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積立保険のデメリットとは?掛け捨て型との違い・選ぶときのポイントを解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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積立保険には貯蓄性があるため、保険料が高くなりやすいのが特徴です。一方で「掛け捨て」ではなく、解約返戻金や満期保険金としてお金を受け取れることから、積立保険がご自身に合っているか知りたい方もいるのではないでしょうか。 そこでこのコラムでは、積立保険のメリットやデメリット、掛け捨て型との違い、選ぶ時のポイントなどについて紹介します。

積立保険とは

契約者が払い込んだ保険料を保険会社が運用し、死亡時には「死亡保険金」、満期時には「満期保険金」、そして解約時には「解約返戻金」として受け取れる保険のことを積立保険といいます。

積立保険に加入すれば何かしらの形でお金が入ってくるため、いわゆる「掛け捨て型」の保険よりも合っている方もいるでしょう。

積立保険とは

厳密には「積立保険」といった保険商品はありません。あくまで貯蓄性のある保険の総称で、「貯蓄型保険」とも呼ばれます。

老後の生活費や子どもの教育資金、結婚資金、死亡後のご家族の生活費などを準備するのにぴったりです。

積立保険の種類

積立保険には大きく分けて、以下の5つがあります。

  • 終身保険
  • 養老保険
  • 学資保険
  • 個人年金保険
  • 外貨建て保険

同じ積立保険でも保険の目的や役割は異なります。違いを理解し、ご自身やご家族にとって適切な保険を見つけましょう。

終身保険

終身保険とは、死亡または高度障害保険金を受け取れる期間が一生涯続く保険です。保険料の払い込み期間には一時払いタイプや、10年・15年といった一定期間タイプなどがあります。

例えば40歳で加入し80歳で亡くなった場合には、その時点で死亡保険金が受取人に支払われ、保険は終了します。

途中で解約した時には解約返戻金としてある程度のお金が戻ってくることになります。40歳で加入し、50歳で解約すればその時点での解約返戻金を受け取り、保険は終わります。

一生涯の死亡保障を準備したい方に終身保険はぴったりです。また学資保険の代わりに子どもが生まれてから加入し、進学や入学のタイミングで解約する方法もあります。

養老保険

加入時に10年・20年などと一定の保険期間を定め、その期間内に死亡したら死亡保険金が支払われ、満期時に生存していれば満期保険金が支払われる保険が養老保険です。途中で解約すれば解約返戻金を受け取れます。

保険料の払い込み期間には保険期間の全期間や一時払いなどがあり、払い込む保険料の総額や毎月の負担を考えて決めることが大切です。

具体的に、親の死亡保障と子どもの教育資金を準備する目的で35歳、15年満期で加入する方法があります。死亡すれば残されたご家族の生活費になり、50歳時点で生存していれば、満期保険金を子どもの大学資金などに使えるでしょう。

保障と貯蓄機能の両方があるため、保険料は比較的高額です。

学資保険

学資保険は教育費専用の保険です。保険料を子どもが「10歳・15歳になるまで」など一定期間払い込み、進学や入学のタイミングに学資金や祝い金として受け取ります。

加入が早いほど、払い込み期間が短いほど、保険料の総額は安くなり返戻率{(受け取れるお金÷払い込んだ保険料の総額×100)%}が上がるため、出産前から検討することが大切です。出生前から申し込める商品もあります。

保険料を払い込んでいる期間に契約者が死亡・高度障害になれば、それ以降の払い込みは免除され、予定どおり学資金や祝い金を受け取れるのが魅力で、契約者は主に父や母です。

個人年金保険

個人年金保険は公的年金を補うために民間の保険会社が販売している商品です。保険料を一定期間払い込み、65歳や70歳などを迎えた時に年金形式や一括で受け取ります。

個人年金保険は年金の受け取り方法によっていくつかに分けられ、代表的なものは以下のとおり。

受け取り方受け取り期間受取人が死亡した場合
確定年金5年・10年など遺族が残りの期間分を受け取れる
有期年金10年・15年など遺族は受け取れない
終身年金死亡するまで遺族は受け取れない

有期年金や終身年金に保証期間が付いている場合には、保証期間中に死亡すると遺族は残りの保証期間分の年金を受け取れます。他には、夫または妻が生存している限り年金を受け取れる夫婦年金もあります。

保険料の払い込み期間や契約年齢などによって返戻率は大きく変わるため、いくつかプランを出してもらいましょう。

外貨建て保険

外貨建て保険とは、払い込んだ保険料を外貨で運用する保険をいいます。「外貨建て保険」という商品があるわけではなく、具体的な商品名としては、外貨建て終身保険や外貨建て養老保険などとなります。

魅力は、日本円よりも高金利の外貨で運用されるため、より多くのお金を受け取れる可能性がある点です。そのため外貨建て保険は物価上昇対策に効果的といえるでしょう。

一方で為替レートの変動によって受け取れるお金が少なくなるケースもあります。

加入する際には手数料なども含めて、担当者と充分に相談することが重要です。

積立保険のメリットとデメリット

積立保険を活用することで、計画的に資産形成ができます。一方で保険料が高く、元本割れする可能性があるため注意が必要です。次に、積立保険のメリットとデメリットについて詳しく解説します。

積立保険のメリット

積立保険のメリットは以下のとおりです。

  • 何かしらの形でお金を受け取れる
  • 計保険料よりも受け取れる額の方が多くなる場合がある
  • 貯蓄と保障が並行できる
  • 計画的に資産形成ができる
  • 契約者貸付制度が利用できる

定期保険や医療保険といった掛け捨て型とは異なり、積立保険には「お金を貯蓄できる」点からさまざまなメリットがあります。

何かしらの形でお金を受け取れる

積立保険では解約時には解約返戻金、満期があれば満期保険金、死亡時には死亡保険金を受け取れます。一度加入すると何かしらの形でお金を受け取れるため、いわゆる「掛け捨て」ではない点が大きな魅力です。

累計保険料よりも受け取れる額の方が多くなる場合がある

内容によっては、払い込んだ保険料の総額よりも受け取れる保険金額の方が多くなる場合があります。保険会社が受け取った保険料を運用することで、受け取れるお金が増える可能性があるためです。

例えば終身保険では保険料払い込み期間を過ぎてから解約すると、払い込んだ保険料の総額よりも解約返戻金の方が多くなり、返戻率が100%を超えるケースもあります。

貯蓄と保障が並行できる

万が一の死亡・高度障害の保障に備えながら貯蓄ができるのも積立保険の魅力です。例えば養老保険では保険期間内に被保険者が死亡・高度障害になれば死亡・高度障害保険金が支払われ、満期まで生存していれば満期保険金が受け取れます。

計画的に資産形成ができる

ご自身やご家族のライフプランに合わせて資産形成がしやすいのも特徴です。

例えば学資保険では、「子どもの大学入学時に学資金を受け取る」といった保障内容にできます。契約時に受け取りのタイミングを決められるため、計画的にお金を準備しやすいでしょう。

契約者貸付制度が利用できる

積立保険特有の制度として「契約者貸付制度」があり、商品によっては利用できます。契約者貸付制度とは加入している保険の解約返戻金の範囲内で保険会社からお金を借りる仕組みです。返済時には、保険会社指定の利息で返済し、契約者のみが利用できます。

商品によって利用方法は異なるため、契約前に充分に確認しましょう。

積立保険のデメリット

積立保険の主なデメリットは以下のとおりです。

  • 資産運用としての効率は低め
  • 掛け捨てよりも保険料が高い
  • 早期解約すると元本割れする可能性が高い
  • タイプによってはインフレの影響を受ける

契約時にはこの4点に着目し、商品を選んでみましょう。

資産運用としての効率は低め

積立保険には貯蓄機能があるものの、「資産を増やす」点では、投資信託や株式といった投資よりも効果が低いのが一般的です。特に円建ての積立保険では低金利の影響で受け取れるお金が期待できません。

より多くお金を増やしたい時には、外貨建て保険や投資商品を検討してみましょう。

掛け捨てよりも保険料が高い

積立保険の保険料は定期保険などの掛け捨て保険よりも高くなります。保障に加えて貯蓄性を備えているためです。

保険料を抑えるためには必要な保障額を算出した上で加入することが重要です。加入後に保険料の支払いが厳しくなった場合には、保険金額を減額し保険料を下げるのも良いでしょう。

早期解約すると元本割れする可能性が高い

積立保険を契約から早い段階で解約すると解約返戻金が払い込み保険料を下回る可能性があります。

早期解約を防ぐためには、継続的に保険料を支払っていけるか家計簿を見て把握し、本当に必要な保障のみに入ることが大切です。

タイプによってはインフレの影響を受ける

一般的な積立保険では契約時に保険金額や解約返戻金は決まっています。受け取り時に契約時よりもインフレになっていれば、価値が目減りする可能性もあります。契約時に決まっていることはリスクにもなります。

インフレリスクに対応するためには、変額保険も検討しましょう。変額保険とは、保険料を株式や債券などで運用することで保険金や解約返戻金が変動する保険です。

掛け捨て型との違いや積立保険が向いている方

掛け捨て型の保険には、定期保険や医療保険、がん保険などがあります。積立保険と掛け捨て型の保険のどちらにすべきか迷う方は、ご自身の性格も踏まえて検討することが大切です。

ここでは、掛け捨て型と積立保険がそれぞれ向いている方について解説します。

積立保険と掛け捨て型との違い

掛け捨て型の魅力は、安い保険料で万が一の保障に備えられる点にあります。満期保険金はなく、解約返戻金はないか、あってもごくわずかです。

以下に積立保険と掛け捨て型の違いをまとめました。

違い積立保険掛け捨て型の保険
保険料高い安い
解約返戻金ありなし(あってもごくわずか)
満期保険金ありなし
主な種類・終身保険
・養老保険
・学資保険
・個人年金保険
・外貨建て保険
・定期保険
・医療保険
・がん保険
・収入保障保険

積立保険がおすすめな方

積立保険は以下のような方に向いています。

  • コツコツ貯蓄するのが苦手な方
  • 掛け捨て型に抵抗を感じる方
  • 将来のために貯蓄したい方
  • 加入する目的が明確な方

保険料払い込み期間や保険期間が長くなることも踏まえて、長期的な視点で合っているか考えましょう。

コツコツ貯蓄するのが苦手な方

解約時には書類を作成したり、担当者に連絡したりしなければならないため、簡単にはお金を引き出せません。そのためなかなかお金を貯められない方に向いているでしょう。

銀行口座にお金があると使い込んでしまう方でも、積立保険であれば強制的にお金を貯められます。

掛け捨て型に抵抗を感じる方

保険料を支払うことに抵抗がある方もいると思います。積立保険であれば死亡保険金・満期保険金・解約返戻金と何かしらの形でお金を受け取れるため、できるだけ無駄にしたくない方にぴったりでしょう。

ただし保険料は高くなるため、どのくらいの支出であれば、10年・20年と保険料を支払っていけるか計算してから加入することが大切です。

将来のために貯蓄したい方

保険料は基本的に口座から引き落とされるため、自動的にお金を貯められる仕組みを作れます。

子どもの教育費や結婚資金、老後の生活費、葬儀代など、将来のためにお金を準備したい方にぴったりです。

加入する目的が明確な方

積立保険の多くは、「大学の教育資金や老後の生活費などを貯める」といった目的を持つ方のための商品です。「子どもの大学入学のために200万円を貯める」「70歳から10年間の生活費を準備する」といった明確な目的があれば、積立保険は適しているでしょう。

掛け捨て型がおすすめの方

掛け捨て型が向いている方は、以下のとおりです。

  • 手厚い保障を受けつつ保険料を抑えたい方
  • ご自身で資産運用をしたい方

掛け捨て型の保険と積立保険の目的は異なります。ご自身やご家族の希望を踏まえつつ、幅広い選択肢を持って商品を選びましょう。

手厚い保障を受けつつ保険料を抑えたい方

「死亡保障1,000万円」など、万が一の保障を手厚くしつつ毎月の保険料を抑えたい方には、掛け捨て型がおすすめです。

掛け捨て型は保障メインであるため、保険料は比較的安くなります。

ご自身で資産運用をしたい方

投資信託や株式などでより多くのお金を増やしたい方であれば、貯蓄部分を投資で増やし、万が一の死亡保障については掛け捨て型にするのも良いでしょう。

毎月いくらまでであれば投資と保険に支出できるか、リスクも踏まえたうえで計算することが重要です。

積立保険の選び方

積立保険は以下の手順で選びます。

  • 加入する目的を決める
  • 保険金額を決める
  • 返戻率を確認する
  • 保障内容を明確にする

加入目的や保障内容などを充分に把握せずに加入してしまうと、途中で解約するケースも考えられます。ご家族と話し合って決めることで、よりぴったりの商品がわかるでしょう。

加入する目的を決める

最初に加入目的を決めましょう。具体的には、「子どもの大学資金を300万円準備する」「自営業で公的年金が少ないため70歳から10年間年金を受け取りたい」などがあります。

終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険、外貨建て保険によって保障内容が大きく変わり、例えば学資保険をひとつとっても、「小学校や中学校の入学に備えるタイプ」「大学入学に備えるタイプ」などがあり、バリエーションは豊富です。

加入目的が明確になれば、WEBサイトで探す手間も省け、より良い商品を見つけられるでしょう。

保険金額を決める

保険金額とは「満期保険金500万円」「学資金200万円」「個人年金10年間で700万円」のように、受け取れるお金のことです。加入目的から必要な金額を算出します。

ただし保険金額が多くなるほど、保険料は高くなるため、長期的に支払っていけるかも踏まえて検討しましょう。

返戻率を確認する

契約する際には返戻率も一緒に確認しましょう。返戻率の計算式は「(受け取れるお金÷払い込んだ保険料の総額×100)%」です。解約返戻金が220万円で払い込んだ保険料の総額が200万円であれば110%となります。

保険料の払い込みを一時払いや年払いなどにすることで、返戻率は上昇します。余裕のある方は検討してみましょう。

保障内容を明確にする

主契約(基本的な保障)に付加できる特約も確認し、必要な保障内容を明確にしましょう。

特約には無料のものもありますが、多くが有料です。契約時に必要ではなくても将来必要になった時に付加できるかどうか確認しておくと安心です。

おわりに

積立保険は保障と貯蓄を準備できる一方、掛け捨て型よりも保険料が高くなります。積立保険を選ぶ際には、加入する目的や保険金額、返戻率、保障内容を明確にしましょう。 積立保険と掛け捨て型を併用した方が良いこともあります。ご自身で判断できない場合には、保険@SAISON CARDをご利用ください。

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