「また服が増えたな…」「どこに何があるかわからない…」そんなお悩み、ありませんか?
クローゼットの片付けは後回しにしてしまいがちですが、整理整頓されたクローゼットは、毎朝の洋服選びをスムーズにし、気分まで上げてくれます。本記事では、整理収納アドバイザーの大橋さん監修のもと、クローゼットをすっきり片付けるための基本的な手順から、美しい状態を長く保つためのコツまでを詳しくご紹介します。
整理整頓とは?基本的な考え方を解説
「整理整頓」と聞くと、面倒な作業だと感じる方もいるかもしれません。しかし、整理整頓は単に物を片付けるだけでなく、暮らしの質を向上させるための大切なスキルです。今回は、整理整頓の基本的な考え方について解説します。
整理整頓には、主に「整理」、「収納」、「整頓」という3つのスキルが関わってきます。
このスキルについて、詳しく見ていきましょう。
「整理」とは、不要な物を取り除くこと
整理とは、自分にとって必要なものを見極めること。所有しているものを一つひとつ丁寧に見ていき、本当に必要なものかどうかを判断します。そして、使わないもの、壊れたもの、重複しているものなど、不要なものを捨てていきます。
「収納」とは、使いやすく戻しやすく納めること
収納は、使いやすい収納場所を作ること。スペースにただ押し込んでいくのではなく、それぞれのアイテムに合った収納場所を決め、出し入れしやすくします。この時、収納ボックスや引き出しなど、収納グッズを活用することで、より効率的に収納できます。
「整頓」とは、使った物をまた使いやすいように配置すること
整頓とは、それぞれのアイテムの定位置を決めておき、使った後は必ず戻すこと。これは整理整頓を続ける上で最も大切な習慣です。つまり、整理整頓とは、不要なものを処分し、使ったものを適切な場所に置くことで、生活空間をすっきりさせ、効率的に使えるようにすることを指します。
クローゼット収納を成功させるためには、この3つのステップを辿ることが大切なのです。
クローゼット収納を成功させるには、自分のタイプを知ることから
せっかく買ったお洋服も、クローゼットの中で行方不明になってしまってはもったいないですよね。クローゼットがごちゃごちゃになってしまう人には、大きく分けて下記の2つのタイプに分けられます。
【A】物が多すぎてぎゅうぎゅうに詰め込んでいる人
【B】総量は少ないのに出しっぱなしの人
Aタイプの方は、たくさんの洋服を持っているがために、クローゼットの中に洋服がぎゅうぎゅうに詰め込まれてしまっている状態です。そのため、どの洋服があるのか把握しにくく、着たい服が見つからないという悩みを抱えている方が多いです。
一方、Bタイプの方は、洋服の総量は少ないのに、クローゼットの中に洋服が出しっぱなしの状態になっている方が多いです。ハンガーにかけられていない洋服や、たたんだままの洋服が散らばっていて、見た目もごちゃごちゃしてしまっています。
意外かもしれませんが、散らかっているように見える方ほど、物が少ないことが多いのです。Bタイプの方のように、出しっぱなしで散らかっているだけで、収納の仕組みができれば片付くことがあります。
一方、Aタイプの方のように、物が多くてぎゅうぎゅうに詰め込んでいる方は、使いやすい仕組みを作るのが難しくなります。
どちらのタイプに当てはまるか、一度自分のクローゼットを見直してみましょう。自分のタイプがわかれば、それに合った収納方法を選ぶことができます。
収納がうまくいかない理由は、「収納スペースの不足」と、「定位置に戻す習慣がない」ことがほとんどです。片付けを始める前に、服が探しやすく、選びやすいクローゼットや、見た目もスッキリとした美しいクローゼットなど、「どんなクローゼットにしたいか」という理想のクローゼット像を持つことが大切です。
【専門家監修】クローゼットを片付ける3つのステップ
クローゼットの片付けは、ただ単に服をしまうだけではなく、自分の生活を見つめ直す良い機会です。ここからは、収納整理アドバイザー・大橋さんアドバイスを参考に、クローゼットをすっきり片付けるための3つのステップをご紹介します。
STEP1. 収納物を洗い出す
まずは、クローゼットの中にある洋服やアイテムを出し、床に広げてみましょう。自分がどれだけの洋服を持っているのか、そして、どの洋服をどれくらい着ているのかが一目で分かります。
いきなり全ての洋服を片付けようとすると、途中で心が折れてしまうかもしれません。そこでおすすめなのが、場所単位での作業です。引き出しごと、ハンガーにかけているものだけなど、範囲を限定して片付けましょう。小さな範囲から始めることで、達成感を感じやすく、モチベーションを維持できます。
STEP2. アイテムを仕分ける
クローゼットの中身を全て出したところで、いよいよアイテムの仕分けに入ります。
下記の図を参考に、残すもの、処分するもの、別場所に移動するものにアイテムを分類していきます。
残すもの | 処分するもの | 別場所に移動するもの |
---|---|---|
・今後も積極的に着たい、お気に入りのもの ・素材やシルエットが気に入っていて、心地よく着られるもの | ・2年以上着ていないもの ・サイズが合わないもの ・着心地が悪いもの ・流行遅れで好みが変わったもの ・修理が難しいほどの破損があるもの ・漂白やクリーニングで落ちない汚れがあるもの | ・シーズンオフの衣類は、別の場所に収納 ・収納場所が足りない時は、圧縮袋などに入れたり、保管サービスを利用 ・捨てられない思い出の品は、専用の箱に入れて保管 |
「本当にこの服を着るだろうか?」と迷ってしまう場合は、この服を着て、「気分が上がるだろうか?」「似たような服はすでに持っていないか?」「似合っているだろうか」「好きな人に会えるだろうか」という質問を自分に投げかけてみましょう。質問に「イエス」と答えられない場合は、手放すことを検討してみましょう。
STEP3. 収納する
アイテムを仕分けたところで、いよいよ収納の段階に入ります。ここからは、3つのゾーンに分けて、それぞれのスペースを最大限に活用する方法について解説していきます。
◆上段
クローゼットの上段は、最も手が届きにくい場所のため、あまり使わないものを収納するのがおすすめ。たとえば、毛布や布団など、かさばるものは圧縮袋に入れて収納すると場所を取りません。また、冬の厚手のコートや、来年の水着など、シーズンオフの衣類を収納します。フォーマルなバッグなど、特別な場合にしか着用しないものは、上段に収納します。
◆中段
最もよく使うこの部分には、よく着るものを収納します。ジャケット、コート、シャツなど、型崩れしやすいものはハンガーに掛けて収納します。アイテムごとに分けたり、色別に並べたりすると、コーディネートを考える際に便利です。毎日着る洋服は、手の届きやすい場所に置きましょう。
◆下段
このスペースには、収納ボックスを配置すると、小物を整理するのに便利です。セーター、パンツなど、折りたたんで収納できるものは、引き出しにしまうとスッキリします。重いものは下段に、軽いものは上段に収納すると、出し入れがスムーズになります。
クローゼットを3つのゾーンに分けることで、どこに何があるのかが一目でわかり、取り出しやすく、戻しやすい収納を実現できます。
すっきりとした空間を保つためのクローゼット収納のコツ
「クローゼットを開けるのが楽しみになる」そんな収納方法があれば嬉しいですよね。
ここからは、すっきりとした空間を保つためのクローゼット収納のコツをご紹介します。限られたスペースを最大限に活用し、毎日のコーディネートをスムーズにする収納方法をマスターして、快適な暮らしを始めましょう
収納ケースの選び方
衣装ケースを選ぶ際、ただ収納できれば良いというものではありません。せっかく購入するなら、使いやすさや収納力、デザイン性なども重視したいところ。衣装ケースを選ぶ際は、「サイズ」、「タイプ」、「素材」の3つのポイントに注目しましょう。
サイズは、収納する衣類の厚みや量に合わせて選びます。一般的に、高さ18~23cmのSまたはMサイズが、Tシャツやセーターなど、一般的な衣類の収納に適しています。深すぎると、引き出す際に中身がぐちゃぐちゃになってしまう可能性があります。
タイプは、一体型とバラ売りのものがあります。バラ売りのものは、収納する場所や量に合わせて自由に組み合わせることができるため、アレンジがしやすくおすすめです。
素材は、プラスチックや不織布などが一般的です。プラスチック製は丈夫で長持ちしますが、重い場合があります。不織布製は軽量で通気性が良いですが、耐久性にやや劣る場合があります。
クローゼット中央から下部に設置する衣類などを収納する引き出しはプラスチック製のものを選び、枕棚など高い場所に置く収納は不織布など柔らかいものがおすすめです
また、収納ケースは買い足すことがあったり、壊れてしまう可能性があります。長く使うことを考えると、ある程度の品質のもので追加で購入できる定番商品を選ぶことをおすすめします。
アイテムの配置
収納スペースを最大限に活用するためには、アイテムの配置にも工夫が必要です。物の高さを意識した収納は、取り出しやすさを向上させるだけでなく、視覚的な整理にも繋がります。
また、季節によって使用する頻度が変わる衣類は、季節ごとに分けて収納することで、クローゼットの中がすっきりします。別の場所に収納したり、圧縮袋を利用したりして、スペースを有効活用しましょう。
引き出しが奥に深い場合は、手前をシーズン中の衣類、奥をオフシーズンの衣類にすることで、簡単に取り出せます。服をたたむ向きを揃えたり、ハンガーの種類を統一すると、よりすっきりとした印象になります。
アイロン台やスーツケースなど、大きなアイテムは、クローゼットの隙間や、別の場所に収納することをおすすめします。
余白を残す
収納の成功には、余白を残すことが非常に重要です。
服を取り出す際、他の服と引っ掛かってしまうことがなくなります。クローゼットの容量の80%までを目安に収納しましょう。残りの20%は、新しい洋服のスペースや、一時的に置きたいもののスペースとして空けておくと便利です。クローゼットの中がごちゃついていないため、ストレスなく洋服を選ぶことができます。
定期的にクローゼットの中身を点検し、着なくなった服は処分しましょう。そうすることで、自然と余白が生まれます。
まとめ:あなたのクローゼットを変える第一歩
クローゼット収納は、単に服をしまう場所というだけでなく、毎日の生活の質を大きく左右する要素です。この記事でご紹介した収納のコツを実践することで、あなたのクローゼットは、探しやすく、取り出しやすく、そして気持ちの良い空間へと生まれ変わります。
クローゼット収納は、一度整えてしまえば、あとは維持していくだけです。定期的に見直しを行い、不要なものを処分することで、常にすっきりとした状態を保てます。あなたも快適なクローゼット収納を始めませんか。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。