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地震保険はいらない可能性も?基礎知識を学んで必要性を見極めよう!

セゾンのくらし大研究 編集部

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地震保険はいらないとの意見を聞き、入るべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。加入を検討する際は、地震保険の補償対象や範囲を理解したうえで検討することが重要です。 このコラムでは、地震保険の必要性について解説します。地震保険の仕組みに詳しくない方でも簡単に理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。

地震保険の基礎知識を学ぼう

地震保険はいらない可能性も?基礎知識を学んで必要性を見極めよう!

この章では、地震保険の基礎知識についてご紹介します。補償対象や限度額など、地震保険の仕組みを見ていきましょう。

地震保険は火災保険に付帯する保険

地震保険は、地震・噴火またはこれらを原因とする災害で受けた損害を補償する保険です。地震や噴火などによって被害を受けた方の生活を安定させることを目的としています。単独で加入できず、火災保険とセットでの契約が必要です。

地震保険は民間の保険会社と政府が共同で運用しており、公共性の高い保険で、補償内容や保険料は保険会社に関わらず同じになっています。

地震保険で補償されるのは「建物」と「家財」

地震保険の補償範囲は居住用の建物と家財です。常時居住できる状態でない空き家や別荘は、補償の対象外となります。

火災保険は火災や風災などで受けた建物や家財の損害を補償しますが、地震を原因とする火災は、火災保険の補償に含まれていません。火災保険だけでは地震が原因で受けた被害をカバーできない可能性があるため、補償範囲を検討する際には注意が必要です。

保険金の支払いは損害の程度により4つに分かれる

保険金は損害の程度によって「全損・大半損・小半損・一部損」の4つに分けられます。損害が認定される基準は以下のとおりです。

【建物】

平成28年以前
保険始期     
平成29年以降
保険始期     
基準
全損全損・主要構造部の損害額が建物の時価50%以上
・焼失、流失した部分の床面積が建物の延床面積の70%以上             
半損大半損・主要構造部の損害額が建物の時価40%以上50%未満
・焼失、流失した床面積が建物の延床面積の50%以上70%未満
小半損・主要構造部の損害額が建物の時価20%以上40%未満
・焼失、流失した床面積が建物の延床面積の20%以上50%未満
一部損一部損・主要構造部の損害額が時価3%以上20%未満
・建物が床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水を受け、建物の損害が全損・大半損・小半損に至らない場合
※主要構造部とは土台、柱、壁、屋根など

【家財】

平成28年以前
保険始期
平成29年以降
保険始期
基準
全損全損損害額が家財の時価80%以上
半損大半損損害額が家財の時価60%以上80%未満         
小半損損害額が家財の時価30%以上60%未満
一部損一部損損害額が家財の時価10%以上30%未満

損害程度に応じて、支払われる保険金額は変動します。

地震保険の補償限度額は契約している火災保険に準ずる

地震保険の保険金額は、契約している火災保険の保険金額に対して30〜50%の範囲内で任意に決められます。上限額は建物が5,000万円、家財が1,000万円です。

例えば火災保険の保険金額を建物3,000万円、家財1,000万円に設定している場合、地震保険の保険金額は以下のように決められます。

 建物家財
火災保険3,000万円1,000万円
地震保険900〜1,500万円で設定可能300〜500万円で設定可能
参照元:財務省|地震保険制度の概要

地震保険はいらないと判断する前に!必要性を知ろう

地震保険はいらないと判断する前に!必要性を知ろう

地震保険に加入しておくと、マンションや戸建てに関わらず、もしもの際に経済的なサポートを受けられます。この章では、地震保険に加入する必要性についてご紹介しましょう。

日本の全世帯の約3.5割が加入している

日本で地震保険に加入している世帯の割合は、全体のおよそ35%です。火災保険に加入している世帯だけで見るとおよそ70%に及びます。地震保険の世帯加入率は増加傾向にあり、2023年5月の新規契約数は約610,000件です。

地震大国と呼ばれる日本は、全国各地で地震による被害が発生しています。建物への損害は経済的な損失が多くなる傾向にあるため、地震保険に加入して万が一に備えておくのがおすすめです。

地震災害の公的な支援制度では最大300万円まで

地震に対する公的な備えとして「被災者生活再建支援制度」があります。生活基盤に著しい損害を受けた方を対象に、生活の安定や被災地の速やかな復興を支援する制度です。生活関係経費に最大100万円、居住関係経費に最大200万円が支給されます。

ただし、公的支援制度では最大でも300万円までしか支援金が支払われません。地震保険への加入は、損害を受けたときに必要となる金額を計算したうえで判断しましょう。

参考!地震保険加入の必要性がわかる早見表

地震保険に加入する必要性が高い方・低い方の特徴は、以下の早見表でチェックできます。

必要性の高い方必要性の低い方
ローンの残債が多いローンの残債が少ない
貯金が少ない貯金が多い
物件所在地の地震リスクが高い物件所在地の地震リスクが低い
家財が多い家財が少ない
自宅と職場が一緒になっている自宅と職場は別々になっている

ご自身が地震保険の加入を検討する際に、参考にしてみてください。

参照元:損害保険料率算出機構|グラフで見る!地震保険統計速報

参照元:内閣府|被災者生活再建支援制度PDF|P1

地震保険のお金のあれこれ|保険料相場や割引制度など

地震保険のお金のあれこれ|保険料相場や割引制度など

地震保険の必要性は理解できるものの、保険料はできるだけ抑えたい方は多いでしょう。ここからは、地震保険の保険料の相場や割引制度についてご紹介します。

地震保険料の相場目安

建物の保険料に影響を与える要素は、以下のとおりです。

  • 建物の所在地
  • 構造
  • 割引制度の適用有無

例えば、東京都にある鉄筋コンクリート造のマンションの場合、地震保険料の目安は以下のようになります。

所在地東京都(持ち家)
建物の構造鉄筋コンクリート
火災保険の保険金額(建物)5,000万円
火災保険の保険金額(家財)1,000万円
割引適用なし
年間の地震保険料の目安(建物)41,250〜68,750円    
年間の地震保険料の目安(家財)8,250〜13,750円

ご自身の地震保険料を計算したい方は、保険会社に問い合わせてみましょう。

参照:一般社団法人日本損害保険協会|地震保険料の計算

地震保険に適用される割引制度

地震保険には4つの割引制度が設けられており、制度を活用することで、建物や家財に対して10〜50%の割引を受けられます。それぞれの対象要件と保険料の割引率は、以下のとおりです。

割引制度割引の説明保険料の割引率       
免震建築物割引     「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく「免震建築物」である場合50%
耐震等級割引「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に規定する評価方法基準定められた「耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」または 国土交通省の定める「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」に定められた耐震等級を有している場合耐震等級350%
耐震等級230%
耐震等級110%
耐震診断割引地方公共団体等による耐震診断または耐震改修の結果、改正建築基準法(昭和56年6月1日施行)における耐震基準を満たす場合10%

ただし、割引制度は重複できず、いずれかひとつのみ適用されます。詳細は損害保険会社の相談窓口に問い合わせてみましょう。

年末調整などで所得控除が受けられる

地震保険料は年末調整や確定申告で「地震保険料控除」を受けられます。地震保険料控除とは、支払った地震保険料に応じて、一定額が所得金額から差し引かれる制度です。課税所得金額から地震保険料が控除されると、所得税や住民税の負担が軽減されます。

地震保険料控除を受けるためには、契約している保険会社から送付される「地震保険料控除証明書」が必要です。一般的には毎年10月頃にハガキで送られてくるため、届いた書類を保管しておきましょう。

保険料をできるだけ安く抑えるためにできること

地震保険は長期間で契約するほど保険料が抑えられ、2〜5年の長期契約の場合、保険料は1年間の保険料に以下の係数をかけて計算します。

期間係数
2年1.90
3年2.85
4年3.75
5年4.70

例えば、1年分の地震保険料が10,000円のとき、2年契約の保険料は19,000円です。複数年まとめて契約すると、1年契約で毎年更新する場合と比べて保険料を抑えられます。

その他、不要な家財の処分や耐震改修は保険料の軽減に効果的です。保険料を安く抑えられる方法を活用して、家計への負担を減らしましょう。

地震保険に関する4つの注意点

地震保険に関する4つの注意点

地震保険に加入する際は、以下4つの点に注意が必要です。

  • 地震災害の多くは一部損と認定される
  • 住居として使われていない建物や車、バイクは対象外
  • 地震保険の請求期限は3年
  • 被害の大きさによっては支払われないケースも

それぞれ順番にご紹介します。

地震災害の多くは一部損と認定される

地震による災害は「一部損」と認定されることが多いです。東日本大震災で保険金が支払われた事例のうち、建物は54.6%、家財は16.2%が一部損と認定されました。全壊と評価されたのは建物が3.3%、家財が1.6%です。

過去の事例を考慮すると、地震保険だけで全ての損害をカバーすることは難しいでしょう。場合によっては、自己負担額が多くなる可能性があります。

参照:内閣府|地震保険制度に関する プロジェクトチーム報告書 p.16

住居として使われていない建物や車、バイクは対象外

地震保険の補償対象は、居住用として使われている建物や家財です。空き家や別荘のように、普段は居住用として使用されていない建物は、補償の対象外となります。

また、地震で車やバイクが被害を受けたとしても、補償対象に含まれないため保険金は支払われません。車やバイクに対しての補償を手厚くしたい場合は、特約でカバーする方法などを検討しましょう。

地震保険の請求期限は3年

地震保険の請求期限は、保険法により3年と定められています。3年間を過ぎた場合、原則として保険金請求の権利は消滅するため注意が必要です。

損害の発生から時間が経過すると、原因の特定が困難になり経年劣化と判断されてしまう可能性があります。経年劣化による損害とみなされると、保険金は支払われません。補償範囲に含まれる損害を受けたときは、早めに手続きしましょう。

被害の大きさによっては支払われないケースも

一部損に満たない小さな被害は、地震保険が適用されないケースがあります。一部損と認定される基準は以下のとおりです。

  • 主要構造部への損害額が、建物の時価の3%以上20%未満
  • 建物が床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水を受け、損害が発生

しかし、保険会社の判断によっては認定基準が異なる可能性があります。被害を受けた際にはご自身で判断せず、損害保険会社へ相談してみましょう。

参照元:法務省|保険法|e-Gov法令検索|第95条

地震保険はセゾン自動車火災保険の「じぶんでえらべる火災保険」とのセットがおすすめ

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地震保険の保険料や補償内容は各社共通のため、加入を検討する際は、セットで契約する火災保険の内容で比較検討することが重要です。

地震保険に加入するのであれば、セゾン自動車火災保険の「じぶんでえらべる火災保険」がおすすめです。「じぶんでえらべる火災保険」はダイレクト型の強みを生かした手頃な保険料が特徴で、補償内容を自由に組み合わせることができます。見積もりの取得や申し込みはインターネット上で完結するため、スムーズな手続きが可能です。地震保険の加入を検討されている方は「じぶんでえらべる火災保険」をぜひ検討してみてください。

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せじか

おわりに

地震保険の必要性は、被害を受けたときの経済的な損失や公的支援制度による補償額を考慮して検討する必要があります。ローンの残債が多い方や貯金の少ない方は、地震保険の必要性が高いでしょう。

セゾン自動車火災保険では手頃な火災保険料が強みの「じぶんでえらべる火災保険」を通じて、お客さまの安心した住まいづくりをサポートしています。地震保険選びにお悩みの方は、セゾン自動車火災保険までお気軽にお問い合わせください。

SA2023-1086(2023.10)

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