家財保険の保険料の相場がわからなくて、不安な方もいるのではないでしょうか。家財保険の保険料は、家族構成や住居の広さによって変わります。
今回は家財保険の保険料と保険金額の目安や、保険料を抑えるコツを詳しく解説します。この記事を読むと、保険料を抑えながら自分の生活スタイルに合った過不足のない保険金額を設定でき、最適な家財保険を選べるようになるでしょう。
(本記事は2024年7月22日時点の情報です)
家財保険とは?
家財保険は、家財を補償対象とする火災保険の一部です。最初に、家財保険がどのような保険かを押さえておきましょう。
家財保険とは?火災保険との違いも
家財保険とは火災保険の一部で、火災や自然災害、盗難などによって建物の中の家財に生じた損害を補償する保険です。
火災保険の補償対象は建物と家財に分かれており、それぞれを別々にセットする仕組みです。そのため、補償対象を「建物のみ」「家財のみ」「建物+家財」の3つのパターンから選択できます。
一方、家財保険は、家財のみを補償対象とします。家財とは家具や家電、衣類、書籍のような、日常生活で使用する動産のことです。つまり、家財保険は火災保険の中の家財部分に特化した保険といえます。
家財保険に入るメリット
「家財保険は不要ではないか」と考える方もいるかもしれませんが、家財保険には以下のようなメリットがあります。
もしものときの家財の買換え負担を軽減
家財保険の最大のメリットは火災や盗難、水害といった不測の事態で家財が損害を受けた際に、保険金を受け取れる点です。保険金は家財の買い替えや修理費用に充てられ、高額な出費をカバーできます。家具や家電を揃えたばかりで、貯蓄が少ないときなどには特に安心です。
万が一の自然災害に備える
近年、台風や豪雨のような自然災害が増加傾向にあります。家財保険はこれらの自然災害による被害も補償範囲に含まれていることが多く、不測の事態への有効な備えとなります。特に、水害や風災による家財の損害は予想外に大きくなる可能性があるため、家財保険の補償は大きな助けとなるでしょう。
火災保険と組み合わせるとカバーできる補償が増える
建物だけを補償対象にした火災保険に家財保険をプラスすると、建物と家財の両方が補償されます。火災や大規模な自然災害で、建物が全壊した場合には、家財もすべて買い替える必要があります。その場合、建物のみの補償では不十分といえるでしょう。家財の補償を追加することで、いざというときの経済的なダメージを軽減できます。
家財保険に入ったほうが良い人とは?
【家財保険に入った方が良い人】
- 高価な家財を所有している: 万が一の損害に備え、保険でカバーできる
- 自然災害のリスクが高い地域に住んでいる: 被災時の経済的負担を軽減できる
- 子育て中の家族・ペットを飼っている:偶発的な事故による家財の破損リスクをカバー
【家財保険があまり必要ではない人】
一方、以下のような人は、家財保険があまり必要でないかもしれません。
- 家財が少ない:損害を受けたとしても、大きな経済的負担にならない
- 貯蓄が十分にある:家財を買い替えられるだけの資金がある
- 実家暮らし:すでに親が加入している火災保険でカバーできる場合がある
家財保険の補償範囲は?
続いて、家財保険の補償対象となる家財や、災害について解説します。
補償されるもの・されないもの
家財保険の主な補償対象と補償対象外の家財は、以下のとおりです。
主な補償対象のもの | 主な補償対象外のもの |
・家具(テーブル、椅子、ソファ、棚など) ・家電製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機など) ・衣類、靴、バッグ ・寝具(布団、毛布、枕など) ・食器、調理器具 ・書籍、CD、DVD ・スポーツ用品、楽器 | ・自動車 ・現金、有価証券、クレジットカード ・印紙、切手 ・動物、植物などの生物 ・プログラム、データ |
1個または1組が30万円を超える貴金属、宝石、美術品などは、一般的な家財保険では「明記物件」として扱われ、通常の家財とは別に保険証券に記載されます。明記物件として補償を受ける高額品は、契約時に保険会社に申告する必要があります。
どんなときに補償されるの?
家財保険の補償対象となる主な災害や事故は、以下のとおりです。内容については保険会社や商品によって異なるため、加入時に条件を確認しましょう。また、地震、噴火、津波による損害は家財保険の補償対象外であるため、希望する場合は地震保険への加入が必要です。
補償内容 | 具体例 |
火災・落雷・破裂・爆発 | ・火災で家具や家電が損傷した ・落雷によってテレビが故障した ・ガスコンロやガス給湯器などのガス機器の故障や誤使用によって爆発が起き、周囲の家具や家電製品が損傷した |
風災・雹災・雪災 | ・強風で飛来物が窓に当たって割れ、室内の家財が水濡れした ・大雪の重みで屋根が崩れ、室内の家具や家電製品が損傷した |
水災 | ・床上浸水で家具が水浸しになった |
水濡れ | ・マンションの上階からの水漏れで、自室の家具や家電が濡れた |
盗難 | ・空き巣に入られ家財が盗まれた |
破損・汚損(偶発的な事故) | ・子どもやペットが家具や家電を破損させた |
家財保険料の目安は?
家財保険の保険料はいくらくらいなのか、気になる人も多いでしょう。ここでは、一般的な保険料の相場と、保険料が決まる要因について解説します。
一般的な保険料の相場
家財保険の保険料は保険金額や補償範囲、建物の構造、家族構成や世帯主の年齢などの要素で決まりますが、同じ補償内容でも保険会社によって保険料は異なります。一般的には年間4,000円から6,000円程度が相場とされています。
保険料に影響を与える要因とは?
家財保険の保険料は、以下のような要素で決まります。
家族構成や年齢
家族構成や世帯主の年齢は、家財保険の保険料に影響します。家族の人数が多ければ家財の量も多くなり、年齢が高くなるほど所有する物が増える傾向にあるためです。
建物の種類や構造
家財保険の保険料は、建物の種類や構造によっても変わります。建物の耐火性能が高いほどリスクが低くなり、保険料も安くなります。一般的に鉄筋コンクリートなどのマンションは、木造の一戸建てよりも保険料が低めです。
具体的な保険料の例
ここでは、家族構成ごとの具体的な保険料の一例を紹介します。
- 20代1人暮らし(保険金額300万円):年間4,770円
- 30代2人暮らし(保険金額400万円):年間5,350円
- 40代夫婦+子ども1人(保険金額600万円):年間6,520円
実際の保険金額や保険料は保険会社や個々の状況によって異なるため、あくまで参考と考えてください。
家財保険の金額の決め方
家財保険の保険料が決まる大きな要素に、保険金額があります。ここでは、家財保険の保険金額の決め方を解説します。
所持する家財の金額から決定する
家財保険の保険金額の決め方の1つに、所有する家財の合計額を設定する方法があります。この方法では家財のリストを作成し、それぞれを新しく購入する場合の金額(再調達価格)を合算して保険金額を決定します。
たとえば、以下のような家財を所有しているとします。
- テレビ:15万円
- 冷蔵庫:10万円
- 洗濯機:8万円
- パソコン:12万円
- ベッド:10万円
- ソファ:8万円
- ダイニングテーブルセット:10万円
- その他家具・家電:27万円
これらの家財の再調達価格を合計すると、100万円となります。この場合、家財保険の保険金額を100万円に設定すると、万が一の火災や盗難などの際に家財を買い替える費用をカバーできます。
簡易評価表に沿って決定する
家財保険の保険金額の決め方には、保険会社が提供する「簡易評価表」を参考にする方法もあります。簡易評価表は保険会社ごとに内容が異なりますが、家族構成別や専有面積別が一般的です。
家族構成別家財の目安
以下は、家族構成別の家財保険金額の目安の一例です。
家族構成 | 2名 ※大人のみ | 3名 ※大人2名 子ども1名 | 4名 ※大人2名 子ども2名 | |
世帯主の年齢 | 35歳前後 | 920万円 | 1,000万円 | 1,090万円 |
40歳前後 | 1,130万円 | 1,220万円 | 1,310万円 | |
45歳前後 | 1,340万円 | 1,430万円 | 1,520万円 | |
50歳前後 | 1,550万円 | 1,640万円 | 1,730万円 |
平米数別家財の目安
以下は、持ち家と賃貸住宅ごとの専有面積別の家財保険金額の目安の一例です。
33~66㎡ | 67~98㎡ | 99~131㎡ | 132㎡以上 | |
持ち家 | 960万円 | 1,210万円 | 1,580万円 | 1,930万円 |
賃貸 | 640万円 | 900万円 | 1,150万円 | 1,420万円 |
適切な保険金額を決定する際のポイント
適切な家財保険の保険金額を決めるには、過不足のない設定が大切です。保険金額が高すぎると保険料も高額になることで家計の負担が増加します。一方で、低すぎると、いざというときに十分な補償が受けられないおそれがあります。自身の生活スタイルや所有する家財の価値を考慮し、バランスの取れた金額を設定しましょう。
家財保険料を抑えるコツ
ここでは、家財保険の保険料を抑えるための3つのコツを紹介します。
不要な補償を外す
家財保険の保険料を抑えるには、不要な補償を外すことが効果的です。補償範囲が広がるほど保険料は高くなります。たとえば、水害リスクの低い地域に住んでいる場合は、水災補償を外すと保険料を節約できます。また、単身者で高価な家財を所有していない場合は、盗難補償を外すのも1つの方法です。このように自身の状況に合わない補償を外し、保険料を抑えつつ、必要な補償を確保できます。
割引を利用する
保険会社が提供する割引制度の活用を活用すると、家財保険の保険料を節約できます。多くの保険会社では1年契約を3年や5年の長期契約にすると保険料が割引され、年払いではなく一括で保険料を支払うと総額が安くなります。また、インターネットでの契約で割引が適用される保険会社もあります。このように割引制度を活用すると、家財保険の保険料の削減が可能です。
免責金額を利用する
家財保険の保険料の軽減には、免責金額を設定する方法も考えられます。免責金額とは保険金の支払いにおいて、契約者が自己負担しなければならない金額のことです。免責金額を高く設定するほど保険料は低くなります。
たとえば、免責金額を1万円に設定した場合、2万円の損害が発生しても保険金は1万円しか支払われません。この仕組みにより、少額の損害は自己負担となりますが、その分保険料が安くなります。このように、免責金額を上手に活用すると、保険料を抑えつつ必要な保障を確保できます。
家財保険を選ぶ際のチェックポイント
続いて、自分に合う家財保険を選ぶための3つのチェックポイントを紹介します。
希望する補償内容が得られるか
家財保険を選ぶ際は、希望する補償内容が得られるかしっかり確認する必要があります。補償内容は保険会社によって異なるためです。
たとえば、基本契約では火災や風災・雪災のみ補償されるが、水災や破損はオプションで追加しなければ補償されないといったケースがあります。その場合、基本契約の内容を確認するだけでなく、状況によってはオプションの追加も必要です。
自身の生活環境やリスクを考慮しながら基本契約とオプションを組み合わせることで、必要な補償を備えられます。
賃貸の場合は指定の保険金額を満たせるか
賃貸住宅で家財保険を選ぶ際は、指定された保険金額を満たしているかの確認が重要です。ほとんどの賃貸契約では家財保険に付帯される借家人賠償責任保険の加入が義務付けられており、その保険金額が指定されている場合があります。
たとえば、オーナーが「借家人賠償責任保険1,000万円以上」と指定した場合、その条件を満たす保険を選ぶ必要があります。指定の保険金額を下回ると入居を断られる可能性もあるため、必ず確認してから契約しましょう。
保険料は納得いく金額になっているか
家財保険を選ぶ際は、保険料が納得いく金額になっているかの検討が必要です。なぜなら、同じような補償内容でも保険会社によって保険料は異なるためです。複数の保険商品を比較検討すると、より自分に合った保険料の家財保険が見つかります。安さだけで飛びつかず、補償内容と保険料のバランスを考慮して納得のいく選択をしましょう。
家財保険なら「愛ある家財保険」
家財保険選びで迷ったら、住友生命グループのアイアル少額短期保険株式会社が提供する「愛ある家財保険」がおすすめです。
「愛ある家財保険」は、シンプルな補償内容でわかりやすく、保険料もお手頃な点が魅力です。賃貸住宅向けの場合、年間3,600円から加入できる、家計に優しい家財保険です。また、複雑なプランや特約がなく、必要最低限の補償が備わっているため、初めて家財保険に加入する方でも安心して選べます。
さらに、インターネットで簡単に手続きができるため、忙しい方でも手軽に加入できます。
「愛ある家財保険」は家財を火災や風災などのリスクから家計を守る、心強い味方です。ぜひ一度、公式サイトで詳細をご確認ください。
おわりに
家財保険は火災や自然災害、盗難などから大切な家財を守る重要な備えです。保険金額の設定や補償内容の選択、割引の活用など、適切な方法を用いることで、保険料を抑えて自分に最適な保険に加入できます。家財の価値や生活環境を考慮し、必要十分な補償を手頃な保険料で得られる家財保険を選びましょう。万が一の際の経済的ダメージを軽減し、安心して日常生活を送るためにも、ぜひ家財保険への加入を検討してください。
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