集中豪雨に備えて「今できる」こととは?知っておくべき基礎知識と対策グッズを解説

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集中豪雨に備えて「今できる」こととは?知っておくべき基礎知識と対策グッズを解説

近年、毎年のように日本各地で発生している集中豪雨。発生した地域では、浸水被害や土砂災害など深刻な災害に見舞われています。集中豪雨はいつどこで起こるか予測ができないため、「明日は我が身」と考え日頃から備えておくことが大切です。この記事では、集中豪雨の基礎知識をはじめ、事前に準備できる対策グッズや危険を軽減するためのポイントを紹介していきます。さらに、避難時の服装についても解説していますので、ぜひチェックしてください。

1.集中豪雨の基礎知識を知ろう

そもそも集中豪雨とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、集中豪雨の基礎知識について解説していきます。

1-1.集中豪雨とは

集中豪雨とは、「同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨」と気象庁では定義されています。イメージとしては傘が全く役に立たず、水しぶきで視界が真っ白になるほどの雨といった感じです。大量の雨をもたらす集中豪雨は、重大な災害発生の危険もあります。

気象庁が公開しているデータによると、2012~2021年の間で発生した1時間に50㎜以上の雨は、年間平均で約327回。これは1976~1985年の平均回数約226回の約1.4倍で、徐々に増えていることが分かります。集中豪雨は狭い地域に限定して発生するため予測することは大変難しいとされていますが、激しい雨の降る頻度が増加傾向にあることを踏まえ、災害に備えておくことが大切です。

参照元:気象庁|降水気象庁 | 大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化

1-2.集中豪雨によって発生する二次災害

集中豪雨は、あらゆる二次災害を引き起こす恐れがあります。そのうちの1つが、「氾濫」です。

氾濫とは河川が雨により増水し、堤防が決壊して河川から水が溢れた状態を指します。河川の周辺地域へ急激に濁流が流れ込み、大変危険です。さらに、氾濫が起こると住宅などの建物が水に浸かる「浸水」にも繋がります。

このほかにも集中豪雨では、斜面や谷に溜まっていた土砂が雨の水と混ざって、いっきに下流へ押し出される「土石流」や、地盤がゆるみ斜面が崩れ落ちる「がけ崩れ」などへの警戒も必要です。また、比較的ゆるい傾斜面でも、地面がゆっくりとすべり落ちていく「地すべり」が起きる可能性もあります。家や田畑を乗せた状態で地面の塊が動いていくので、一度発生すれば広い範囲に被害が及ぶ現象です。

1-3.近年多発する集中豪雨災害の事例

近年発生した集中豪雨災害の事例を紹介します。

・西日本豪雨(2018年)

2018年6月28日から停滞し西日本に南下した前線と、6月29日に発生した台風7号により、西日本の広範囲で記録的な大雨が降りました。気象庁は、中部・近畿・中国・四国・九州地方の1府10県へ向けて特別警報を発令。なかでも四国地方は、6月28日~7月8日にかけて1,800㎜という記録的な総雨量となりました。河川の氾濫による甚大な浸水害や土砂災害などが広範囲で起こり、それにともなう人的被害として224名が亡くなりました。各地で停電や断水などが発生するなど、ライフラインへの影響もありました。

・九州北部豪雨(2019年)

2019年8月27日~28日にかけて湿った空気と前線の影響により、九州北部で記録的な大雨が発生。気象庁からは、福岡県・長崎県・佐賀県に向け大雨特別警報が発令されました。福岡県と長崎県の48時間降水量が300mm、佐賀県においては500mmを記録しています。この雨で4名の死者が出たほか、河川71ヵ所で堤防が決壊し、市街地ではマンホールなどから水が逆流する内水氾濫に見舞われました。また、浸水被害により佐賀県の病院でスタッフや患者約200名が3日間孤立。海上自衛隊が出動し、応援の看護師をゴムボートで送るなどの救助活動が行われました。

2.万が一に備えて!事前にしておくべき集中豪雨対策

集中豪雨はいつどこで発生するか分かりません。そのため、日頃から準備しておくことが大事です。

2-1.大雨対策グッズを準備する

大雨で水害が起こることを想定して備えておきたいものをまとめました。

・土のうや止水板

豪雨や災害時に家の玄関・マンションのエントランス・地下鉄の入り口などに設置し、水の侵入を防ぎます。

・ゴミ袋や段ボール

水害時には、風呂場やトイレ、洗濯機の排水口などから水が噴き出る恐れがあります。水の逆流を防ぐために、ゴミ袋と段ボールを活用して「水のう」を作りましょう。

・非常用持ち出し袋

近隣で氾濫やがけ崩れが起こった場合は、避難所などへ避難することも考えられます。万が一に備えて必要最低限の食糧や生活用品などをまとめた非常用持ち出し袋を用意しておくと安心です。

このほかにも、ライフラインが止まった時のためにガスコンロや数日分の飲み物・食料、非常用トイレなどを備えておくと良いでしょう。

2-2.ハザードマップを確認する

日頃から自宅や勤務先の周辺をハザードマップで確認しておきましょう。ハザードマップとは、過去に起こった災害の被害状況をもとに、大規模自然災害が発生した時の被害状況を予測し、地図に記載したものです。ハザードマップには土砂災害に見舞われる危険性のある地域や、河川が氾濫した時に浸水のリスクがある地域などが示されています。それらの情報をあらかじめ知っておくことにより、早めの避難行動や危険回避のための移動が可能です。

国土交通省のポータルサイトでは、以下の2つのハザードマップが提供されています。

重ねるハザードマップの詳細はこちら

わがまちハザードマップの詳細はこちら

ただし、ハザードマップの過信は禁物です。ハザードマップに危険な地域と記されていない場合でも「危険地域じゃないから大丈夫!」などと安心せず、状況に応じて早めの避難行動をとりましょう。

2-3.自宅に危険なところはないかチェックする

集中豪雨が起こった時に、自宅で危険になりそうな問題点があれば事前に解消する、もしくは備えておきましょう。例えば、自宅の窓や雨戸の鍵がきちんと閉まるか確認し、必要に応じて補強をしておくと安心です。台風が近づいていれば窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っておくことで、強風による飛来物からの被害を軽減できます。ベランダや庭に置いてある風で飛ばされそうな物は固定するか家の中にしまっておきましょう。また、自宅の側溝や排水溝をこまめに掃除しておくと、排水の流れが良くなるため浸水予防にもなるでしょう。

2-4.日頃から天候の変化に注意する

集中豪雨は、梅雨の終わる時期など日本付近で前線が停滞している時になりやすいといわれています。また、台風の接近や上陸時にも集中豪雨が起こる傾向にあるようです。これらの条件に該当する時には十分注意しましょう。

集中豪雨は、積乱雲によって引き起こされます。積乱雲は、短時間で急速な発達を遂げるため正確な予報は難しいのが現状です。そのため、天気予報で「大気の状態が不安定」「天気が急変する可能性」などと表現されている場合は、集中豪雨の可能性を視野に入れて警戒しましょう。集中豪雨の直前の前兆には、空が真っ暗になり雷鳴や稲妻が起きるなどの現象があるといわれています。危険となりそうな場所にいる場合には、早めに避難行動をとりましょう。

2-5.避難ルートを確認しておく

集中豪雨は短時間で大雨が降るため、普段歩いている道でも浸水が起きてあっという間に通れなくなることがあります。そのような時でもスムーズに避難できるよう、事前に浸水しやすい場所を確認し、安全に通れる道を探しておくようにしましょう。いざという時に慌てないよう、実際に避難ルートを歩いて確認するのもおすすめです。さらに、避難経路を1つに絞らず複数知っておくとより安心です。

2-6.避難グッズを用意しておく

集中豪雨による災害を想定して、避難グッズを用意しておくと安心です。避難グッズには以下のものをまとめておき、いつでも取り出せるようにしておくと良いでしょう。これらは、あくまで一例です。ご自身や家族が避難時に必要となりそうな物を確認して用意しておきましょう。

  • 現金(紙幣だけでなく硬貨も用意)
  • 貴重品(印鑑・預金通帳・健康保険証・身分証明書など)
  • 携帯ラジオや懐中電灯
  • 電池
  • 日用品(メガネ・コンタクトレンズ・ウェットティッシュなど)
  • 非常食
  • 飲料水
  • 救急医療品(常備薬・ばんそうこう・包帯・生理用品・お薬手帳など)
  • 衣類

2-7.防災気象情報の主な入手方法を知っておく

災害発生時や災害発生の恐れがあるときには、最新の情報や出されている警報など正しい情報を迅速に得ることで命を守る行動に繋げられます。気象情報や河川の水位などを早めに知るためにも、日頃から情報の入手方法を確認しておきましょう。

警報はテレビやラジオ、市町村の防災無線放送で伝えられています。また、気象庁WEBサイトや国土交通省防災情報提供センターの携帯電話用サイトでは、市町村ごとに出される警報や必要な防災気象情報を確認することができます。スマートフォンやパソコンなどを用いて手軽に情報収集が可能です。

3.もしも災害が発生したら!気を付けたい安全対策

実際に災害が起こってしまったとき、どのような行動をとれば良いのでしょうか。ここでは、災害発生時に気を付けるべき安全対策についてお伝えしていきます。

3-1.安全に避難できる服装にする

水害避難時の服装は、動きやすいものを選びましょう。ケガのリスクも考え、肌の露出が少なくなるよう長袖・長ズボンを着用しましょう。アウトドア用の防水加工が施された服も避難に適しています。

靴は履き慣れたスニーカーで良いですが、紐でしっかりと締められ、ガラスの破片などによるケガを防げる厚底のものがおすすめです。水に強いイメージのある長靴は、水が入ってしまった場合に歩行困難となるため避けてください。

風で飛んできたものや転倒に備えて帽子や防災頭巾、ヘルメットを被りましょう。避難時の荷物はリュックに入れて両手を空けておきます。荷物が重すぎると避難スピードが遅れる恐れがありますので、最低限のものを入れるようにしましょう。

避難所への移動が難しい場合は、自宅の中でも安全な場所に移動しましょう。山側ではなく、2階以上の場所が良いでしょう。また建物が倒壊・浸水した場合、救助までの時間が長くなる可能性があります。低体温症になることも想定し、防寒具や軍手なども用意しておきましょう。

3-2.危険な避難ルートを避ける

避難する時はハザードマップを確認し、危険な場所を避けたルートを選びましょう。

河川や渓流、用水路などは、激しい雨が降ることで数分から数十分で危険な水位となる場合もあります。絶対に近づいてはいけません。浸水や冠水の恐れがある低地も避難ルートからは外しましょう。加えて、山側の土砂災害発生が想定される土砂災害危険区域(危険箇所・警戒区域など)も、通らないようにしましょう。

また、地下や半地下などの場所は、浸水による水圧で扉が開かなくなり逃げ遅れるリスクがあるため、避難ルートに選ばないようにしましょう。冠水している道路も、足元がよく見えずマンホールの蓋が外れていて吸い込まれたり転落したりする可能性があります。

3-3.水のうを作って浸水を防ぐ

家の中への浸水を防止するために使用する水のうは、家にあるもので簡単に作ることができます。

水のうを作るのに必要なものは、45L程度のゴミ袋と水だけです。ゴミ袋を二重にしてゴミ袋の半分程度まで水を入れ、袋の中の空気を抜いて口をしっかりと結んだら完成です。家の入り口に置いて浸水を防ぐほか、トイレや洗濯機の排水口に置いて下水の逆流を防ぐこともできます。

さらに段ボールと組み合わせると、止水壁にもなります。設置したい場所に段ボールを置き、その中で水のうを作れば持ち運びの必要もなく、使う段ボールによって高さも調節可能です。段ボールは濡れても簡単には破れません。

水のうは、水に流せば簡単に片づけられ、使用したゴミ袋も再利用できるなど手軽で無駄のない点がメリットです。浸水時に使われる土のうよりも簡単に扱えるため、ぜひ作り方と使い方を覚えておいてください。

参照:草加市|水のうで我が家を守ろう!

3-4.災害情報をチェックする

災害時は、気象情報や被害状況などをいち早く知るための情報収集が必要です。気象庁が災害時に発令する1〜5段階の警戒レベルは、対策や避難が必要であるかの判断材料になります。

SNSなどで流れてくる誰が発信したのか分からない情報は、憶測や間違った情報も多いため信頼しすぎるのは危険です。気象庁のほかにも政府・都道府県庁・市区町村役場といった信頼できる情報元から情報を得るようにしましょう。公的機関の多くはSNSで情報発信を行っているため、日頃からフォローしておくことをおすすめします。

また、情報収集の方法は1つに絞らないようにしましょう。1つの情報源のみを頼りにしていると、その情報が誤りであった場合、取り返しのつかないことになりかねません。どの情報が正しいのかをジャッジするためにも、複数の公的機関からの情報を確認するようにしましょう。

おわりに 

突発的に発生し、大きな被害をもたらす集中豪雨は、いつどこで起こってもおかしくありません。被災した時に困らないように、日頃から対策を講じておくことが大切です。避難グッズの用意やハザードマップの確認、防災気象情報の入手方法の確認など事前に準備できることはたくさんあります。この記事を参考に、ぜひ防災対策に取り組んでみましょう。

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