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【もしもに備えて】自転車保険の事故補償内容やその他の備えについて解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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自転車事故保険の加入の義務化などにより、自転車事故のリスクに関心を持つ方も多いのではないでしょうか。自転車事故保険は自動車保険と異なり、強制加入ではありません。そのため、事故の相手方が保険に未加入のケースもあり、その場合には交渉が難航するおそれがあります。

この記事では自転車事故のリスクを確認し、自転車事故保険とそれ以外の備えの必要性について解説します。自転車に乗る本人、家族が自転車に乗る方は、ぜひ参考にしてください。 (本記事は2023年12月25日時点の情報です)

自転車事故3つのリスク

自転車事故3つのリスク

自転車は、道路交通法においては軽車両に位置づけられる「自動車の仲間」です。そのため、自転車に乗る方は、自転車事故が思わぬ大きな被害をもたらすリスクがあることを知っておかなければなりません。

自転車関連事故件数の推移

出典:警察庁「自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転~」より

2022年中の自転車関連事故(自転車が第一当事者または第二当事者となった交通事故)の件数は69,985件と、2012年の132,051件の約半数となりました。しかし、2020年の67,673件からはやや増加傾向にあり、全交通事故に占める自転車関連事故の構成比も2016年以降増加しています。

参考:警察庁|自転車関連交通事故の状況

自転車事故における、3つのリスクについて解説します。

自転車の加害事故

自転車の加害事故とは、自転車が他人や物にぶつかって損害を与える事故です。例えば、歩行者や他の自転車と衝突したり、駐輪場で他人の自転車を傷つけたりする場合の多くが該当します。自転車の加害事故では運転者が加害者として法的な責任を負うことになり、損害賠償や示談交渉などの対応が必要になる場合もあるのです。

公益財団法人交通事故分析センターの調査によると、自転車対歩行者、自転車対自転車の事故を起こした年齢は10~12歳ころに増え始め、13~18歳で急増します。年齢が高くなると自転車での行動範囲が広くなることが原因の1つと考えられます。

このような若年層が自転車事故の加害者とならないためには、交通ルールを守り、周囲に注意しながら運転することが大切です。

参考:交通事故総合分析センター|自転車が加害者となる事故

自転車の被害事故

自転車対自動車、自転車対二輪車の事故では自動車や二輪車が加害者と判断され、交通弱者である自転車運転者は被害者とされる傾向があります(自転車同士・歩行者に対しては加害者となることが多くなります)。自転車側が被害者と判断された場合、損害賠償や治療費などの支払いの請求が可能です。

ただし、被害者であっても事故の状況によっては過失相殺されるケースもあり、過失割合に応じて請求できる損害賠償額が削減されます。過失割合とは、交通事故の当事者双方の責任を数値で表したものです。例えば、相手方に7割、自分が3割というような割合で表します。

過失割合は警察が決めるわけではなく、事故の当事者同士の話し合いで決めるものです。一般的には事故のパターン別に過去の判例をもとにした過失割合の基準に基づいて算出されます。状況によっては自転車の過失割合が高くなるケースもあることを知っておきましょう。

自転車の被害事故を防ぐためには、ヘルメットや反射材などの安全装備を着用し、なるべく危険な場所や時間帯を避けることが大切です。

財物の損害

自転車に乗っていて他人の財物に衝突し、損傷させると損害賠償責任を負わなければなりません。自転車による財物の損害には、駐車中の自動車にぶつかり、傷をつけてしまうケースが挙げられます。

自転車事故保険とは

自転車事故保険とは

自転車事故保険(自転車保険)は正式には自転車損害賠償保険等といい、自転車の交通事故で他人を死傷させた損害を賠償する保険または共済のことです。

自転車は運転免許も不要な移動手段として、幅広い年齢層から多目的な用途で利用されてきました。その一方で、最近では自転車事故によって重大な事故が発生しているため、加害者が数千万円もの高額の損害賠償を命じられる判例が出されています。

自転車事故における被害者救済の観点から、条例により自転車事故保険への加入を義務化する動きが広がっています。

自転車事故保険への加入義務化の条例改正は、2015年10月に初めて兵庫県で導入され、その後も多くの地方自治体で義務化や努力義務とする条例が制定されるようになりました。2023年4月1日現在、32都府県で自転車事故保険への加入を義務化、10道県で努力義務化する条例が制定されています。

東京都では、自転車事故保険の加入を義務づける条例を2020年4月1日から施行しています。

参考:東京都生活文化スポーツ局|東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例

自転車事故保険の種類

自転車の事故に備える保険としては、他人にケガをさせたり、他人の財物を壊したりして法律上の損害賠償責任が発生した場合に備える「個人賠償責任保険」と、自分がケガをした場合に備える「傷害保険」があります。それぞれについて見ていきましょう。

個人賠償責任保険

個人賠償責任保険は個人またはその家族が、法律上の損害賠償責任を負った場合の損害を補償する保険です。他人にケガをさせたり他人の物を壊したりして、損害賠償金や弁護士費用などを支払った場合の損害を補償してくれます。

自転車事故により歩行者にケガを負わせたり、駐車中の自動車にぶつかって損傷させたりしたケースが補償の対象となります。

個人賠償責任保険の被保険者は「生計を共にする同居の親族」です。よって、世帯主が契約すれば子どもが起こした事故も補償されます。

また、子どもには「生計を共にする別居の未婚の子」が含まれるため、親から仕送りを受けている未婚の学生についても補償の対象となります。

傷害保険

「傷害保険」は急激・偶然・外来の事故によってケガをして入院・通院をしたり、死亡したりした場合に備える保険です。自転車による転倒のような、思わぬ事故によって生じたケガも支払いの対象になります。

傷害保険で支払われる主な保険金は、以下のとおりです。

保険金の種類支払いの要件支払われる額
死亡保険金事故日からその日を含めて180日以内に死亡した場合死亡・後遺障害保険金額の全額
後遺障害保険金   事故日からその日を含めて180日以内に後遺障害を負った場合死亡・後遺障害保険金額×所定割合(後遺障害の程度によって4%~100%)
入院保険金事故日からその日を含めて180日以内に入院した場合入院保険金日額×入院日数

手術保険金事故日からその日を含めて180日以内に手術をした場合入院保険金日額×所定倍率

通院保険金事故日からその日を含めて180日以内に通院した場合通院保険金日額×通院日数

保険金支払い日数や手術保険金の倍率は、保険会社ごとに定められています。

自転車事故保険加入のメリット

自転車事故保険は、自転車に乗っているときに起こりうる事故やトラブルに備えて加入する保険です。自転車事故保険にはさまざまなメリットがありますが、ここでは主に以下3点について解説します。

【自転車事故保険加入のメリット】

  • 家族向けプランを選択することで補償範囲を広げられるものがある
  • 付帯サービスや特約をつけられるものがある
  • 高額な損害賠償責任が発生するケースにも対応できる

家族向けプランを選択することで補償範囲を広げられるものがある

自転車事故保険には、契約者本人だけでなく、家族も補償してくれるプランが用意されている場合があります。家族向けプランを選択すると、補償範囲を広げられる点がメリットです。

自転車保険の個人賠償責任保険は、本人のみを対象とするプランでも同一生計の同居の家族は補償の対象です。しかし、家族向けプランでは、家族のケガの補償も受けられるようになります。

先述のとおり、13~18歳の未成年は自転車事故を起こす可能性が高く、世帯主が家族向けプランの自転車保険に加入することで、経済的リスクを軽減できます。

付帯サービスや特約をつけられるものがある

自転車保険には、付帯サービスや特約をつけられる商品もあります。代表的な付帯サービスには、以下のようなものがあります。

  • 示談交渉サービス:事故の相手方との示談交渉を保険会社が代行してくれるサービス
  • ロードサービス:事故や故障で自転車にトラブルが生じた際に自転車を運搬してくれるサービス

高額な損害賠償責任が発生するケースにも対応できる

自転車事故保険に加入すると、高額な損害賠償責任が発生するケースにも対応できるため、安心です。自転車事故で他人を死傷させた場合の損害賠償責任は、事故の状況や被害者の状態によっては数千万円から数億円にも及ぶおそれがあります。

実際に賠償金額が1,000万円を超える事例が数多くあります。たとえば、2013年7月の神戸地裁では、歩行中の62歳女性と衝突した事故の加害者に9,520万円の損害賠償が命じられました。

このような高額な賠償金を自分で支払うことは非常に困難ですが、自転車保険に加入していれば保険会社が代わりに支払ってくれます。被害者を保護する意味合いからも、自転車保険の最大のメリットといえるでしょう。

参考:兵庫県|自転車事故による高額賠償事例

自転車事故のその他の備え

自転車事故に備えるためには、自転車事故保険では不十分な場合があります。自転車事故で被害者になった場合、自分の賠償責任保険で補償を受けられず、保険会社の示談代行サービスを受けられないためです。

三井住友海上火災保険株式会社の2022年「自転車利用に関する調査結果」によると、自転車に乗る人の約6割は自転車保険に未加入でした。自転車事故の加害者が保険に未加入で経済的に余裕がない場合、被害者が損害賠償を受けられないおそれがあります。自力での加害者との交渉が難しい場合、弁護士への依頼が必要になるでしょう。

通常、弁護士に対して高額な委任費用や相談料がかかるため依頼をあきらめ、「泣き寝入り」するケースも多いとされています。

そのようなケースに備えるためには、弁護士への相談料や委任費用を保険金として支払う「弁護士保険 ミカタ」の利用がおすすめです。

弁護士保険 ミカタ」は、自転車トラブルに限らず、職場でのパワハラのトラブルや離婚トラブルなど幅広く対応しています。依頼者がトラブルの被害者・加害者どちらのケースでも保険金支払いの対象です。

例えば、自分のスーツケースで他人を転倒させて相手のスーツが破損し、相手方から約95万円の請求を受けたケースがありました。このケースでは「弁護士保険 ミカタ」の弁護士直通ダイヤルに相談して弁護士を紹介してもらい、約5万円で和解が成立しています。

日常生活ではどのようなトラブルに遭遇するかわからないため、「転ばぬ先の杖」として「弁護士保険 ミカタ」の利用を検討してはいかがでしょうか。

弁護士保険 ミカタの詳細はこちら

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おわりに

自転車事故では思わぬ高額な損害賠償が必要なケースもあるため、自転車に乗る方は自転車事故保険のような備えが必須です。ただし、自分が被害者になるケースでは自分の賠償責任保険の補償を受けられないため、示談交渉を保険会社に代行してもらえません。加害者側が保険に未加入で経済的に損害賠償が難しい場合、自力での交渉が難航するリスクがあります。そのため、弁護士保険のようなプラスアルファの備えが必要になる場合もあるでしょう。日常のさまざまなトラブルに備え、弁護士保険の加入も検討してはいかがでしょうか。

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