友人や家族から車を借りて、買い物や旅行に行きたい人も多いかもしれません。車の運転をする場合、事故のリスクを考える必要があります。自分の車以外に乗って事故を起こしたとき、自動車保険の補償はどうなるのでしょうか。このコラムでは、借りた車で事故を起こした場合に考えられる自動車保険について解説します。車を借りる前にチェックしておき、万が一の場合に備えましょう。
自動車保険についておさらい
自動車保険は、自動車を運転する際に発生する事故に備える保険です。加入が義務づけられている「自賠責保険」と、任意で加入する「任意保険」の2種類があります。
加入義務のある「自賠責保険」
自賠責保険とは、基本的な対人賠償を確保するために自動車を所有する人が加入しなければならない保険です。自動車事故によって他人に与えた損害に対して、一定の範囲内で補償を行います。
自賠責保険で支払われる保険金の限度額は、以下のとおりです。
- 死亡：3,000万円
- ケガ：120万円
- 後遺障害：後遺障害の程度に応じて75万円～4,000万円
自賠責保険は、自動車登録時や車検時に加入します。
任意で加入する「任意保険」
任意保険とは自賠責保険の補償額を超える損害や、自分自身の損害に対しても補償を受けられる自動車保険です。任意保険にはさまざまなプランがあり、自分のニーズや予算に合わせて補償内容を選べます。任意保険は、自賠責保険とは別に契約する必要があり、加入は法律で義務づけられていません。
しかし、自動車事故を起こしたときに任意保険に加入していなければ、ほとんどの人は支払い不能になると考えられます。被害者に対する責任を果たすためにも、すべてのドライバーに任意保険は必要といえるでしょう。
友人や家族の車を借りる場合の保険【3パターン】
友人や家族の車を借りて運転する際、事故に遭う可能性も否定できません。借りた車で事故を起こした場合に備える、以下の3つの保険をご紹介します。
他車運転特約を使う
他車運転特約とは自動車保険に付帯する特約で、契約の車以外を運転した場合にも保険が適用されるという内容です。友人や家族の車を借りる場合、自分の自動車保険にこの特約が付いているか確認しましょう。
特約が付いていれば、事故が起きた場合にも保険金が支払われます。他車運転特約の補償内容は、一般的に自車が受けられる内容に準じます。
1日自動車保険に加入する
1日自動車保険とは、文字通り1日（24時間）だけ有効な自動車保険です。友人や家族の車を借りる前にスマホやコンビニで申し込めば、すぐに加入できます。
また、保険料は一般的には1,000円から3,000円程度と手頃です。1日自動車保険は車を持っていない人が他人の車を借りるときだけ契約し、補償がある状態で運転できます。
ドライバー保険に加入する
ドライバー保険とは車を持っていない人が他人の車を借りて起こした事故に対して、補償する保険です。ドライバー保険は1日自動車保険と違い、1年単位の加入となります。そのため、頻繁に車を借りる人には1日自動車保険よりドライバー保険が適しています。
ドライバー保険は通常の自動車保険と同様に、等級制度や年齢条件によって保険料が決まります。
ドライバー保険と1日自動車保険の主な違いは、以下のとおりです。
| ドライバー保険 | 1日自動車保険 | |
| 契約期間 | 原則として１年契約 （１ヵ月契約可能な保険会社あり） | １日ごと（最長７日） |
| 保険料 | 年齢や等級制度によって決まる | プランによって保険料は一律 |
| 車両保険 | 付帯できない | プランによって付帯可能 |
車を借りるときに使える1日自動車保険・ドライバー保険2選
車を借りるときには事故に備えて、1日自動車保険やドライバー保険の加入を検討しましょう。ここでは、家族や友人から車を借りるときに使える1日自動車保険・ドライバー保険の株式会社クレディセゾンが選定した2社を紹介します。
東京海上日動火災保険「ちょいのり保険（1日自動車保険）」
「ちょいのり保険」は、東京海上日動火災保険の1日自動車保険です。最長連続7日間まで24時間単位の契約で、スマホやローソンLoppiで即日加入できます。レギュラープランでは車両保険、プレミアムプランでは車両保険と弁護士費用特約が付帯できます。プレミアムプランに加入すれば、借りた車を傷つけたときや、もらい事故でも安心です。
「ちょいのり保険」で無事故の場合、将来契約する東京海上日動火災保険の自動車保険に１日自動車保険無事故割引が適用されます。
「ちょいのり保険」は補償充実のプレミアムプランでも1日2,600円と、手頃な保険料で加入できます。
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※株式会社クレディセゾンは、東京海上日動火災保険の代理店として保険契約締結の媒介を行っております。締結代理権および告知受領権は有しておりません。
【主な特徴】
| 種類 | 1日自動車保険 |
| 保険料の目安 | 800円～ |
| 補償内容 | 対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、他 |
| 支払い方法 | キャリア決済・クレジットカード・コンビニ |
損保ジャパン「時間単位型自動車保険『乗るピタ！』」
「乗るピタ！」は、損害保険ジャパンの1日自動車保険です。通常の1日自動車保険は24時間単位での契約ですが、「乗るピタ！」は12時間単位で契約できます。そのため、ライトプランの12時間利用なら650円と、短時間の利用時にリーズナブルに補償を準備できます。
プランはライトプラン・基本プラン・安心プランの3パターンがあり、車両保険が付くのは基本プランと安心プランです。
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※株式会社クレディセゾンは、損害保険ジャパンの代理店として保険契約締結の媒介を行っております。締結代理権および告知受領権は有しておりません。
【主な特徴】
| 種類 | 1日自動車保険 |
| 保険料の目安 | 650円～ |
| 補償内容 | 対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、搭乗者傷害特約 他 |
| 支払い方法 | クレジットカード |
「乗るピタ！」はドライバー保険に時間単位型ドライバー保険特約を付帯した保険契約のペットネームです。引受保険会社は損害保険ジャパンです。
なお、本ページの表の比較は、特定の保険商品の比較であり内容全てが掲載されているものではありません。 参考情報としてご利用いただき、ご加入の際は商品の詳細について必ず各保険会社のウェブサイト等 をご参照ください。保険料には記載の項目以外のオプションが付帯されている場合があります。また、 プラン・契約条件・オプションの有無により保険金額や補償内容は異なります。
友人や家族の車を借りるときの注意点
友人や家族の車を借りる場合、事故やトラブルに備えていくつかの注意点があります。ここでは、車の所有者の自動車保険とご自身が加入している自動車保険の確認ポイントを解説します。
車の所有者の自動車保険を確認する
車を借りる前に、車の所有者の加入する自動車保険の内容を確認しましょう。自動車保険の契約内容で運転者の範囲を限定している場合、借りる人が条件に該当するかのチェックが必要です。運転者の範囲を限定する主な特約には、「運転者年齢条件特約」と「運転者限定特約」があります。
運転者年齢条件特約とは、運転する人の年齢を限定する特約です。以下は、年齢条件の例です。
- 全年齢補償
- 21歳以上補償
- 26歳以上補償
- 35歳以上補償
一般的に記名被保険者の配偶者、記名被保険者またはその配偶者の同居親族以外が運転する場合、年齢条件にかかわらず補償対象となります。
運転者限定特約は、運転する人を限定する特約です。運転者年齢条件特約とともに付帯する場合、限定された運転者が年齢条件を満たしていることが必要となります。運転者限定特約には、以下のような種類があります。
- 運転者限定特約：記名被保険者とその家族が運転しているときにかぎり補償の対象となります。保険会社によっては特約の付加ができない場合や補償の範囲が異なる場合があります。
- 運転者限定特約（本人・配偶者）：記名被保険者とその配偶者が運転しているときにかぎり補償の対象となります。
- 運転者限定特約（本人）：記名被保険者が運転しているときにかぎり補償の対象となります。
注）配偶者には内縁の相手方および同性のパートナーを含みます。（以下、同様とします）
ご自身が加入している自動車保険の内容を確認する
ご自身が加入している自動車保険についても確認しておきましょう。一般的に自動車保険の補償は、契約する車の運転中に発生した事故を対象にしています。
ただし、多くの契約では「他車運転特約」という借りた車で起こした事故を補償する特約がセットされています。他車運転特約の補償内容は保険会社によって異なるため、車を借りる人は確認しておきましょう。
自分の車を持っていて任意保険に加入していれば、1日自動車保険やドライバー保険に加入する必要はないといえます。
借りた車で事故を起こしてしまったときの懸念点
借りた車で事故を起こした場合、「車の所有者の自動車保険を使う」または「車を借りた人の自動車保険を使う」という選択肢が考えられます。それぞれの注意点について見ていきましょう。
車の所有者が加入している保険を使う場合
車を借りた人が自動車保険に加入していない場合、車の所有者の自動車保険を使うことになります。
しかし、所有者の自動車保険に、運転者限定特約や運転者年齢条件特約が付帯されている場合があります。車を借りた人が補償対象となる運転者の範囲から外れている場合、事故を起こしても保険金が支払われません。
また、所有者の保険を使えたとしてもほとんどの場合、更新時の等級や保険料に影響が及びます。保険料が上がってしまった場合、所有者に大きな迷惑となってしまうのです。
車を借りた方の保険を使う場合
車を借りた方の保険とはドライバー保険や1日自動車保険、所有する車の自動車保険の他者運転特約を指します。
車を借りた人がドライバー保険や1日自動車保険に加入している場合、その保険を使えます。自分で加入している自動車保険の他者運転特約を利用する場合、保険金が支払われないケースもあり、注意が必要です。
他者運転特約の保険金が支払われない主なケースは、以下のとおりです。
- 勤務先が所有する車を業務のために運転したときに発生した事故
- 被保険者が役員をしている会社の自動車を運転中の事故
- 所有者に承諾を得ずに借りた車での事故
おわりに
家族や友人の車を借りる場合、短時間の利用でも事故のリスクを考える必要があります。自動車事故を起こした場合、自己資金では支払えないような損害が発生する恐れもあります。車を借りる人が保険に加入しないと、事故の被害者や車の所有者に大きな迷惑をかけることになりかねません。車を借りる予定のある人は、運転者の責任としてご自身の状況に合った適切な自動車保険を準備しておきましょう。
- この記事は概要を説明したものです。詳しい内容につきましては、「ご契約のしおり（約款）」「重要事項説明書」などをご覧ください。
- 詳細は、取扱代理店または引受保険会社までお問合せください。
