家族の中に犬アレルギーを抱えている方がいる場合、犬を飼うことは不可能なのでしょうか。実は、そうともいいきれません。 あのオバマ元大統領の娘も犬アレルギーをもっていますが、ファーストドッグとして迎え入れた犬と暮らしても、問題が起きることはありませんでした。 この記事では、犬アレルギーに関するエピソードの他、アレルギーの原因や対策、アレルギーでも飼いやすい犬種などをご紹介します。
犬アレルギーをもっていても犬は飼える?
「犬を飼いたいが、家族に犬アレルギーの人がいるから飼えない」「犬を飼いはじめたら子どもが犬アレルギーだった」などいう話を聞いたことはありませんか?これから犬を飼おうと思っている方、子どもが犬を飼いたがっていて検討している方は特に心配なことですよね。
犬アレルギーのある方で犬を飼っている方はいます。犬を飼い始めてから、犬アレルギーが発症してしまうこともあります。そういった方たちの多くは、アレルゲンを最小限にするための工夫をすることで、犬との共生を可能にしているのです。
オバマ元大統領の娘もアレルギーもちだった!?
2009年~2017年前までアメリカ大統領を務めたオバマ氏の娘・マリアさんは、アレルギーもちだったことで知られています。そのため、ファーストドッグ探しは難航しましたが、最終的にオバマ家はポーチュギーズウォータードッグを選びました。この犬は「ボー」という名前でかわいがられ、その4年後には、同じ犬種のメスである「サニー」を新たに迎え入れています。
結果的にマリアさんは犬が原因でアレルギーに苦しむことはなく、アレルギーをもつ家族がいたとしても、犬との共存が可能であるという一例として注目されました。
犬アレルギーがあるとわかった人はどうしているの?
実際に家族に犬アレルギーをもっている人がいる、という方にお話を聞いてみました。
どのようなアレルギーの症状がでましたか
- 体中に蕁麻疹が出て腫れ上がった。特に目の周りがひどかった。(自分が発症)
- 実家で飼っていた犬に対してクシャミを頻発するので、調べたところ犬アレルギーが発覚した。(子どもが発症)
- 柴犬のいる我が家に孫がくると必ず、体のあちこちをかゆがるようになった。人懐こい犬だったが、孫の指や足をなめてしまい、その部分が赤くなることがなった。(孫が発症)
犬アレルギーの症状と検査方法
まずは、犬アレルギーの症状を知っておきましょう。あわせて検査方法や注意点についてもご紹介します。
犬アレルギーの症状
犬アレルギーの症状としてとくに目立つのが、くしゃみや咳、鼻水などの症状です。
さらに目の充血や痒み、皮膚の痒みや赤み、じんましんなどの症状も、犬アレルギーでは頻繁に見受けられます。
犬アレルギーは、犬に触れたあとだけではなく、犬に近付いたり、犬と同じ空間にいたりするだけでも症状が現れることが特徴的です。犬と過ごしたあとに高確率でこれらの症状が出るという場合には、アレルギーを疑わなければなりません。
できれば犬を飼う前にアレルギーの検査を
対策はありますが、同じ家に住みながら、アレルゲンを最小限に抑えるのは簡単ではありません。犬を飼う前に犬アレルギーかどうかがわかれば、それに越したことはないでしょう。病院でアレルギーの検査を受けることができるので、犬を迎える前に、問題がないかどうかを確認することをおすすめします。
アレルギー検査では、アレルギーの反応度を、1~7の「クラス」として示されることが多いです。クラスの数値が高ければ高いほど、強いアレルギー反応を起こすと考えられます。
血液検査・生体検査がある
アレルギーの検査においては、血液検査と生体検査が行われています。血液検査の場合、血液からIgEと呼ばれるタンパク質の一種を検出し、抗体の量を検査しながらアレルギーの有無を調べます。
一方の生体検査では、皮膚にアレルゲンを直接接触させ、アレルギー反応が出現するかどうかを確認するという検査方法になります。
どの犬に対しても同じ反応がでるわけではない
実家や友達の犬と接触してもまったくアレルギー反応が出なかったからといって、100%アレルギーがないとは判断できません。詳しくは後述しますが、毛が抜けにくい犬種の場合、それだけアレルゲンに触れる機会が減るため、症状が軽いか、出ない場合があります。身近な犬に反応しなかったからといって、ご自身が迎える犬種が安全であるとは言いきれないのです。
アレルギー検査陰性でも油断はできない
そのほかのアレルギーと同じように、犬アレルギーは、どのタイミングで発症するかわかりません。
現在は検査で陰性だとしても、数年後も陰性であり続けられる保証はどこにもなく、やはり安心しきることはできないのです。
犬アレルギーと猫アレルギーは別物
犬アレルギーだけど猫は平気という方、猫アレルギーだけど犬は平気という方がいます。犬猫両方のアレルギーをもつ方もいます。犬と猫の分泌する物質は違うため、この2つのアレルギーはまったくの別物なのです。犬アレルギーは、唾液や皮脂・フケに、猫アレルギーは、唾液や皮脂・肛門からの分泌物にアレルゲンが存在しています。
犬アレルギーだから猫を飼うことにした方や猫アレルギーだから犬にした、という方も少なくありません。結果、犬派だったけど猫派に、猫派だったけど犬派になった、という話もよく聞きます。もしアレルギー検査で陽性がでてしまったときには、そういった選択肢も検討してみることをおすすめします。
そもそも犬の何が原因なの?
続いて、犬の何が原因でアレルギーを引き起こすのかを解説します。重要なのは、被毛そのものがアレルゲンなのではなく、アレルゲンが被毛に付着しているに過ぎないという点です。
唾液
現在確認されているアレルゲンにおいて、「Can f1」と呼ばれる物質が、犬の唾液には多く含まれています。非常に細かな粒子であるCan f1は、毛づくろいすることで皮膚や毛に付着します犬アレルギーの主要アレルゲンであり、犬アレルギーのほとんどの方がこの物質に反応しています。
尿
唾液と同じように、尿もアレルゲンになることが確認されています。犬の尿が直接肌に触れることはあまりないかもしれませんが、室内にトイレなどを置いていると、尿に含まれるたんぱく質が渇いて長時間空気中を浮遊します。このたんぱく質から成るCan f1がアレルゲンとなるのです。オスの犬の尿は、前立腺由来のCan f5というアレルゲンも含んでいます。
フケ
犬のフケには、Can f1およびCan f4が含まれます。室内で飛散しやすく、粘着性もあるため、床やカーペット、壁、家具などに付着します。
主なアレルギー対策
アレルギーを完全に避けることは困難ですが、対策方法はいくつかあります。もしも発症してしまったら、次に挙げる対策を実行しましょう。
犬との距離を保つ
第一にできる対策は、犬との物理的な距離を取ることです。具体的には、次の方法を選ぶと効果的です。
犬の立ち入り禁止区域を作る
寝室やダイニング、子ども部屋など、多くの時間を過ごす場所に犬を入れなければ、アレルギーの発症を抑えられます。反対に、犬が自由に遊べるスペースに人間が立ち入ることも避けましょう。
むやみに犬に顔や手足を舐めさせない
アレルゲンは唾液に含まれているので、犬に顔や手足を舐めさせてしまうと、症状が現れる可能性が高まります。舐めることは犬の愛情表現のひとつでもありますが、ここはぐっとこらえて犬にやめさせなくてはならないでしょう。
こまめに自分の手を洗う
付着したアレルゲンを素早く取り除くために、こまめに自分の手を洗うことも、アレルギー対策の一環になります。
犬を清潔に保つ
犬を清潔に保つことも、有効な対策のひとつです。以下の点に特に気を配り、対策を強化しましょう。
こまめにブラッシングする
ブラッシングの機会を増やせば、毛の飛散を防ぎやすくなり、アレルゲンを吸い込んでしまうリスクが少なくなります。
適度にシャンプーをする(頻繁すぎても逆効果)
適度なシャンプーによって、皮層や脂漏の発生を抑えられます。
ただし、過度なシャンプーでバリア機能を剥がしてしまうと、肌を守るためにフケが発生しやすくなり、逆効果です。
犬に服を着せる
犬も裸のまま走り回っていると毛があちこちに飛散しますが、服を着ていればその中で収まるものも多く、飛散が限定的になります。
フードやサプリで犬の皮膚疾患を予防する
犬が皮膚疾患を起こしている場合、アレルゲンを飛散させやすくなってしまいます。
その問題を防ぐためには、フードやサプリで栄養のバランスを取ることが効果的です。
皮膚疾患を発症してしまったときには、すみやかに動物病院での治療を受けさせましょう。
部屋を清潔に保つ
室内の環境を改善させることも、立派なアレルギー対策です。
以下の点は、特に犬の居住空間を重点的に行いましょう。
空気清浄機をつけっぱなしにする
空気清浄機は、有害な物質の排除に役立ちます。集じん能力の高い空気清浄機なら、犬の抜け毛やフケなども吸じんしてくれます。アレルギーに対しても効果的なので、つけっぱなしにしましょう。
部屋をよく換気する
空気清浄機を使っていても、それだけでは新しい空気を取り込めません。定期的に窓を開けるなどの対策を行い、部屋の換気性を高めてください。
こまめに掃除機をかける
部屋の中に落ちているアレルゲンが付着した毛を除去するために、犬が遊んだあとなどは、こまめに掃除機をかけて対処しましょう。
布製品は定期的に洗濯する
クッションカバーやマットなどの布製品にはアレルゲンが付着しやすいため、丸洗いできるものを選び、定期的に洗濯するといいでしょう。
毛が抜けにくく、アレルギーを起こしにくい犬種
オバマ元大統領のように、アレルギーを起こしにくい犬種を迎え入れることもおすすめです。
どんな犬種を選べばアレルギーが起こりにくいのか、具体的に見ていきましょう。
AKC(アメリカンケネルクラブ)は以下の犬種などを紹介している
世界最大級の動物愛護団体として知られる「アメリカンケネルクラブ」では、アレルギーを起こしにくい犬種を紹介しています。
AKCからのお墨付きを得ている犬種は、以下のとおりです。
トイプードル
高い人気を維持しているトイプードルは、抜け毛の量が少ないことが特徴的で、アレルギーのリスクを一定以下に抑えられます。
ビションフリーゼ
フランス原産で、マルチーズをルーツとしてもつビションフリーゼも、脱毛しにくくアレルギーになりにくい犬種として指定されています。
マルチーズ
毛の量は比較的多いマルチーズですが、抜け毛そのものは少ないため、毛の飛散によるアレルギーも低リスクです。
ミニチュアシュナウザー
ネズミ狩りの名手として知られるミニチュアシュナウザーも、アレルギーを発症しにくい犬種とされています。
ポーチュギーズウォータードッグ
オバマ元大統領一家もパートナーに選んだポーチュギーズウォータードッグは、脱毛が少なく、アレルギーになりにくい犬として一躍有名になりました。
アフガンハウンド
端正な顔立ちが人気のアフガンハウンドは、長い毛が印象的な犬種ですが、意外にも脱毛しにくく、アレルギーが心配な方にもおすすめの犬種です。
まとめ
犬アレルギーをもっていると、犬を飼うことは困難に感じるでしょう。しかし、さまざまな対策を行い、リスクの少ない犬種を迎え入れれば、症状を緩和することは可能です。ただし、アレルギー反応が重度な場合には、このような対策だけでは十分ではない場合もあります。犬を飼う前に病院でアレルギーの検査を受けておくことをおすすめします。
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