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共済と保険は何が違う?メリットとデメリット・共済の選び方を解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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死亡や入院・手術などの保障を準備する方法として、共済や保険があります。ご自身やご家族の万が一に備えたい方であれば、共済や保険の違いについて知りたいのではないでしょうか。 そこでこのコラムでは、共済や保険の特徴やそれぞれのメリット・デメリット、向いている方、共済を選ぶ時のポイントについて紹介します。違いがわかることで、適切な保障を準備できるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

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共済とは?保険との違い

共済と保険は「死亡や入院などに備えるための仕組み」といった点では変わりありません。ただし保障内容や種類などが異なるため、どちらを選ぶべきかわからない方もいるのではないでしょうか。

最初に共済と保険の違いを解説しましょう。なおここでいう保険は「生命保険」を指します。

共済とは

共済とは、同じ地域や職業などの組合員が掛金(保険でいう「保険料」)を出し合い、同じ組合員内でお互いの死亡や重度障害、入院、通院、手術などで発生する経済的リスクを補填し合う制度です。共済は「互いに助け合う」ことを意味します。

共済の保障内容や掛金、種類は保険と異なるため、まずは特徴を理解しましょう。

共済の特徴

共済の組合員になるための条件は各共済で異なります。例えば都道府県民共済では、その都道府県に住んでいる方や勤務地のある方などが対象です。また共済は非営利団体で利益を追求せず、余剰金が出た場合には「割戻金」が受け取れます。

共済によっては掛金が「月1,000円」「月2,000円」と性別・年齢問わず一律のものもあります。死亡や入院、手術といった方に対する保障の他に、住宅や自動車など物に対する補償もあるのが特徴です。

共済の種類

主な共済は以下のとおりです。

  • こくみん共済 coop(全労済)
  • JA共済
  • 都道府県民共済

こくみん共済 coop(全労済)は「全国労働者共済生活協同組合連合会」といい、死亡や入院といったさまざまなリスクに備える「こくみん共済」、火災や地震などに備える「住まいる共済」、車などの事故に備える「マイカー共済」などがあります。

JA共済は「農業協同組合(JA)」と「JA共済連」が共同で行う総合保障で、人に関する保障として「終身共済」や「医療共済メディフル」、家に関する保障として「火災共済」、車に関する保障として「クルマスター」など、ラインナップは豊富です。

そして都道府県民共済は「全国生活協同組合連合会」のことで、死亡や入院などを保障する「生命共済」、火災や地震などに備える「火災共済」、そして交通事故などに備える「傷害保障型共済」などがあります。

保険とは

保険とは、生命保険会社などが取り扱う金融商品です。契約者が保険料を支払い、被保険者が死亡や高度障害、入院、介護状態などになった時に、受取人が保険金や給付金を受け取れる仕組みです。

共済と比べて、保険料や加入条件、種類はどう異なるのか確認しましょう。

保険の特徴

保険では現在や過去の健康状態や職業などの告知・診査が基本的に必要ですが、条件が通れば誰でも加入できます。

保険会社に支払うお金のことを「保険料」といい、保障内容や被保険者の年齢、性別によって異なるのが特徴です。

なお保険会社は利益を上げることを目的とする営利団体で、時代やニーズに合わせたさまざまな商品を販売しています。

保険の種類

保険には死亡や入院、手術、介護、個人年金、教育費の保障や車・家の補償など、さまざまな種類があります。死亡・高度障害の保障は大きく分けて「定期保険」「終身保険」「養老保険」の3つで、それぞれの保障内容や保険料は表のとおりです。

種類保障内容保険料    
定期保険     「10年・15年」「60歳・70歳まで」など、一定期間内に死亡・高度障害になった場合に死亡・高度障害保険金が支払われる。安い
終身保険死亡・高度障害の保険金が支払われる期間が一生涯続く。高い
養老保険一定期間内に死亡・高度障害になれば死亡・高度障害保険金が、満期に生存していれば満期保険金が支払われる。高い

定期保険は「子どもが生まれた時から自立するまで」など、一定期間に家族の責任が重くなるケースなどに適しています。保険料は他と比べると割安ですが、解約返戻金(解約時に戻るお金)はないか、あってもごくわずかです。

一生涯の死亡保障を備えたい場合には終身保険が良いでしょう。一般的に保険料は定期保険よりも高くなり、解約返戻金は加入後、次第に多くなります。

養老保険は死亡もしくは生存している場合にお金がもらえる保険で、どちらか一方の保険金を受け取ると契約は終了します。保険料は高く、解約返戻金も高額です。

共済と生命保険の違い

共済、保険は、ともに万が一のときに保障を受けられるものです。似ている部分もありますが、監督官庁、根拠法令などが異なります。以下の表に違いをまとめました。

 共済保険
主な監督官庁厚生労働省・農林水産省金融庁
主な根拠法令消費生活協同組合法・農業協同組合法保険業法
保障の豊富さ少ない多い
保険料(掛金)安い高い
セーフティーネットなしあり(生命保険契約者保護機構)

共済と保険にはそれぞれ良さがあります。ご自身の希望や必要な保障などに応じて選択しましょう。

共済のメリット・デメリット

共済の掛金は手頃で、シンプルな保障が多くあります。ここでは共済のメリットやデメリットを詳しくご紹介します。

共済のメリット

共済の主なメリットは、以下の2つです。

  • 掛金は手頃で年齢・性別問わず一律のものもある
  • シンプルな保障が多い

2021年(令和3)年度の「生命保険に関する全国実態調査」では、民間の生命保険会社の世帯年間払込保険料は359,000円ですが、JA共済では228,000円、県民共済・生協等では76,000円であることがわかっています。この結果から共済の掛金は保険よりも安いといえるでしょう。

保障内容については、以下の都道府県民共済(東京)「生命共済 総合保障型」(保障内容は主なもの)のように、月掛金や入院給付金、死亡保険金などがシンプルなものもあります。どのようなときに保険金が支払われるかわかりやすいのがメリットです。

コース月掛金病気入院(1日当たり)病気死亡
総合保障型1型1,000円2,250円200万円
総合保障型2型2,000円4,500円400万円
総合保障型4型4,000円9,000円800万円
参照元:生命共済 総合保障型

共済のデメリット

共済の主なデメリットは以下のとおりです。

  • 保障内容を柔軟に選択できない場合もある
  • 種類や地域によっては加入できないものがある

共済によってはあらかじめ保障内容がセットで決まっているため、ご自身の好みに合わせて選択できないこともあるでしょう。このような場合には、保険と併用して保障を手厚くするのもおすすめです。

またご自身に合った掛金や保障内容が見つかったとしても、共済によっては加入できるとは限りません。例えば農家以外の方がJA共済に加入したければ、出資金の支払いが必要なケースもあります。

気になる共済があった時には保障内容や加入条件などを事前に調べ、比較検討できるようにしましょう。

保険のメリット・デメリット

保険の保障は主契約・特約ともに豊富で、ライフスタイルに合わせて選択できるのが特徴です。次に保険のメリットやデメリットを紹介します。

保険のメリット

保険の代表的なメリットは、以下の2つです。

  • 保障が充実している
  • 最新の保障に加入できる

保険ではご自身やご家族のニーズに合わせて保障を選択できます。商品の品揃えが豊富なため、ひとつの保険会社のみで必要な保障を揃えやすいでしょう。また外貨建て保険は保険特有の商品です。

保険のデメリット

保険には以下のようなデメリットもあります。

  • 保険料が高い
  • 年齢や性別によって保険料が変わる
  • 商品によっては加入条件が厳しい

保険料は年齢が上がるにつれて上がり、死亡保障であれば男性の方が女性よりも高くなります。保険料については、契約のしおりや毎年届くお知らせでこまめに確認することが大切です。

また持病があったり5年以内に入院していたりすると、加入できない場合もあります。健康に不安のある方は、引受緩和型保険や無告知型保険なども確認し、幅広く選択肢を持つようにしましょう。

共済と保険ならどちらが向いている?

共済と保険は似ている部分があるため、どちらが向いているかわからない方もいるのではないでしょうか。ここでは、共済が向いている方と保険が向いている方について解説します。保障選びにお役立てください。

共済が向いている方

共済は最低限の保障があれば良いと思う方や、毎月の支払いを抑えたい方、契約中の保険に少額の保障を上乗せしたい方などにぴったりです。具体的には独身の方や子どもがいない方などが当てはまるでしょう。

共済は保険と比べて掛金が割安で、シンプルな保障内容が多くなります。それぞれの共済で保障内容は異なるため、ご自身にはどの保障が必要か計算してから検討しましょう。

保険が向いている方

保険は手厚い保障が欲しい方や貯蓄性も持たせたい方、最新の保障に加入したい方、よりご自身に合った保障を選びたい方などに向いています。

保障が充実している分、不必要な保障も加えてしまう場合もあります。保険会社の職員だけではなく、ご家族とも話し合ってしっかりと見極めてから利用しましょう。

共済と保険は併用も可能

共済と保険はどちらか一方のみに加入しなければならないわけではありません。併用してそれぞれの良さを取り入れるのもおすすめです。

共済や保険によって入院や通院の保障日数などの支払い条件は異なるため、資料請求をして内容をしっかり確認しましょう。

共済を選ぶ時のポイント

共済を選ぶ際には、最初に加入する目的や保障内容を明確にしましょう。気になる商品があったら、死亡や入院などの保障額や加入条件を確認します。以下では、共済を選ぶ時の具体的なポイントについてご紹介します。

加入する目的・保障内容を明確にする

最初に加入する目的や必要な保障内容を明確にしましょう。

加入する目的には、具体的に以下のようなものがあります。

  • 入院や通院の経済的負担を軽減するため
  • 葬式費用を準備するため
  • 子どもの教育費を貯めるため

そして必要な保障内容は現在の生活費や将来発生する費用、万が一の際に入ってくるお金などを洗い出して計算します。うまくまとめられない時には、箇条書きで紙に書き、整理するのもおすすめです。

保障額を確認する

保障額は共済によって大きく異なるため、WEBサイトやパンフレットなどで調べましょう。シミュレーションなどを使って保障額と保険料のバランスを確認することも大切です。すでに加入している保険と重複している部分も含めて、検討しましょう。

加入条件を確認する

スムーズに手続きを進めるためには、加入条件を確認することが大切です。例えば都道府県民共済(東京)には、東京に住んでいる方か東京に勤務地がある方しか加入できません。

加入条件がわからない場合には、電話で聞いてみるのも良いでしょう。

おわりに

共済は「死亡や入院などを保障する」点では保険と同じですが、掛金が割安で、保障内容がシンプルといった特徴があります。共済によって加入条件が異なり、保障の組み合わせに制限があるケースもあるため、気になる商品があったらWEBサイトやパンフレットで調べておくと安心です。

共済ではなく保険の相談なら、オンラインFPショップ「セゾンのマネナビをご利用ください。「セゾンのマネナビ」は、ファイナンシャルプランナーに何回相談しても無料で対応してくれるサービスです。「加入している保険が適しているか」「自身に合った保障内容はないのか」など、早めに相談してみてはいかがでしょう。

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