更新日
公開日

自損事故で保険は使える?対応の仕方や注意点を解説

セゾンのくらし大研究 編集部

執筆者

セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

自損事故で使える保険には、人身傷害保険や自損傷害保険、搭乗者傷害保険があります。事故を起こすと、「どのように対応すべきか」「治療が長引いたらどうしよう」と心配になる方もいると思います。急なトラブルに備えて正確な情報を集めることは大切です。 そこでこの記事では自損事故で使える保険や事故を起こしたときの対応、注意点について紹介します。万が一のために基礎知識を身につけ、スムーズに解決しましょう。

自損事故とは?

自損事故とは?

自損事故とは運転手自らが単独で起こした事故のことです。別名「単独事故」とも呼ばれ、運転者に全ての過失・責任がある事故をいいます。

自損事故の例は以下のとおりです。

  • ハンドルミスで自宅の車庫にぶつけた
  • アクセルとブレーキを踏み間違えてガードレールや電柱にぶつけた
  • わき見運転をして崖から転落した

「対向車と衝突し死亡させた」「歩行者にケガを負わせた」など、相手がいる事故ではありません。相手はいないものの、交通事故として扱われるため、運転者として適切な対応が求められます。

自損事故を起こした場合の対応

自損事故を起こした場合の対応

自損事故を起こしても、「ケガをしている方がいないから大丈夫」「自宅の車庫を壊しただけだから問題ない」と警察を呼ばない方もいるのではないでしょうか。自損事故であっても道路交通法72条の「緊急措置義務」と「警察への報告義務」が課され、罰則の対象となります。対応の流れは以下のとおりです。

  1. 危険防止措置を実施する
  2. 警察に報告する
  3. 病院を受診する

以下で詳しく解説します。

危険防止措置を実施する

はじめに、車道や歩道に散らばった車や公共物の破片を安全な場所に移動させましょう。撤去しないと他の車や歩行者、自転車に乗っている方にケガを負わせてしまい、2次被害を生み出してしまうおそれがあります。交通量の多い場所や夜間などは特に安全に注意して撤去しましょう。

加えて後続車に事故を知らせ、車両を誘導します

ただし運転者がケガを負った場合には周囲の方に助けを求め、救急車を呼んでもらいましょう。

警察に報告する

次に110番通報をし、警察へ事故の状況を伝えましょう。自宅に帰ってから連絡するのでは遅く、事故を起こしてからすぐに報告しなければなりません。

自損事故の発生日時や場所、壊した物や破壊状況、事故で講じた措置などについてありのままを報告しましょう。

病院を受診する

警察からの聞き取りが終わったら、万が一のために病院を受診しましょう。むち打ちなどは後から症状が出ることもあります。受診が遅くなると事故とケガの因果関係が証明できなくなり、保険の適用とならない可能性もあります。

「自覚症状がないから大丈夫」と考えるのは大変危険です。命に関わることでもあるため、できるだけ早く受診することをおすすめします。

自損事故で保険は使える?

自損事故で保険は使える?

自損事故を起こすと運転者や同乗者がケガをしたり、車が壊れたりすることもあります。「自己責任だから保険は使えない」と考えている方もいるのではないでしょうか。

自動車保険には「自賠責保険」と「任意保険」があり、それぞれで補償の対象が異なります。特に任意保険では契約内容によって補償内容はさまざまです。次に自損事故で使える保険について紹介します。

自賠責保険

自賠責保険は交通事故による被害者を救済するための保険で、対人事故による相手方の治療費や慰謝料、後遺障害、死亡などを補償します。

自損事故であれば相手方が死傷することはないため、自賠責保険から補償を受けられません。ただし運転者以外の方(同乗者)がケガをした場合には自賠責保険の対象となります。

自動車保険

自賠責保険に加えて任意で加入する自動車保険に自損事故で補償を受けられる保険を付加していれば、自損事故でも保険金が受け取れます

任意保険で自損事故に対応する保険は「人身傷害保険」「自損傷害保険」「搭乗者傷害保険」の3つです。

人身傷害保険

人身傷害保険は運転者や同乗者が死傷した場合に、治療費や休業損害、後遺障害などの補償を受けられる保険です。過失に関係なく実際の損害額を保険金として受け取れます。

自損傷害保険

自損傷害保険では運転者や同乗者が死亡またはケガをした際に、死亡保険金や入院費といった保険金が支払われます。人身傷害保険と異なり、保険金は定額で決まっています。基本的に人身傷害保険とセットで加入できません。人身傷害保険と補償の範囲が被っているケースが多いため、本当に必要か十分に検討しましょう。

搭乗者傷害保険

搭乗者傷害保険は運転者や同乗者が死亡またはケガをした場合に治療費などを補償してくれるものです。保険金額は頭部・手指、打撲・骨折などと部位や症状ごとに定められています。

人身傷害保険に加入していれば治療費の実費が受け取れるため、搭乗者傷害保険はいらないとする見方もあります。

自損事故を起こした場合に気をつけたいこと

自損事故を起こした場合に気をつけたいこと

自損事故では運転者やご家族のケガだけではなく、大切な車にも傷をつけることになります。場合によっては他人の所有物を壊すこともあるでしょう。次に自損事故を起こした場合の注意点を解説します。

物損に対しては必要な保険を付けていないと補償されない

自損事故で自分の車や公共物を壊した際には、対物賠償保険や車両保険に加入していないと補償を受けられません。人身傷害保険や自損傷害保険、搭乗者傷害保険はあくまで運転者や同乗者に対する補償です。

対物賠償保険や車両保険は任意保険のひとつです。さまざまなプランを確認し、保険金額や保険料はいくらが適切か検討することをおすすめします。

警察に報告しないと「交通事故証明書」が発行されない

自損事故を起こした場合、警察に届け出ないと「交通事故証明書」を受け取れません。交通事故証明書は事故の事実を公に証明するための書類で、保険金を請求する際に必要です。また治療で会社を休む場合や労災の申請にも提出を求められることがあります。

申請できる方は事故の当事者や保険金の受取人などです。

自損事故で使える車両保険の注意点

自損事故で使える車両保険の注意点

自損事故で自分の車が壊れたときには「車両保険」を使えます。車両保険とは自分の車の修理費用を補償する保険です。次に車両保険の注意点について紹介します。

車両保険には「一般型」「限定(エコノミー)型」がある

車両保険の契約プランには「一般型」と「限定(エコノミー)型」の2つがあります。保険会社によっては、一般型を「一般車両」「一般条件」「ワイドカバー」などと、限定(エコノミー)型を「車対車+A」「限定車両」「限定カバー」などと呼びます。

一般型と限定(エコノミー)型の違いは補償範囲です。一般型ではより広く補償でき、車同士の事故のみならず、自損事故や当て逃げ、自転車との接触などが対象になります。一方で限定(エコノミー)型よりも保険料が高くなります。車の運転を始めたばかりの方や日常的に運転する方などにおすすめです。

限定(エコノミー)型では車同士の事故などは補償されるものの、自損事故は対象外です。保険料は一般型よりも安くなります。なるべく保険料の負担を減らしたい方は限定型を検討してみましょう。

補償範囲は保険会社によってさまざまです。詳しくは保険会社に問い合わせてみることをおすすめします。

「免責金額」が設定される

免責金額とは修理代の自己負担額です。「5-10万円」「10-10万円」などと記載され、左の数字が1回目の車両事故、右が2回目以降の車両事故の免責金額です。例えば修理代が100万円で免責金額が10万円であれば、90万円が保険金として受け取れます。

免責金額を大きくすると修理代はかかるものの、保険料は安くなります。

ただし全損の場合には免責金額を支払う必要はありません。

車によっては車両保険に入れない

車両保険によっては、以下の車は契約できない可能性があります。

年式が古い

初度登録年月から一定期間が経っている車では、車両保険に入れないこともあります。昔の車の場合、車の部品などが調達できない可能性があるためです。具体的な経過年数は保険会社によって異なります。

保険金額が高すぎる

保険金額が高くなる高級車も車両保険に加入できない場合があります。高級車の事故では修理代が高くなり、保険会社の立場からすると出費が多くなるためです。

車の時価額が低すぎる

車の時価額(市場価格)が低すぎると、保険金額を設定できないため、車両保険に加入するのは難しくなります。時価は年式や車種などによって決まり、保険会社ごとに違いがあります。

車両料率クラスが高い

保険会社は車両保険に加入する際に車両料率クラスを基準にしています。車両料率クラスとは、事故の起こりやすさ・大事故になる可能性の高さを表すものです。高級車やスポーツカーなどであれば数字が大きくなります。車両料率クラスが高いと保険金支払いのリスクが高くなるため、車両保険に入れない可能性があります。

自損事故で保険を使ったら等級が下がる?

自損事故で保険を使ったら等級が下がる?

自損事故で車両保険を使うと、等級が下がります。等級とは自動車保険の割引率を決めるものです。1等級から20等級まであり、最初は6等級からスタートします。次に等級と自動車保険について解説します。

等級が下がる保険・下がらない保険

自動車保険には使用すると等級が下がるものと下がらないものがあります。車両保険や対人賠償保険、対物賠償保険は使用すると等級が下がるため、注意が必要です。一方で人身傷害保険と搭乗者傷害保険は利用しても等級は下がりません。

等級が下がる事例

等級は事故の内容によって1等級もしくは3等級下がります。それぞれのケースは以下のとおりです。

1等級下がるケース

1等級下がる事故は以下のようなケースです。

  • 盗難
  • 台風や竜巻、洪水などの水災
  • 落書き
  • 飛び石 など

例えば現在の等級が15等級で盗難被害に遭い、車両保険を使うと、翌年度は14等級になります。

3等級下がるケース

3等級ダウンは以下のようなケースです。

  • 電柱・ガードレールへの衝突
  • 当て逃げ
  • 他車との衝突 など

等級が3つ下がると、保険料も以前より高くなってしまいます。翌年度の保険料と修理費用を担当者に聞き、車両保険を利用するか検討しましょう。

等級が下がらない事例

保険を使っても等級が下がらない事故があり、「ノーカウント事故」といいます。事故がなかったこととして扱われ、翌年度の等級が1上がります。

以下の保険に該当する場合には等級は下がりません。

  • 人身傷害保険
  • 搭乗者傷害保険
  • 無保険者傷害特約
  • 弁護士特約 など

ノーカウント事故に当てはまるかは保険会社によって異なるため、詳しくは担当者に聞いてみましょう。

等級が下がっても保険を使った方が良い?

等級ダウンで保険料の負担が増えるとなると、「保険は使わないほうが得かもしれない」と思う方もいるのではないでしょうか。

万が一公共物や車の損害が大きい場合には、修理代や損害賠償金が高額になる可能性があります。保険料が上がっても保険を利用したほうが最終的な負担は軽くなるケースもあるため、保険の利用も前向きに検討しましょう。

自損事故への備えには「おとなの自動車保険」がおすすめ

セゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」は価格.comの自動車保険満足度ランキング2023で第1位となった人気の保険です。事故率の低い30代〜50代の保険料を割安にし、保険料は過去1年間の走行距離に応じた走行距離区分で算出しています。必要な補償を自由に組み合わせて、節約もできるため、多くの方に選ばれています。

自損事故に備えたい方は人身傷害保険や車両保険なども付加できます。

新規契約で最大13,600円割引※1、継続でも最大10,600円※2の割引きができますので、自動車保険に加入したい方は「おとなの自動車保険」をお申し込みください。

「おとなの自動車保険」についての詳細はこちら

おとなの自動車保険
おとなの自動車保険

※1ネット割(13,000円)と早割50日(600円)を適用した場合です。
分割払の場合、ネット割は年間12,960円となりますので、最大割引額は年間13,560円となります。

※2ネット割(10,000円)と早割50日(600円)を適用した場合です。
分割払の場合、ネット割は年間9,960円となりますので、最大割引額は年間10,560円となります。

SA2023-1126(2023.11)

おわりに

自損事故は相手のいない単独事故のことで、電柱やガードレールへの衝突、崖からの転落などが当てはまります。自損事故であっても、すぐに緊急措置を実施し、警察に報告し、できるだけ早めに病院を受診しましょう。

自損事故で使える保険は「人身傷害保険」「自損傷害保険」「搭乗者傷害保険」の3つで、自賠責保険は対象となりません。自分の車や公共物を壊した際には、対物賠償保険や車両保険で補償します。

自動車保険を使うと翌年度の等級が下がり、保険料の負担が増えるケースもあります。自動車保険を使うべきか担当者と十分に話し合いましょう。

株式会社クレディセゾン提供(運営会社セゾンファンデックス)

関連する記事

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする