に洗剤が細かいところに行き渡り、隅々まできれいになるのでおすすめです。
ディスポーザーの掃除には、食器用中性洗剤の他、ウタマロクリーナーも中性洗剤なので使用できます。
重曹とクエン酸を使ったお手入れ方法
氷と洗剤のお手入れをしていてもディスポーザーの汚れが気になる場合は、重曹とクエン酸を使ったお手入れがおすすめです。
用意するもの
- 重曹
- クエン酸(または酢)
- お湯(60℃くらい)
量の目安は、重曹が1/2カップ、クエン酸が1/4カップ程度です。熱湯はディスポーザーの変形などにつながるため使用しないでください。
掃除の手順
重曹とクエン酸を使ったお手入れの手順は、以下のとおりです。
- 水を流す
- 重曹を振りかける
- クエン酸を振りかける
- お湯を少しずつ流す
- 30分ほど放置する
- 氷を入れ、蓋をして回す
- 蓋を洗う
氷を使ったお手入れと同様に、最初に水を流してとおりを良くします。その後で重曹とクエン酸をまんべんなく振りかけ、お湯を少しずつ流しましょう。
お湯を流すと、泡が立ち始めます。この泡の効果で汚れが落ちるので、泡を流してしまわないよう注意しましょう。
ディスポーザーの掃除に重曹やクエン酸がおすすめな理由
重曹を使うメリットとしては、重曹には静菌効果があるので、ディスポーザーの臭い対策になります。また、アルカリ性なので、反対の性質である酸性の汚れを中和して落としやすくします。
対して、クエン酸は酸性なので、アルカリ性の汚れを落とすのに効果を発揮します。ディスポーザー内部に溜まった汚れは、生ごみのカスをはじめさまざまな性質を持っています。
そのため、アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を使うことで、あらゆる性質の汚れに対応できるのです。
また、重曹にクエン酸を加える時に発生する泡もポイントです。この発砲パワーで汚れを浮き上がらせるため、ブラシで強く擦ることなくきれいになります。
環境に優しく、ナチュラルクリーニングで注目を集める重曹ですが、使用には注意が必要です。重曹には研磨効果があるため、ディスポーザーの金属部分に腐食が起こる場合があります。
粉砕力の低下や故障の原因になることもあるので、使用の際は取扱説明書をよく読み、各メーカーが推奨する清掃方法に従ってください。また、気になる場合はメーカーに問い合わせすることをおすすめします。
柑橘類の皮を使ったお手入れ方法
ディスポーザーの掃除は、洗剤以外に柑橘類の皮を使う方法があります。柑橘類の皮を使ったお手入れは、臭い対策に効果的です。悪臭が取れない時は、試してみてはいかがでしょうか。
用意するもの
用意するものは、ミカンやレモン、オレンジなど柑橘類の皮のみです。1個分程度で足りるでしょう。
掃除の手順
柑橘類の皮を使ったお手入れの手順は、以下のとおりです。
- 柑橘類の皮をカット
- ディスポーザーに投入
- 蓋をして回す
柑橘類の皮は、ミカンなど薄いものはそのままで大丈夫ですが、グレープフルーツなど厚めの皮の場合は細くカットしておきます。
また、ディスポーザーに入れるのは皮のみで、誤って種を入れないよう注意しましょう。硬い種を入れてしまうと、ディスポ―ザーに不具合が起こる可能性があります。
ディスポーザーの掃除に柑橘類の皮がおすすめな理由
柑橘類の皮に含まれるリモネンという成分には、酸性成分が含まれています。そのため、雑菌の繁殖を抑え、消臭効果も期待できるのです。
その他のお手入れ方法
日頃からお手入れをしていても、ディスポーザーの流れが悪くなることもあります。もしかすると、排水管が詰まっているかもしれません。ディスポーザーが流れにくくなった場合の対処法をご紹介します。
排水管の詰まりを解消する方法
ディスポーザーが流れにくくなった場合は、排水管の中で固まった油に生ごみが引っかかっている可能性があります。そのようなケースでは、お湯で流すのが効果的です。具体的な手順をご紹介しましょう。
- 水気を拭き取る
- ディスポーザー内の生ごみを取り除く
- 60℃くらいのお湯を流す
シンク内の水気を拭き取ったら、見える範囲の生ごみを取り除きましょう。手が届かないところは、箸などを使ってできるだけきれいに取り除きます。
その後60℃くらいのお湯を流すと、固まってしまった排水管の油がやわらかくなり、お湯と一緒に流れて詰まりを解消できるでしょう。熱湯はパーツの変形などの原因になるため、使わないでください。
専用ブラシもおすすめ
ディスポーザー内部を重曹やクエン酸を使って掃除しても、こびり付きのひどい汚れは取り切れないこともあります。その場合は、内部の汚れを擦って落とすしかありません。
ディスポーザーの内部は、掃除が難しい形状になっています。ディスポーザー掃除専用のブラシが販売されていますので、1本用意しておくと良いでしょう。
専用のブラシを水で濡らして、中性洗剤を少し垂らしてからディスポーザー内部をこすってみてください。ブラシを使うと奥の方まで届くので、汚れをしっかり落とせます。最後に水を流しながら、ディスポーザーを回しておけば掃除完了です。
ディスポーザーの正しい使い方とは
ディスポーザーには、流してはいけないものがあります。正しい使い方をしていない場合、故障したりディスポーザーの寿命が短くなったりするのです。長く使い続けるには、ディスポーザーの正しい使い方を理解しておくことが大切です。
ディスポーザーに流してはいけないもの
ディスポーザーは、何でも粉砕処理できるわけではありません。以下に挙げるものはディスポーザーに流せないので、注意しましょう。
- 硬い種(柿・アボカドなど)
- 硬い皮(筍・かぼちゃなど)
- 硬い殻(蟹・貝類など)
- 肉・魚の骨
- 大量の油
その他にも、流すつもりはなくても食品と一緒にうっかり流してしまいやすいラップやキッチンペーパー、輪ゴムなどにも注意が必要です。
ディスポーザーは塩素系漂白剤が使えないため、シンクでまな板などを漂白した際は、水でしっかりと薄めてから流すようにしましょう。
流してしまうと、詰まりや悪臭を引き起こすことも
流してはいけないものをご紹介しましたが、うっかり流してしまうと詰まりや悪臭の原因になります。ディスポーザーのメーカーによっては、貝類の殻なども粉砕処理できることがありますが、排水管に蓄積しやすいので注意が必要です。
ディスポーザー掃除をする際の注意点は?
ディスポーザーの汚れや臭いには、日頃のお手入れが大切です。しかし、さまざまなパーツが組み合わさってできているディスポーザーは、扱いを間違えると故障や破損を引き起こすこともあります。
ディスポーザーの掃除をする時は、注意する点を把握して適切な方法で行いましょう。
ディスポーザー掃除で塩素系漂白剤や酸素系漂白剤などは使用しない
生ごみの臭いやシンクの汚れには、塩素系や酸素系の漂白剤が効果的と考えるかもしれません。しかし、ディスポーザーの掃除には、中性洗剤以外のハイターやパイプユニッシュ、オキシクリーンなどは使えないので注意が必要です。
ディスポーザーで処理した生ごみは、排水管から浄化槽に流れます。浄化槽では、流れてきた生ごみをバクテリアが分解・液状化していますが、漂白剤を流すとバクテリアを死滅させる恐れがあるのです。
バクテリアが死滅すると生ごみが分解されなくなり、悪臭の原因になることも。ディスポーザーの掃除には、漂白剤は使用せず中性洗剤や重曹、クエン酸などを使いましょう。
熱湯を流さない
ディスポーザーの内部は塩化ビニールや樹脂などを使ったパーツが多く、耐熱温度は一般的に60℃程度とされています。そのため、ディスポーザーに熱湯を流すと、パーツの変形や破損の恐れがあるのです。
これらは故障の原因になったり、ディスポーザーの寿命を縮めることにつながったりします。インスタント麺の湯切りや、野菜の茹で汁を流す際には水を一緒に流すなど、工夫すると良いでしょう。
こまめな掃除を心掛ける
ディスポーザーに限ったことではありませんが、日頃からこまめに掃除をしておくことで汚れが蓄積することを防げます。
汚れが溜まると落ちにくくなり、ディスポーザーの詰まりや臭いの原因にもつながるので、1週間に1度を目安に定期的にお手入れしておきましょう。
特に臭いやひどい汚れがない場合でも、氷を使った簡単なお手入れをしておくことで、大がかりな掃除をすることなくきれいな状態を保てます。
必ず電源を切ってから行う
ディスポーザーの投入口を掃除する時は、最初に必ず電源プラグを抜いてください。電源を切ったことを確認して、取り外せる部分を外して中性洗剤で洗いましょう。
おわりに
今回は、ディスポーザーの掃除方法や正しい使い方をご紹介しました。ディスポーザーの汚れや悪臭は、日頃のお手入れでかなり改善します。
今回ご紹介した簡単にできるお手入れ方法を実践すれば、汚れや悪臭とは無縁になるでしょう。
また、正しい使い方を理解しておくことで、ディスポーザー自体の寿命も伸ばせます。簡単にできることから、ぜひ始めてみてください。
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