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オゾン除菌の効果は?基本的なメカニズムからメリットデメリットまで徹底解説

オゾン除菌の効果は?基本的なメカニズムからメリットデメリットまで徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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オゾン層で知られるのがオゾンです。酸素原子3つからなるオゾンには、高い除菌効果があると、今注目を集めています。今回の記事では、感染症対策や花粉症対策におすすめのオゾン除菌のメカニズムや、オゾン除菌装置を使う際の注意点、おすすめ商品などを紹介します。オゾン除菌は、脱臭やカビ予防にも効果的です。お部屋の臭いが気になる、カビ対策をしたいという方も、ぜひチェックしてみてください。

1.まずはオゾン除菌のメカニズムを解説!

ずはオゾン除菌のメカニズムを解説!

オゾンで除菌ができるのはなぜなのでしょうか。まずは、オゾン除菌のメカニズムについて解説します。

1-1.オゾンってそもそも何?

そもそもオゾンとは、化学式で酸素はO2、オゾンはO3であることから分かるように、3つの酸素原子からなる酸素の同素体です。ギリシャ語のOzein(臭う)を語源とし、特有の臭いを持っています。

自然界では、大気中の酸素に太陽の紫外線が作用することで作られます。オゾンでよく知られるオゾン層は、地球の上空20〜30km付近に存在しており、濃度は10〜20ppmです。オゾンは、上空に限らず、地上付近においても、太陽の紫外線による作用で生成されています。濃度は、都市部で0.005ppm程度、晴天時の海岸や森林で0.02〜0.05ppmといわれています。

1-2.オゾンで除菌できるのはなぜ?メカニズムを解説

オゾンには酸化作用があり、医療や食品、農業などの分野において、除菌や殺菌、ウイルスの不活性化、脱臭、有機物の除去などに用いられています。では、なぜオゾンで除菌や脱臭などが可能なのでしょうか。ここでは、そのメカニズムについて解説します。

オゾン(O3)は、菌や臭いの物質に反応すると、酸素原子3つのうちの1つを分離させ、酸素(O2)になろうとします。すると菌や臭いの物質は、分離したオゾンの酸素原子と融合し、酸化させられ、破壊されるのです。これが、オゾンが除菌や脱臭をするプロセスです。

菌や臭いが破壊された後に残るのは、酸素のみ。つまりオゾンは菌やウイルス、臭いの分子などと反応すると、酸素に戻るのです。また、菌やウイルスに反応しなかったオゾンも、時間が経つと自ら酸素に戻る性質があります。そのため、オゾンを発生させ続けても、濃度が上昇し続けることはありません。

このように除菌力が高く安全性も高いことから、医療機関や飲食店、介護施設や保育園などでもオゾンによる除菌や脱臭が行われています。また、オゾンを発生させるオゾン除菌装置を、家庭で用いる方も増えています。

1-3.空気清浄機とはどう違う?

オゾン除菌装置は、多くの家庭で使われている空気清浄機とどのように違うのでしょうか。空気清浄機は、空気中の微粒子といった異物を、フィルターによって除去します。そのため、フィルターに吸着しなかった菌やウイルス、臭いは除去することができません。一方オゾン除菌装置は、空気中に浮遊している菌やウイルス、臭いの成分をオゾンの持つ強い酸化力で分解し、空気を浄化します。

また、ドアノブやテーブルなどに付着した菌やウイルスなども分解するのが特徴です。オゾン除菌装置には、集塵機能はないので、フィルター交換の必要はありません。

2.オゾン除菌のメリットは? 

2.オゾン除菌のメリットは? 

ここでは、オゾン除菌のメリットを解説していきます。

2-1.ウイルスや菌の除去

オゾンは、菌を除菌し、ウイルスを不活性化するメリットがあります。そのため、部屋にオゾン除菌装置を置くことで、感染症のリスクを軽減することが期待できるでしょう。また、帰宅後の衣類にオゾンを直接あてることで、コートやスーツに付着した菌の抑制にもつながります。

飛んでいる菌やウイルスの分解のみではなく、よく触るドアノブやテーブル、イスにも効果的です。衣類と同様に、菌やウイルスなどが付着しやすい手が触れる家具などの部分も徹底的に分解してくれます。まさにニューノーマル時代にぴったりの除菌方法といえるでしょう。

2-2.花粉を不活性化 

オゾンの酸化作用により、花粉の膜壁を破壊して不活性化させることができます。大気中に浮遊している花粉は、30μm(1μmは1mmの1000分の1)以下の小さな粒子です。オゾンは、そのような小さな微粒子も分解し、除去してくれます。そのためオゾン除菌装置は、花粉の季節にも活躍してくれるでしょう。花粉症にお悩みの方はオゾンで対策するのもひとつの手といえます。

2-3.脱臭

オゾン除菌装置は脱臭にも効果的です。臭いの原因は菌にあります。オゾンには、菌や臭いの成分を分解して、空気を浄化する作用があります。そのため、根本的な臭いの原因を除去して脱臭してくれるでしょう。部屋干しの気になる臭いや、空気がこもりがちな押入れやクローゼットの消臭にもおすすめです。

2-4.カビ発生の予防

オゾンは、カビが出す胞子を分解することができます。そのため、オゾンは、梅雨シーズンに気になるカビ対策にも活躍します。発生してしまったカビを除去することはできませんが、カビ繁殖を予防する効果が期待できるでしょう。オゾン除菌装置は、湿気が溜まりやすいクローゼットや下駄箱などでのカビ発生予防におすすめです。

2-5.虫が住み着きにくい環境へ導く

オゾンは、臭いを分解してくれる性質があります。そのため、体臭や糞尿をあちこちに付けて活動する害虫にも効果的です。

虫はフェロモンや臭いを付けて、虫にとって居心地の良い環境にしようとします。オゾンでこの臭いを分解できれば、害虫にとって住みにくい環境を作れるのです。殺虫まではできませんが、害虫駆除で薬剤の使用をなるべく避けたい方は、普段からオゾン除菌装置を取り入れておくことで、害虫の忌避効果が期待できるのは嬉しいポイントといえます。

2-6.機能性抜群

オゾン除菌装置は、家庭用電源でも使用可能です。操作が比較的簡単なため、すぐに取り入れられるでしょう。薬剤などを使用せず、電気の力だけでオゾンを生成するので、薬剤のコストが掛からず経済的かつ機能的です。

また、オゾン除菌装置はコンパクトサイズのものもあり、置き場所を選ばず設置しやすいでしょう。

3.オゾン除菌のデメリット

3.オゾン除菌のデメリット

メリットの多いオゾン除菌ですが、使用する際には注意点も知っておく必要があります。ここでは、オゾン除菌のデメリットをみていきましょう。

3-1.人体に影響を及ぼす可能性あり

空気中にある、オゾンの濃度が0.1ppm以下であれば、人体にほとんど悪影響はありません。しかし、0.1ppmを超えてしまうと、人体に影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。0.1ppmを超えると、のどや鼻に刺激を感じることがあります。0.2ppm〜0.5ppmでは、視覚低下の症状が出る危険性もあります。1ppmに達すると、気道に違和感が出始め、頭痛や胸部痛、咳が出るようになります。

3-2.ハイコスト

オゾン除菌装置は、初期費用としてコストが掛かる点はデメリットかもしれません。オゾン除菌装置の相場は、20,000円〜300,000円ほどです。業務用で広範囲に使えるものは、500,000円ほどのものもあります。このように、適用範囲やオゾン発生量などによって価格が異なるのが特徴です。機器の購入時は初期費用が掛かりますが、除菌と脱臭が同時に行えるため、近年購入する方は増加傾向にあります。

3-3.腐食しやすい物質あり

オゾン除菌のデメリットには、生活に大きく関わりのある物質を腐食するという点も挙げられます。例えば、オゾンを使用することで、プラスチックやゴムが腐食しやすくなるのです。酸素原子からなるオゾンは、強力な酸化作用をもっています。そのため、プラスチック製品やゴム製品の亀裂やひび割れを発生させる原因になってしまう可能性があります。

4.オゾン除菌装置を使用する際の注意点

4.オゾン除菌装置を使用する際の注意点

さまざまな理由から選ばれているのがオゾン除菌です。ここでは、オゾン除菌装置を使用する際の注意点をみていきましょう。

4-1.濃度管理をきちんと行う

オゾン除菌装置を使用する際には、濃度管理をきちんと行うことが大切です。オゾン濃度が0.1ppmを超えると、のどや鼻などに違和感が出始めます。そのため、室内のような限られた空間で、オゾン除菌装置を使用するときには、オゾン濃度が人体へ影響しない値に設定することが大切です。オゾン除菌装置は、製品ごとに推奨適用範囲に合わせた、オゾン発生量となるよう設計されています。きちんと部屋の広さにあった、オゾン除菌装置を選びましょう。

4-2.適度に換気を行う

オゾン除菌装置を使用すると、独特な臭いが発生する場合もあります。そのため、オゾン除菌装置を使うときには、換気をしながら使いましょう。ほとんどのオゾン除菌装置は、人体に影響が出るほどの高濃度になることはありませんが、空気中のオゾン濃度が高くなり過ぎると、臭いが強くなり気分が悪くなることもあります。そのためにも、こまめな換気が大切です。 

5.オゾン除菌装置の上手な選び方

5.オゾン除菌装置の上手な選び方

オゾン除菌装置は、用途に合わせて上手に選ぶことで快適空間に導いてくれます。ここでは、オゾン除菌装置を選ぶ際のポイントを紹介しましょう。

5-1.用途にあったアイテムを選ぶ

オゾン除菌装置には、家庭用や業務用、車用などの使う場所にあったタイプの装置があります。また、「強力に除菌したい」「すばやく脱臭したい」「カビ予防をしたい」など、用途に合わせて、さまざまな機能やサイズの商品が幅広く展開されてます。使いたいシーンを想像し、用途にぴったり合ったものを選びましょう。

5-2.有人か無人かもチェックして選ぶ

オゾン除菌装置は、人がいても使える有人タイプと、人がいないところで使用する無人タイプのものがあります。無人下での使用を想定しているものは、オゾン濃度が高く設定されています。強い殺菌や脱臭、洗浄力を求める場合は、無人タイプのものがおすすめです。日常的に部屋で使う場合には、オゾンの濃度が低く設定された有人タイプを選びましょう。

5-3.適応範囲を確認して選ぶ

オゾン除菌装置は、使用する室内の広さに合わせて選ぶ必要があります。一気に除菌や脱臭がしたいからといって、推奨範囲よりも狭い空間で、高濃度のオゾンを発生させることは危険です。機器によって適応範囲が異なるため、購入する際には、使用する部屋の大きさを事前に確認しておきましょう。

5-4.電源タイプを考慮して選ぶ

オゾン除菌装置は、電源のタイプもさまざまです。コンセントのある場所ならコンセントタイプを、コンセントのない場所や外出先で使うならUSB充電タイプや乾電池タイプを選びましょう。結露などの心配がある場所で使用するなら充電タイプが、クローゼットや靴箱で使うなら乾電池タイプがおすすめです。

6.オゾン除菌装置おすすめ3選

6.オゾン除菌装置おすすめ3選

最後に、オゾン除菌装置のおすすめ商品を紹介します。さまざまなメーカーから、用途に合わせたオゾン除菌装置が展開されているので、ぜひチェックしてみてください。

6-1. Lyon3.0/タムラテコ

医療機器メーカーが作る、オゾン除菌・消臭器「Lyon3.0(リオン3.0)」。空気中に浮遊する、菌やウイルス、花粉などのアレルゲンを、オゾンと紫外線が不活性化してくれます。また、ドアノブや床などに付着する、菌やウイルスなども除菌してくれる優れものです。こちらは殺菌消臭機器の業界大手メーカー、株式会社タムラテコの製品です。

くらしのセゾンは、タムラテコグループ(株)Deportの正規販売代理店です。くらしのセゾンではこの他にも、軽量で場所をとらないコンパクトサイズのものや、人感センサー付きのものなど、さまざまなオゾン発生器に対応しウイルス対策をしています。

セゾンのオゾン発生器の詳細はこちら

6-2. OZONEO/maxel

放電により生成したオゾンをファンによる風で部屋に広げてくれるのが「OZONEO(オゾネオ)」です。部屋の広さに応じてオゾン風量を選べる設計になっています。デジタル温湿度計で快適空間をサポートしてくれるタイプやアロマディフューザーモード搭載のものなど、さまざまな種類から選べるのも嬉しいポイントです。

6-3.PLAZION/FUJITSU

「PLAZION(プラズィオン)」は低濃度オゾンとプラズマイオン、フィルターで浮遊ウイルスを素早く吸引、抑制してくれます。低濃度オゾンを放出して、部屋に染みついた臭いを分解します。部屋干しの洗濯物やカーテン、ソファーなどの布製品に付着した臭いも除去してくれるおすすめ商品です。

おわりに 

すばやく除菌や脱臭ができる、オゾン除菌の仕組みやその効果について紹介しました。除菌効果が高く、安全性も高いのがオゾン除菌です。感染症対策や部屋の脱臭の他、花粉症やカビ対策にもおすすめです。空気清浄機では取りきれない、菌やウイルス、臭いをしっかり分解してくれるでしょう。オゾン除菌装置を購入するときには、使用用途に合ったものを選び、換気をしながら使いましょう。きっと快適空間に導いてくれるはずです。

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