ぬいぐるみのような愛らしい見た目が人気のトイプードル。家族に迎え入れることを検討している方も多いのではないでしょうか。トイプードルに限ったことではありませんが、それぞれの犬種には飼うデメリットとメリットがあります。
そこでこの記事では、トイプードルを飼うデメリットをメインに、飼うメリットや飼育するうえでの注意点を紹介していきます。トイプードルの飼育を検討している方はぜひ参考にしてください。
- トイプードルは社交的な性格を持ち、頭の良さと愛おしい見た目がたくさんの方を魅了していることから、常に人気犬種ランキングでは上位を占めている犬種
- 飼うメリットは、カットスタイルを変えてオシャレを楽しめたり、犬特有の臭いが少なく、しつけしやすいことが挙げられる
- 一方で、足腰が弱く、暑さや寒さが苦手、定期的なブラッシングやトリミングが必要でお金がかかるという面もある
トイプードルってどんな犬?
キュートなビジュアルが多くの人を魅了するトイプードルは、日本で特に人気を集める犬種です。大型犬であるスタンダードプードルを小型に改良した犬種で、体高は約24〜28cm、体重は約3kgと小さめです。プードルのサイズはスタンダードプードル、トイプードルの他にも、ミディアムプードルとミニチュアプードルの4つに分類されています。
トイプードルは、人や他の犬が大好きな社交的な性格です。基本的に天真爛漫で人懐っこい性格を持っているため、初めて犬を飼う方にもおすすめといえるでしょう。このような特徴から、アニコム損害保険株式会社が行っている人気犬種ランキングでは13連覇を達成しています。
トイプードルを飼うデメリットとは?
見た目も可愛いく人気が高いトイプードルですが、飼うデメリットはあるのでしょうか。以下で紹介していきましょう。
トリミングやブラッシングが必要
トイプードルを飼う1つ目のデメリットは、トリミングやブラッシングが必要という点です。クルクルとした毛が可愛らしいトイプードルですが、その毛は絡まりやすく、トリミングやブラッシングなどの定期的なケアが必要といえます。
トリミングは、毎月1〜2回ほど連れて行ってあげましょう。1回のトリミングにつき6,000〜10,000円ほどかかる点も、トイプードルを飼ううえで頭に入れておかなければならない重要なポイントです。
また、日々のブラッシングも欠かせません。ブラッシングを嫌がらないように、小さい頃から習慣にしておきましょう。
毛玉ができやすい
前述したように、トイプードルの毛はよく絡まるため、毛玉ができやすいとされています。毛玉は放っておくと皮膚炎の原因にもなりかねません。そのため、定期的なトリミングとブラッシングで、もつれや毛玉がないきれいな状態を保ってあげましょう。
きちんとしたしつけが必要
トイプードルはとても賢い犬種です。学習能力が高いため、比較的しつけしやすいでしょう。しかし、その分悪知恵も働きやすく、相手によっては自身が上に立ち回りイタズラをすることもあります。そのため、小さい頃からのきちんとしたしつけが必要です。
暑さ・寒さが苦手
トイプードルは体高が低く地面との距離が近くなりやすいため、夏場は熱中症に注意する必要があります。また、保温の役割を果たすアンダーコートを持たないシングルコートのトイプードルは、寒さも苦手です。そのため、エアコンや洋服などで温度を細かく調節してあげましょう。
なりやすい病気がある
トイプードルに限らずにいえることですが、それぞれの犬種にはかかりやすい病気があります。以下では、トイプードルが特に注意したい病気について紹介していきましょう。
膝蓋骨脱臼
トイプードルは膝の関節が弱い傾向にあるため、膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼に注意する必要があります。膝蓋骨脱臼とは、後ろ足の「膝のお皿」といわれる膝蓋骨が外れたり正常な位置からズレたりしてしまう病気です。
症状の進行具合によってグレードが1〜4まで存在し、放っておくと膝を曲げたままでしか歩けない状態となってしまいます。膝蓋骨脱臼を防ぐには、よく登るソファーにスロープをつける、クッション性のあるフロアマットを敷くなどの対策がおすすめです。
免疫介在性多発性関節炎
関節リウマチとも呼ばれる免疫介在性多発性関節炎は、中年齢の小型犬に多く発症するとされています。免疫異常によって自身の足を自ら攻撃し、関節炎が多発する病気です。
特に予防法は確立されていませんが、過剰な運動や肥満は関節炎の悪化につながります。中年齢になったら激しい運動や段差の登り降り、肥満などに注意しましょう。
レッグペルテス
レッグペルテスとは大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)ともいい、大腿骨頭への血行が悪くなることが原因で起こる大腿骨が壊死してしまう病気です。
生後6〜7ヵ月頃の小型犬が多く発症するとされており、手術が必要になることもあります。レッグペルテスの予防法はありませんが、足を引きずる、座る時間が増えたなどの症状が見られたら早急に病院を受診するのが良いでしょう。
流涙症
トイプードルなどの小型犬に多く見られる病気として、流涙症が挙げられます。流涙症とは、目への刺激によって涙が過剰に分泌されてしまう病気です。
特に目頭の内側に毛が生えているトイプードルは、目への刺激で流涙症が起こりやすい傾向にあります。涙が過剰に分泌されていると感じたら早急に病院を受診することと、自宅では常に目の周りを清潔に保つことを心がけましょう。
外耳炎
トイプードルは耳が垂れていることと耳道にも毛が生えていることにより、耳の中に湿気が溜まりやすく、外耳炎を発症する傾向が高いとされています。
外耳炎とは、耳垢に細菌が繁殖して炎症を起こす病気です。トリミングで耳道の毛を抜いてもらったり、シャンプー時に耳の中に水が入らないようにしたりすることが外耳炎の対策となります。
水頭症
水頭症とは、頭蓋骨の内側に脳脊髄液が過剰に溜まり、脳が圧迫されることで歩行異常や神経症状を起こす病気です。
水頭症はトイプードルの他にも、チワワやマルチーズ、ポメラニアンなどの小型犬がよく発症するとされています。犬の水頭症は先天性のものが多いため予防法は確立されていませんが、発症しやすいとされている犬種を飼っている方は、行動に異常がないか日頃のチェックが大切です。
停留精巣
停留精巣とは、若いオスの小型犬に多いとされている病気で、生後6ヵ月を過ぎても陰嚢の中に精巣がない状態を指します。
精巣が陰嚢の中にない場合は、腹腔内の膀胱付近や後ろ足の内側のつけ根皮下にある場合が多く、陰嚢内よりも高温になりやすいので、中年齢を過ぎてから腫瘍化するケースもあるようです。停留精巣の腫瘍化を防ぐためには、停留精巣の摘出手術を行います。若いオスの小型犬を飼っている方は、ワクチン接種や診察の際によく診てもらいましょう。
気管虚脱
気管虚脱とは、気管が潰れて呼吸困難になってしまう病気で、トイプードルの他にもチワワやポメラニアン、ヨークシャテリアなどの小型犬でよく見られます。気管虚脱の発症原因が判明していないため特に効果的な予防法は確立されていませんが、肥満や吠え過ぎ、首輪による刺激を防ぐことが重要です。
また、咳が続いていたりガチョウが鳴くような音を出していたりする場合は、早急に病院を受診しましょう。
トイプードルを飼うメリット
トイプードルの飼育にはいくつかのデメリットがある一方で、メリットもあります。以下で紹介していきましょう。
カットスタイルを変えてオシャレを楽しめる
トイプードルには、テディベアカット、マッシュルームカット、ミツバチカットなどあらゆるカットスタイルがあります。
前述したようにトイプードルには定期的なトリミングが必要なため、このようなさまざまなカットスタイルにしてオシャレを楽しめる点がトイプードルを飼うメリットといえるでしょう。カットスタイルを提案する際は、担当のトリマーさんとしっかり打ち合わせをすることが大切です。
毛が抜けにくい
犬には、ダブルコートとシングルコートの犬種がいます。ダブルコートの犬種は上毛と下毛の2種類の被毛を持ち、換毛期に下毛が抜けることによって体温調節を行っています。
一方でシングルコートの犬種は下毛が発達しており、換毛期で毛が抜けることはありません。トイプードルはシングルコートであることと、抜けた毛があっても巻き毛に絡まり床に落ちにくいことから、毛の抜けやすい犬種に比べると室内の掃除は楽でしょう。
頭が良い
トイプードルは頭の良さも魅力のひとつです。前述したように、学習能力の高さゆえ悪知恵が働く場合もありますが、しっかりとしつけができればお座りやトイレの仕方などを他の犬種よりも早く覚えてくれるでしょう。自身でしつけをするのが不安な方は、パピー教室などを利用するのもおすすめです。
元気な性格で活発に活動する
身体は小さいトイプードルですが、とても元気な性格で活発に活動します。散歩や遊びが大好きで運動能力が高いことが特徴です。トイプードルの原種であるスタンダードプードルが元々水鳥用の猟犬だったことがルーツになっているのでしょう。
1日2回、30分ほどの散歩を毎日欠かさず行い、天候などによって散歩に行けない場合も室内でしっかり遊んであげましょう。
人見知りしない社交的な性格
トイプードルは社交的な性格で人見知りしにくい犬種のため、他の人や犬とも友好的な関係を構築することができます。
トイプードルにとって他の犬との交流がストレス発散になるので、散歩やドッグランの利用などで他の犬との触れ合いの時間を設けてあげましょう。しかし、個体差があるため、愛犬の様子を見ながら行ってください。
犬特有の臭いが少ない
トイプードルの被毛は他の犬種に比べて通気性が良いため、犬特有の臭いが少ないという点もメリットの1つです。とはいえ、皮膚炎を発症していたり長期間洗っていなかったりした場合は臭うことも当然あります。定期的なシャンプーやブラッシング、トリミングなどで清潔な状態を維持してあげましょう。
トイプードルに関するQ&A
ここでは、トイプードルに関するQ&Aを紹介していきます。トイプードルを飼っている方や飼うことを検討している方は必見です。
トイプードルは多頭飼いできる?
トイプードルは人懐っこく他の犬とも友好関係を築けやすい性格のため、他のペットがいても安心して家族に迎え入れることができるでしょう。
しかし、犬は多頭飼いによって遊び相手ができ嬉しい反面、飼い主との時間が減ってしまうとストレスになることもあります。トイプードルは人に甘えたい性格も持ち合わせているため、愛犬と触れ合う時間を大切にしましょう。
トイプードルの購入先はどこがおすすめ?
トイプードルを家族に迎え入れることを決めたら、どのような方法で購入するのかを考えましょう。基本的に犬を迎え入れる際は、ペットショップで購入する、ブリーダーから購入する、もしくは里親になるという選択肢の中から方法を選べます。以下でそれぞれの方法について詳しく紹介していきましょう。
ペットショップ
犬を飼いたいと思ったとき、まずはペットショップに行く方法を思いつく方が多いのではないでしょうか。ペットショップは気軽に見学に行けることが魅力といえるでしょう。また、ペットサロンやペットホテル、飼育グッズを購入できるショップが併設されている店舗もあり、愛犬をトータルサポートできます。
ブリーダー
ブリーダーとは、犬や猫の繁殖を行って販売している人のことです。ブリーダーのもとで親犬やきょうだい犬たちと生活していた子犬は、社会性を持ち成熟しやすいという特徴を持っています。また、飼育のプロであるブリーダーからその子犬に最適な育て方を教えてもらえる、育った環境を直接見られるという点も魅力といえるでしょう。
忙しくて犬舎に直接行けない場合は、オンラインで子犬情報を見られる「みんなのブリーダー」がおすすめです。ぜひ一度サイトをのぞいてみてはいかがでしょうか。
里親
犬を飼うことを決めたら、さまざまな事情によって保護され、新しい飼い主を待っている犬の里親になるという手段もおすすめです。各地で譲渡会が行われていたり、WEB上で里親募集をしていたりする場合があるのでチェックしてみましょう。
トイプードルを飼育するうえでの注意点は?
最後に、トイプードルを飼育するうえで気をつけることを紹介していきましょう。
運動不足に注意する
前述したように、トイプードルの種類は元々水猟犬であったので活発な活動や運動を好みます。そのため、運動不足はトイプードルにとってストレスの原因となるでしょう。トイプードルを飼育する際は、充分な散歩と飼い主による遊びで運動量を確保して、ストレスを溜めないようにする必要があります。
滑りにくい床にする
トイプードルは足腰が弱く、骨折や膝蓋骨脱臼を起こしやすい犬種のため、生活する場所の床の床材を滑りにくいものにしてあげましょう。
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また、他にもフローリングに滑り止めのマットを敷いたり、足裏の毛をこまめにカットしたりすることも滑りにくくなるためおすすめです。
おわりに
運動や遊びが大好きで、人懐っこく賢い頭脳を持ったトイプードル。かわいらしい見た目も仕草も魅力溢れる犬種です。トイプードルに限ったことではなく、それぞれの犬種には飼うデメリットが少なからず存在します。
それらを踏まえ理解したうえで犬を飼う決心をすることが大切です。ぜひこの記事を参考に、トイプードルに関してさらに理解を深め、家族の一員として責任を持って迎え入れてあげましょう。